雨の日や花粉の季節、洗濯物の干し場所に困った経験はありませんか?
部屋干しすると生活感が出てしまうし、乾きにくさやニオイも気になりますよね。このようなお悩みを解決してくれるのが、洗濯干し場として使える「サンルーム」です。天候に左右されず快適に干せて、見た目もすっきりします。
今回の記事では、サンルームを洗濯干しスペースとして活用するメリット・デメリットや設計のポイント、設置前に知っておきたい注意点、費用相場などについてご紹介します。
「サンルーム=くつろぎスペース」のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実は洗濯干し場としてもとても優秀な空間です。
サンルームは、特に天候に左右されない屋内干しスペースとして共働き世帯を中心に注目されているようです。
サンルームとは、ガラス張りの壁や屋根で囲われた半屋外空間のことをいいます。
外気をある程度遮断しながら日光をたっぷり取り込める構造のため、温室のように暖かく、洗濯物も乾きやすいのが特長です。通気性を確保すればカビや湿気対策も可能で、屋内干しスペースとして最適な機能を備えています。
バルコニーは屋外で風通しが良く、ランドリールームは室内に設けた洗濯専用スペースです。
サンルームはその中間の位置づけで、「屋外の光」と「室内の快適さ」を兼ね備えている点が大きな違いです。花粉やPM2.5の影響も受けにくく、天候を気にせず洗濯物を干せるという点で、「屋外の光」と「室内の快適さ」それぞれの弱点を補完する存在といえます。
どちらも洗濯動線の快適化に役立ちますが、用途やライフスタイルによって適性が分かれます。日差しを活用して自然乾燥したい方や、屋外干しが難しい環境に住んでいる方にはサンルームがおすすめです。
一方、洗濯・乾燥・収納をすべて室内で完結させたい場合や、スペースに限りがある家庭ではランドリールームの方が使いやすいこともあるようです。目的に応じて、自分たちにあったものを選ぶことが大切です。
※写真はイメージ(Adobe Stock/tarou230)
「干したいのに干せない…」このような洗濯のストレスを、サンルームがぐっと軽減してくれるでしょう。サンルームを洗濯干し場にすることで、天候や空気環境に左右されず、見た目にもスマートな“洗濯空間”をつくれるのが大きな魅力といえます。メリットを詳しく見てみましょう。
サンルーム最大のメリットは、雨の日や強風の日でも安心して洗濯物が干せる点です。
天気予報に振り回されず、帰宅時間を気にせず干せるため、共働き家庭にとっては心強い存在になってくれるでしょう。
サンルームは外気を遮断できるため、花粉やPM2.5、黄砂などの飛散物から洗濯物を守ってくれます。春や秋など、外干しに不安がある季節も安心。アレルギーを持つ家族がいるご家庭にもぴったりです。
サンルーム内は日当たりや風通しが良く、洗濯物がしっかり乾きやすい環境です。
そのため、湿気がこもって発生しやすい部屋干し臭を防ぐことができます。見た目だけでなく、ニオイのストレスも軽減されます。
ガラス張りのサンルームは日差しを取り込みやすく、冬でも室温が高く保たれる傾向があります。
室内干しでは乾きにくい冬場でも、自然な温室効果でしっかり乾燥できます。光熱費を抑えながら、効率よく洗濯できるでしょう。
リビングやダイニングに洗濯物を干すと、どうしても生活感が出てしまいます。
サンルームを活用すれば、洗濯物を人目に触れにくい場所にまとめられ、すっきりとした空間を保つことができます。来客時のストレスも軽減されるでしょう。
サンルームはとても便利な反面、設置にはいくつかの注意点もあります。「設置してから後悔…」とならないよう、デメリットや注意点も事前にしっかり確認しておきましょう。
※写真はイメージ(Adobe Stock/SEUNGJIN)
サンルームは日光をたっぷり取り込む構造のため、夏場は高温になってしまうことが多いようです。
そのままだと室内干しスペースとして使いにくくなるため、断熱ガラスや日よけ、換気扇の設置など暑さ対策が必要になるでしょう。
サンルームはバルコニーのように手軽には設置できず、ある程度の費用と敷地スペースが必要です。
費用としては、一般的に40〜150万円程度かかるケースが多く、素材やサイズによってはさらに高額になることもあるようです。
サンルームが「建物の延床面積」として見なされると、固定資産税が増額される場合があります。固定資産税の算出は自治体の判断によるため、設置前に工務店や市区町村の窓口で確認しておくのが安心でしょう。
サンルームのデザインや配置によっては、家の外観バランスが崩れてしまうこともあります。特に前面道路から見える位置に設置する場合は、素材選びや色味、屋根形状などの工夫が必要になるでしょう。
※写真はイメージ(Adobe Stock/Thiago)
サンルームを快適に活用するためには、ただ設置するだけでは不十分です。
「日当たりや風通しの良さ」「洗濯機からの距離」「家の外観とのバランス」など、実用性と見た目の両面で考えることが大切です。サンルームを設置する前に確認しておきたいポイントを詳しく見てみましょう。
