家づくりをしたいと思っていても「家を建てたいけど、どれくらいの期間がかかるの?」「何から始めたらいいのか分からない」このようなお悩みはありませんか?
注文住宅の家づくりは、一生に一度の大きなプロジェクトといえます。入居希望時期に間に合わせるためにも、全体スケジュールを把握し、各ステップでやるべきことを明確にしておくことが大切です。
今回の記事では、家づくりにかかるおおよその期間や、ステップごとの流れ、注意点などについてご紹介します。これから家づくりを始める方がスムーズに進められるよう、実際の流れに沿ってガイドしますので、ぜひ参考にしてみてください。
家づくりには思っている以上に時間がかかります。スムーズに進めるためには、各ステップの流れと目安期間を事前に把握しておくことが大切です。
ここからは、注文住宅の家づくりにかかるトータル期間と、8つのステップに分けた流れをご紹介します。
注文住宅の家づくりには、約12ヶ月がかかるといわれています。土地探しやプランニング、建築工事など、それぞれの工程に時間を要するため、余裕をもったスケジュールを立てましょう。
特に、希望の入居時期が決まっている場合は、「逆算してスケジュールを組む」ことが重要です。進捗が遅れると入居時期に間に合わなくなることもあるため、全体像を把握したうえで、計画的に進めましょう。
家づくりを8つのステップに分けた流れと目安期間をそれぞれ見てみましょう。
以下でそれぞれのステップについて詳しく解説します。
家づくりはステップごとに「すること」と「注意点」がそれぞれあります。このようなポイントを理解しておくことで、ムダや後悔の少ない家づくりが実現できるでしょう。
ここでは、8つのステップごとに取り組むべき内容と、見落としがちな注意点を詳しくご紹介します。
まずは家づくりの基本知識や事例を集めましょう。住宅展示場の見学やインターネット・SNS・雑誌・住宅会社のカタログなどを活用して、自分たちの理想の家のイメージを固めていきましょう。
このステップでは、家族でどんな暮らしがしたいのかを話し合い、間取りやデザインの方向性を共有しておくことが大切です。
STEP1の情報収集では、すべての情報を鵜吞みにしないということが重要です。インターネットやSNS、ブログなどで多くの情報を目にすることになりますが、このような情報には個人の体験や主観が含まれていることも多いため注意が必要です。住宅会社の公式サイトやモデルハウスの見学など、信頼性の高い情報源とあわせて判断するようにしましょう。
また、理想の住まいを追い求めるあまり、現実的な予算やライフプランとのバランスを見失ってしまうと、後から大きな修正が必要になるケースもあります。情報収集の段階から「理想」と「現実」の両面を意識しながら進めましょう。
次に、家づくりにかけられる予算を明確にします。自己資金やローンの借入可能額を把握し、「建物+土地+諸費用(登記、引っ越し、家具家電など)」を含めた総合的な資金計画を立てましょう。このタイミングで、金融機関の住宅ローン事前審査を受けておくと安心です。
家づくりには、建物の工事費や土地代だけでなく、外構工事、火災保険料、引っ越し費用、家具・家電の購入費など、さまざまな“諸費用”がかかります。諸費用も含めて資金計画を立てるよう注意しましょう。
また、住宅ローンについては「借りられる金額」で設定することは避けましょう。将来の生活やライフプランを見据え、無理のない返済額を基準に予算を設定することが、安心して暮らせる家づくりの第一歩となるでしょう。
建てたいエリアや予算、通勤・学区などの希望条件に沿って土地を探しましょう。土地をすでに所有している方は、その土地に希望の家が建てられるかどうか、法的な制限(建ぺい率・容積率・用途地域など)を事前に確認しましょう。
土地選びは建物プランにも大きく関わるため、住宅会社と相談しながら進めるのがおすすめです。
土地選びは家づくりの重要なスタート地点ですが、「土地ありき」で計画を進める場合は注意が必要です。土地の形状や方角、周辺環境によっては、希望していた間取りや日当たり、生活動線が確保できない場合もあります。そのため、土地と建物はセットで考え、建てたい家がその土地で実現できるかを慎重に見極めることが大切です。
また、「建築条件付き土地」の場合は、特定の住宅会社での建築が前提となるため、間取りの自由度やデザインの選択肢が制限されることもあります。土地の条件をしっかり確認し、自分たちの希望に合った選択ができるようにしましょう。
住宅展示場の見学や資料請求を通じて、複数の住宅会社を比較検討しましょう。
