新築で家を建てるとき、「子どもを安心して育てられる環境を選びたい」と考える方は多いでしょう。「学校や病院、公園が近い場所がいいけど、土地価格が高すぎるのは困る…」
「治安や自然環境、子どもにとっての暮らしやすさを重視したい」このようなお悩みはありませんか?
今回の記事では、子育て世帯の土地選びについてご紹介します。子育て世帯にとって土地選びは家の間取り以上に重要なポイントになります。
子育て世帯におすすめの土地選びのポイントは、「生活利便性」「安全性」「将来性」の3つです。子育て世帯が土地探しを成功させるために押さえておくべきチェックポイントを詳しく見てみましょう。
ここから、さっそく子育て世帯の土地選びについて失敗しないための重要ポイントを3つご紹介します。
子育て世帯の土地選びでは、まず交通の利便性をチェックしましょう。通勤や通学、通院・買い物など、家族全員の生活がスムーズにできるか具体的にイメージしましょう。
最寄り駅まで徒歩10分圏内であれば、通勤や通学に便利で資産価値も安定しやすいといわれています。鉄道の駅が遠い場合は、バス路線や自転車のルートも確認しましょう。ルートの確認の際は、子どもを連れて安全に移動できるかも重要なチェックポイントです。
住宅の前の道路が交通量の多い幹線道路だと、子どもの飛び出しや騒音が心配だという方が多いようです。生活道路として静かで見通しの良い道がある場所が安心です。
地方や郊外の場合、車が生活の中心になることも。将来2台以上の車を持つことを考えて、ゆとりある駐車スペースが確保できる土地かどうかもチェックしておきましょう。
交通の便は、日々の暮らしのストレスを大きく左右する要素です。今のことだけでなく、将来子どもが自分で通学・通塾する年齢になったときのことも想像しながら、アクセス環境を見極めましょう。
次にチェックしておきたいのが、教育環境の充実度です。子育て世帯にとって、安心して子どもを預けられる教育機関が近くにあるかどうかは、日々の暮らしの質に直結します。
特に以下のポイントを確認してみましょう。
徒歩15分以内が理想です。あまりに遠いと、毎日の通学が負担になるだけでなく、登下校中の安全性も心配と感じる方もいるようです。
近くの保育園・幼稚園がどのような状況なのか気になる方も多いでしょう。人気エリアでは待機児童が出ることもあるようです。入居予定の自治体の保育施設の数や入園倍率、保育料の違いなども事前に調べておきましょう。
共働き世帯の場合、学童の有無や定員数も重要な要素です。学童が充実していれば、放課後も安心して預けることができます。
教育施設の近さはもちろん、地域の教育支援体制や、子どもに関わるコミュニティの雰囲気も確認するとより安心です。オープンスクールや地域の子育て支援センターの活用もおすすめです。
最後の3つ目のポイントは、自然環境や遊び場の充実度です。子どもは屋外でのびのびと遊ぶことで、心身ともに健やかに成長するといわれています。日々の暮らしの中で気軽に自然に触れられる環境があると、親子の時間もより豊かなものになります。
以下の観点でチェックしてみましょう。
小さな子どもと歩いて行ける距離に公園や緑地があるかどうかチェックしましょう。公園の遊具は安全なものか、日陰やベンチ、水飲み場、トイレの有無なども確認しておくと使いやすいかどうかを確認できます。
川沿いの散歩道、里山、田畑など、自然が感じられる場所が近くにあると、子どもにとって貴重な体験になります。虫取りや水遊びができる場所は、季節ごとの遊びの幅を広げてくれます。
大通りや工場地帯のそばは、排気ガスや騒音、においなどが気になる場合もあるようです。静かで空気のきれいな住宅地は、子どもの健康にも良い影響を与えてくれます。
そのほかにも、近所に同年代の子どもがいるかも確認しておくといいという声が聞かれました。気軽に一緒に遊べる友達が近くにいることで、子どもも自然と地域に溶け込んでいけるでしょう。
ここまで土地選びの重要な3つのポイントについてご紹介してきましたが、予算との兼ね合いなどから迷うことも多くあるでしょう。
ここからは、子育てに最適なエリア選びのポイントについて具体的にご紹介します。
子育て世帯の土地選びで最初に悩むのが、「利便性の高い駅近」か、「自然が多く広い土地が手に入る郊外」かという選択です。どちらにもメリット・デメリットがありますが、選ぶポイントとしては、自分たち家族のライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
