【実例付き】注文住宅の外観づくり完全ガイド!失敗しないコツを解説



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家づくりで「外観」は毎日目にする重要な要素といえます。それなのに「なんとなく」で決めて後悔する人が多いのが現実のようです。奇抜すぎて浮いてしまったり、汚れや劣化が目立つ素材を選んでしまったり…という声が聞かれました。注文住宅ならではの自由度を活かしつつ、周囲との調和や自分たちらしさを両立するには、外観デザインの基本と選び方のコツをしっかり押さえておくことが大切です。

今回の記事では、人気の外観スタイルから素材・色選び、設計時の注意点などについてご紹介します。後悔しないための「外観づくり完全ガイド」です。

 

注文住宅の外観づくりで後悔する人が多い理由

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注文住宅は自由度が高い反面、外観デザインにおいて「何が正解か分からない」と感じる方も少なくないようです。特に、自分たちの好みや理想のイメージを言語化できていないと、なんとなく流れで決めてしまい、完成後に「思っていた雰囲気と違った…」と後悔するケースが多く見られます。

また、設計士とのコミュニケーション不足も注意が必要です。イメージのすり合わせが不十分だと、図面やパースで確認した内容と実物の印象がズレてしまうこともあります。

そのほかにも、外観は見た目の美しさだけでなく、機能性やメンテナンス性も重視すべきポイントです。例えば、汚れが目立ちやすい色を選んだり、定期的なメンテナンスが大変な素材を使ってしまうと、長く住むうえでのストレスにもつながってしまうようです。

デザインと実用性のバランスをしっかり見極めることが、満足度の高い外観づくりの第一歩といえるでしょう。

 

外観づくりの流れとポイント

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外観づくりの流れとポイントについて、それぞれ見てみましょう。

 

1.デザイン・テイストの方向性を決める

まずは「ナチュラル」「モダン」「和風」など、家全体のテイストを明確にすることが重要です。これにより、素材や色選びの軸が定まり、統一感のある外観に仕上がるでしょう。

 

2.家の形を決める

箱型やL字型など、家の形状によって印象や使い勝手が大きく変わるようです。土地の形状や日当たり、生活動線も考慮して決めるといいかもしれません。

 

3.屋根の形・素材を決める

屋根は見た目の印象だけでなく、耐久性やメンテナンス性にも影響します。切妻や片流れなどの形状と、スレートや金属などの素材を総合的に選びましょう。

 

4.外壁の素材を決める

外壁は家の「顔」となる部分で、素材によって見た目や性能が大きく異なります。サイディングやモルタル、タイルなどから、デザイン性とメンテナンス性の両面で選びましょう。

 

5.玄関や窓の設計

玄関ドアや窓の配置・大きさは、外観のバランスや印象に直結します。機能性とデザイン性を兼ね備えた設計が理想です。

 

流れとポイントについては、以下でさらに詳しくご紹介します。

 

注文住宅で人気の外観デザインスタイルは?

注文住宅を建てるなら、自分たちらしい外観デザインを叶えたいと考える方は多いでしょう。そうはいっても、種類が多くて迷ってしまうという方も多いようです。

近年特に人気の5つの外観スタイルについて、それぞれの特徴や向いている家庭をご紹介します。

 

ナチュラルスタイル

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ナチュラルスタイルの特徴としては、木目ややさしい色味を基調とした温かみのあるデザインがあげられます。自然素材や植栽との相性も良く、柔らかい雰囲気が魅力です。

シンプルながらも落ち着きのある暮らしを好み、家族でのんびり過ごせる空間を大切にしたい方におすすめです。



北欧風スタイル

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北欧風スタイルは、 白やグレーを基調としたミニマルで上品な印象が特徴です。片流れ屋根やスクエア型のシルエットと相性がよく、洗練された印象を演出してくれるでしょう。

 シンプルだけどおしゃれに見える家にしたい人や、PinterestやSNSで北欧インテリアを好む方にぴったりといえるでしょう。

 

