子育て中の生活で、さまざまな困りごとや悩みごとを抱えている方もいるのではないでしょうか。例えば、子育てをしながらの家事がはかどらない、安全対策に不安があって目を離せないなど……。このようなお悩みは注文住宅の設備選びで解決することができるかもしれません。注文住宅では設備を自由に選べるからこそ、子育てに本当に役立つものを最初に押さえておくことが重要です。「家事ラク・安全・収納」を意識して設備を選ぶことで、子育ても家事もぐっと快適になります。
今回の記事では、子育て世帯に人気の便利・安全な設備と後悔しない選び方をご紹介します。
ここから、さっそく子育て世帯に人気の最新住宅設備を見てみましょう。生活スタイルや予算、間取りなどの状況によって、自分たち家族にとって必要なものはどんなものかチェックしてみてください。
ひとつ目にご紹介するのは、ランドリールームとファミリークローゼットを取り入れた間取りです。
ランドリールームとファミリークローゼットを隣接して設置すると、「洗濯する→洗濯物をたたむ→洗濯物を収納する」という家事を1か所で一連して行うことができるようになり、家事の時短につながります。
ランドリールームには洗濯機、日当たりの良い物干し場を取り入れましょう。ファミリークローゼットには家族全員分の衣類を収納できる家具を設置するようにします。
スペースがあれば、ランドリールームかファミリークローゼットに洗濯物をたたむことができる作業台のようなものを置くとよりスムーズに家事を進めることができるでしょう。
タッチレス水栓は、手をかざすだけで水を出したり止めたりすることができる水栓です。触れずに操作でき、水栓周りに汚れが付着しにくいため、水回りの掃除の手間を省くことにつながります。また、触れずに操作できることは、感染症の予防などのメリットもあります。
家事以外の面においても、タッチレス水栓は子どもが操作しやすいこともポイントです。オートストップ機能が付いているものが多く、子どもが水を出しっぱなしにしても自動で止まるので節水につながるでしょう。
一方、タッチレス水栓は通常の水栓よりも価格が高いこと、停電時に使用できないものがあるなどのデメリットもあるようなので、予算や生活スタイルなどによって必要かどうかを検討しましょう。
スマートロックとは、スマートフォンやICカードの機器を使って、家のドアのカギを施錠・開錠できる住宅設備のひとつです。
スマートフォンなどから遠隔操作で施錠の状況を確認したり、施錠・開錠を行うことができます。また、オートロック機能により鍵の閉め忘れを防ぐことも可能です。
そのため、スマートロックは共働き夫婦、塾に通っている子どもがいるなど忙しい子育て世帯におすすめの設備のひとつです。
鍵を忘れてしまって子どもが家に入れない、職場についたけど家の鍵の閉め忘れが気になるなど、忙しい子育て世帯の住宅のセキュリティ向上につながるでしょう。
鍵の共有や利用者の設定はデジタルで行うことができるため、利便性も高く、家の鍵の安全に管理することができます。
床や壁などに付着する細菌やウイルスが気になるという方もいるでしょう。そうはいっても子どもが小さいうちは、毎日の掃除ができない場合もあるのではないでしょうか。
抗菌・抗ウイルス加工の床材や壁紙を取り入れれば、雑菌やウイルスの繁殖を抑えることができます。抗菌・抗ウイルスの基準を満たしている床材・壁紙には「SIAA」マークの認証がつけられています。選ぶときの参考にしてみてください。
玄関直通の手洗い場を設置することも、子育て世帯におすすめの設備のひとつです。帰宅後、そのまま手洗い場に行けるので、家の中に雑菌やウイルスを持ち込むリスクを軽減することができます。
また、家に友達など人を招待するときにも手洗いを促しやすいので、感染症予防の観点からもおすすめです。
設置するにあたっては給排水の配管工事が必要になるため、予算との兼ね合いで設置するかどうかを検討してみましょう。
ZEH対応住宅とは、高断熱や高気密化などの省エネ設備を導入した住宅で、光熱費を大幅に削減することができます。夏の冷房、冬の暖房の使用は、光熱費の負担が大きくなることがあるでしょう。ZEH対応住宅では、一般住宅と比較すると年間で数万円単位の光熱費削減の効果があるといわれています。
