中古住宅は子育て世代におすすめ?失敗しない家選びのポイントを解説!
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家族の成長にあわせて「マイホームが欲しい」と考えるものの、子育て世帯にとって新築は予算的にハードルが高く感じることも多いかもしれません。
実は、中古住宅でも選び方とリフォームの工夫次第で、快適で子育てしやすい家は実現可能です!とはいえ、中古住宅となると不安もありますよね。
子育て世帯の中古住宅選びのポイントは「立地」「間取り」「住宅性能」の3つです。
今回の記事では、子育て世帯の中古住宅の選び方、補助金や減税制度などをご紹介します。中古住宅でコスパよく理想の住まいを手に入れましょう。
中古住宅は子育て世帯におすすめ?
中古住宅には、子育て世帯にとって以下のような嬉しいメリットがたくさんあります。
価格が抑えられる
中古住宅は、新築住宅よりも数百万円単位で価格を抑えられるケースも多く、教育費や生活費がかかる子育て世代にとって大きな魅力です。
希望エリアで見つかりやすい
人気の学区や利便性の高いエリアはすでに住宅地化しており、新築物件が少ない場合もあるようです。中古住宅なら選択肢が広がり、希望エリアに住める可能性が高くなります。
リノベーションで理想の間取りに近づける
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中古住宅はリノベーションとセットにすることで、費用を抑えつつ家族のライフスタイルに合わせた間取りに調整することができます。つまり、中古住宅+リノベーションで理想の間取りを実現できるかもしれません。
自分たち家族にとって、どのような間取りなら暮らしやすいのか考えることも楽しそうですね。
中古住宅ならではの注意点も
ここまで中古住宅のメリットをお伝えしましたが、築年数や住宅性能など中古住宅ならではの注意点もあります。メリットだけでなくデメリットの見極めも大切です。
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子育てに向く中古住宅選びのチェックポイント
子育て世帯の中古住宅選びは、以下のポイントをしっかりチェックしましょう。
築年数:できれば築20年以内が目安
中古住宅を選ぶ際には、築年数は大きな判断材料のひとつです。築20年以内の住宅であれば、建物の老朽化が進んでいないケースが多く、メンテナンスや修繕のコストを抑えられる可能性があります。
築年数が浅ければ浅いほど、設備や内装が比較的新しく、現代のライフスタイルに合った仕様になっていることが多いでしょう。
築年数によっては、住宅ローン控除や各種補助金の対象外になることもあるようなので、注意が必要です。
耐震性能:1981年の新耐震基準以降に建てられた物件を選びましょう
「新耐震基準」は、1981年6月に施行されています。そのため、「新耐震基準」以降に建てられた物件を選びましょう。「旧耐震基準」と比べて地震への耐性が大きく強化されています。
子育て世帯にとって、地震などの災害時にも安心して暮らせる住まいは重要なポイントのひとつでしょう。築年数だけでなく、建築確認日が1981年6月1日以降かどうかも確認し、可能であれば耐震補強の有無や診断結果もチェックしましょう。
立地:通学・買い物の利便性、安全性は必須
子どもがいる家庭では、生活圏の利便性が非常に重要です。通学や通園に無理のない距離に学校や保育園があるか、交通事故のリスクが少ない安全な通学路が確保されているかなどを確認しましょう。また、日常の買い物がしやすいスーパーやドラッグストアが近隣にあることも、忙しい子育て家庭にはありがたいポイントです。駅やバス停へのアクセスも、通勤や外出の利便性を左右します。
構造:間取り変更しやすい構造か(スケルトンリフォーム対応か)
子どもの成長やライフスタイルの変化に合わせて、将来的に間取りを変更したいと考える方も多いでしょう。
将来的に間取り変更をできるようにするためには、壁の配置が変更しやすい「スケルトンリフォーム」に対応できる構造かどうかを確認することが重要です。
「スケルトンリフォーム」とは、柱などの建物の骨組みだけを残して、内装や設備を解体・撤去し、一から間取りや内装を設計・施工するリフォームのことをいいます。
特に、柱や梁で構造を支える「ラーメン構造」や「スケルトン・インフィル(SI)住宅」であれば、比較的自由に間取りの変更が可能です。将来の柔軟性を確保するためにもチェックしておきたいポイントです。
周辺環境:公園、保育園、子育て支援施設の有無や交通量なども確認を
子育て世帯にとって、日々の子育てをサポートしてくれる公園や子育て支援施設など周辺環境も大きな要素といえるでしょう。近くに子どもがのびのび遊べる公園があるか、保育園や児童館、子育て支援センターなどの施設が利用しやすい場所にあるかを確認しましょう。
また、周辺の交通量や道路状況も重要です。交通量が多い通り沿いや抜け道になっている道は、小さな子どもにとって危険が伴うため、慎重に見極めましょう。静かで落ち着いた環境が理想といえるでしょう。
特に耐震性能と周辺環境は、子どもを安心して育てるための最重要ポイントです。優先してチェックするようにしましょう。
中古住宅購入+リノベーションでできる!子育てに優しい住まい作り
中古住宅の魅力はリノベーションをすることで、自由度の高い住まいづくりを実現できることです。リノベーションで下記のような子育て仕様が実現できます。