サンルームは光が入りやすい構造ですが、日当たりが良すぎると夏場は室内が高温になる恐れがあります。南向きなら採光性が高く、洗濯物が乾きやすい一方で、換気窓や日よけを設けるなどの対策が必須といえるでしょう。
風通しと日差しのバランスを考慮して配置することで、年中快適に使えます。
洗濯干し場として使う場合、「洗う→干す→取り込む」の動線がスムーズであることがとても重要です。
洗濯機からサンルームまでの距離が遠かったり、階段を使う必要があると、毎日の家事が負担になってしまうこともあるようです。間取りの中で無理のない動線を確保しましょう。
サンルームは外部からもよく見える場所に設置されることが多いため、家全体のデザインにマッチさせることが大切です。
本体カラーや屋根の形、サッシのデザインなど、既存の住宅と調和するように選ぶと、後付け感が出ず美しい外観になるでしょう。
サンルームの快適性は、屋根やガラスの素材選びにも大きく左右されます。
遮熱・断熱性に優れたポリカーボネートやLow-E複層ガラスなど、目的に応じた素材を選ぶことで、暑さ対策や結露防止に役立つようです。見た目だけでなく、機能性にも目を向けましょう。
※写真はイメージ(Adobe Stock/MANPUKU)
せっかくサンルームを設置するなら、使いやすくて機能的な設計にしたいと考える方が多いでしょう。ここからは、洗濯干し場としての利便性が高まるおすすめのアイデアをご紹介します。
壁面が大きく開く折れ戸タイプや引き戸タイプのサンルームは、風通しが良く、湿気がこもりにくいのが魅力です。
晴れた日は全開放して屋外干しのように使え、雨の日は閉めて室内干しに。季節や天気に応じて使い分けができるため、とても実用的です。
あらかじめ天井や壁に物干しポールが設置されたタイプは、干す・取り込むがスムーズにできて便利です。
可動式のポールにすれば、使わないときは収納して空間を広く使えるため、見た目もすっきりします。取り外し可能なタイプなら掃除やメンテナンスもラクだという声も聞かれました。
洗濯動線をよりスムーズにしたいなら、サンルームをファミリークローゼットと直結させるのがおすすめです。
「干す→乾く→しまう」の流れを最短距離で完結できるため、家事の手間を大きく削減できます。共働き世帯や子育て家庭に特に人気のアイデアのようです。
※写真はイメージ(Adobe Stock/joyfotoliakid)
サンルームの設置を検討するうえで、費用や工事期間は気になるポイントですよね。あらかじめ相場を知っておくことで、予算計画やスケジュール調整がしやすくなるでしょう。
サンルームの設置費用は、おおよそ40万〜150万円程度が目安です。価格は、サイズや使用する素材、オプション機能の有無によって大きく変動します。例えば、シンプルなアルミフレームの小型タイプであれば比較的安価に済みますが、断熱性の高い複層ガラスや電動開閉式の屋根などを選ぶと費用は高くなるようです。
また、設置工事にかかる期間は1〜2週間程度が一般的です。ただし、基礎工事の有無や天候、職人の手配状況によって前後する場合もあるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
※写真はイメージ(Adobe Stock/Ursula Page)
ここまでサンルームについて詳しくお伝えしてきましたが、「本当にサンルームって必要?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
洗濯にまつわる日常のストレスを抱えるご家庭には、サンルームが大きな味方になります。
具体的な日常のストレスについて、詳しく見てみましょう。
花粉症やアレルギーの方にとっては、外に干した洗濯物に花粉やPM2.5がつくのが困りものですよね。サンルームを設置すれば、花粉やPM2.5などをシャットアウトしながら安心して干せる環境が手に入ります。
共働きなどの事情で日中に洗濯物を干せない家庭にも、サンルームは最適です。急な雨や夕方までの長時間外干しを気にせず、いつでも洗濯ができる自由度の高さが魅力です。
洗濯物がリビングやダイニングなど生活空間から見えるのが気になる方にもおすすめです。サンルームに干すことで生活感を抑え、すっきりとした空間をキープできます。
上記のようなお悩みに心当たりがあるなら、サンルームの導入を前向きに検討してみる価値は十分にあります。
※写真はイメージ(Adobe Stock/metamorworks)
今回の記事では、サンルームを洗濯干しスペースとして活用するメリット・デメリットや設計のポイント、設置前に知っておきたい注意点、費用相場などについてご紹介しました。
サンルームを洗濯干し場に取り入れることで、天候や花粉、PM2.5を気にせずにいつでも快適に洗濯物を乾かすことができます。季節を問わず自然光と換気を活かせる一方、夏の暑さ対策や設置コスト、家の外観との調和など、事前のポイント確認も重要です。
家事動線を短縮しながら生活感を隠せるサンルームは、共働き世帯やアレルギーをお持ちのご家庭など、さまざまなライフスタイルで大いに活躍してくれるでしょう。見積もりや設計プランをしっかり比較検討し、理想の“洗濯専用スペース”を実現しましょう!
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