共働き×子育て世帯に適したお家とは?時短と安心を叶える家選び完全ガイド
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仕事に追われ、帰宅すれば育児・家事。毎日が時間との戦い…という共働き家庭は少なくないでしょう。「子どもの支度で朝はバタバタ」「寝かしつけ後に洗濯と片付け…」そんな日常を少しでもラクにしたいなら、「家の選び方」を見直すのが効果的です。例えば、「回遊動線+ランドリールーム」がある家に住めば、朝晩の家事時間がグンと短縮され、家族の時間も生まれるでしょう。
今回の記事では、家事・育児効率を高める間取りや設備、安心して子育てできる立地の選び方など、共働き世帯にとって本当に役立つ家選びのポイントをご紹介します。
共働き子育て世帯の「家選び」5つのポイントは?
共働き子育て世帯の「家選び」には重要な5つのポイントがあります。それぞれ詳しく見てみましょう。
1. 子どもの送迎・買い物・通勤がスムーズな立地
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共働き子育て世帯は、とにかくバタバタしてしまうと感じている方が多いでしょう。共働き子育て世帯にとって「移動のしやすさ」は時間効率の要といえるでしょう。保育園・学校・職場・スーパーが生活動線上に集まっているかが鍵です。駅近やバスアクセスも重要ポイントです。
2. 安全性が高く、安心して暮らせる地域環境
小さな子どもがいる世帯にとって、子どもと安心して暮らせるということはとても重要なポイントのひとつでしょう。交通量が少なく、治安の良いエリアが理想的です。オートロック付き物件や防犯カメラ設置済みの住宅なら、防犯面でも安心です。
3. 朝夜の家事を時短できる「動線設計」
効率的な動線を取り入れれば、調理中に洗濯をすることや仕事から帰宅後すぐに洗濯物を取り入れて収納することが可能になり、家事時間を大幅短縮できます。
例えば、回遊導線を取り入れると家事の同時進行や移動のストレス軽減に非常に効果的です。回遊導線とは、家の中で人が一方通行にならずぐるっと回れるように移動できる動線設計のことです。
4. 親子それぞれが快適に過ごせる空間設計
生活音や収納不足でストレスを抱えている子育て世帯の方も多いでしょう。そのため、親も子どももストレスなく過ごせる空間設計がとても重要です。
具体的には、防音フローリングやコルクマットなどの遮音性の高い床材を使うことで、足音や遊び音の響きを大幅に軽減することができます。
収納のストレスに関しては、玄関近くにファミリークローゼットを設けて、毎日の荷物や上着の収納を集約できるようにしたり、リビングや廊下には壁面収納や造作の棚を設置し、「見せる収納+隠す収納」をバランスよく配置するといいでしょう。
5. 将来を見据えた「柔軟性のある家」
子どもの成長に合わせて、間取りの使い方や働き方も変化します。将来のリフォームや間取り変更に対応できる柔軟な設計が理想的です。
具体的には、将来的に2部屋に分けられる「可変式の子ども部屋」にする方法などがあります。子どもがまだ小さいうちは、広めのワンルームを兄弟姉妹の遊び場や寝室として共有して使用して、子どもが成長してプライバシーが必要になったら、間仕切り壁や可動式の収納棚を追加して2部屋に分割できるようにしておくと、子どもの成長に合わせた使い方ができるでしょう。
戸建てorマンション、どちらが共働き向き?
共働き子育て世帯にとって、戸建てとマンションどちらがいいのでしょうか?戸建てとマンションにはそれぞれメリット・デメリットがあります。どちらがいいのかは、自分たちのライフスタイルによります。
メリット・デメリットを確認して、自分たちのライフスタイルに合っているのはどちらか検討してみましょう。
戸建てのメリット
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戸建てのメリットは以下の通りです。
- 駐車場が敷地内にあり、保育園や買い物の送迎がスムーズ
- 子どもの足音や声を気にせずのびのび暮らせる
- 収納スペースが豊富で荷物が増えても安心
- 将来の間取り変更や増改築がしやすい
戸建てのデメリット
戸建てのデメリットは以下の通りです。
- 庭や外構の手入れが必要で家事負担が増える
- セキュリティや災害対策は自衛が基本
つまり、戸建ては、将来的に自由度の高い暮らしをしたい方、子どもにのびのび遊べるスペースを作りたい方、生活が車移動中心で駐車場の使いやすさを重視したい方に向いています。
マンションのメリット
マンションのメリットは以下の通りです。
- 24時間ゴミ出しや宅配ボックスなど、時短家事に最適
- 高い断熱・気密性能で快適かつ省エネ
- セキュリティ設備が充実していて、留守中も安心
- 駅近物件が多く、通勤や通園がラク
マンションのデメリット
マンションのデメリットは以下の通りです。
- 騒音問題に気を遣う必要あり
- 専有面積が限られており、将来的なスペース不足の懸念
つまり、マンションは駅近通勤・通園など利便性を重視したい方、家事や育児の効率化・時短を最優先にしたい方、子どもがまだ小さく、騒音トラブルが起こりにくい方に向いているといえるでしょう。