それぞれのメリット・デメリットについて詳しく見てみましょう。
駅近エリアのメリットとして、電車やバスのアクセスが良く、時間に余裕ができやすい点が挙げられます。また、スーパー、病院、ドラッグストアなどの生活に必要な施設もそろっていることが多いため、生活する上でも便利です。
駅近エリアは資産価値が高めなので、売却など将来的なニーズにも対応できることが多いでしょう。
駅近エリアのデメリットとしては、駅周辺は地価が高く、予算的に建物に十分なお金をかけられない場合があるでしょう。敷地の広さによっては、庭や駐車スペースの確保が難しいケースもあるかもしれません。また、電車や車の騒音、夜間の人通りの多さが気になるという声も聞かれました。
郊外エリアのメリットとして、庭や駐車場、子どもの遊びスペースを設けやすく、空気がきれいで子どもがのびのびと過ごせる環境が整っています。
また、地域のつながりが強く、子育て支援が活発なところも多いようです。
郊外エリアのデメリットとして、駅や商業施設が遠く、生活の中に車が必須となることも多いようです。またエリアによっては、人口減少が進んでいる地域では価値が下がる可能性もあります。
子どもにとって、「外遊び」は心身の発達に欠かせない重要な活動といわれています。そのため、家の近くに安全に遊べる公園や広場がある環境なのかどうかは土地選びの大きなポイントになります。
公園が近くにあると、毎日の子どもの遊び場に困ることがないだけでなく、他の子育て世帯の方と知り合いになって交流が生まれるなどのメリットがあります。
また、外遊びは体力づくりだけでなく、友達との関わりの中で社会性も育まれます。
公園のチェックポイントは、数や距離だけでなく、「遊具の種類」「安全性(柵・見通しの良さ)」「トイレ・ベンチの有無」などもあわせて確認しておくといいでしょう。
子どもが小学生になって1人で外出する機会が増えると、特に気になるのが交通安全と治安面です。静かで見通しが良く、犯罪が少ないエリアは、親にとっての安心感も格段に違います。
交通安全面と治安面、それぞれチェックしておきたいポイントを見てみましょう。
住宅の前面道路が、車の往来が多い場所や抜け道になっている道沿いは注意が必要です。子どもの飛び出し事故のリスクがあります。
また、歩道があるかどうかも確認しましょう。歩道が整備されていないと、登下校時や散歩時に不安が残ると感じる方が多いようです。
子どもと一緒に小学校までの通学路も確認してみましょう。道に信号や横断歩道、交通指導員が配置されているかを見てみるといいでしょう。
子どもの通学・習い事などで1人で外を歩く場合、治安面が気になる方は多いでしょう。エリアの犯罪発生率については、市区町村や警察のWebサイトで、エリアごとの犯罪発生件数をチェックできます。住民の目が行き届く“開かれた街”かどうかも、防犯には大きな影響があるといわれています。
将来的に子どもが夜も塾などで外出することを踏まえて、夜の明るさもチェックしておきましょう。外灯が少なく暗い道が多いと、夜間の帰宅や外出に不安が残ります。
新築住宅を建てる際、土地にどれくらいの予算をかけるべきか多くの方が悩むようです。土地は一度購入したら変更できない「固定資産」となります。
そのため、「理想」と「現実の予算」のバランスをどう取るかが非常に重要になります。ここからは、土地購入費用の相場と予算オーバーを避けるための具体的なポイントを解説します。
土地購入費用は、立地によって大きく差があります。国土交通省のデータによると、全国平均で1,929万円、三大都市圏平均で2,813万円となっています。
地方都市や郊外では:1,000万〜1,500万円で購入できるケースも多数あるといわれているようです。
駅近・市街地の人気エリアはどうしても価格が高騰しがちですが、少しエリアをずらすだけで数百万円単位で予算を抑えられることもあります。
土地購入は住宅づくりの最初のステップですが、ここで予算を使いすぎると建物や外構にかける費用が圧迫され、「住みたい家」を建てられなくなる可能性があります。
予算オーバーを防ぐためのポイントをご紹介します。
土地購入費、建物費、登記・仲介手数料、外構・インフラ整備費などをすべて含めた予算のトータルを初めに立てておきましょう。
