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「風邪を引きにくい」住まいづくりのポイントは?建てる前に知っておきたい工夫

作成者: KIDSKI STYLE編集部|2025/6/27

※写真はイメージ(Adobe Stock/buritora)

 

「毎年、冬になると子どもがすぐ風邪をひいてしまう…」「暖房をつけてもなぜか家の中が寒い」などの悩みを抱えている方は少なくないようです。実は、住まいの環境が家族の体調に大きく影響することをご存じでしょうか?

気温や湿度、空気の流れなど、家の構造や設備のちょっとした違いが「風邪を引きにくい家」づくりのカギになります。

今回の記事では子育て世帯や共働き家庭に向けて、風邪を予防しやすい住まいの工夫などについて、具体的にご紹介します。

 

風邪を引きやすくなる家の特徴

家族が繰り返し風邪をひく原因は、ウイルスだけではありません。住まいの構造や空気環境が体調に大きく影響することもあるのです。まずは、風邪を引きやすくなる家に共通する特徴を詳しく見てみましょう。

 

室温や湿度が不安定

※写真はイメージ(Adobe Stock/miya227)

 

朝晩の気温差が激しい家では、体が冷えて免疫力が低下しやすくなります。また、冬場は暖房で空気が乾燥しがちで、のどや鼻の粘膜が乾いてウイルスが侵入しやすくなる原因になってしまいます。室温・湿度の急激な変化は、体調を崩す大きな要因になるようです。

 

結露などによるカビ・ダニの発生

室内と外気の温度差が大きいと、窓や壁に結露が発生します。放置するとカビやダニが繁殖し、空気中にアレルゲンが漂うことになってしまいます。このアレルゲンが風邪のような症状を引き起こすリスクを高めます。小さなお子さんや高齢者がいる家庭では特に注意が必要です。

 

すき間風や断熱性の低さによる冷え

築年数の古い住宅や断熱性能が不十分な家では、すき間から冷たい外気が入り込み、部屋全体が冷えやすくなります。特に足元が冷えると体温が下がり、風邪をひきやすくなるようです。暖房効率も悪くなり、光熱費の面でもデメリットがあります。

 

空気がこもりやすい

現代の住宅は気密性が高い反面、換気を怠ると空気がよどみ、ウイルスやハウスダストが滞留しやすくなります。特に冬は寒さを避けて窓を開けない家庭も多く、結果的にウイルスが蔓延しやすい環境になってしまいます。

 

風邪を引きにくい住まいにするには?

風邪を引きにくい家づくりには、温度・湿度・空気の流れといった住環境を整えることが重要です。ただ暖房を強めるだけでは不十分といえます。家の構造や設備の工夫によって、快適で健康的な室内環境を実現できます。

ここからは、風邪を引きにくい住まいに必要なものをご紹介します。

 

断熱性・気密性が高い家

※写真はイメージ(Adobe Stock/naka)

 

家全体の断熱性と気密性を高めることで、室温を一定に保ちやすくなります。外気の影響を受けにくいため、朝晩の寒暖差やすき間風による冷えを防ぐ効果があり、体温を安定させるのに効果的です。

また、冷暖房の効率も上がるため、光熱費の削減にもつながるメリットがあります。

 

24時間換気システム

現代の高気密住宅に欠かせないのが、計画的な24時間換気です。常に新鮮な空気を取り込み、室内の汚れた空気を排出することで、ウイルスや花粉、ハウスダストの滞留を防ぎます。特に風邪やインフルエンザが流行する冬場には、換気不足が体調不良の一因になるため、意識的に取り入れたい設備のひとつです。

 

適切な湿度管理

乾燥した空気は、のどや鼻の粘膜を弱めてウイルスが侵入しやすくなるようです。理想的な室内湿度は40〜60%といわれています。過度な乾燥も結露による過湿を避け、加湿器や除湿器を使ってバランスよく管理することがポイントです。

近年は、湿度を自動調整してくれる住宅設備や建材も登場しています。

 

空気清浄・換気一体型の設備導入

空気清浄と換気が一体となったシステムを導入すれば、室内の空気環境をより効率的に整えることが可能です。花粉・PM2.5・ハウスダストを除去しつつ、外気と室内の空気を最適に入れ替えることで、クリーンで安心な住空間を保つことができるでしょう。小さな子どもやアレルギー体質の家族がいるご家庭に特におすすめです。

 

床暖房や蓄熱暖房の導入

温風を使わない暖房方式は、空気を乾燥させにくく、体にやさしいのが特長です。床暖房は足元からじんわりと体を温め、温度ムラを減らして快適な空間をつくります。蓄熱暖房も、夜間電力で熱を蓄えて日中に放熱するため、経済的かつ穏やかな暖かさを保てるのが魅力です。

 