さらに、ZEH対応住宅を建てる場合は、子育てグリーン住宅支援事業や自治体の補助金制度などを活用できる場合があります。
ここからは、子育て世帯には必須といえる注文住宅設備を見てみましょう。住宅の広さや間取りによって、設置できないものもあるかもしれません。またライフスタイルによっては、不要なものもあるかもしれません。
自分たち家族にとって必要なものはどのようなものか、検討してみましょう。
子育て世帯の玄関周りには、以下の2点を取り入れると使いやすさが大幅に向上します。
子どもが小さいうちはベビーカー、幼稚園・小学生頃になると外遊び用の道具を収納する場所が必要になります。玄関横にベビーカー、外遊び道具の置き場としても使えるシューズクロークを設置しておくといいでしょう。
また、帰宅後すぐに手が洗えるよう玄関直通の手洗い場を設置しておくと、感染症予防につながります。
水回りの設備については、「朝の準備をしやすくする」「洗濯物をスムーズにする」の観点から、以下の3つを取り入れるといいでしょう。
洗面所を広めにして家族で並んで使えるようにすると、朝の準備のときに洗面所の順番待ちが発生せずに、スムーズに準備することができます。
また、雨の日や花粉対策のために室内物干しスペースや浴室乾燥機を設置しておくと、天気や季節に左右されずに洗濯を行うことができるでしょう。
キッチンは収納の工夫、育児と同時並行の観点から、以下の3つを取り入れるといいかもしれません。
子育て中、買い物に行きたくても行けない日もあるでしょう。買い置きが収納できるパントリーを設置しておくと、食料や日用品をたくさんストックしておくことができます。
また、子どもの様子を見ながらキッチンで家事をするということも子育て世帯にとって「あるある」といえるでしょう。
キッチンでの家事と育児が同時並行で行えるよう、対面キッチンにするといいでしょう。リビングの様子を見ながら、キッチンで料理をすることができます。
また、大型食洗器を導入しておくと、家事の時短につながります。
リビングは子どもの過ごしやすさ、子ども部屋は将来の使いやすさを考えて、以下を検討しましょう。
子どもが小学校低学年などの場合、まだ子ども部屋で1人で宿題・勉強をするということは難しいでしょう。そのため、リビングに学習できるスペースを設置するのがおすすめです。リビングで学習していれば、宿題を見ながら家事をすることもできます。
子どもが複数いる場合など、それぞれの子どもに個室を与えられるよう間仕切りができるようにしておくといいかもしれません。
思春期・反抗期にさしかかると、子どもの方から「個室がほしい」「1人の部屋がほしい」といわれることがあるようです。
ここからは、子育て目線で「つけてよかった!」と感じる方の多い人気の+α設備についてご紹介します。
冬場の寒い時期は暖房などを使って、部屋を暖かくする必要があります。
子育て世帯には床暖房が人気のようです。ストーブのような危険性がなく、暖房のように部屋が乾燥することもありません。
安全性と快適性を実現できるという声があるようです。
共働き世帯など平日の在宅時間が短い場合、宅配ボックスがあると荷物の受け取りが楽になるという声がありました。
土日などの休日も、荷物の受け取りを気にせずに外出ができそうですね。
家事動線を意識してファミリークロークやウォークスルークローゼットを設置することも、子育て世帯に人気の+α設備のようです。
ファミリークロークは、家族全員の服・小物を収納できるようにすることで、洗濯物を片づける時間を短縮することにつながります。
ウォークスルークローゼットは、出入口が2か所あるクローゼットのことをいいます。出入口を工夫することで家事動線を短くすることができるようです。
仕事の状況によりますが、テレワークができる小さい書斎も人気の+α設備です。子どもの体調不良などによって、急きょテレワークをすることになった場合も便利なようです。
仕事で使う書籍やPC周りの小物を収納することができるようにしておくといいかもしれませんね。
アウトドアが趣味のママやパパに人気の+α設備は、ウッドデッキ・テラスです。バーベキューやガーデニングなどを楽しむことができます。また、子どもの遊び場として夏にはプールなどを楽しむことができるようです。
