KIDSKI STYLE

【子どもに安心】低ホルム素材で家づくり!効果的な内装材とは?

作成者: KIDSKI STYLE編集部|2025/7/31


※写真はイメージ(Adobe Stock/kai)

 

「最近、子どもが部屋で咳き込む…」「もしかして、アレルギーや湿疹の原因は家の素材…?」 家づくりやリフォームを考え始めると、そんな不安がよぎりませんか?

特に小さなお子さまがいるご家庭では、目に見えない化学物質の影響が心配ですよね。

そんな不安を解消するカギが「低ホルムアルデヒド素材」です。

この記事では、子育て中のご家庭にこそ知ってほしい、安全な素材選びのポイントを、ぎゅっと詰め込んで分かりやすく解説します。

なぜ今、低ホルム素材が注目されている?

※写真はイメージ(Adobe Stock/mapo)

 

お家で過ごす時間が増えた今、室内の空気が家族、特に体の小さな子どもたちの健康に与える影響が、改めて注目されています。

目に見えない化学物質が、シックハウス症候群やアレルギーの原因になることも。なぜ今、安心な素材選びが重要なのか、その理由を詳しく見ていきましょう。

 

シックハウス症候群の主な原因

シックハウス症候群は、建材や家具に使われる接着剤や塗料から放散される「ホルムアルデヒド」などの化学物質が、主な原因とされています。

これらが室内の空気を汚染し、目や喉の痛み、頭痛、アレルギーのような症状を引き起こすことがあります。

気密性の高い現代の住宅では、こうした化学物質が室内に留まりやすいため、建材そのものから原因物質を減らす対策がとても重要になります。

 

子どもは化学物質の影響を受けやすい

子どもは、体の機能がまだ発達途中であることに加え、大人と比べて体重あたりの空気の摂取量が多いという特徴があります。

また、床でハイハイしたり、おもちゃを口に入れたり、大人よりも床に近い場所で多くの時間を過ごします。

そのため、空気中に漂う化学物質の影響を、より受けやすいと考えられています。大人は何ともなくても、お子さまにだけ症状が出てしまうことがあるのは、このためです。

 

室内空気の質が、健康・発育・睡眠に影響する

汚れた空気は、アレルギー症状を悪化させるだけでなく、子どもの集中力や健やかな発育の妨げになることも。

特に、鼻づまりや咳などの症状は、心地よい睡眠の妨げになってしまいます。質の良い睡眠は、子どもの成長にとって欠かせない大切な要素です。

安心してぐっすり眠れる、きれいな空気環境を整えてあげることは、健やかな心と体の成長をサポートすることに繋がります。

 

「低ホルム素材」って?どんな基準があるの?

「F☆☆☆☆」というマーク、家づくりや家具選びで見かけたことはありませんか?これは、家族の健康を守るための、とても大切な安全基準のしるしです。

なんとなく知っているこのマークの意味や、その背景にある国の基準について、ここでは分かりやすく紐解いていきましょう。

 

ホルムアルデヒドとは

※写真はイメージ(Adobe Stock/sulit.photos)

 

ホルムアルデヒドは、建材や家具を製造する際に使われる接着剤や塗料に含まれる化学物質の一つで、無色透明で、ツンとした刺激臭があるのが特徴です。

シックハウス症候群の主な原因物質として知られており、濃度が高いと目や鼻、喉に刺激を感じることがあります。

このホルムアルデヒドの放散をいかに少なくするかが、安全な室内環境を作るカギとなります。

 

「F☆☆☆☆(フォースター)」の意味と基準

「F☆☆☆☆(フォースター)」は、建材から放散されるホルムアルデヒドの量を示す等級の中で、最も放散量が少ない、最高ランクの安全基準です。

このマークが付いた建材は、建築基準法において使用面積の制限なく使うことが認められています。

家づくりやリフォームの際には、壁紙やフローリング、合板など、内装に使われるあらゆる建材にこの「F☆☆☆☆」マークがあるかを確認することが、安心な素材選びの基本です。

 

参考文献:国土交通省|「シックハウス対策について知っておこう。快適で健康的な住宅で暮らすために改正建築基準法に基づくシックハウス対策」

 

JIS・JAS規格と健康への安全性

「F☆☆☆☆」の等級は、JIS(日本産業規格)やJAS(日本農林規格)によって定められた、国の安全基準です。

工業製品や農林物資の品質を保証するためのもので、製品が一定の安全基準を満たしていることを示します。

つまり、このマークがある製品を選ぶことは、公的な基準に基づいた安全性に繋がります。

特に小さなお子さまの健康を守るためには、この信頼できる指標を頼りに素材を選ぶことが大切です。

 

