仕事に育児に、とにかく毎日忙しい共働き家庭は多いでしょう。「もっと家事の時間を短くしたい」「片付けてもすぐ散らかる…」などのお悩みはありませんか?
実は、日々のちょっとした工夫や、間取り・住宅設備を見直すことで、家事の効率は大きく変わります。忙しいからこそ、家のつくりや暮らし方を少し工夫するだけで、驚くほどラクに快適な毎日が手に入るかもしれません。
今回の記事では、今すぐできる時短家事アイデアと、家づくり・リフォームで取り入れたい効率化の工夫などについてご紹介します。
時間にも心にもゆとりが生まれる、「家事に追われない暮らし」を目指してみませんか?
共働き家庭が抱える「家事の悩み」
共働き家庭にとって、平日は仕事、帰宅後は育児と家事に追われる毎日でしょう。朝は子どもの支度や弁当作りにバタバタし、夜は夕食・お風呂・寝かしつけと、息つく暇もありません。「とにかく時間が足りない…」と感じる家庭は少なくないようです。
家事は夫婦で分担しているつもりでも、「気づいた方がやる」状態になっていたり、「自分ばかりやっている」と感じてしまうことも。共働きゆえに時間のやりくりが難しく、家事の偏りがストレスの原因になるケースもあります。
子どもが小さいうちはおもちゃや衣類、日用品などで部屋がすぐに散らかってしまうという声も多く聞かれます。片付けてもすぐに元通りという悪循環に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
このような課題は「忙しいのだから仕方ない」と我慢してしまうことが多いようですが、実は家事動線や収納、暮らし方を少し見直すだけで、負担を軽減することができます。以下で、そんな共働き家庭におすすめの時短アイデアをご紹介します。
忙しい共働き家庭にとって、「すぐに取り入れられる」家事効率化の工夫はとても重要です。ここからは、料理・洗濯・掃除の3ジャンルに分けて、今日から実践できる時短アイデアについて詳しく見てみましょう。
朝は時間との戦いだと感じている家庭も多いでしょう。お皿を何枚も使わず、ワンプレートで済ませることで配膳も片付けもスムーズになります。食洗機に対応した食器を使えば、洗い物の手間も激減します。
平日の料理時間を短縮するには、週末の下ごしらえがカギです。常備菜や冷凍保存できるおかずを作っておくと、平日は食事の準備が温めるだけで済みます。
また、カット済み食材と調味料がセットになったミールキットも、献立を考える手間を減らしてくれるでしょう。
調理から後片付けまで時短したいなら、食洗機や電気圧力鍋、ホットクックなどの時短家電が心強い味方になるでしょう。セットすればほったらかしでも料理が完成し、他の家事や子どもの対応に時間を回すことができます。
洗濯動線を見直すだけでも、驚くほどの時短につながるでしょう。干した後にそのまま収納できるよう「干す→しまう」が短距離で完結する配置を意識すると、家事の負担がぐっと軽くなります。
タオルやTシャツなど、畳まなくても済むものはそのまま「かける収納」にするといいかもしれません。洗濯後にハンガーで干して、そのままクローゼットへ移動すれば、畳む時間をゼロにできます。
洗濯と乾燥一体型など全自動洗濯乾燥機があれば、「干す」作業そのものが不要になるため大幅な時短になるでしょう。夜に洗濯して朝に取り出すといったサイクルを作っておけば、家事がぐんとスムーズになります。
※写真はイメージ(Adobe Stock/japolia)
一気にまとめて掃除しようとすると気が重くなってしまうでしょう。1日5分だけなど時間を区切ることで、無理なく習慣化できます。夫婦で5分ずつ分担するのもおすすめです。
モノの定位置を決めておくだけで、片付けが格段にラクになるでしょう。子どものおもちゃや書類も、使う場所の近くに収納スペースを設けると、自然と「出しっぱなし」が減っていきます。
掃除道具を取りに行く手間が省けるように、トイレや洗面所、リビングなど各所に掃除グッズを常備しておくといいでしょう。気づいた時にサッと掃除できるので、汚れを溜めずに済みます。
共働き家庭にとって、ロボット掃除機は最強の時短家電といえます。外出中や夜間に床掃除を任せられるので、日常的な掃除の手間を大幅に削減できるでしょう。
家事の時短は、日々の工夫だけでなく「家そのもの」のつくり方でも大きく変わります。
家事効率を高める家づくり・間取りのポイントについてご紹介します。間取りや動線を工夫することで、毎日の「面倒」を自然と減らすことができるでしょう。
ひとつ目にご紹介するのは、キッチン⇔リビング⇔洗面などをぐるっと移動できる「回遊動線」です。回遊動線は、家事効率をぐっと高める設計のひとつです。キッチン・洗面・リビングがつながっていれば、料理中に子どもの様子を見たり、洗濯を回しながら掃除したりと、複数の家事を同時にこなすことができます。移動のムダがなくなり、家事ストレスも軽減できるでしょう。
※写真はイメージ(Adobe Stock/cassis)
洗う・干す・しまうの動線を1カ所にまとめることで、洗濯にかかる時間と手間が劇的に短縮することができます。ランドリールームに乾燥機を設置し、すぐ横に家族の衣類をまとめて収納できるファミリークローゼットを配置すれば、「洗濯物を運ぶ・畳む・分ける」作業がほぼ不要になります。
買い置きの食材や日用品をまとめて収納できるパントリーがあると、キッチンが散らかりにくくなり、在庫管理もしやすくなるでしょう。
また、パントリーの一角に子どものプリントや書類を保管できるスペースを作れば、「あとで見よう」が溜まってごちゃつくのも防ぐことができます。