たとえば、予算トータルを4,500万円とした場合、土地は1,800万円前後までに抑えると建物や諸費用にも十分な予算を回すことができます。
古家付き土地の解体費、造成費、水道引き込み、地盤改良費、上下水道接続の有無など、土地の状態によってさまざまな追加費用が発生することがあります。現地見学時や不動産業者へ事前に確認しておくことが重要です。
土地を探す段階から、家を建てる会社と相談しながら進めるといいようです。土地の条件と家の設計を無理なくマッチさせられたという声もありました。
子育て世帯が、限られた予算の中でも満足のいく土地を選ぶには、「土地の広さ」や「設備・インフラの整備状況」などに柔軟性を持たせることが大切です。
都市部では20〜30坪(約66~100㎡)程度でも十分の広さといえます。3LDKやコンパクトな2階建てが可能です。
郊外や地方都市の場合は、50坪(約165㎡)以上の土地も視野に入れられるでしょう。庭や駐車スペースもゆったり取ることができます。
土地について、必ずしも「広い=良い」ではありません。日当たりや形状も重要なポイントです。変形地や旗竿地は価格が安くなる傾向がありますが、設計や車の出し入れに制限が出る可能性があるため、注意しましょう。
未整備の土地の場合、上下水道・ガスの整備など引き込み工事費用が数十万円〜100万円以上かかることもあるようです。
また、前面道路との高低差や幅員などの基礎工事や造成が必要になる場合は追加費用が発生して、予算オーバーにつながるかもしれません。
そのほかにも、地盤改良が必要になると、50万円〜150万円程度の追加費用がかかることがあります。
子育て世帯がマイホームを検討する際、土地選びは非常に重要です。生活環境や通学の利便性、将来性など、多くの要素をバランス良く考慮する必要があります。
ここからは、子育て世帯が理想の土地を見つけるための具体的な方法を、2つのポイントからご紹介します。
信頼できる不動産業者を選ぶことは、理想の土地探しの第一歩です。不動産業者を選ぶ際は以下の3つのポイントをチェックしてみましょう。
ひとつ目に地域密着型の業者かどうかチェックしてみましょう。地域密着型の業者は、そのエリアの学校事情、治安、災害リスクなど、生活に密着した情報を豊富に持っています。
二つ目のポイントは、子育て世帯向けの物件や行政の支援制度についての知識が豊富な業者を選びましょう。
三つ目のポイントは、宅地建物取引士が在籍しているかをチェックしてみましょう。国家資格である宅地建物取引士を持つ専門家が対応してくれる業者は、契約や法的手続きにおいても安心です。
子育て世帯が土地を探す際のポイントは、生活のしやすさと将来性です。以下のポイントをもとにチェックしてみましょう。
徒歩圏内に保育園、小中学校があるかを確認しましょう。子どもと一緒に歩いてみて、どれくらいの時間がかかるのかを確認してみましょう。
そのときの自宅周辺の交通量や治安、災害リスク(浸水、土砂崩れなど)がある場所もチェックしておくといいかもしれません。
また、スーパーなどの商業施設、医療施設がどこにあるのかも確認します。日常生活に必要な施設が近くにあるかどうかも重要なポイントです。
そのほかにも、都市開発や公共交通機関の整備予定がある地域は資産価値が高まる可能性があるため、将来的な発展性も見ておくといいでしょう。
インターネットを活用して、口コミやレビューを確認しましょう。以下の方法が有効です。
実際に問い合わせや訪問をして、担当者の対応を比較検討することも大切です。親身になって相談に乗ってくれるか、断っているのに押し売りをしないかといったポイントにも注意しましょう。
土地の購入時期によって、得する・損することがあるのかどうか気になる方もいるでしょう。住宅市場の動向について、ご紹介します。
土地の価格は需要と供給のバランスによって変動します。子育て世帯が土地を購入する際には、繁忙期と閑散期に注意が必要です。
具体的には、繁忙期は1〜3月といわれています。進学や転勤に合わせて不動産市場が活発になり、価格が高くなる傾向にあります。
一方、5月〜8月、11月〜12月は閑散期とされ、比較的需要が落ち着いており、価格交渉がしやすい時期です。
時期以外にも地域差に注意しましょう。首都圏などの都市部では年間を通して価格変動が小さいこともあるため、地元の動向を業者から聞くのがおすすめです。
