「せっかくの注文住宅だからこそ、照明にもとことんこだわりたい!」そんな思いを抱えつつも、「どんな照明を選べばおしゃれに見えるの?」「部屋ごとにどう使い分けたらいいの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか?実は、照明は空間の印象や心地よさを大きく左右する重要なアイテムのひとつです。
今回の記事では、リビングやダイニングなどの空間別におすすめの照明アイデアを紹介するとともに、人気の北欧・モダン・ナチュラルなどテイスト別の選び方や、失敗しないためのチェックポイントもあわせてお伝えします。照明選びのコツを知って、おしゃれで快適な理想の住まいを叶えましょう。
おしゃれな照明を取り入れるためには、まず「照明の基本」を理解しておくことが大切です。
住宅の照明は大きく分けて、空間全体を明るくする「主照明」、必要な場所をピンポイントで照らす「補助照明」、雰囲気づくりやインテリア性を高める「間接照明」の3つの役割があります。この3つをうまく組み合わせることで、過ごしやすく洗練された空間が実現します。
照明の快適さを左右するのが『明るさ』です。照明器具には「ルーメン(lm)」という明るさの単位があり、空間の広さや用途に応じて適切な明るさを選ぶことがポイントです。
さらに、光の色味を示す「色温度(ケルビン/K)」にも注目しましょう。リラックスしたい場所には暖かみのある電球色(約2700K)、作業スペースには白っぽい昼白色(約5000K)など、場所ごとに使い分けるのがおすすめです。光の広がり方や拡散性も考慮すれば、より快適でおしゃれな空間がつくれるでしょう。
照明をおしゃれに見せるには、種類ごとの特性を理解して選ぶことが大切です。機能性だけでなく、デザイン性や雰囲気づくりにも影響するため、空間や目的に合わせた使い分けを意識するといいでしょう。
天井に直接取り付けるタイプの照明で、リビングや寝室など幅広い空間に使われています。1台で部屋全体を明るく照らすことができ、操作もシンプルです。
最近ではフラットでスタイリッシュなデザインや調光・調色機能付きのモデルも人気があるようです。
※写真はイメージ(Adobe Stock/Sopacha)
天井に埋め込むタイプの照明で、すっきりとした印象に仕上がるのが特徴です。部屋全体を照らす「ベース照明」としても、アクセントとしても使いやすく、複数を配置することで均一な明るさを確保できます。空間に高級感や現代的な雰囲気を与えるのにもぴったりです。
壁に取り付けるタイプの照明で、補助的な明かりや間接照明として使用されます。廊下や階段、寝室のベッドサイドなどに取り入れると、柔らかく落ち着いた雰囲気を演出できるようです。装飾性のあるデザインも多く、インテリアのアクセントとしてもおすすめです。
特定の場所をピンポイントで照らすのに適した照明です。照射方向を調整できるため、絵画や観葉植物を引き立てたり、壁に光と影のコントラストをつけたりと、演出の幅が広がります。天井付け・壁付け・レールタイプなど、さまざまな設置方法があります。
コードやチェーンで天井から吊り下げるタイプの照明で、主にダイニングやキッチンカウンターの上で使われます。形や素材、色のバリエーションが豊富で、空間の「主役」としてデザイン性を引き立てたいときに最適です。照明1つで空間全体の印象が大きく変わるアイテムといえます。
建築化照明は天井や壁に照明を埋め込んだり、構造と一体化させる手法のことを指します。器具が見えないため、空間をすっきりと見せつつ、間接的な光で柔らかく空間を包み込みます。ホテルライクな上質感を演出したい方におすすめで、設計段階での計画が必要となる照明です。
照明はただ明るさを確保するだけでなく、空間の雰囲気や印象を左右する大切な要素のひとつです。部屋ごとに適した照明を選べば、日常がより快適で美しく感じられる空間に変わります。
ここからは、おしゃれ照明の実例と選び方についてご紹介します。
※写真はイメージ(Adobe Stock/Aleza)
リビングは家族が集まるくつろぎの場です。天井に配置するダウンライトと、壁や天井の一部に仕込む間接照明を組み合わせることで、まるでホテルのような落ち着きと高級感のある空間が演出できるでしょう。
また、テレビ背面や飾り棚の下に照明を忍ばせるのもおすすめです。そのほかにも、ペンダントライトを一部に取り入れることで、インテリアのアクセントにもなり、個性のあるリビングが完成します。
ダイニングでは、テーブルの上にペンダントライトを設置するのが定番といえるでしょう。高さはテーブル面から約70〜80cmが目安で、光源がまぶしくなく、食事を美しく照らす位置にしましょう。
照明の数はテーブルの大きさに応じて、1灯または3灯を選ぶとバランスがいいようです。光の色味は温かみのある電球色が食事をおいしそうに見せてくれるため、家族の会話も自然と弾みます。
キッチンは作業性とデザイン性のバランスが重要です。シンクやコンロの上には「手元灯」を配置することで、調理中の安全性と効率がアップするでしょう。
特にアイランドキッチンの場合は、装飾性のあるペンダントライトを吊るすと、空間の主役として華やかさが加わります。デザイン性と実用性を両立させたい場所だからこそ、光の当て方や配置にこだわるのがポイントです。
寝室には、明るさよりも“心地よさ”が重視されます。天井の主照明はあえて控えめにし、間接照明や調光機能付きの照明で落ち着いた雰囲気を演出しましょう。
さらに、ベッドサイドにはブラケットライトを取り付けると、読書灯としても便利でホテルのような非日常感も演出できるでしょう。眠る前のリラックスタイムを大切にしたい方にぴったりです。ベッドサイドのブラケットライトは、赤ちゃんの授乳時にも役に立ったという声が聞かれました。
