ランドリールームの動線設計で失敗しないコツは?間取り実例も紹介

※写真はイメージ(Adobe Stock/Ukiuki-tsuguri)

 

「洗濯に思ったより時間がかかる…」「干す場所と収納がバラバラで非効率!」このようなお悩み、ありませんか?共働きや子育て世帯にとって、毎日の洗濯は少しでも時短・効率化したい家事のひとつといえるでしょう。

そこで注目されているのが「ランドリールーム」です。洗濯・干す・畳む・収納までをスムーズにつなぐ動線を設計すれば、家事の負担を大きく減らせます。

今回の記事では、ランドリールームの基本からおすすめの動線パターン、よくある失敗とその対策、家族構成に合った間取り実例などについてご紹介します。家づくり・リフォーム検討中の方必見の記事です!

 

ランドリールームとは?

※写真はイメージ(Adobe Stock/Jaroon)

 

ランドリールームとは、洗濯・乾燥・収納といった作業を一か所で完結できる専用スペースのことで、家事効率を高める新定番スペースといえるもののひとつです。従来のように「洗面所で洗濯 → ベランダまで運んで干す → 別の場所で畳んで収納」という分断された動線では、どうしても家事に手間と時間がかかってしまいます。

しかしランドリールームを設けることで、こうした家事の流れを一続きにし、スムーズに行えるようになります。さらに、室内干しスペースや乾燥機を設置すれば、雨の日や夜間でも洗濯作業が可能になります。天候や時間帯に左右されずに洗濯ができる点も、大きな魅力です。

共働きや子育て世帯など、家事に時間をかけられない家庭にとって、ランドリールームは“時短”と“効率化”を実現する強い味方といえるでしょう。

 

ランドリールームの動線、どう設計する?実例5選

※写真はイメージ(Adobe Stock/Pixel-Shot)

 

ランドリールームは、配置や動線の工夫次第で家事効率が大きく変わります。洗濯・干す・畳む・収納といった一連の流れをスムーズにするには、生活スタイルに合った動線設計がポイントになります。実際に取り入れられている人気の動線パターン5選を詳しく見てみましょう。

 

1.キッチン→ランドリールーム→ファミリークローゼットの回遊動線

料理と洗濯を同時進行しやすい、家事の「同線化」が叶う配置です。動線が一直線につながることで、朝の忙しい時間帯にも無駄なく家事をこなすことができるでしょう。洗った衣類をそのままファミリークローゼットへ収納できるのも便利です。

 

2.洗面脱衣室→ランドリールーム→WIC(ウォークインクローゼット)が繋がる動線

洗面脱衣室→ランドリールーム→ウォークインクローゼット(WIC)の動線にすると、入浴・着替えと洗濯を連動させることができます。脱いだ衣類をそのまま洗濯→乾燥→収納までスムーズに進められるため、洗濯物の持ち運びも最小限で済みます。帰宅後の「脱いですぐ洗う」流れにもぴったりでしょう。

 

3.ランドリールーム+室内干しスペース+アイロンカウンターの一体化

洗濯・干す・畳む・アイロンがけまでを一か所で完結させる“家事集中型”といえる間取りです。動き回ることなく一連の作業ができるため、家事効率が非常に高くなったという声がきかれました。雨天時や夜間でもストレスなく洗濯作業ができるのも魅力です。

 

4.玄関近くに配置したランドリールーム+土間収納連携型

汚れた服を室内に持ち込まず、帰宅後すぐに洗濯へ移せる衛生的な間取りといえるでしょう。外遊びをする子どもやスポーツをする家族がいる家庭におすすめの間取りです。ランドリールームと土間収納が隣接していることで、衣類や道具の整理整頓もラクになるでしょう。

 

5.2階ホールにランドリールーム+家族分の収納棚を設置

2階に洗濯動線を集中させ、洗濯物の「取り込み→収納」を最短距離で完結することのできる間取りです。特に、各部屋へのアクセスがしやすい位置にあることで、乾いた洗濯物をそのまま個人ごとに片づけやすく、整理整頓の習慣もつきやすくなります。

室内干し中心の家庭にも最適なパターンといえるでしょう。

 

よくある失敗例とその対策

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ランドリールームは、家事の効率を高める便利な空間ですが、設計段階での見落としがあると、かえって使いにくくなるケースもあるようです。

ここからは、よくある失敗例とその対策をご紹介します。失敗しないためにも、事前のシミュレーションと対策を知っておくといいでしょう。

 