施工実績やデザイン性、価格、性能などを総合的に評価した上で、気になる会社とは直接面談や相談を重ねます。2〜3社に絞ってプラン提案や見積もりを依頼するケースが多いようです。
住宅会社を選ぶ際は、担当者との「相性」や「対応力」も重要な判断材料のひとつです。打ち合わせを重ねる中でのコミュニケーションのしやすさや、引き渡し後のアフターフォロー体制がしっかりしているかどうかも確認しておきましょう。
また、費用面での安さばかりに目を向けるのも危険です。極端に安い提案には、使用する建材のグレードが低かったり、サポートが不十分だったりといった理由があるようです。価格の背景にある「中身」を見極めることが、後悔しない会社選びのポイントとなります。
※写真はイメージ(Adobe Stock/metamorworks)
間取りや仕様、設備を住宅会社と打ち合わせながら詳細を決定します。打ち合わせは複数回に分かれて進み、最終的に工事請負契約を締結し、建築確認申請を提出します。
このタイミングで資金計画の見直しやローンの調整が入ることもあるため、最終確認は入念に行いましょう。
一度プランが確定した後の変更は、追加費用や工期の延長につながるリスクがあるため、後戻りを防ぐためにも慎重に検討しましょう。そのためにも、生活動線や収納の配置、将来的な家族構成の変化まで見据えたうえでプランを確定することが重要です。
また、見落としがちなのが「標準仕様」と「オプション」の違いです。希望を取り入れていくうちに、オプション費用がどんどん加算され、当初の予算を大きくオーバーしてしまうこともあります。契約書や見積もりの内容についても、どこまでが標準に含まれているのか、抜け漏れや不明点がないかを細かく確認し、不安な点はその場で担当者に確認しておきましょう。
工事請負契約後、住宅ローンの本申込み・審査・承認を経て、正式な融資手続きに進みます。同時に、地鎮祭や近隣住民への挨拶、設備や仕様の最終確定、工事スケジュールの確認など、着工に向けた準備が本格化していきます。
住宅ローンの本申込みを行う際は、金利や団体信用生命保険(団信)の保障内容などを複数の金融機関で比較することが大切です。条件によっては、返済総額に大きな差が出るため、慎重に検討しましょう。
また、着工前には地鎮祭の実施や近隣住民への挨拶など、現場との信頼関係を築くためのコミュニケーションも欠かせません。このような丁寧なやり取りが、工事中のトラブルを防ぎ、スムーズな進行につながるでしょう。
設備や仕様の最終確定はこのタイミングで必ず済ませておくべき重要なポイントです。迷いや変更が生じると、工期の遅れや予算の超過につながる恐れがあるため、しっかりと準備を整えておきましょう。
基礎工事から上棟、外装・内装の仕上げまで、いよいよ家が形になっていきます。この間は現場の進捗に応じて中間検査や施主確認が数回入り、細かな仕様確認や立ち合いも発生します。
建築工事が始まったら、現場確認は必ず行いましょう。図面通りに施工されているか、仕上がりに不具合がないかを自分の目でチェックすることは、後悔しない家づくりのために非常に重要です。
また、工事中の仕様変更は、追加費用の発生やスケジュールの遅れにつながるため、極力避けましょう。どうしても変更が必要な場合は、必ず書面で内容を明確にし、記録を残しておきます。
建築期間中は天候や建材の調達状況によって、予期せぬ遅れが発生することもあるかもしれません。引越し時期は余裕を持って計画し、万が一の事態にも柔軟に対応できるよう備えておくといいでしょう。
※写真はイメージ(Adobe Stock/polkadot)
建物完成後は、社内および第三者機関による最終検査を行い、問題がなければ引き渡しとなります。その後は登記・保険加入・住宅ローン実行・ライフラインの手続き・引越しと、やるべきことが一気に押し寄せてきます。
引き渡し前の施主検査では、コンセントの位置やドアの開閉具合、床や壁の傷、各設備の作動状況など、細かい部分までしっかりとチェックしましょう。後悔しないよう、できる限り丁寧に確認することが大切です。
また、住宅会社のアフターサービス体制について、保証内容や定期点検の有無などを事前に把握し、不明点があれば契約前に確認しておくと安心です。
登記手続きや火災保険の加入に必要な書類は早めに準備を進めておくことで、引越し直前のバタバタを軽減できるでしょう。
家づくりは多くの工程が絡み合うため、計画通りに進まないことも珍しくありません。トラブルや遅れを回避するためには、遅延の原因を知り、あらかじめ対策しておくことが大切です。
「なかなか理想の土地が見つからない」「予算や立地条件で折り合わない」など、土地探しは家づくりの中でも特に時間がかかりやすいステップです。土地選びが遅れると、その後の住宅会社選びやプランニングもすべて後ろ倒しになってしまうかもしれません。