子育て家庭におすすめの「低ホルム素材」一覧

家族が多くの時間を過ごす大切なお家。だからこそ、使う素材にはこだわりたいですよね。

ここでは、特に小さなお子さまのいるご家庭におすすめの、安全で快適な空間をつくるための具体的な素材を、場所ごとに詳しくご紹介します。

 

床材|素足で触れる場所だからこそ、温もりのある無垢材を

※写真はイメージ(Adobe Stock/norinori303)

 

子どもたちがハイハイしたり、寝転がったり、素足で駆け回ったりと、床は家族の肌が最も直接触れる場所です。

だからこそ、接着剤を多用する複合フローリングではなく、天然木そのものである「無垢フローリング」がおすすめです。

特に国産の杉やヒノキは、足触りが柔らかく温かいのが魅力。木の香りはリラックス効果も期待できます。

また、無垢材が持つ「調湿効果」は、夏は湿気を吸い、冬は水分を放出して、お部屋の湿度を快適に保ってくれる天然のエアコンのような役割も果たしてくれます。

 

壁材|お部屋の空気をきれいにする自然素材の塗り壁・クロス

お部屋の中で最も面積が広い壁は、空間の空気環境を大きく左右します。

一般的なビニールクロスは、化学物質を含む接着剤で貼られることが多いですが、自然素材由来の壁材を選ぶことで、よりクリーンな環境を目指せます。

例えば、植物プランクトンの化石からできる「珪藻土」や、サンゴが原料の「漆喰」といった塗り壁は、優れた調湿性や消臭効果が特徴です。

また、紙や織物でできた「紙クロス」「布クロス」も、ビニールクロスに比べて通気性が良く、結露やカビの発生を抑える効果が期待できます。

 

天井材|見過ごしがちでも重要!空気環境を整える天井

壁や床に比べて、あまり意識することのない天井。しかし、壁と同じように面積が広いため、天井の素材選びも室内の空気環境にとっては大切なポイントです。

壁と同様に、調湿・消臭効果のある自然素材を選ぶことで、お部屋全体の快適性がぐっと高まります。

例えば、杉やヒノキの羽目板を天井に張れば、木の温もりあふれる空間になるだけでなく、香りによるリラックス効果も得られます。

また、珪藻土や漆喰で仕上げたり、通気性の良いクロスを選んだりすることで、化学物質の放散を抑え、健やかな空気環境を保つことができます。

 

家具・収納|意外な盲点!作り付けの棚にも安全基準を

内装材にこだわっても、意外と見落としがちなのが、クローゼットの棚板や作り付けの収納家具です。

これらは、木材を細かくして接着剤で固めた「合板」や「パーティクルボード」といった素材でできていることが多く、ホルムアルデヒドの発生源になりやすい部分です。

せっかく内装を安全な素材で仕上げても、収納から化学物質が放散されては意味がありません。

家を建てる際やリフォーム時には、こうした造作家具に使われる板材が、きちんと「F☆☆☆☆」の基準をクリアしているか、忘れずにチェックするようにしましょう。

 

自然素材なら本当に安心?選ぶ際の注意点

※写真はイメージ(Adobe Stock/ELUTAS)

 

「自然素材」と聞けば、なんとなく体に優しくて安全なイメージがありますよね。でも、「自然」という言葉だけで選んでしまうと、思わぬ落とし穴があることも。

ここでは、後悔しないための、自然素材を選ぶ際にチェックしてほしいポイントを解説します。

 

自然素材=安全とは限らない

「自然素材を使っているから安心ですよ」と言われても、すぐに鵜呑みにするのは待ちましょう

例えば、木材を使っていても、それがどんな加工をされているかによって安全性は変わってきます。

また、オーガニックコットンも、染料に化学物質が使われていれば、100%安全とは言い切れません

「自然」という言葉のイメージだけでなく、その素材が製品になるまでの過程に目を向けることが、本当の安心に繋がるのです。

 

接着剤や塗料の種類がポイント

素材そのものが自然のものであっても、それらを貼り合わせる「接着剤」や、表面を保護する「塗料」に化学物質が含まれているケースは少なくありません。

特に、ホルムアルデヒドは接着剤に多く含まれるため、どんな種類のものが使われているかは非常に重要なチェックポイントです。

製品を選ぶ際には、素材だけでなく、使われている接着剤や塗料が「F☆☆☆☆」の基準をクリアしているか、植物由来のオイルなど、安全な成分でできているかまで確認するようにしましょう。

 