和モダンスタイル

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和モダンスタイルの特徴としては、 伝統的な和の要素と、現代的な素材やデザインを融合させた外観が挙げられます。落ち着いた色合いと水平ラインを意識したデザインが特徴です。

モダンでありながら日本的な美意識を大切にしたい方や、年齢を重ねても飽きのこない家にしたい人に向いているといわれています。

 

シンプルモダンスタイル

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シンプルモダンスタイルは、直線的なフォルムに、白やグレーなどの無彩色を取り入れたクールで洗練された印象が特徴です。装飾を最小限に抑えた「無駄のない美しさ」が魅力です。

都市型のスマートな暮らしを好む人や、流行に左右されにくいスタイルを求める方におすすめです。

 

南欧風・カフェ風スタイル

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南欧風・カフェ風スタイルは、 オレンジ系の屋根瓦やアーチ状の窓・玄関が印象的な、明るく華やかなスタイルをいいます。まるで海外の住宅のようなデザインが特徴です。

 可愛らしい家にしたい人、カフェのような雰囲気が好きな方、毎日がちょっと特別に感じられる空間を求める方にぴったりです。

 

代表的なお家の形

注文住宅の印象を左右するのは、外壁や色だけではありません。建物の「かたち」そのものが、住まいのデザイン性や暮らしやすさに大きく関わってくるといわれています。ここでは、よく採用されている3つの代表的な住宅形状について、それぞれの特徴を交えてご紹介します。

 

箱型の総2階

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上下階の形がそろった「総2階」は、もっともシンプルで無駄のない形状といえるでしょう。屋根や外壁の面積もコンパクトに収まりやすく、コストパフォーマンスにも優れています。スタイリッシュなシルエットで、シンプルモダンや北欧風デザインとの相性も抜群です。

 

L字型

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建物がL字に配置された形状で、敷地に余裕がある場合や、中庭・テラスとのつながりを持たせたいときに選ばれます。内と外の空間を自然につなげやすく、採光や通風、プライバシー確保にも配慮できるのが魅力です。ナチュラルや和モダンスタイルともよく合うようです。

 

オーバーハング(張り出し)

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オーバーハング(張り出し)は、2階部分を1階よりも外側に張り出させる形状で、見た目にインパクトがあり個性的な印象を与える形状をいいます。狭小地や変形地でも有効にスペースを使えるため、都市部で人気のデザインです。外観に立体感や動きを出したい方におすすめといえるでしょう。

それぞれの形には見た目の印象だけでなく、暮らしやすさやコストにも違いがあるようです。家族構成や敷地条件に合わせて、最適な形を選びましょう。

 

屋根の形状と素材選びのポイント

屋根は、外観の印象を決めるだけでなく、家の耐久性や快適性にも大きな影響を与える重要な要素です。形状と素材の選び方次第で、デザイン性はもちろん、メンテナンス性やコストにも差が出ます。形状と素材選びのポイントについて、詳しく見てみましょう。

 

どんな形状がある?

切妻屋根

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三角屋根とも呼ばれる、最もオーソドックスな屋根の形状をいいます。雨風をしっかり逃がせる機能性の高さと、シンプルで落ち着いた印象が魅力です。

 

招き屋根(差し掛け屋根

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左右の屋根面の角度や長さが異なる非対称デザインを招き屋根(差し掛け屋根)といいます。片方の屋根を大きくすることで、採光や太陽光パネルの設置効率が良くなる場合もあるようです。

 

片流れ屋根

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屋根が一方向にだけ傾いているスタイルで、シャープで現代的な印象の屋根をいいます。構造がシンプルで雨水の流れもスムーズですが、風の影響を受けやすい面もあります。

 

陸屋根(フラットルーフ)

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傾斜のないフラットな屋根で、都会的なモダン住宅によく採用されます。屋上スペースを活用できるのが魅力ですが、防水対策や排水設計に注意が必要といわれています。

 

寄棟屋根

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4方向に傾斜がある安定感のある屋根形状を寄棟屋根といいます。全方向から風雨を受け流す構造で耐久性が高く、落ち着いた印象を与えるため、和モダンやナチュラル系とも好相性です。