ライフスタイルによってコンセント位置を工夫することも子育て世帯に人気のようです。コンセントをロボット掃除機の設置スペースに合う高さにしたり、ゲーム機を接続するためテレビ裏のコンセント数を増やすなどが取り入れられています。
関連記事:「【間取り例付き】子育て世帯に人気の間取りは?後悔しない家づくり完全ガイド」
ここまでは、子育て世帯に必須・人気の設備をご紹介してきました。ただ、家の広さや間取り、予算などによってすべてを取り入れることは難しいでしょう。
ここからは、自分たちの生活でどのような設備が必要なのか、子育て設備で後悔しないためのチェックリストを見てみましょう。
子育ては、子どもの年齢によって必要なものが異なってきます。そのため、住宅購入時点の便利さだけで設備を選ばないようにしましょう。
子どもが幼稚園に入園したら、小学校に入学したら、将来の子どもの成長も見据えて必要なものはどのような設備なのかを検討することが重要です。
住宅会社の標準仕様をそのまま導入すると、自分たちのライフスタイルに合わない可能性があるようです。標準仕様は追加費用なしで設計などにかかる手間も省くことができますが、そのまま鵜吞みにせず、自分たちの生活に合っているものなのかを確認しましょう。
オプションの仕様と比較検討したり、インターネットで情報・口コミを調べたりすることが必要です。
設備によっては、維持管理・ランニングコストがかかるものがあります。例えば、数年に一度中の部品を取り替える必要がある、日々使うのに光熱費がかかるなどが挙げられます。
設備の導入にあたっては、維持管理費やランニングコストが支払い続けられるものなのかを検討することが重要です。
憧れて設備を導入してみたけれど、思っていたより活用できなかったという設備もあるようです。
そのため、自分たち家族の生活動線をシミュレーションして、どのような設備が必要なのかを検討するといいでしょう。
住宅会社に提出する要望シートなどに、家族全員分の1日のスケジュールや家にいるときの過ごし方などを書き出したという方もいるようです。
注文住宅を建てるにあたって、家族のさまざまな希望を盛り込みたいと考えている方も多いでしょう。理想の注文住宅に近づくよう、費用を抑えながら設備を選ぶコツについてご紹介します。
住宅会社の標準仕様とオプションの費用を事前によく比較しておきましょう。魅力的なオプションは多くありますが、オプションを追加することで数十万~数百万円の費用が加わることもあります。
標準仕様にする箇所、オプションを検討したい箇所を洗い出して、費用を比較しておきましょう。
上記のZEH対応住宅やGX志向型住宅、長期優良住宅といった省エネ性能の高い住宅を子育て世帯が取得した場合、補助金が交付されます。補助金の金額は取得した住宅の種類によって異なり、40〜160万円が交付されます。
また、家を建てるエリアによって、自治体独自の補助金・助成金を設けていることもあります。
補助金や助成金を活用することで、住宅購入費用の一助となるでしょう。要件に該当する場合は、積極的に活用しましょう。
関連記事:「【2025年最新版】子育て世帯必見!住宅購入で使える補助金・ローンまとめ」
設備にかかる費用を抑えるためには、自分たち家族にとって絶対に必要なものとなくてもいいものを明確に分けておくことも重要です。
乳幼児の子どもがいる、夫婦共働きなどライフスタイルによって、必要な設備は異なります。注文住宅を検討し始めたら、お金をかけても取り入れたい設備とそうでないものを家族で話し合っておきましょう。
関連記事:「子育て世帯の注文住宅、予算はいくら?費用をうまく抑えるコツも紹介」
今回の記事では、子育て世帯に人気の便利・安全な設備と後悔しない選び方をご紹介しました。
注文住宅では設備を自由に選べるからこそ、子育てに本当に役立つものを最初に押さえておくことが重要です。「家事ラク・安全・収納」を意識して設備を選ぶことで、子育ても家事もぐっと快適になります。
そうはいっても、予算や間取りなどによって希望の設備すべてを取り入れることは難しいでしょう。自分たち家族にとって、本当に必要な設備を検討して後悔しない家づくりをしましょう!