KIDSKI STYLE

窓の高さはどれくらいが正解?注文住宅で失敗しないためのポイント

作成者: KIDSKI STYLE編集部|2025/8/8



※写真はイメージ(Adobe Stock/brizmaker)

 

注文住宅で意外と迷うのが「窓の高さ」といわれています。実はこの高さひとつで、部屋の明るさや風通し、外からの視線の入り方、家具の配置のしやすさまで大きく変わります。「もっと低くすればよかった」「ベッドと窓がかぶってしまった…」と後悔の声も多く、見落とせないポイントです。

今回の記事では、家族構成や生活スタイルに合った窓の高さの決め方を、場所別・目的別に詳しくご紹介します。後悔しない家づくりのために、採光・通風・プライバシー・デザインのバランスを考えるヒントをお届けします。

 

注文住宅で窓の高さが重要な理由

窓の「高さ」は、ただのデザイン要素ではありません。暮らしやすさや心地よさを左右する、家づくりにおいてとても大切なポイントです。窓の高さがなぜ重要なのか、ご紹介します。

 

採光の入り方

窓の高さによって、部屋に差し込む光の角度や量が変わります。例えば、低めの大きな窓は部屋全体を明るくしやすく、高窓はやわらかな自然光を室内に取り入れるのに適しています。時間帯や季節によって光の入り方も変わるため、設置場所とのバランスも大切だといわれています。

 

換気・通風

※写真はイメージ(Adobe Stock/siraphol)

 

風通しの良さは、窓の「大きさ」だけでなく「高さ」の違いでも大きく変わるようです。上下に異なる高さの窓を配置することで、効率的な空気の流れをつくりやすくなります。湿気やニオイがこもりがちな水まわりでは、高さを調整することで快適性がアップするでしょう。

 

窓の位置で「空間の印象」が変わる

窓の高さや配置によって、部屋の印象や視線の抜け方が変わります。低めの窓で視界が開けると開放感が生まれ、高窓は壁面を有効活用しながら空間をすっきりと見せることができるでしょう。デザイン性と機能性を両立させるためには、空間との一体感を意識することがポイントです。

 

プライバシー・防犯の観点も

窓が低すぎると、外からの視線が気になったり、防犯面で不安を感じるケースもあるかもしれません。逆に高すぎると圧迫感や使いにくさにつながることもあるようです。隣家や道路との距離、周囲の環境を考慮しながら、必要な目線の高さを意識して設計することが大切です。

 

窓の高さに決まりはある?一般的な高さは?

「窓の高さにルールはあるの?」と疑問に思う方も多いですが、実は法律で明確に決まっているわけではありません。そうはいっても、安全性や快適性を確保するための基準や、よく採用される一般的な高さはあるようです。窓の高さについて詳しく見てみましょう。

 

窓の高さは法律で決まっている?

建築基準法では、窓の“高さ”そのものに関する具体的な規定はありません。ただし、「採光」や「換気」の観点から、窓の面積については一定の基準があります。

例えば採光を確保するためには、居室の窓面積がその部屋の床面積の1/7以上必要とされています。また換気についても、基本的には床面積の1/20以上の開口部が必要です。ただし、機械換気など他の方法で代替されていればこの限りではありません。

つまり、高さよりも「十分な明るさと風通しを確保できる大きさ」が求められているのです。

 

一般的な窓の高さは?

住宅でよく使われる窓の高さには、以下のような目安があります。それぞれの窓には、役割や使い方に応じた適切な高さがあります。

 

掃き出し窓(バルコニーや庭への出入り口)

※写真はイメージ(Adobe Stock/joseayllon)

 

床からサッシ上部までの高さは約2m前後が一般的です。床とほぼフラットな高さで設けられるため、出入りがしやすく、開放感や採光も十分に得られるでしょう。

 

腰高窓(腰の高さくらいの位置にある窓)

※写真はイメージ(Adobe Stock/Hanasaki)

 

床から約90cm〜1.2mの高さに設置されるのが一般的といわれています。ベッドやソファなどの家具と干渉しにくく、プライバシーを守りながら採光や通風も確保できます。

 

高窓(ハイサイドライト)

※写真はイメージ(Adobe Stock/V_Design_Creator)

 

天井付近に設置される窓で、天井から10cmほど下げた位置に設けられることが多いようです。外からの視線を遮りつつ、明るさと風通しを確保できるのが魅力で、寝室や水まわりなどにもよく使われます。

 

出典:「建築基準法制度概要集」/国土交通省

 

【場所別】おすすめの窓の高さと注意点

窓の高さは「どの部屋に、どんな使い方をするか」によって適切な位置が変わります。空間の役割や家具配置、プライバシーへの配慮を踏まえて、場所ごとに最適な高さを検討しましょう。

 

リビング

リビングは家族が集まる中心的な空間。低め&大きめの窓を採用することで、たっぷりの採光と開放感が得られ、明るく気持ちのいい雰囲気をつくることができるでしょう。

ただし、ソファやテレビの配置と干渉しない高さにすることも重要です。家具と被らないよう、窓の大きさや位置を事前にシミュレーションしておくといいかもしれません。

 

寝室

※写真はイメージ(Adobe Stock/PixelPlace)

 

寝室ではベッドと窓がぶつからない高さを意識しましょう。腰高窓を選ぶ場合は、ベッドヘッドとの位置関係に注意が必要です。

また、プライバシーを確保したい場合には高窓+遮光カーテンの組み合わせがいいでしょう。日中の明るさを取り入れつつ、夜間はしっかり視線を遮ることができます。

 