湿気がこもってカビが発生する

ランドリールームは水を扱う場所であり、室内干しや乾燥機の使用によって湿気がたまりやすくなります。換気扇や除湿機の設置、窓の配置などで通気性を確保することがポイントです。気密性の高い住宅ほど、換気計画を丁寧に行う必要があります。

 

洗濯機と物干しスペースが離れていて効率が悪い

洗濯機で洗ったあと、別の部屋やベランダまで運ぶのは手間がかかります。動線の途中に階段やドアがあると、さらに負担が増します。

ランドリールーム内に室内干しスペースを設けることで、その場で干せるようになり、無駄な動きを減らすことができるでしょう。

 

収納スペースが足りず洗濯物があふれる

畳んだ洗濯物の一時置き場や、タオル・下着など日常的によく使うアイテムの収納場所がないと、ランドリールームがすぐに散らかってしまいます。

オープン棚や仮置き棚、引き出し収納などを事前に計画して、収納力を確保しておくことが重要なポイントです。

 

洗面所と兼用して混雑が発生

ランドリールームを洗面脱衣所と兼用にした結果、朝や入浴時間帯に家族の動線が重なり、使いづらくなるケースもあるようです。家族構成や生活リズムに応じて、ランドリールームを独立した空間にしたり、時間帯で使い分けられるように動線を工夫することが必要です。

 

ランドリールームの動線設計で意識すべき4つのポイント

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ランドリールームの効果を最大限に引き出すには、単にスペースを確保するだけではなく、家事の流れや生活動線を考えた「配置の工夫」が重要です。以下の4つのポイントを意識することで、毎日の洗濯が驚くほどスムーズになるでしょう。

 

動線を短くする

洗濯にかかる手間や時間は、移動距離が長いほど増えていきます。洗濯機から干す場所、畳むスペース、収納場所までの流れをなるべく直線でつなぐことで、無駄な動きを減らすことができるでしょう。キッチンや洗面室と隣接させる配置もおすすめです。

 

必要な設備を適切に配置する

ランドリールームには、洗濯機や乾燥機はもちろん、作業台、室内干し用バー、アイロン台なども必要に応じて備えておくと便利です。使用頻度や作業の流れを想定しながら、それぞれの設備を使いやすい場所に配置することで、作業効率をぐっと高めることができるでしょう。

 

ファミリークローゼットとの連動設計

ランドリールームの近くにファミリークローゼットやウォークインクローゼット(WIC)を設けることで、洗濯物を干す・畳む・収納する流れがひと続きに完結します。特に、家族分の衣類をまとめて管理する家庭では、収納との動線連携が大きな時短につながるようです。

 

来客動線と分離する工夫

洗濯物や衣類が見えてしまうランドリールームは、なるべく生活動線の中に配置し、来客の目に触れにくい場所にするのがいいでしょう。玄関やリビングから直接見えない場所に設けたり、引き戸や間仕切りで仕切ったりすることで、生活感を隠しながら快適に使えます。

 

ランドリールームのメリット・デメリット

※写真はイメージ(Adobe Stock/DJSPIDA FOTO)



ランドリールームは、日々の家事を効率化し、暮らしやすさを高める強い味方です。しかし、設計や配置を誤ると逆に使いづらくなってしまうこともあるようです。ランドリールーム導入前に知っておきたいメリットとデメリットを詳しくご紹介します。

 

メリット

家事動線の短縮で時短になる

ランドリールームの最大の魅力は、洗濯・干す・畳む・収納といった一連の作業を一か所で完結できる点です。動線が短くなることで無駄な移動が減り、家事の所要時間を大幅にカットできます。特に忙しい共働き世帯にとっては、日常的なストレス軽減にもつながるでしょう。

 

天候に左右されず洗濯できる

室内干し用のスペースや乾燥機を備えたランドリールームなら、雨の日や花粉、黄砂、PM2.5といった外的要因を気にせず洗濯できます。共働きで日中外出している家庭や、夜間に洗濯するライフスタイルにも適しており、柔軟な家事スケジュールが可能になります。

 

生活感を隠しやすい

ランドリールームが独立した空間として設けられていれば、リビングや廊下に洗濯物が散乱することもなくなり、生活空間をすっきりと保つことができるでしょう。急な来客時にも慌てる必要がなく、家の“見せ方”にこだわりたい家庭にもおすすめです。

 