外出時や帰宅時の動線をスムーズにするには、玄関横の収納がカギです。上着、バッグ、ランドセル、靴などを家族ごとにしまえるファミリークロークがあれば、玄関まわりが散らかりにくく、忘れ物防止にもなるでしょう。特に子どもが自分で片付けやすい位置に収納があると、習慣づけにも効果的です。
料理の配膳・片付けがスムーズになるよう、キッチンとダイニングテーブルを横並びに配置すると、動きが最小限で済みます。重たい鍋や食器を運ぶ手間も減り、忙しい朝や夕食時にも余裕が生まれるでしょう。家事の負担を減らしつつ、家族との時間も確保できる動線です。
忙しい共働き家庭にとって、家事を「ラクにする」ための住宅設備は心強い味方になってくれるでしょう。手間や時間をぐっと減らせる最新機能や、使いやすい収納の工夫を取り入れることで、毎日の暮らしが快適になります。
シンク下にすっきり収まるビルトイン食洗機は、見た目がスマートなだけでなく、後片付けの時短にも直結します。スイッチひとつで洗浄・乾燥まで完了し、手洗いよりも節水効果も期待できます。食後の負担が軽くなることで、家族とのくつろぎ時間を確保しやすくなるでしょう。
※写真はイメージ(Adobe Stock/lielos)
手をかざすだけで水が出るタッチレス水栓は、調理中に手が汚れていても水栓周りを汚さずに使えます。水栓自体が汚れにくく、掃除の頻度も減らすことができるようです。衛生面にも優れているため、小さなお子さんがいる家庭にもおすすめの設備です。
天気や時間を気にせず洗濯物を乾かせる浴室乾燥機は、共働き家庭にとって非常に便利な設備です。夜に洗って夜のうちに乾かすこともでき、部屋干しのニオイ問題も解決します。カビ予防にもなるので、浴室の掃除もラクになるでしょう。
ベビーカーや外遊びグッズ、スポーツ用品などを玄関横の土間収納にまとめておくと、外出や帰宅の準備がスムーズになるでしょう。室内に持ち込まずに済むため、掃除の手間も減ります。季節用品や非常用グッズの保管場所としても重宝しているという声が聞かれました。
不在時でも荷物を受け取れる宅配ボックスがあれば、再配達の依頼に追われることがなくなり、ストレスを大幅に軽減することができるでしょう。
特にネットショッピングをよく利用する家庭や、共働きで日中留守にすることが多い家庭にとっては、導入のメリットが大きい設備といえるでしょう。
※写真はイメージ(Adobe Stock/polkadot)
「ちゃんと分担しているつもりなのに、なぜか不満が溜まる」このような共働き夫婦の家事問題は、「見えないズレ」が原因です。家事の負担感を軽減するには、お互いの状況を理解し合えるコミュニケーションが必要です。ここからは、夫婦のコミュニケーション術についてご紹介します。
家事は目に見えにくい作業が多いため、「自分ばかりがやっている」と感じやすいでしょう。このような「見えないモヤモヤ」を解消するには、家事分担表の作成が効果的です。洗濯・掃除・買い物など細かな項目を洗い出し、それぞれの担当を明確にすれば、互いの負担感が見える化されて不公平感を減らせます。
家事の分担は、無理に「平等」にしようとするよりも、得意な作業や好きな作業を担当する方がうまく回るケースもあるようです。料理が得意な人がキッチン周りを、掃除が得意な人が片付けを、というように役割を固定したり、定期的に役割を交代する「週替わり制」もおすすめです。お互いの大変さを理解しやすくなるでしょう。
家事や育児の予定、ゴミ出しの日などを夫婦で共有できるスケジュールアプリを活用すれば、伝え忘れや認識のズレを防ぐことができるでしょう。スマホで確認できるようにしておけば、忙しい中でも連携がスムーズにできます。カレンダー形式で「見える化」することで、ちょっとした気遣いや感謝のきっかけにもつながります。
※写真はイメージ(Adobe Stock/koumaru)
家を建てるタイミングは、家事効率を根本から見直す絶好のチャンスです。まずは、家族の1日の生活の流れを書き出してみることで、どこに無駄な動きがあるのかを把握しましょう。そのうえで、朝の身支度や洗濯、食事の準備など、日常の動作がスムーズに行える動線を設計に反映させることが大切です。
今だけでなく、子どもの成長やライフスタイルの変化にも対応できる「フレキシブルな間取り」は重要な視点のひとつです。
例えば、将来仕切れる子ども部屋や、多目的に使えるファミリースペースなど、暮らしの変化に応じて使い方を変えられる柔軟性があると、長く快適に暮らせるでしょう。
長く快適に暮らせる住まいのもうひとつのポイントとして、将来的に高齢になったときのことも見据えた設計を意識しましょう。階段の位置や段差の解消、家事の動作を最小限に抑える間取りなどを取り入れておくと、年齢を重ねても無理なく家事を続けられるでしょう。
※写真はイメージ(Adobe Stock/ponta1414)
今回の記事では、今すぐできる時短家事アイデアと、家づくり・リフォームで取り入れたい効率化の工夫などについてご紹介しました。
家事効率は、間取りや設備といった家づくりだけでなく、日々のちょっとした工夫や夫婦のコミュニケーションでも改善できるかもしれません。家族が気持ちよく暮らせる環境をつくるために、無理なく続けられる小さな工夫を積み重ねていくことが大切です。効率的で心地よい住まいづくりを、今日から少しずつ始めてみませんか?
関連記事:「【子育て世帯向け】家事動線が鍵!ストレスフリーな家づくり完全ガイド」
関連記事:「共働き×子育て世帯に適したお家とは?時短と安心を叶える家選び完全ガイド」