あらかじめ希望条件に優先順位をつけておくことで、スムーズな判断が可能になります。また、住宅会社と連携して土地と建物を同時に検討するスタイルもいいかもしれません。
「もっとこうしたい」「やっぱりあの設備を入れたい」といった修正が続くと、プラン確定が大幅に遅れてしまいます。打ち合わせのたびに仕様変更が発生すると、工事着工も後ろ倒しになり、最悪の場合は契約のやり直しになってしまうこともあります。
事前に家族で理想の暮らしやライフスタイルを共有し、「ゆずれないポイント」と「妥協できるポイント」を明確にしておきましょう。初期の打ち合わせ段階で方向性を固めておくことが重要です。
※写真はイメージ(Adobe Stock/COSPV)
梅雨や台風、大雪といった天候不良により、基礎工事や外装工事が中断するケースがあります。また、昨今は資材価格の高騰や納品遅れの影響で、予定していた設備が手に入らないこともあるようです。
引き渡しの時期は、余裕をもって計画を立てましょう。特に年度末や新生活シーズン(3〜4月)に合わせたい場合は、半年前には着工できるよう逆算が必要です。予備日を設けたスケジュールを組むのがポイントです。
住宅ローンの本申込みや建築確認申請、自治体の補助金申請など、家づくりには多くの書類手続きが発生します。必要書類の不備や確認に時間がかかると、全体の流れが滞る原因になることもあります。
スケジュールに余裕を持って早めに申請準備を始めること、提出期限や必要書類を事前にリストアップしておくことが重要です。また、住宅会社が手続きに慣れているかどうかも、スムーズに進めるための大きなポイントになるでしょう。
完成希望時期がある場合は、そこから逆算してスケジュールを組むといいでしょう。引越しシーズンやお子様の進学タイミングに合わせたい人ほど、早めの行動がカギとなります。
※写真はイメージ(Adobe Stock/mapo)
家族の状況やライフイベントのタイミングによって、家づくりに適したスケジュールや注意点は変わってきます。家族構成・ライフイベント別に家づくりのスケジュールについて詳しく見てみましょう。自分たちのライフステージに合ったスケジュール管理で、無理のない理想の家づくりを実現しましょう。
「出産前に新居を完成させたい」と考えるご家庭は多いですが、妊娠中は体調の変化も大きく、打ち合わせや現地確認が思うように進まないこともあります。
つわりの時期や臨月に重なると行動が制限されてしまう可能性もあるため、余裕を持ったスケジュールにしましょう。
妊娠初期~中期にプランを固めて着工へ進めると安心です。無理をしすぎず、必要に応じてパートナーや家族のサポートを得ながら進めましょう。
子育て中は毎日の育児で忙しく、家づくりに集中する時間を取りにくくなるでしょう。また、子どもの成長や進学を見据えて、保育園・幼稚園の通いやすさや学区の評判も土地選びの重要ポイントになります。
子ども連れでも対応してくれる住宅会社や、キッズスペースのある展示場を選ぶとストレスが少なくて済むようです。間取りには成長を見越した柔軟性や収納力も意識しましょう。
平日は仕事、週末は家事や育児で忙しく、打ち合わせのスケジュール調整が難しいのが共働き世帯の悩みといえるでしょう。結果的に家づくりが長期化したり、希望時期に間に合わないこともあります。
対策として、オンライン打ち合わせや夜間対応してくれる住宅会社を選ぶと、無理なく家づくりが進められるようです。スケジュール管理がしっかりしている会社に依頼するのも、スムーズな進行のポイントです。
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※写真はイメージ(Adobe Stock/maroke)
今回の記事では、家づくりにかかるおおよその期間や、ステップごとの流れ、注意点などについてご紹介しました。家づくりは、情報収集から着工・引き渡しまでおよそ12ヶ月かかる長期プロジェクトです。各ステップには必要な準備や判断があり、スムーズに進めるには全体像を把握しておくことが重要です。
特に忙しい共働き家庭や育児中の方にとっては、スケジュールに余裕を持つことが無理のない家づくりを実現するポイントになります。家族で理想の暮らしをしっかり話し合いながら、一歩ずつ着実に進めていきましょう。
進行管理に不安がある場合は、スケジュール調整やサポート体制が整った住宅会社を選ぶのもひとつの方法です。
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