 

代表的な素材

スレート

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スレートは、セメントと繊維を混ぜて作られる薄い板状の屋根材です。軽量で施工しやすく、コストパフォーマンスも高いですが、耐久性はやや劣るため10〜15年でメンテナンスが必要です。

 

金属屋根

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ガルバリウム鋼板などを使用した軽量で耐久性の高い素材です。モダンでスタイリッシュな外観を演出でき、メンテナンス頻度も少なめで済むようです。ただし雨音が響きやすい点には注意が必要です。

 

※写真はイメージ(Adobe Stock/AkuAku)

 

瓦は和風住宅の定番素材で、重厚感と断熱性・耐久性に優れています。価格は高めで重量があるため、構造設計に配慮が必要ですが、50年以上持つこともあり長寿命です。

 

アスファルトシングル

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アスファルトシングルは、アメリカなどで広く使われる柔らかいシート状の屋根材です。施工性が良く、柔らかい印象のデザインが可能ですが、耐久性や耐風性にはやや注意が必要です。

屋根は「見た目」だけでなく「暮らしやすさ」にも関わる重要なポイントのひとつです。形状と素材をトータルで考え、理想の外観と快適な住まいを両立させましょう。

 

外壁の素材選びは見た目とメンテナンス性がカギ

外壁素材は外観の印象を大きく左右します。デザイン性だけでなく、耐久性やお手入れのしやすさにも影響するため、慎重に選ぶことが大切です。ここからは、代表的な外壁素材とその特徴をわかりやすくご紹介します。

 

サイディング

サイディングは日本の住宅で最も多く使われている外壁素材で、パネル状の板を外壁に張り付けて仕上げます。価格が比較的安く、デザインやカラーのバリエーションが豊富なのが魅力です。素材によって、窯業系サイディングと金属サイディングがあります。

 

窯業系サイディング

セメントに繊維を混ぜて成形されたもので、デザイン性が高くレンガ調や木目調など幅広い表情が出せます。ただし、定期的な再塗装が必要で、10〜15年でメンテナンスが発生するのが一般的です。

 

金属サイディング

軽量で断熱性・耐久性に優れた素材を金属サイディングといいます。ガルバリウム鋼板などを使用し、シャープでモダンな印象に仕上がるため、シンプルモダンな住宅に人気です。表面に傷がつくとサビの原因になるので注意が必要です。

 

モルタル

※写真はイメージ(Adobe Stock/natali_mis)

 

セメントと砂を混ぜて塗る左官仕上げの外壁で、昔ながらの手仕事による味わいが出せるのが特徴といわれています。仕上げ方法によって、ザラっとした質感や滑らかな表情を演出できます。

自由度が高くオリジナリティを出しやすい一方で、ひび割れしやすく、定期的な塗り直しなどのメンテナンスが必要になります。ナチュラルや和モダンテイストと相性が良い素材です。

 

タイル

焼き物でできたタイルを外壁に張る仕上げ方法で、高級感と重厚感のある印象になります。雨や紫外線に強く、色あせや劣化が少ないため、長期的なメンテナンスコストを抑えたい方に向いています。

初期費用は高めですが、その分、耐久性とメンテナンス性に優れたコストパフォーマンスの良い素材といえるでしょう。シンプルモダンやホテルライクな外観にぴったりです。

 

玄関・窓のデザインで外観の印象は大きく変わる

家の顔ともいえるファサード(正面外観)を印象づけるうえで、窓や玄関まわりのデザインはとても重要です。窓の大きさや配置、数によって外観のバランスや表情がガラッと変わり、同じ家でも印象がまったく異なることもあるでしょう。

また、玄関ドアやアプローチの素材・色・形などが全体のテイストと統一されていないと、ちぐはぐな印象になってしまうこともあるでしょう。細部まで丁寧にデザインを整えることで、外観全体の完成度がぐっと高まります。

 

