【2025年最新版】子育て世帯必見!住宅購入で使える補助金・ローンまとめ
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住宅購入をするにあたって、お金の面が心配だと感じる方もいるでしょう。子育て世帯が住宅購入をする際、国や自治体が補助金などさまざまな支援策を設けています。支援策を利用すれば、住宅購入の負担を大きく減らすことができるかもしれません。今回の記事では、子育て世帯が住宅購入するときに使える補助金制度や住宅ローンについてご紹介します。
【2025年最新】子育て世帯が使える住宅購入補助・支援制度まとめ
子育て世帯が利用できる住宅購入補助・支援制度をご紹介します。利用するにあたっては所定の要件があるため、適用対象となるかどうか確認してみましょう。
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業とは、「高い省エネ性能を有する新築住宅の取得」や「住宅の省エネリフォーム」などに対して補助金が交付される制度をいいます。子育てグリーン住宅支援事業はすべての世帯を対象にしていますが、子育て世帯に対して優遇措置が設けられています。
子育て世帯が新築を購入する場合の要件や補助金額などをご紹介します。
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【対象者】
子育て世帯や若者夫婦世帯が、長期優良住宅またはZEH水準住宅を新築・購入する場合が対象となります。なお、GX志向型住宅を購入する場合は全世帯が対象となります。
子育て世帯とは、申請時点において子どもを有する世帯をいいます。子どもは、2024年4月1日時点で18歳未満(2006年4月2日以降の出生)とされています。
若年夫婦世帯とは申請時点において夫婦であり、いずれかが2024年4月1日時点で39歳以下の場合をいいます。
【対象となる住宅】
一戸建て、マンションのどちらも対象となります。住宅の床面積は50㎡以上240㎡以下である必要があります。
適用対象となるGX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅について、それぞれ見てみましょう。
GX志向型住宅とは、グリーントランスフォーメーション(GX)の考え方を取り入れた次世代の住宅をいいます。具体的には、高い断熱性能や高効率給湯器などの設備の導入や再生可能エネルギーを活用して、一次エネルギー消費量の削減率100%を目指す住宅です。
長期優良住宅とは、長期間にわたって良好な状態で使用できるようにさまざまな措置が講じられた住宅をいいます。例えば、耐震性や住宅の維持管理の容易性などがあげられます。
ZEH水準住宅とは、断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級について高い水準をクリアした住宅のことをいいます。
【補助額】
GX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅それぞれに補助額が設けられています。
- GX志向型住宅:160万円
- 長期優良住宅:80万円
- ZEH水準住宅:40万円
【申請方法】
子育てグリーン住宅支援事業制度の申請は、原則として施行会社が代理申請します。事務局に事前登録された施行会社でなければ代理申請ができないため、国土交通省が運営しているホームページなどで登録されているかどうかを確認しましょう。
なお、今回ご紹介した内容は2025年4月22日の記事作成時点の情報です。制度の利用にあたっては、国土交通省のホームページや施行会社などに確認しましょう。
自治体独自の補助金制度
子育て世帯が住宅購入するにあたって、自治体が独自に補助金などの制度を設けているところもあります。今回の記事では東京都、横浜市、仙台市、福岡市で行われている制度についてご紹介します。
東京ゼロエミ住宅
東京ゼロエミ住宅とは高い断熱性能の断熱材や窓を使用したり、省エネ性能の高いエアコンなどを取り入れた東京都独自の住宅をいいます。ゼロエミとは、「ゼロエミッション(ZERO EMISSION)」の略です。
断別・設備の省エネ性能について、東京都独自に設けた水準を満たしていれば助成金を受け取ることができます。
東京ゼロエミ住宅は、子育て世帯限定ではなく対象の住宅を購入した方が助成金を受け取ることができます。なお、戸建てとマンションでそれぞれ助成金額が異なります。
東京ゼロエミ住宅についても、子育てグリーン住宅支援事業と同様、原則として施行会社が申請を行います。詳細は、東京都のホームページなどで確認してみましょう。
省エネ住宅住替え補助制度(横浜市)
横浜市では、子育て世帯などを対象に最高レベルの断熱性能を備えた省エネ住宅などへの住み替えに必要な費用の一部を補助しています。
対象世帯は、18歳未満の子どもがいる世帯または夫婦のいずれかが49歳以下である世帯です。
対象となる住宅は、新築の場合は耐熱等性能等級6または7の省エネ性能を有している必要があります。リノベーションの場合は、窓などすべての開口部がZEHレベル以上に断熱改修され、新耐震基準に適合している必要があります。
なお、省エネ住宅住替え補助制度は年度ごとに見直されているため、記事に記載の情報は令和6年度の情報です。最新の情報は、横浜市のホームページなどで確認してみましょう。
若年・子育て世帯住み替え支援事業(仙台市)