収納たっぷりの間取り
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子育て中は何かと荷物が多くなりがち…と感じる方も多いでしょう。おもちゃや学用品などが増える子育て家庭では収納力が重要ポイントです。リノベーションで大容量の収納を設置すると、収納に関するお悩みも解決できるかもしれません。
具体的には、ファミリークロークを設置して家族の洋服や小物を1箇所に収納できるようにしたり、リビングに収納棚を設置して子どもの学用品を収納できるようにするケースがあるようです。
外遊びが好きな子どもやアウトドアの趣味がある場合は、玄関収納を設置することで大型のものも収納がしやすくなるでしょう。
家事ラク動線
家の中の動線によって、もっと家事を効率化できます。子育て世帯に人気があるのは、キッチンと洗濯スペースを近くに設置する間取りのようです。
キッチンは調理をするだけでなく、配膳や片付けなど多くの家事が集中する場所です。一方、洗濯スペースでは洗濯機を回す、干す、取り込む、畳むとさまざまな家事が発生する場所です。
キッチンと洗濯スペースを近くにしておくことで、移動が少なくなり効率的に家事を行うことができるでしょう。
リビング横のプレイスペース
家事をしながら、子どもの様子が見たいと考えている方もいるでしょう。リビング横に子ども用のプレイスペースを設置すると、子どもの様子を見ながら家事ができる安心の配置になります。
成長に応じて間取りを変更できる設計
間仕切りができる引き戸や棚を設置すると、家の使い方の選択肢が広がります。最初はオープンスペースとして、将来的には仕切って子ども用の個室にできます。
具体的な活用例としては、子どもが小さいうちは複数の子どもの子ども部屋として使い、子どもの成長とともにそれぞれの個室に間取り変更することができます。また、可動式のパーティションで在宅ワーク用のスペースを設けたケースもあるようです。
子どもの成長や家族のライフステージに合わせて間取りの可変性のある家は長く住むことができます。
関連記事:「子育て世帯必見!後悔しないリフォームのコツとアイデア【補助金で賢くリフォーム】」
中古住宅のリアルな購入費用は?補助金を賢く活用しよう
中古住宅を選ぶ子育て世帯の平均購入費用は以下の通りです(※三大都市圏の場合)。
- 戸建住宅:平均3,532万円
- 集合住宅(マンションなど):平均3,217万円
新築住宅と比較すると費用はぐっと抑えられますが、大きな資金が必要なことに変わりありません。
このようなまとまった出費には、補助金や減税制度をフル活用しましょう。
中古住宅購入で使える主な補助金・減税制度
中古住宅の購入にあたって、さまざまな補助金を活用することができます。詳しく見てみましょう。
子育てグリーン住宅支援事業
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子育てグリーン住宅支援事業は、省エネ性能の高い住宅取得をした場合に補助金が交付される制度です。中古住宅を購入して省エネ性能の向上させるためのリフォームをした場合、40~60万円が交付されます。
なお、対象のリフォーム工事は断熱改修をしたり、子育てに対応するための間取り変更などさまざまなものがあります。
各自治体の補助金制度
省エネ性能の高い住宅の取得やリフォーム、子育て・バリアフリーのためのリフォームなどをした場合、自治体が独自に補助金・助成金制度を設けていることがあるようです。役所の窓口やホームページで確認してみましょう。
住宅ローン減税
中古住宅の購入にあたって住宅ローンを契約する方が多いでしょう。一定の要件を満たせば、住宅ローン減税を利用することができます。年末時点の住宅ローン残高に応じて所得税や住民税の控除が受けられるため、家計への負担を大きく減らすことにつながります。
関連記事:「【2025年最新版】子育て世帯必見!住宅購入で使える補助金・ローンまとめ」
中古住宅で子育てするなら知っておきたい注意点
中古住宅の購入にあたっては、トラブルを避けるための購入前に知っておきたい注意点があります。以下で詳しく見てみましょう。
インスペクション(住宅診断)を必ず実施
築年数が経っている場合、目に見えない劣化や構造上の問題が潜んでいるかもしれません。そのため、事前にインスペクション(住宅診断)を行いましょう。インスペクション(住宅診断)には数万~十数万円程度の費用がかかります。
リフォーム前提で予算を組む
中古住宅を購入する場合は、リフォームをすること前提で予算を検討しましょう。中古住宅価格+リフォーム費用+諸経費で予算の総額がいくらになるのか計算しましょう。
子ども目線の安全対策
家の安全対策は、子ども目線で考えましょう。段差のない設計、すべりにくい床材、手すりの設置などの工夫が必要です。
家の安全対策は、将来夫婦2人の老後の生活にも活用することができるでしょう。
中古住宅でも、安心・快適な子育てライフは十分に叶う!
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今回の記事では、子育て世帯の中古住宅の選び方、補助金や減税制度などをご紹介しました。子育て世帯の中古住宅選びのポイントは「立地」「間取り」「住宅性能」の3つです。
中古住宅は、上手に選んでリフォームすれば、コストを抑えながら理想の子育て空間を手に入れられる選択肢です。
「立地」「間取り」「住宅性能」のバランスを見ながら、家族にぴったりの住まいを見つけましょう。