子ども部屋

子ども部屋では、窓の高さが高すぎると外が見えず圧迫感を感じてしまうことがあります。視線が自然に外に抜けるような高さにすることで、開放感と安心感が両立できるでしょう。

また、安全面にも配慮が必要です。転落防止ストッパーや防犯フィルムの活用も視野に入れて、子どもの成長や行動を踏まえた設計を意識しましょう。

 

水まわり(キッチン・浴室・トイレ)

キッチンやトイレ、浴室といった水まわりでは、視線を遮りながら換気を確保することが重要です。高窓や横長窓を使うことで、自然光と風を取り入れつつプライバシーも保てます。

特にトイレでは、床から180cm以上の位置に窓を設けると外からの視線が気にならず、安心して使うことができるようです。

 

注文住宅で窓の高さを決めるときのチェックポイント

※写真はイメージ(Adobe Stock/78art)

 

窓の高さを決める際は、見た目や明るさだけでなく、日常の暮らしに直結する細かなポイントも意識することが大切です。例えば、隣家や道路からの目線を避けたい場所では、外からの視線の入り方をシミュレーションしておくと安心です。

 

家具の配置との兼ね合いをチェックする

家具の配置との兼ね合いも重要です。ベッドやソファ、キッチンなどの位置によっては、窓の高さが干渉してしまい、使いにくさや圧迫感につながることもあるようです。

 

コンセントやスイッチの位置も確認

コンセントやスイッチの位置にも注意が必要です。窓と干渉して取り付け場所が制限されないよう、間取りと同時に検討するといいかもしれません。

 

カーテンやブラインドの取付位置と高さも忘れずに

カーテンやブラインドの取り付け位置と長さも忘れがちなポイントです。あとから「思ったより長さが足りなかった」「窓枠に取り付けづらい」などのトラブルを防ぐために、設計段階でしっかり確認しておくと安心でしょう。

 

プロと一緒に窓の高さを決めるときのコツ

※写真はイメージ(Adobe Stock/rrice)

 

窓の高さは図面だけではイメージしづらいため、プロとの打ち合わせでは建築パースや模型などの視覚的な資料を活用して、実際の見え方を確認するのが効果的です。また、窓単体ではなく家具の配置とセットで考えることも大切なポイントです。ソファやベッドなどと干渉しない高さかどうか、生活動線の中で使いやすいかを一緒に検討しましょう。

打ち合わせ中に、現地で高さ感をシミュレーションするのもおすすめです。メジャーを使って実際の窓の位置を体感することで、「ちょうどいい高さ」が具体的にイメージしやすくなるという声が聞かれました。

忘れてはならないポイントが、家族の身長やライフスタイルに合っているかという視点です。小さなお子さんがいる場合や、将来的な生活スタイルの変化も見据えて、無理のない高さにしておくと後悔を防ぐことができるでしょう。

 

窓の高さや種類でよくある質問(Q&A)

※写真はイメージ(Adobe Stock/Maks_Lab)

 

注文住宅の打ち合わせでは、窓の高さや種類について具体的な疑問が出てくることも多いようです。ここからは、窓に関してよくある質問とその答えをまとめてみました。

 

Q. 戸建ての2階の窓の高さは?

  1. 一般的には1階と大きな違いはありませんが、外からの視線が入りにくいため、1階よりも低めに設置することも可能です。

ただし、2階のベッド配置やバルコニーとの高さ関係、転落防止の観点からも、高さは慎重に検討する必要があるでしょう。特に子ども部屋の場合は、安全対策としてストッパーや手すりを併用すると安心です。

 

Q. 高窓のデメリットは?

  1. 高窓はプライバシー確保や採光に優れていますが、外の景色が見えないため閉塞感を感じることがある点には注意が必要です。

また、掃除がしにくい・カーテンやブラインドの設置が難しいといった使い勝手の面も確認しておきましょう。電動開閉やメンテナンスのしやすさも視野に入れて検討するといいかもしれません。

 

Q. 注文住宅の窓の種類は?

  1. 注文住宅では、目的や場所に応じてさまざまな種類の窓を選べます。主なものとしては、掃き出し窓・腰高窓・高窓(ハイサイドライト)・スリット窓・天窓(トップライト)などがあります。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、採光・通風・プライバシー・デザインのバランスを見ながら使い分けることがポイントといわれています。

 

【まとめ】後悔しないための窓高さの考え方

※写真はイメージ(Adobe Stock/kapinon)

 

今回の記事では、家族構成や生活スタイルに合った窓の高さの決め方を、場所別・目的別に詳しくご紹介しました。

窓の高さを決める際に重要なのは、「生活動線」「家具配置」「外からの視線」「採光」の4つの要素のバランスをしっかり考えることです。これらを無視すると、使い勝手が悪くなったり、プライバシーが守れなかったりと後悔につながることがあるかもしれません。

もし窓の高さで迷いや不安がある場合は、異なる高さの実例を見比べてイメージをつかむのがおすすめです。実際の生活シーンを想像しながら比較検討することで、納得のいく選択がしやすくなるでしょう。



関連記事:【実例付き】注文住宅の外観づくり完全ガイド!失敗しないコツを解説

関連記事:「125 注文住宅 採光」



 

 

【無料&子連れ大歓迎】モデルハウスを見学してみよう

理想のお家づくりが分かる!「モデルハウス自由見学」って?