仙台市で設けられている支援制度は、子育て若年・子育て世帯が一戸建て住宅を取得する際に助成金などが交付されます。これまでのご紹介した制度と違い、住宅性能の要件はありません。
若年・子育て世帯住み替え支援事業の対象者について、若年世帯は年度のはじめに39歳以下の夫婦である世帯です。子育て世帯については、年度のはじめに小学生以下の子どもがいる世帯が対象となります。
住宅を取得した初年度は20万円の交付を受けることができます。親との同居や近居の場合は追加で5万円、多子世帯の場合はさらに加算があります。
次年度以降は、交通費の支援やお米の配送などを3年間毎年受けることができます。
ただし、こちらの制度も年度ごとに見直されており、ご紹介の内容は令和6年度の内容です。最新の情報は、仙台市のホームページなどで確認してみましょう。
せんだい健幸省エネ住宅補助金(仙台市)
もうひとつ仙台市の補助金制度をご紹介します。こちらの制度は子育て世帯だけでなく、対象の住宅を取得した全世帯が対象となります。
住宅について、ZEH住宅またはZEH+住宅であり、仙台市が独自に設けている「せんだい健幸省エネ住宅『ぬく杜』の認定基準」を満たした一戸建て住宅が対象となります。
申請は購入者自身が行うか、施行会社などに代理申請をお願いすることもできます。
子育て世帯住替え助成事業(福岡市)
福岡市で設けている子育て世帯住み替え助成事業は、子育て世帯が中古住宅を取得する際の初期費用の一部を助成する制度です。中古住宅購入費や建物仲介手数料、引っ越し運送費用などが助成対象になります。
対象となる世帯は、18歳以下の子どもがいる世帯または妊娠している方がいる世帯です。
引っ越しから5カ月以内という申請期限があるため、注意しましょう。制度の詳細は、福岡市のホームページなどで確認してみましょう。
出典:「令和7年度子育て世帯住替え助成事業について」/福岡市
そのほかの制度
子育て世帯中心の制度ではありませんが、このほかにも資源エネルギー庁が行っている「給湯省エネ2025事業」や、環境省が行っている「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス補助」、国土交通省が行っている「LCCM住宅整備推進事業」などがあります。いずれも省エネ性能の高い住宅や設備を取得した場合に利用できる制度です。
詳細は、それぞれのホームページで確認してみてください。
出典:「給湯省エネ2025事業 事業概要」/資源エネルギー庁
子育て世帯が使える住宅ローンの優遇制度
ここからは、子育て世帯が使える住宅ローンの優遇制度をご紹介します。住宅補助金だけでなく、住宅ローンの優遇制度も併せて活用することで、金銭面の負担を減らすことができるかもしれません。
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住宅ローン減税
住宅ローン減税は、住宅ローン控除ともいわれることがあります。正式な名称は「住宅借入金等特別控除」といいます。
年末時点の住宅ローン残高に応じて、所得税や住民税の控除が受けられます。住宅ローンは金額が大きいため、住宅ローン減税を利用すると住宅ローンの負担を大きく軽減することができます。
住宅ローン減税は住宅やローンに関する要件を満たせば利用できますが、子育て世帯と若年夫婦世帯には拡充措置が設けられています。
子育て世帯・若年夫婦世帯が省エネ基準を満たした住宅を取得した場合、控除対象借入限度額が上乗せされます。つまり税金の控除額が大きくなるということです。
なお、子育て世帯・若年夫婦世帯への拡充措置は、本来縮小される予定でした。2024年税制改正によって縮小が見直されたようです。そのため、今後も縮小が議論される可能性があります。
出典:「住宅ローン減税の子育て世帯等に対する借入限度額の上乗せ措置等を令和7年も引き続き実施します!」/国土交通省
フラット35子育てプラス
フラット35とは、住宅ローンの商品のひとつです。特徴としては、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供され、住宅ローン審査が比較的通りやすいといわれています。
フラット35の商品のひとつに【フラット35】子育てプラスというものがあります。
【フラット35】子育てプラスを利用すると、子育て世帯・若年夫婦世帯に対して一定期間借入金利を引き下げてもらえます。子どもの人数に応じて、引き下げられる率が異なります。
各金融機関でも子育て世帯向けの住宅ローンがある
上記のほかにも、例えば、三井住友信託銀行では「子どもの誕生」「6歳の誕生日」「15歳の誕生日」のタイミングで金利優遇をしてくれる「子育てサポートサービスジュニサポ」という商品を取り扱っています。
また、イオン銀行では育児休業中でも申し込みが可能で、出産・育児や介護などの家庭の事情によって返済猶予特約がついた「イオン銀行安心プラス(返済猶予特約付)住宅ローン」を取り扱っています。
みずほ銀行では、「[住宅ローン利用者専用]子育て応援サービス」を取り扱っています。住宅ローンの返済増額指定サービスの手数料が無料になったり、金利の引き下げなどのサービスを受けることができます。
出典:「子育てサポートサービス 『ジュニさぽ』」/三井住友信託銀行
出典:「子育て世帯応援!イオン銀行 住宅ローン」/イオン銀行
出典:「[住宅ローン利用者専用]子育て応援サービス」/みずほ銀行
【ライフステージ別】住宅補助・支援を使うベストなタイミングは?
