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子どもが言うことを聞かない時の対処法は?原因・年齢別の対応まとめ

作成者: KIDSKI STYLE編集部|2025/11/14




※写真はイメージ(Adobe Stock/kapinon)

 

「何度言っても片づけない」「約束を守らない」など、子どもが言うことを聞かない場面に、ついイライラしてしまうことはありませんか?「私の育て方が悪いのかな…」と不安になってしまうママもいるでしょう。子どもが言うことを聞かないのには理由があるかもしれません。

今回の記事では、子どもが言うことを聞かない背景と、年齢に合わせた具体的な関わり方をわかりやすくご紹介します。親子の気持ちが少しラクになるヒントを見つけていきましょう。

子どもが言うことを聞かないのはなぜ?

「どうして言うことを聞いてくれないんだろう…」と悩むとき、まず知っておきたいのは、子どもの行動には“理由”があるということです。多くの場合、反抗しているのではなく「心や発達が追いついていない」「伝え方がすれ違っている」だけ。原因を理解すると、イライラが少し軽くなり、関わり方のヒントが見えてくるかもしれません。

 

発達・成長による自我の芽生え

※写真はイメージ(Adobe Stock/polkadot)

 

自我が芽生える2歳以降は、「自分でやりたい」「自分で決めたい」という気持ちが育ちます。子どもの発達・成長において、とても重要なステップです。2~6歳ごろまでに見られる特徴を年齢別に見てみましょう。

 

2歳頃

自我が芽生え始める時期で、気持ちを言葉で伝えるよりも感情が先に出ることが多くなります。「イヤ!」という言葉が増え、思いどおりにいかないと癇癪を起こすこともよくあるでしょう。

 

3歳頃

「自分の考え」や「自分でできた」という感覚を強く求めます。「自分でやる!」と主張し、うまくできないと怒ることが増えるのは、成長の証です。“認めてもらいたい”という気持ちが大きくなる時期といえるようです。

 

4〜5歳頃

この時期になると、遊びや想像の世界がとても豊かになります。何かに夢中になると周りの声が耳に入らないことや、時間やルールより「今、楽しい!」が優先される場面が増えるかもしれません。

 

6歳頃

友達付き合いや外の世界が広がり、言葉で反論する力も育ちます。「なんで?」「やだ」のやりとりが増えるのも自然な姿といえるでしょう。大人と同じように論理的に話せるわけではなく、気持ちとことばの整理がまだ難しい時期のようです。

どの段階においても、「言うことを聞かない=成長の途中」と考えるだけで、親の気持ちはぐっとラクになるかもしれません。

 

親子のコミュニケーションのずれ

「早くして」「片づけなさい」「ダメ!」など、つい命令口調が増えてしまうと、子どもは「コントロールされている」と感じて反発することがあるかもしれません。

また、忙しさの中で子どもの気持ちを聞く時間が取れないと、子ども側も「わかってもらえていない」と感じ、行動で主張しようとするでしょう。

まずは子どもの気持ちに一言だけ寄り添うことが、聞く姿勢を育てる第一歩になるかもしれません。

 

環境・生活リズムの乱れ

子どもの聞く力は、心と体が落ち着いているときに発揮されるといわれています。

睡眠不足、テレビやスマホによる刺激過多、親自身のストレスが高まっていると、子どもは不安定になりやすく、注意や声かけが届きにくくなるようです。

生活リズムが整うと、自然と協力しやすくなることも多いため、まずは「早寝」「ゆっくり話す」「スキンシップを増やす」といった基本から見直してみましょう。

 

【子どもの年齢別】言うことを聞かない原因と対応のコツ

「言うことを聞かない」と言っても、その背景には年齢による発達段階が大きく関わっています。子どもは成長に合わせて、考え方・感じ方・行動の理由が変化していくといわれています。「今はこういう時期なんだ」と理解できると、必要以上に叱らずにすむようになり、親子の気持ちも少し柔らかくなるでしょう。ここからは、年齢別の関わり方を見てみましょう。

 

【2〜3歳】イヤイヤ期

※写真はイメージ(Adobe Stock/Nii Koo Nyan)

 