収納と連動させることで効率UP

ランドリールームとファミリークローゼットやウォークインクローゼットを隣接させておくと、洗濯物の片付けが格段にスムーズになります。洗濯から収納までをひと続きの作業にできるため、動線の短縮だけでなく、家族の衣類管理の効率も向上するでしょう。

 

共働き・育児世帯に最適

家事の時間をいかに短く、ラクに済ませられるかが重視される共働きや子育て家庭にとって、ランドリールームは非常に心強い存在です。洗濯にかかる工程が集約されていることで、少ない時間でも効率的に家事をこなすことができ、家族との時間を確保しやすくなるでしょう。

 

デメリット

一方で、以下のようなデメリットもあります。

 

間取りにある程度のスペースが必要

ランドリールームは快適に使うために1.5〜2帖以上のスペースを必要とします。限られた床面積の中でランドリールームを確保する場合は、ほかの部屋とのバランスを慎重に考える必要があるでしょう。

 

設置場所によっては湿気や臭いがこもりやすい

洗濯や室内干しを頻繁に行う場所であるため、換気が不十分だと湿気やカビ、においが発生するリスクがあります。窓の配置や換気扇、除湿機の設置を含めた湿気対策は、設計段階からしっかりと考慮しておくことが大切です。

 

動線が悪いと逆に効率が落ちることも

ランドリールームの場所や隣接する空間との関係性によっては、洗濯のたびに家中を移動しなければならないケースもあるようです。

例えば収納スペースが離れている場合、せっかくの便利なスペースも非効率に感じてしまうかもしれません。事前に動線をシミュレーションしながら設計を進めましょう。

 

水まわり設備の設置コストがかかる

ランドリールームには洗濯機用の給排水設備、換気機器、電源などが必要となり、そのぶん設備費や施工費がかさむ可能性があります。将来的なメンテナンスも視野に入れて、コストバランスを考えた設計が必要です。

 

ランドリールームが向いている家庭・ライフスタイルとは?

※写真はイメージ(Adobe Stock/Apinda)

 

ランドリールームは、すべての家庭に必要というわけではありません。生活スタイルや家族構成によって、その利便性が大きく変わります。ランドリールームの導入で特に効果を感じやすい家庭やライフスタイルの特徴について、ご紹介します。

 

共働き・子育て世帯

時間に余裕がない共働きや育児中の家庭では、毎日の家事をどれだけ効率化できるかが大きな課題です。ランドリールームがあれば、洗濯・干す・収納の動線を一本化できるため、時短が叶い、家族との時間も確保しやすくなります。朝のバタバタや夜間の家事にも柔軟に対応できる点も魅力のひとつです。

 

家事効率を最優先にしたい人

家事の負担をとにかく減らしたいという人にとって、ランドリールームはとても相性の良い空間です。洗濯作業が一部屋で完結することで、移動や準備の手間が激減。家事にかける時間をできる限り短くしたい方には、導入する価値が大きいといえます。

 

室内干し中心の家庭(花粉・梅雨・夜型生活など)

花粉症やPM2.5が気になる家庭、夜間に洗濯をする生活スタイル、または梅雨や台風の多い地域に暮らしている家庭にとって、室内干しの快適性は重要です。ランドリールームに室内干しスペースや乾燥機を備えれば、天候に左右されることなく、洗濯が日常の中に自然と組み込めるでしょう。

 

整理整頓・見た目重視の人

洗濯物がリビングや廊下に干されていると、せっかくのインテリアも台無しに。ランドリールームを設けることで、洗濯物を人目につかない場所で完結でき、生活感を隠しやすくなります。スッキリとした空間で暮らしたい、来客時にも慌てたくないという方にぴったりです。

 

【まとめ】ランドリールームは家事効率と暮らしやすさを両立するカギ

※写真はイメージ(Adobe Stock/polkadot)

 

今回の記事では、ランドリールームの基本的な機能やメリット、効果的な動線パターン、よくある失敗例とその対策、さらに家庭のライフスタイルに合った間取りの実例まで幅広くご紹介しました。

ランドリールームを上手に取り入れることで、毎日の洗濯にかかるストレスを大きく軽減でき、家事全体の効率が飛躍的に向上します。その結果、時間や労力を節約できるだけでなく、家族と過ごす大切な時間を増やすことにもつながるかもしれません。

ランドリールーム導入の成功のカギは、設計段階から家事動線を意識することです。住んでから「不便だった…」と後悔するリスクを減らすことができるでしょう。

家づくりの際は、ぜひランドリールームの導入を検討してみてください。



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