ここまでさまざまな住宅補助金に関する制度をご紹介してきましたが、実際にどのようなタイミングで使うのがベストなのか気になる方もいるでしょう。
ここからは、ライフステージ別に住宅補助金制度を使うベストなタイミングについて見てみましょう。
第一子誕生前後|賃貸からマイホームへ切り替え検討時
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ひとつ目は、第一子の誕生前後です。結婚当初は賃貸住宅に住んでいて、赤ちゃんとの生活をスタートさせるにあたってマイホーム購入を検討する方も多いでしょう。出産・育児にも多くのお金がかかるため、住宅補助金などの制度を使うベストなタイミングのひとつといえるでしょう。
小学校入学前|学区や住環境を整える転機
二つ目は子どもの小学校入学前のタイミングです。小学校入学に合わせて、教育環境や住環境を整えたいと考える方も多いでしょう。小学校入学前になると子育てにも少し余裕が出てくるため、住宅購入について調べる時間が増えたと感じる方も多いようです。
じっくり調べて検討できるため、ベストなタイミングのひとつといえるかもしれません。
子どもが2人以上|世帯収入のバランスと将来設計を重視
子どもが2人以上いる場合は、世帯収入のバランスや子どもの教育資金がかかるタイミングを見て、住宅補助金を使うタイミングを考えましょう。
特に、中学・高校・大学受験が重なる場合、家計の負担が大きくなります。子どもが2人以上いる場合は、資金計画を見てベストなタイミングを検討するといいでしょう。
補助金を使うときの注意点・落とし穴
補助金を利用する際には、注意点や落とし穴があります。ここからは補助金の注意点や落とし穴を見てみましょう。
適用要件に注意
住宅取得に関する補助金などの制度を利用する場合、適用要件に注意する必要があります。
例えば、制度によっては申請期限と着工時期のタイミングによって制度の対象外となってしまう可能性があります。子どもの年齢については申請する年度末時点の年齢で判断される制度が多いようです。
「住宅性能」の要件を満たしているか、「施行会社」が事務局に登録されているかなど、事前にしっかり確認しておきましょう。
また、ほかの制度と併用できることもあるので、併用可否についても調べておくといいかもしれません。
補助金は「後払い」がほとんど
住宅補助金などの制度は、多くが「後払い」です。申請後、一定の手続きを経てから補助金・助成金が交付されます。そのため、補助金・助成金を含めないように資金計画を工夫するようにしましょう。
住宅購入前にやるべき!子育て世帯のマネープラン3つのコツ
①費用をシミュレーション
子育て世帯にとって住宅購入前にマネープランを立てておくことが重要です。マネープランを立てるときは、子どもの教育費・夫婦の老後資金を加味してシミュレーションをしましょう。
また、育児休業や子どもの就学時など保護者のいずれかが仕事をセーブしなければならないタイミングがあるかもしれません。そのため、世帯収入は変動することを前提に計画を立てましょう。
②早めから貯蓄
どの時期にどの程度の費用がかかるかわかったら、早めに貯蓄を始めるようにしましょう。貯蓄する方法についても、銀行預金、保険、NISAなどさまざまな方法を検討するといいかもしれません。
③無理のないローン計画
住宅ローンの毎月の返済額は、月収の20〜25%程度が目安とされています。長期的に無理のないよう返済額を設定しましょう。
制度を上手に活用して住宅購入を
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今回の記事では、子育て世帯が住宅購入するときに使える補助金制度や住宅ローンについてご紹介しました。
子育て世帯に向けて、さまざまな優遇制度が設けられています。このような制度を活用することで、お得になるケースもあるようです。
ただし、住宅補助金などの制度は年度ごとに要件などが見直されています。活用を検討する場合は、最新情報をチェックして後悔しない住宅購入ができるようにしましょう。