注文住宅・リフォームで取り入れたいポイント

※写真はイメージ(Adobe Stock/beeboys)

 

風邪を引きにくい住まいを実現するには、家そのものの性能を底上げすることが大切です。これから注文住宅を建てる方や、住まいの改善を考えている方は、以下のポイントを意識して取り入れてみましょう。

 

高断熱・高気密な建材

ひとつめのポイントは、高断熱・高気密な建材の採用です。断熱性能に優れた外壁材や窓を使い、気密性を高めることで、外気の影響を受けにくくなり、室温を安定させやすくなるでしょう。

近年は、省エネ基準を満たす「ZEH(ゼッチ)」レベルの住宅が注目されており、健康と省エネの両立が可能です。

 

壁材に調湿建材を使用

室内環境を快適に保つためにおすすめなのが、調湿機能をもつ建材の活用です。例えば、「エコカラット」や「珪藻土」のような壁材は、室内の湿度を自動で調整してくれるため、過乾燥や結露を防ぐ効果が期待できるようです。

 

冬に活躍する床暖房・蓄熱暖房

冬場の冷え対策には、床暖房や蓄熱暖房の導入も有効です。これらは温風を使わずに部屋全体をじんわりと暖めるため、空気を乾燥させにくく、風邪の予防に適した暖房方法といえます。

 

窓や玄関の断熱対策(二重窓・玄関ドアの気密性)

窓や玄関まわりの断熱対策も見逃せないポイントです。二重窓や断熱性の高い玄関ドアにすることで、すき間風を減らし、冷気の侵入を防げます。

 

湿度と温度を自動管理する住宅設備

昨今、湿度と温度を自動で調整する住宅設備も普及しており、常に快適な環境を保つための強い味方となってくれるでしょう。スマートホーム対応の設備を導入すれば、細かな手間なく家族の健康を守ることができます。

 

簡単にできる風邪対策アイデア【住みながらでもできる工夫】

風邪を引きにくい住まいを目指すうえで、日々の暮らしの中でできる小さな工夫もとても大切です。今すぐ取り入れられる実践的な対策をご紹介します。

 

部屋の気温・湿度を適度に保つ

※写真はイメージ(Adobe Stock/miss irine)

 

部屋の温度と湿度を適切に保つことは基本的な対策のひとつです。エアコンや加湿器・除湿器をうまく活用して、適切な室温・湿度を保ちましょう。室温は、夏は25〜28℃、冬は18〜22℃が目安とされています。湿度は、夏は50〜60%、冬は40〜50%を目安にしましょう。乾燥しすぎはウイルスの活性化を招きます。一方、過湿になるとカビの原因になってしまいます。

 

なるべくホコリを吸わないよう工夫

ホコリやダニをできるだけ吸わない工夫も意識したいポイントです。床に近い場所はホコリがたまりやすいので、布団よりも高さのあるベッドを使うことで吸い込みを軽減できます。

掃除は掃き掃除よりも、ホコリを舞い上げないように拭き掃除を中心に行うのが効果的です。

 

こまめな換気・空気清浄機の活用

こまめな換気も重要なポイントです。寒い季節はつい窓を閉めがちですが、1日2〜3回、5〜10分でも空気を入れ替えることで、ウイルスや汚れた空気を排出しやすくなります。

あわせて空気清浄機の導入もおすすめです。花粉・ハウスダスト・ウイルスなどをフィルターで除去して、クリーンな空気環境を保ってくれます。

 

玄関や寝室でのウイルスブロック対策

玄関や寝室といった出入りの多い場所でのウイルス対策も見逃せません。抗菌・抗ウイルス効果のある壁紙クロスを取り入れたり、玄関に除菌スプレーや手指消毒を設置するなど、家にウイルスを持ち込まない工夫も効果的です。

上記のようなちょっとした習慣やアイテムの工夫でも、風邪のリスクを大きく下げることができます。ぜひ今日から実践してみてください。

 

【まとめ】風邪を引きにくい住まいは、家づくりと工夫で実現できる

※写真はイメージ(Adobe Stock/polkadot)

 

今回の記事では子育て世帯や共働き家庭に向けて、風邪を予防しやすい住まいの工夫などについて、具体的にご紹介しました。

住まいの構造や設備を見直すことで、家の中の温度や湿度、空気の質を安定させ、風邪のリスクを大きく減らすことができるでしょう。特に小さなお子さんがいるご家庭や、健康意識の高い方にとっては、「断熱性・気密性・換気・湿度管理」といった住宅の基本性能が非常に重要なポイントになります。

これから注文住宅を建てる方はもちろん、現在の住まいに不安がある方でも、リフォームや日常の工夫で改善は十分可能です。まずは今できる対策から始めて、家族全員が健やかに過ごせる住まいづくりを目指してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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