注文住宅のおしゃれな外観5選

「外観はセンスが問われそうで不安…」という方もいるかもしれません。最近は施工事例やSNSから学べるアイデアも豊富で、工夫次第で誰でもおしゃれな外観に仕上げることができるようです。ここからは、人気のデザインスタイルから厳選した「おしゃれな外観」の実例5選をご紹介します。

 

ナチュラルモダン×木目のアクセントであたたかみのある外観

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ベースはホワイトやベージュなどの明るい外壁に、玄関まわりやバルコニーに木目素材を取り入れたナチュラルモダンスタイルです。やさしい雰囲気の中に、すっきりとした現代的な印象をプラスできるでしょう。

 

片流れ屋根の北欧風シンプルハウス

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片流れ屋根とスクエアなシルエットに、白・グレー・黒といった無彩色の外壁を組み合わせた、北欧風の洗練されたデザインです。窓の位置や形にもこだわることで、ミニマルだけど個性的な外観になります。こだわりたい方におすすめです。

 

和モダン×格子デザインで落ち着きと風格を演出

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濃いめの外壁色に、木格子や深い軒を組み合わせた和モダンな外観です。落ち着いた佇まいと素材感が調和し、流行に左右されず長く愛されるデザインといえるでしょう。

 

南欧風×テラコッタ屋根でリゾートのような明るさを

※写真はイメージ(Adobe Stock/Ukiuki-tsuguri)

 

アイボリーの塗り壁にオレンジ系の屋根瓦、アーチ型の玄関や窓で統一した南欧風デザインです。明るく陽気な雰囲気が魅力で、カフェのような外観に憧れる方にぴったりです。

 

シンプルモダン×モノトーンカラーで上品な都会派住宅

※写真はイメージ(Adobe Stock/Heini)

 

総2階の箱型シルエットに、白やグレーを基調としたモノトーンカラーで統一した外観です。無駄のないラインと質感の異なる素材を組み合わせることで、都会的で洗練された雰囲気になるでしょう。

 

おしゃれな外観を「設計段階で」確実に仕上げるコツ

※写真はイメージ(Adobe Stock/ELUTAS)

 

理想の外観を実現するためには、設計段階からの丁寧な確認がとても重要です。まずは、完成後のイメージが視覚的に把握できる「パース(外観イメージ図)」を必ずチェックしましょう。平面図だけではわかりにくいバランスや素材感、色の調和などを事前に確認することができます。

建物そのものだけでなく、植栽やフェンス、駐車場といった外構まで含めてデザインすることで、外観全体の完成度が高まります。また、家単体で目立ちすぎるのではなく、周囲の住宅や街並みとの調和も意識することで、周囲から浮かずにセンスの光る外観になるでしょう。

 

機能性・メンテナンス性も考えよう

※写真はイメージ(Adobe Stock/A-photos)

 

外観のデザインは見た目の美しさだけでなく、機能性やメンテナンス性まで考慮することが大切です。例えば、外壁や屋根の色によっては雨汚れや色あせが目立ちやすく、汚れにくい色や素材を選ぶことで、見た目の美しさを長く保つことができます。

また、外壁や屋根には定期的な再塗装や張り替えといったメンテナンスが必要になるため、素材ごとの耐用年数やランニングコストも事前に把握しておくといいかもしれません。

そのほかにも、夏の強い日差しや冬の寒さに対する断熱性能も、屋根や外壁の素材や形状、窓の配置など外観設計の工夫によって大きく変わります。見た目と機能のバランスを考えて、長く快適に暮らせる住まいを目指しましょう。

 

【まとめ】後悔しない外観づくりのために大切なこと

※写真はイメージ(Adobe Stock/pain au chocolat)

 

今回の記事では、人気の外観スタイルから素材・色選び、設計時の注意点などについてご紹介しました。外観デザインで後悔しないためには、見た目だけでなく、機能性やコスト面も含めてバランスよく考えることが重要です。

また、自分たちの好みをしっかりと言語化し、施工会社と丁寧にすり合わせを行うことで理想のイメージがより確実に実現できるかもしれません。建物だけでなく植栽やフェンスなどの外構と一体感を持たせることで、完成後の満足度も大きく高まるでしょう。



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