価格が安定している時期を狙うことで、予算内でより良い土地を購入できる可能性があります。特に、夏のボーナスシーズン後(7〜8月)や年末年始前(10〜12月)は、土地価格が落ち着く傾向があります。また、春の繁忙期を過ぎて売れ残った土地は、価格が下がることもあるため、掘り出し物を見つけやすくなります。
一方、政府の補助制度や税制優遇など住宅取得支援策が発表されると需要が高まり、一時的に価格が上がる可能性があるため、注意が必要です。
土地選びは家づくりのスタート地点であり、一度購入してしまうと「やっぱり違った…」と簡単にやり直すことはできません。
「もっと調べておけばよかった」と後悔しないように、購入前に必ずチェックしておくべきポイントを3つに分けてご紹介します。
住み始めてから気づく利便性の差は、生活の快適さに大きく影響するでしょう。良い土地ではあるものの周囲の施設や交通の便が悪ければ、日常生活が不便になり、長く住むにはストレスが溜まってしまいます。
特に以下のポイントは必ずチェックしておきましょう。
子どもの急な体調不良などいざというときすぐに駆け込める距離にあるか、定期的な通院が可能かどうかを確認しましょう。
子どもを連れて日常の買い物に行けるかどうか、徒歩圏内にあるかを確認しましょう。
保育園・幼稚園・小学校は毎日通うことになるため、通いやすい距離・通う道の安全性を必ずチェックしましょう。また、自治体のホームページなどで定員オーバーになっていないかも確認しておくといいかもしれません。
公園や児童館など子どもを遊ばせられる場所が近くにあるか、その場所は安全に使えるかを確認しておきましょう。
最寄り駅やバス停などが徒歩圏内にあるか、坂道の有無や雨の日でも利用しやすいかをチェックしましょう。ベビーカーを使っている場合は、ベビーカーでのアクセスも見ておくといいかもしれません。
朝の電車・バスの混雑状況や本数もチェックしておきましょう。電車やバスの本数が少ない場合は、朝の準備を早めにしなければならないこともあるでしょう。
幹線道路へのアクセスや渋滞状況、駐車スペースの確保をチェックしておきましょう。
土地の周辺施設や交通アクセスについて、実際に平日・休日、朝夕の時間帯など複数回現地を訪れてみることが重要です。複数回見ることで「リアルな生活感」を確認することができるでしょう。
土地が建築可能であっても、「造成状況」や「地盤の強さ」によっては追加工事や安全性のリスクが発生するようです。宅地造成・地盤調査は、見た目ではわかりにくい部分だからこそ、しっかりと調査・確認しておくことが重要です。
宅地造成とは、土地の高さを調整し、建物が安全に建てられるよう整備することをいいます。傾斜地や盛土・切土がある場所では造成の履歴や方法がポイントになります。以下のポイントを確認します。
地盤調査とは、建物の重さに耐えられる強度があるかを調べる調査をいいます。軟弱な地盤だった場合、地盤改良工事が必要になり数十万~百万円単位の追加費用が発生することもあるようです。以下のポイントを確認しましょう。
毎日過ごす場所だからこそ、環境面の快適性は重要視したいと考える方も多いでしょう。
どんなに便利な立地や良い条件の土地でも、住環境が悪ければ満足度が下がってしまいます。土地選びの際に、以下のポイントを確認しておきましょう。
赤ちゃんがいる場合など騒音が特に気になるという方もいるでしょう。交通量が多い道路・線路・高速道路・商業施設が近くにないかをチェックしておきましょう。
また、夜間の騒音、工場の稼働音など時間帯による音の変化も確認できるといいかもしれません。
住んでいると環境はどんどん変化することもあるため、隣接する住宅や空き地の用途(将来、商業施設やマンション建設の予定があるか)も確認しておきましょう。
▲日当たり・風通し
南側に高い建物があると日当たりが悪くなります。冬でもしっかり陽が入るか、室内の湿気・カビ対策に有利な風通しがあるかなどを確認しておきましょう。
こちらも将来的な建築計画も意識しておくといいでしょう。
今回の記事では、子育て世帯の土地選びについてご紹介しました。子育て世帯にとって土地選びは家の間取り以上に重要なポイントです。おすすめの土地選びのポイントは、「生活利便性」「安全性」「将来性」の3つです。
手間や時間はかかりますが、自分たち家族にとってより良い家を購入するため、何度も現地に足を運んで確認することが大切です。