赤ちゃんが生まれたら、できるだけ早めに届け出なければならないのが「出生届」です。
そうはいっても、「どこに出すの?」「いつまでに出す必要があるの?」と疑問や不安を感じるママやパパも多いのではないでしょうか。特に初めての出産だと、育児に追われながらの行政手続きはとても大変です。
今回の記事では、出生届の提出期限や提出場所、必要書類、よくある疑問などについてわかりやすくご紹介します。手続きの期限を過ぎてしまわないよう、しっかり準備を進めましょう。
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出生届は、赤ちゃんの誕生を法的に記録するための重要な手続きです。
役所に出生届を提出することで、戸籍に登録され、赤ちゃんが正式に「この世に生まれた」ことが国に認められます。この手続きによって、親子関係が証明され、住民票の登録や医療・教育などの行政サービスが受けられるようになります。
また、将来的に必要となる保険証やパスポートの取得にも影響する重要な情報です。つまり、出生届は赤ちゃんの社会的な第一歩といえるでしょう。
出生届の提出期限は、赤ちゃんが生まれた日を含めて14日以内と法律で定められています。例えば、6月1日に出産した場合、6月14日が提出の締切日です。ただし、海外で出産した場合は3ヶ月以内となり、日本とは期限が異なるので注意しましょう。
もし提出期限が土日祝日などの休庁日に当たる場合は、その翌開庁日が期限日になります。
期限を過ぎても提出できますが、正当な理由なく遅れた場合は、簡易裁判所から過料が科せられる可能性があるため、注意が必要です。
出典:「国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&A」/法務省
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出生届は、以下の3つのいずれかの市区町村役所に提出できます。
・赤ちゃんが生まれた場所
・届出人の住所地
・本籍地
里帰り出産中の場合は、出産先の役所に提出することも可能です。
どこに出しても手続き自体は有効ですが、住民票や乳幼児医療証の申請など、他の手続きとの連携に注意が必要です。
提出先を選ぶときは、今後の手続きも見据えて検討するとスムーズです。
また、住民票のある自治体でない場合は、医療証の交付や児童手当の申請で別途手続きが必要になることがあります。事前に役所の窓口やホームページで、必要書類や申請先を確認しておくと安心です。
出生届を出すときには、以下の書類や持ち物を忘れずに準備しましょう。
産院で医師または助産師が記入・署名した「出生証明書」が右半分に記載されている用紙を使います。
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提出後に役所で「出生届出済証明」が記載され、保育園の申請や健診時に必要になることがあります。
印鑑は実印でなく認印でかまいませんが、自治体によってはシャチハタ不可の場合があるため注意が必要です。
マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など届出人の本人確認書類の提出も必要です。公的機関が発行した顔写真付きの身分証が推奨されています。
上記の必要書類の中でも特に出生届の用紙は、産院で渡されるものをそのまま使うので、なくさないように保管しましょう。
提出前にすべてそろっているかをしっかり確認してから役所へ向かうと安心です。
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出生届の届出人は、基本的に父または母のどちらか(法律上の親)が行います。
やむを得ず両親が提出できない場合には、祖父母や同居人などの代理人が提出することも可能です。ただし、届出用紙には父または母の署名が必須なので、あらかじめ記入しておく必要があります。
特に里帰り出産やママが入院中の場合は、家族で誰が提出するか相談しておくと安心です。
出生届に記入漏れがあると受理されないこともあるので、事前確認も忘れないようにしましょう。
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出生届は、用紙の左右に分かれていて、左側が「届出書」、右側が「出生証明書」となっています。
左側の届出書の部分には、赤ちゃんの名前、生年月日、出生場所や、父母の氏名、本籍、住所などを記入します。右側の出生証明書の欄には、医師や助産師が記入・署名するため、産院で記載済みの状態で渡されるのが一般的です。
記入後に職場などへ提出する可能性がある場合は、事前にコピーを取っておくことをおすすめします。
役所では原本が提出され返却されないため、控えがないと後から必要な場面で困ることがあります。
記入の際は、漢字の誤字脱字や本籍の記入ミスがないよう、事前に戸籍謄本などで確認しておくと安心です。不安な場合は、役所の窓口で確認しながら記入することも可能なので、気軽に相談してみましょう。
出生届を提出したあとも、赤ちゃんに関する手続きはたくさんあります。
特に以下の2つは、役所で忘れずに手続きをしましょう。
生まれた月の翌月分から支給されるため早めに申請しましょう。所得制限の有無や支給額は自治体によって異なります。
なお、申請が遅れると、本来受け取れるはずだった分がもらえなくなる可能性があるので注意が必要です。
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地域によって条件や申請場所が異なります。通院・入院ともに対象となるか、自己負担額があるかなど、制度の内容を事前に確認しましょう。
健康保険証の発行後にしか申請できない自治体もあるため、スケジュールを確認しておくと安心です。
役所の手続きには健康保険証や印鑑などが必要になる場合もあるため、持っておくといいかもしれません。また、事前に必要書類を確認しておくとより確実に手続きが進められるでしょう。
その他にも必要な手続きは多数あります。以下の関連記事で詳しく解説しています。
関連記事:「子どもが生まれたら必要な手続き一覧!期限・申請方法まとめ」
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今回の記事では、出生届の提出期限や提出場所、必要書類、よくある疑問などについてご紹介しました。
出生届は赤ちゃんが生まれてから14日以内に提出する必要があり、忙しい育児の合間に手続きするのは大変ですが、出産前から必要な書類を揃えておくことで、スムーズに対応できます。
提出期限をきちんと守ることで、赤ちゃんの戸籍や各種手続きが円滑に進み、これからの生活の土台をしっかり整えることができます。
赤ちゃんの大切な第一歩をしっかりサポートするためにも、早めの準備と正確な手続きを心がけましょう。