子育て家庭では収納に関するお悩みが尽きないと感じる方も多いでしょう。「子どもが成長するたびにモノが増えていく」「気づいたらリビングが保育園状態…」そんな悩みを抱えているご家庭は多いのではないでしょうか?
忙しい毎日のなかで、片付けまで手が回らない…でも、家はスッキリ気持ちよく保ちたい!そんな保護者の方のために、今回の記事では子育て世帯ならではの収納ストレスを減らすための間取り・工夫・実例をたっぷり紹介します。
子どもが成長するにつれて、家の中のモノはどんどん増えていきます。さらに、家事・育児に追われる日々の中では、収納を見直す余裕もなく、気づけば「いつも散らかっている家」になってしまうこともあるかもしれません。ここからは、子育て家庭ならではの収納の悩みとその背景について詳しくご紹介します。
子どもの成長に合わせて必要な物は絶えず変化します。例えば、赤ちゃん時代はおむつやベビーベッド、離乳食グッズなどかさばるアイテムが多く、成長するにつれて学用品や絵本、ランドセル、さらにはスポーツや習い事の道具などが増えていきます。収納方法もそれに合わせて見直す必要がありますが、忙しい毎日の中でそれを実行するのは簡単ではないでしょう。
「とりあえずここに置いておこう」とモノを一時的に収納すると、それが習慣になってしまい、どこに何があるのか分からなくなることもあるでしょう。結果的に探し物が増え、部屋が散らかって見える原因になってしまいます。計画性のない収納は、見た目も使い勝手も悪化させてしまいます。
共働き世帯が多い子育て家庭では、平日は仕事と育児で時間が取れず、週末も子どもの行事や家事に追われがち。片付けや収納の見直しに時間を割く余裕がなく、気づけばモノが溜まってしまうという悪循環に陥りやすくなります。
収納スペースが限られていると、大人の書類や衣類、生活用品と子どものおもちゃや学用品などが同じ場所に混在しやすくなります。この“ジャンルごちゃ混ぜ”状態ではモノの管理が難しくなり、家族全員がどこに何があるのか分からなくなる原因になってしまいます。結果的に収納効率が下がり、散らかりやすくなってしまうでしょう。
「出したら戻す」という基本ができないのは、多くの場合、モノの「定位置」が明確に決まっていないことが原因です。特に子どもは、どこに何をしまえばいいか分からないと、片付けを面倒に感じてしまうかもしれません。家族全員が共通認識を持てるように、収納場所を明確にし、ラベリングやアイコンなどで分かりやすくする工夫が必要です。
収納に対する考え方を少し変えるだけで、家事や育児の負担が大きく減り、家族全員が過ごしやすい空間をつくることができるでしょう。
ここからは、子育て世帯が意識したい収納の基本ルール5つをご紹介します。ポイントは、「家族みんなが片付けやすい」ことです。散らからない家づくりの第一歩になるでしょう。
子どもが自分で片付けられる収納をつくるには、「手の届く高さ」にモノを置くことが鉄則です。特に未就学児〜小学生のうちは、床から60〜80cmの位置が最も使いやすいとされていて、棚や引き出しの配置はこの高さに合わせましょう。
また、「おもちゃ」「体操服」「絵本」など、中身が分かるようにラベリングすることで、子ども自身が“使う・戻す”を迷わず行えるようになります。家族全員が同じルールで使える収納は、片付けのしやすさに直結するでしょう。
扉を開ける、箱を引き出す、仕切りを外す……という複数の動作が必要な収納は、忙しい子育て世帯には不向きといえるでしょう。収納の基本は“1アクションで完了”が理想です。
例えば、おもちゃはフタのないカゴに入れるだけ、洗濯物はそのままボックスに放り込むだけにすれば、子どもでも簡単に片付けられるでしょう。片付けに手間がかからなければ、自然と習慣づき、散らかる時間も減っていくかもしれません。
子どもの成長とともに、必要なモノ・使う頻度・大きさはどんどん変化していくでしょう。そこで大切なのが「可変性」のある収納です。
例えば、カラーボックスなどのように、組み合わせや用途を変えられる収納家具は、成長に応じて配置を見直しやすく、長く使えます。また、棚板の高さを変えられる可動式収納もおすすめです。