面積が小さい空間こそ、照明次第でおしゃれ度に差がつきます。トイレや洗面所には、小ぶりでもデザイン性の高い照明を選ぶと、空間が一気に洗練されて見えます。センサー付き照明を使えば、実用性が上がるうえにスマートな印象に。玄関には足元を照らす間接照明や、壁面を照らすブラケットライトを取り入れることで、来客の印象にも残る上品な雰囲気を演出できるでしょう。
照明は空間のテイストを引き立て、インテリア全体の統一感を生み出す大切な要素です。好みのスタイルに合わせて照明を選ぶことで、より理想に近いおしゃれな住まいが完成するでしょう。
※写真はイメージ(Adobe Stock/Heini)
北欧インテリアには、温かみとシンプルさを両立した照明がよく合います。木目調の素材や白を基調にしたペンダントライトやフロアライトは、優しい光を取り入れながら空間にナチュラルなアクセントを加えてくれます。形状は丸みのあるミニマルなデザインがおすすめで、落ち着きと洗練された印象を与えてくれるでしょう。
洗練されたモダンやミニマルテイストには、黒アイアンやメタル素材を使った直線的な照明がぴったりです。余計な装飾を省いたシャープなデザインが、空間にスタイリッシュな雰囲気を演出します。ダウンライトやスポットライトを活用して光と影をコントロールすることで、都会的でスマートな印象に仕上がるでしょう。
温もりを感じるナチュラルテイストやカフェ風インテリアには、ガラスシェードや裸電球を使ったレトロ感のある照明が相性抜群です。アンティーク調のペンダントライトや、小ぶりのブラケットライトを組み合わせることで、素朴で落ち着いた雰囲気をつくることができます。光の色は、電球色(オレンジ系)を選ぶとさらに柔らかく温かな印象になるでしょう。
和の要素を現代的に取り入れた和モダンには、和紙調の素材を使った照明や、間接照明を選ぶといいでしょう。障子や木格子といった伝統的な要素との相性も良く、落ち着きと品格を感じさせる空間になります。間接照明で天井や壁をふんわりと照らすことで、陰影が生まれ、和の美意識が際立ちます。
※写真はイメージ(Adobe Stock/yuz)
照明は、完成してからでは大きな修正が難しいため、家づくりの初期段階からしっかり計画することが重要です。ここからは、照明選びに失敗しないためのチェックポイントをご紹介します。間取りや暮らし方に合った照明計画を立てることで、見た目も使い勝手も満足のいく空間を実現することができるでしょう。
照明の種類や配置は、間取りや家具の配置と密接に関わっています。リビングのソファの上にペンダントライトを設置したり、ダイニングテーブルの真上に照明が来るよう調整するには、できるだけ早い段階から配線計画を考えておくことが大切です。照明の種類やスイッチの場所も含め、間取り打ち合わせと同時に検討しておくと失敗を避けられるかもしれません。
コンセントの数や位置が不十分だと、スタンドライトやフロアランプが使えず後悔することもあるようです。
また、スイッチの位置が遠かったり動線と合っていなかったりすると、毎日の操作にストレスがたまってしまうでしょう。「どの照明を、どこで、どう操作するか」を想定しながら、実際の生活動線に合わせて配置を検討するといいかもしれません。
同じ照明でも、調光や調色機能があるだけで快適性が格段にアップします。リビングや寝室など、過ごし方が時間帯によって変わる空間では、明るさや光の色を調整できる照明が便利です。リラックスしたいときは暗めで温かい色に、作業するときは明るく白い光に切り替えるなど、シーンに合わせた調整が可能です。
「ちょっと暗いかも」と感じた空間は、完成後に後悔しやすいポイントのひとつだという声が聞かれました。照明の追加や交換は簡単ではなく、配線や天井工事が必要になるケースもあるようです。
特に間接照明やダウンライトを多用する場合は、初期段階でルーメン数や照明の配置をしっかりシミュレーションし、明るさに余裕をもたせておくのがいいでしょう。
※写真はイメージ(Adobe Stock/hogehoge511)
照明選びは奥が深く、はじめての家づくりでは迷うことも多いでしょう。ここからは、家づくりの現場でよく寄せられる照明に関する疑問に、わかりやすくお答えします。
ただし、ペンダントライトやスタンドライトなど一部の照明は、後からデザインを選べるものもあるようです。
例えば、木目の家具が多い空間には、木調の照明器具や温かみのある電球色がよく合います。インテリアと照明をセットで考えると、空間に統一感が生まれるでしょう。
ただし、使用する照明の種類やデザイン、間接照明の有無によって大きく変動します。こだわりが強い場合は余裕を持った予算設定をしましょう。見積もりの際には「照明本体の価格」「取り付け費」「調光機能の有無」などをチェックしておくといいかもしれません。
※写真はイメージ(Adobe Stock/ponta1414)
今回の記事では、リビングやダイニングなどの空間ごとにおすすめの照明アイデアや人気の北欧・モダン・ナチュラルなどテイスト別の選び方、失敗しないためのチェックポイントなどについてご紹介しました。
照明は空間のおしゃれさを左右するだけでなく、毎日の心地よさや暮らしやすさにも深く関わる大切な要素です。理想の住まいを実現するためには、見た目のデザインだけでなく、使い勝手や生活スタイルに合った照明選びがポイントです。迷ったときはプロと相談しながら、あなたらしいライフスタイルをやさしく照らす照明プランを考えるといいかもしれません。