家事負担を減らす!共働き世帯におすすめの間取りと設備
家の間取りや設備を工夫すると、家事負担を減らすことにつながります。共働き子育て世帯におすすめの間取りと設備についてご紹介します。
玄関近くに「ファミリークローゼット」
玄関から入ってすぐの場所にファミリークローゼットを設ける間取りです。ファミリークローゼットがあれば、家族全員分の衣類や登園グッズをまとめて収納することができます。外から帰ったらそのまま着替え・荷物の片付けができるので、リビングにモノが散らかりにくく、動線が短縮されて家事効率がアップします。
子どもも自分で片付けや準備がしやすくなり、自立心の育成にもつながります。
キッチン〜洗濯場所の回遊動線
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キッチンと洗面脱衣所・ランドリールームをぐるっと行き来できる回遊動線でつなげる間取りです。キッチンで調理しながら洗濯機を回したり、干したりといった「ながら家事」が自然にできるため、朝のバタバタしているときの時短にもつながります。
子どもがぐずったときも、視界を遮らず家中を見渡せる安心感があるため、小さい子どもがいる世帯にとっても安心です。
ランドリールーム+室内干しスペース
「洗う→干す→しまう」を一か所で完結できるランドリールームを設置する間取りです。ランドリールームは共働き家庭の強い味方です。ランドリールームに室内干しスペースがあれば、天気や時間帯に関係なく洗濯できるので、夜洗濯をしたい方や家族に花粉症の方がいる場合もぴったりです。
時短家電の導入
共働き子育て世帯にとって毎日家事と育児でバタバタという方も多いでしょう。料理・洗濯・掃除といった「毎日あるけど面倒な家事」に時短家電を取り入れることで、ぐっと負担が減ります。
例えば、ロボット掃除機を取り入れると、出勤中に自動で床掃除が完了します。埃アレルギー対策にもなります。
そのほかにも、ビルトイン食洗機があれば、洗い物の手間が省けて夜の家族時間をゆったり取ることができます。また、乾太くん(ガス衣類乾燥機)があれば電気式より短時間・高温乾燥でふっくら仕上がります。
スマート設備
忙しい共働き家庭にとって、不在時の対応をどうするかは非常に重要です。宅配ボックス・スマートロックなどの最新のスマート設備を取り入れることで、受け取りや鍵管理のストレスが激減し、時間のゆとりにもつながります。
宅配ボックスを取り入れると、再配達依頼の手間がゼロになり仕事中でも荷物を受け取れます。
自宅の鍵をスマートロックにすれば、自動施錠・遠隔操作が可能になるので、鍵の持ち忘れや子どもの閉め忘れを防止することができます。一部のスマートホーム機器と連携すれば、外出先からの施錠確認や照明ON/OFFも可能です。
上記のような設備・間取りは、単なる便利さ以上に、「夫婦で協力しながら家事・育児を回していける家」を実現することができます。住宅見学時や設計時には、これらの要素が備わっているかをぜひチェックしてみましょう。
家族の時間を増やす工夫〜共働きならではの住まい方
共働き子育て世帯にとって、平日になかなか子どもとの時間を増やせない、子どもにきちんと向き合えるか不安といったお悩みを抱えている方もいるかもしれません。
ここからは、家族の時間を増やすためにできる家の工夫について詳しく見てみましょう。
リビング学習スペース
リビングの一角にカウンターや机を設置し、子どもの勉強や作業ができる「リビング学習スペース」を作ることで、親子の距離がぐっと縮まります。自然に親子の会話が生まれ、子どもと目が合う時間を増やすことができるでしょう。
テレビやリビングの雑音が気になる場合は、照明や壁材で工夫するのがおすすめです。
小上がりや畳コーナー
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リビングの一角に、床より少し高い「小上がりスペース」や畳コーナーを設けると、家族の休憩所になるでしょう。多目的に使えて、見た目も落ち着く和の要素があるのが魅力です。
具体的な用途としては、子どものお昼寝スペースにして親も隣で腰を下ろして本を読んだり、スマホを見たり時間を共有することができます。
畳コーナーの場合は、転倒時の衝撃を和らげるので乳幼児の遊ぶスペースとしてもおすすめです。
半個室ワークスペース
在宅勤務や副業が増えている昨今、共働き子育て世帯にとって「仕事に集中できる空間」の確保も家選びで重要なポイントです。そうはいっても、完全な個室だと家族の存在が見えづらくなることが気になる方もいるでしょう。「半個室ワークスペース」が、そのバランスをうまく取ってくれます。
子育て世帯には、リビングや廊下から壁や棚で緩やかに仕切ったワークコーナーを設ける形がおすすめです。また、2人同時に使えるデスクレイアウトにすれば、夫婦交代制の在宅勤務にも対応することができるでしょう。
共働き子育て世帯が自然に目を合わせる機会・声を交わす瞬間を家の中で増やすには、「完全なプライベート空間」と「つながりを感じる共有空間」の両方のバランスが大切です。
子育てに優しい立地条件・周辺環境の選び方
ここまでは、共働き子育て世帯にとって暮らしやすい家の中のことについてご紹介してきました。ここからは、子育てに優しい立地条件・周辺環境の選び方について詳しく見てみましょう。