将来を見据えた収納設計は、無駄な買い替えを防ぎ、空間の有効活用にもつながるでしょう。
すべてを隠そうとすると、逆に探しづらくなったり、使い勝手が悪くなったりすることもあるようです。リビングや玄関など人目に触れやすい場所には「隠す収納」を使ってすっきり見せつつ、子ども部屋や学習コーナーなど日常的に使うエリアには「見せる収納」で、使いやすさを優先するのがコツです。
お気に入りの絵本や作品はディスプレイのように飾りながら収納することで、子どものモチベーションアップにもつながるかもしれません。
家の中には意外と使っていないスペースがあるでしょう。例えば、階段下や廊下の一角、リビングのソファ裏やテレビボードの下などが挙げられます。
こうした空間を活かせば、収納力をぐっと増やせます。棚やボックスを置くだけでなく、壁にフックやウォールポケットを設置することで「浮かせる収納」も可能に。収納スペースが限られた家ほど、このような余白を見逃さず、最大限に活用する工夫が必要でしょう。
子育て世帯では、生活空間があっという間にモノであふれてしまうことが多いでしょう。特に、未就学児から小学生の子どもがいる家庭では、おもちゃ、衣類、学校・習い事グッズなど、多種多様なアイテムの収納が悩みのタネです。
ここからは、家の各場所ごとに「散らかりにくく」「使いやすい」収納のアイデアを10個厳選してご紹介します。家族みんなが使いやすく、片付けが自然と習慣化する収納づくりのヒントとして、ぜひ取り入れてみてください。
玄関横にウォークスルー型のファミリークローゼットを設け、子どもの制服・ランドセル・通園バッグ・アウターなどをひとまとめにできるようにするアイデアです。
帰宅後はそのまま「脱ぐ→掛ける→ランドセルを置く」が完結する動線にすることで、家の中に持ち込む物を激減させられるようです。
ものの定位置を玄関近くに設定することで、外から帰ってきた流れでスムーズに片付けられ、玄関のゴチャつきを防ぐことができます。特に朝の支度も時短になり、忘れ物も減少するでしょう。自立心の芽生えにも効果的です。
引き出し収納などを使い、上段にはよく遊ぶぬいぐるみや絵本を見せる収納、下段はフタ付きボックスや引き出しで隠すように収納にするアイデアです。引き出しには「おままごと」「くるま」などラベルを貼り、子どもにも分かりやすくすると片づけやすいでしょう。
見せる収納で子どもが好きなものにすぐ手が届き、使った後は隠す収納に戻すことでリビング全体の印象がすっきりします。インテリアを損なわず、子どもの「自分で片付ける」習慣づけにもつながるでしょう。
洗面所に3段ボックスなどを設置し、上段は大人用、下段は子ども用パジャマ・下着・タオルなどを収納すると効率的な動線になります。入浴前の着替え準備も、入浴後の着替えも、すべてその場で完結できます。
「洗う→干す→しまう→着る」の一連の流れが1か所で完了することで、家事効率が大幅アップするでしょう。子どもが自分で着替える習慣づけにも役立ちます。高さを変えるだけで年齢に応じた対応も可能です。
キッチンの引き出し1段分を子ども専用にし、プラスチックの食器、コップ、お弁当箱、フォークセットなどを収納したアイデアです。100均アイテムで仕切りを作り、取り出しやすく配置するのがポイントのようです。
子どもが自分で準備や片付けができるようになると、食事の準備もスムーズになります。毎日の「お手伝い」習慣も自然と身に付き、子どもの成長にもつながるでしょう。
スタッキングシェルフやカラーボックスなど、組み合わせ自由な収納家具を子ども部屋収納に活用したアイデアです。未就学期は下段におもちゃや絵本、小学生以降は文房具・教科書・ランドセルなどに用途を変えて対応することができるようです。
成長に合わせて収納の内容を変えられるため、長期的に無駄なく使えるのが魅力です。模様替えもしやすく、子どもの変化に柔軟に対応できます。
階段下の空間に棚やボックスを設置し、使用頻度が低いおもちゃや工作セット、季節限定のグッズ(プール・そり・クリスマス用品など)を収納すると生活空間がすっきりするかもしれません。