無垢材でも「集成材」は接着剤使用に注意

一枚板から切り出した「無垢材」は、接着剤をほとんど使わないため安心な素材の代表格です。

しかし、見た目が似ている「集成材」は注意が必要です。

集成材は、小さくカットした木材を接着剤で貼り合わせて作られています。強度があり、コストを抑えられるメリットがありますが、使用される接着剤によってはホルムアルデヒドの放散源になり得ます。

「木の家」を選ぶ際には、柱や梁、フローリングが「無垢材」なのか「集成材」なのか、そして集成材の場合はどんな接着剤が使われているのかを確認することが大切です。

 

子どもに優しい家をつくるためにできること

※写真はイメージ(Adobe Stock/maroke)

 

安全な素材を選ぶことは、健康的な家づくりの大切な第一歩。でも、それだけでは十分ではありません。

素材の良さを最大限に活かし、本当に安心して暮らせる環境を整えるために、知っておきたいプラスアルファのポイントをご紹介します。

 

換気システムとの組み合わせが大切

どんなに低ホルムの素材にこだわっても、暮らしの中ではホコリや二酸化炭素など、空気は汚れていくものです。そこで重要になるのが「換気」です。

現在の住宅には24時間換気システムの設置が義務付けられていますが、これを正しく使うことが大切です。

また、天気の良い日には窓を開けて、お部屋の空気をしっかり入れ替える習慣をつけましょう。

素材選びと上手な換気を組み合わせることで、常にクリーンな空気環境を保つことができます。

 

内装材の選び方だけでなく「施工方法」も要チェック

せっかく安全な自然素材を選んでも、どんな接着剤や塗料を使って施工されるかによって、室内の空気環境は変わってしまいます。

例えば、壁紙を貼るための「のり」や、木材を保護するための「ワックス」や「塗料」にも、化学物質が含まれている場合があります。

施工をお願いする会社には、素材そのものだけでなく、施工に使う副資材もF☆☆☆☆基準のものや、自然由来の安全なものを使ってもらえるか、事前にしっかりと確認することが安心への近道です。

 

工務店・住宅メーカーに確認したい質問リスト

家づくりのパートナーとなる会社には、子どもの健康への想いをきちんと伝え、疑問や不安を解消しておくことが大切です。打ち合わせの際には、ぜひこんな質問をしてみてください。

  • 内装材や下地材、接着剤はF☆☆☆☆のものを使用していますか?
  • 無垢材や塗り壁など、自然素材の施工実績は豊富ですか?
  • 無垢材を使用する場合、仕上げの塗料はどんなものを使いますか?

こうした質問を通して、会社の姿勢や知識を確認し、信頼できるパートナーを選びましょう。

 

よくある質問(Q&A)

※写真はイメージ(Adobe Stock/hogehoge511)

 

安全な素材選びや家づくりについて、具体的な疑問や不安も出てきますよね。ここでは、子育て中のパパ・ママからよく寄せられる質問にお答えします。

 

Q. 低ホルム素材は高い? 

  1. ビニールクロスなどの一般的な建材に比べると、初期費用は少し高くなる傾向があります。

しかし、健康というかけがえのない価値や、素材によってはメンテナンスしながら長く使えることを考えると、長期的な視点で検討する価値は十分にあります。

 

Q. F☆☆☆☆ならどれを選んでも安心?

  1. F☆☆☆☆はホルムアルデヒド放散量が最も少ないという基準であり、安全性の高い指標です。

ただし、化学物質はホルムアルデヒドだけではありません。より安心を求めるなら、他の化学物質の放散にも配慮した素材を選ぶと良いでしょう。

 

Q. 見積もり時にどう伝えればいい?

  1. 「子どものアレルギーが心配なので、F☆☆☆☆の建材を標準仕様でお願いします」「床は無垢材、壁は漆喰など、できるだけ自然素材を使いたい」など、具体的に要望を伝えましょう。要望をリストにして渡すのもおすすめです。

 

家族の健康を守る家づくりを

※写真はイメージ(Adobe Stock/taka)

 

大切な家族、特に小さなお子さまの健康を守るためには、家づくりの素材選びが非常に重要です。

目には見えない化学物質のリスクを正しく理解し、F☆☆☆☆の基準をクリアした素材を選ぶこと。そして、自然素材のメリット・デメリットを把握し、適切な換気計画を組み合わせることが、安心・安全な家づくりの基本です。

ぜひ専門家とも相談しながら、家族みんなが笑顔で暮らせる、理想の住まいを実現してください。

 

※関連記事:No.67 シックハウス症候群 子育て
関連記事:子どもの健康を守る!アレルギー対応住宅の作り方【建材・間取り・換気の工夫まとめ

 

 

 

【無料&子連れ大歓迎】モデルハウスを見学してみよう

理想のお家づくりが分かる!「モデルハウス自由見学」って?