保育園や小学校・公園が徒歩圏内にあるか
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保育園や小学校、公園の位置は、毎日の送迎負担や放課後・休日の過ごし方に直結するポイントです。
保育園や幼稚園が自宅から徒歩10分以内にあれば、朝の送りや夕方の迎えが短時間で済み、共働きのタイムマネジメントがしやすくなるでしょう。
時間だけでなく、小学校までの通学路が安全かどうかも重要です。低学年は特に親の心配が尽きないため、登下校の道のりを実際に歩いてみるのがおすすめです。
スーパー・病院・駅までのアクセス
スーパー・病院・駅などの位置は、日常生活の利便性を大きく左右します。
スーパーが徒歩圏内にあると、夕食の買い忘れや急な買い出しにもすぐ対応できます。特に24時間営業や宅配対応の店舗があると、共働き家庭にとって強い味方になるでしょう。
小児科・内科・歯科といった医療機関の充実度も必須チェック項目です。かかりつけ医が近くにあると、急な発熱時にもすぐ相談できるので育児の不安が軽減されます。
通勤に電車を使う家庭では、最寄り駅へのアクセスや所要時間も重要です。特に雨の日や保育園送迎との兼ね合いを考慮して、「駅まで徒歩◯分以内+フラットな道」で検討しましょう。
車の通行量が少ない、交通安全に配慮された地域
幼児〜小学生の子どもがいる家庭では、自宅周辺の道路環境の安全性は絶対に確認したいポイントです。
「生活道路なのに抜け道として車が多く通る」「歩道がない」「カーブが多く見通しが悪い」といった場所は、子どもにとって危険なため注意が必要です。
地域によっては、登校時の見守りボランティアの有無も見ておくと安心材料になります。
自治体の子育て支援の充実度
自治体によって、子育て家庭に対する支援策には大きな差があります。自治体の子育て支援は金銭的・精神的な負担を減らしてくれます。
具体的には、保育料の軽減制度や出産・育児一時金、子育て応援金などがあります。特に共働き子育て家庭は「一時預かり施設」「ファミリーサポートセンター(子育て支援活動)」が利用しやすいかどうかもチェックしておきましょう。
詳細は、各自治体のホームページで確認してみてください。
洪水・地震などハザードマップ上の安全性チェック
子育てにおいてどれだけ便利でも「災害リスクの少なさ」は譲れない条件でしょう。
購入の検討時に、国土交通省のハザードマップや各自治体の防災マップを必ず確認しましょう。洪水・土砂災害・液状化リスク・地震による揺れの強さなど、エリアごとのリスクが視覚的に把握できます。
特に小さな子どもがいる家庭では、避難所の場所や、家の近くの避難経路の安全性も事前に見ておきたいポイントです。「水害リスクが高いエリアなのに1階にリビングがある」「避難所まで遠い」などの条件は、将来の不安材料になってしまうかもしれません。
子育て世帯が活用できる住宅支援制度
子育て世帯の住宅取得にあたって、国や自治体がさまざまな支援制度を設けています。活用すると、家計の負担を大きく減らすことができるでしょう。
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、省エネ性能の高い住宅の取得やリフォームを支援する制度です。子育て世帯や若者夫婦世帯が対象となっていて、GX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅を取得したときに40~160万円の補助金が交付されます。
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自治体独自の補助金
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多くの自治体では、子育て世帯の定住促進や移住支援を目的とした独自の住宅取得支援制度を設けています。具体的には、省エネ性能の高い住宅の取得や移住してきた際に補助金や助成金が交付される制度があるようです。
詳細は、エリアによって内容や条件が異なるため、居住予定の自治体のホームページなどを確認することが重要です。
住宅ローン減税
住宅ローン減税は、住宅ローンの年末残高に応じて所得税や住民税から一定額が控除される制度です。子育て世帯や若者夫婦世帯に対しては、借入限度額の上乗せ措置が講じられており、より多くの控除を受けることが可能です。
共働き子育て世帯の暮らしは「家選び」でもっとラクに、楽しくなる
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今回の記事では、家事・育児効率を高める間取りや設備、安心して子育てできる立地の選び方など、共働き世帯にとって本当に役立つ家選びのポイントをご紹介しました。
家族の動線を意識した間取りや時短につながる設備を取り入れることで、共働き子育て世帯の暮らしはもっとラクに、もっと楽しくなるでしょう。
また、子育て支援が充実した自治体を選んだり、補助金制度を賢く活用したりすることで、費用面の不安も大きく軽減できます。
後悔のない家選びをするために、少しでも多くの情報を集め、見学や相談も積極的に活用しましょう。