普段使わないものを見えない場所に収納することで、生活空間をすっきり見せることができます。デッドスペースを有効活用することで収納力もアップするようです。
フック、ウォールポケット、ピンチハンガーなどを活用して、帽子・上着・習い事バッグなどを掛けるスペースにするアイデアです。棚の上には学校のお便りや作品を仮置きできるスペースを確保するといいでしょう。
廊下はリビングや玄関といった主要動線に近いため、「使う→戻す」の流れがスムーズです。片付けやすく忘れ物防止にも効果があるでしょう。
押入れ内を上・中・下の3ゾーンに分け、上段には季節用品、中段にはおもちゃ収納、下段には寝具やおむつストックを収納するアイデアです。中にラックやボックスを入れて仕切り、使いやすさを向上させるといいかもしれません。
和室は来客時に片付けやすくしたい場所のひとつです。見た目も整い、生活感を抑えられます。家族全員の収納を1か所に集約できる点も便利です。
引き出し付きのベッドや、キャスター付きボックスを活用して、アルバム・シーズンオフの服・学校関連のストック用品などを収納すると家のデッドスペースを活用できます。
デッドスペースを活用して収納力を底上げできるため、狭い部屋でも余裕を持って片付けができるようです。普段使わないモノの“隠し場所”として重宝するでしょう。
玄関横や庭先に屋外対応の収納庫を設置し、ベビーカー・砂遊び道具・プール・三輪車などを収納するアイデアです。防水仕様のボックスや小型物置が便利です。
土や砂を室内に持ち込むことがなくなり、玄関の掃除や片付けがラクになります。外出準備もスムーズになり、子どものお出かけのストレスも軽減するかもしれません。
収納の悩みを根本から解決するには、「家のつくり」そのものから見直すことが大切です。特に新築やリフォームのタイミングは、家族構成や生活スタイルに合わせて、理想の収納計画を叶えるチャンスです。
ここから、子育て世帯が“使いやすく散らかりにくい家”をつくるために意識したい4つのポイントを紹介します。
収納を「どこにどれくらい設けるか」ではなく、「誰が・いつ・どこで・何を使うか」という生活動線から逆算して配置を考えるのがポイントです。
例えば、帰宅後すぐに荷物を片付けられる場所に収納を作ったり、朝の身支度動線にランドセル置き場やファミリークローゼットを配置したりすることで、しまう習慣が自然と身につくでしょう。
収納は「しまう場所」だけでなく、「出す→使う→戻す」の一連の流れがスムーズであることが重要です。リビングにはおもちゃや文房具、洗面所には下着やパジャマなど、必要な場所に必要なモノを収納できるよう、部屋ごとに具体的な使い方を想定して計画を立てるといいでしょう。
たくさん収納できても「出しにくい・しまいにくい」収納では意味がありません。奥行きが深すぎる収納や、上にあるだけの吊戸棚は、結局使われずに物置のようになってしまうことがあるかもしれません。扉のないオープン収納、引き出しタイプ、可動棚など、使いやすさを優先した設計が、結果的に散らからない家づくりにつながるでしょう。
子育て中は、家族みんなが収納や片付けに関われる家づくりが理想です。
例えば、玄関から洗面所までの動線上にファミリークローゼットや洗濯物の仮置きスペースを設けると、「脱ぐ→洗う→しまう」の流れが1本の動線上で完結します。自然と子どもも手伝いやすく、家事の分担や時短にもつながるでしょう。
今回の記事では子育て世帯ならではの収納ストレスを減らすための間取り・工夫・実例をたっぷり紹介しました。
子育て中の収納は、ただ「片付けやすさ」を追求するだけではなく、子どもの自立を育む環境づくりとしても大きな役割を果たすでしょう。
ランドセルや体操服、持ち物をまとめて置ける収納スペースを用意しておくことで、朝の準備を自分でこなす力も自然と身についていきます。こうした日々の収納の中に「しまう」「整える」という動作を習慣化できる仕組みを組み込むことで、子どもは自分のことを自分でできるようになり、家族全体もスムーズに暮らせるようになります。
日常の中で「育てる収納」を意識して、楽しく・賢く子育てをしていきましょう。