この時期は、自我がぐっと育ち始め、「自分でやりたい」「自分で決めたい」という気持ちが強くなる時期といわれています。言葉で気持ちを整理する力はまだ未熟なため、「イヤ!」と反発する形で自己主張を示します。親が指示を出せば出すほど、かえって反対の行動をとることも少なくありません。

対応のポイントは、まず共感してから提案することです。「〇〇したかったんだね」「そっか、そう思ったんだね」と気持ちを受け止めたうえで、「じゃあこれとこれ、どっちにする?」と選ばせると、スムーズに動きやすくなるかもしれません。

 

【4〜6歳】自分の世界を持ち始める・遊び優先

4〜6歳頃になると、ごっこ遊びや想像の世界が豊かになり、集中していると周囲の声が届きにくくなることもあるでしょう。「やめて」と言っても聞こえていない、ということもよくあります。また、「なんでそれをしなきゃいけないの?」という疑問を持ち始め、理由がない指示には納得しにくい時期でもあります。

この頃は、ルールは短くシンプルに伝えることが有効です。

「時間になったからおしまいね」「帰る時間だよ」のように、長い説明より“状況と言葉をセット”で伝えると理解しやすくなるでしょう。

 

【小学生】反抗期・友達優先・言葉で反抗

小学生になると、家庭より友達関係が心の中心に移り、親の言葉に対して反論したり、そっけない態度をとることが増えてきます。これは「自分で考えたい」「自分を守りたい」という心の発達によるものだといわれています。

この時期に大切なのは、感情で対抗しないことです。「疲れているのかな?」「学校で何かあったのかもしれない」と、行動の背景に目を向けると、親子で衝突せずにいられるでしょう。

子どもが言うことを聞かないのは、「わざと困らせたい」「反抗しているから」ではなく、発達のプロセスです。叱るよりも、まず観察して「なぜ今そうしているのか?」を見ようとすることで、子どもの安心感と聞く力が育まれるでしょう。

 

親がやってしまいがちなNG対応

子どもが言うことを聞かないと、つい強い言葉が出てしまうことがあるでしょう。忙しさや疲れが重なればなおさらです。親が思わずしてしまう対応の中には、子どもの「聞く力」を弱めてしまうものもあります。まずは、よくあるNG対応とその理由を知ることから始めましょう。

 

怒鳴る・脅す

※写真はイメージ(Adobe Stock/takasu)

 

「いい加減にして!」「もう知らないよ!」など、声を荒げたり脅すような言い方で指示をすると、子どもは“怖いから従う”という状態になってしまうようです。一見「言うことを聞いた」ように見えても、理解や納得ではなく、ただ恐怖に反応しているだけ。繰り返すほど、子どもは親に本音を見せにくくなり、言葉より「逃げる・黙る・反発する」という行動で気持ちを表すようになってしまうでしょう。

 

他の子と比べる

「〇〇ちゃんはできているよ」「お兄ちゃんはちゃんとやってるよ」など、誰かと比較されると、子どもは“自分はダメなんだ”と感じやすくなってしまうでしょう。自尊心が傷つき、自己肯定感も下がりやすい言葉です。また、比べられるほど「認められたい」「わかってほしい」という気持ちが強くなり、かえって反発につながることもあるといわれています。

 

感情的に叱る

親が怒りのままに叱ると、子どもは「何がいけなかったのか」を理解する前に、恐怖やショックの感情が優先されてしまいます。すると、行動の改善より「怒られないように隠す」「本心を言わない」という方向に進んでしまうこともあるかもしれません。伝えたいことが届きにくくなり、親子の気持ちの距離が広がりやすくなってしまうでしょう。

 

改善策は?

大切なのは、「すぐ叱る」のではなく、一呼吸おくことだといわれています。深呼吸してから、落ち着いた声で短く伝えるだけで、子どもは受け止めやすくなります。

また、「走らないで」ではなく「ゆっくり歩こうね」と肯定形に言い換えることで、行動のイメージが伝わりやすくなるでしょう。

さらに、睡眠や環境の見直し、スキンシップを増やすなど、心が安定する土台づくりも効果的です。

 

【実践編】子どもが言うことを聞かない時の効果的な対応法

「わかってはいるけれど、実際の場面では難しい…」と感じることもありますよね。ここからは、今日からすぐに試せるシンプルな声かけや関わり方をご紹介します。少しずつでいいので、伝え方を変えていくことで、子どもの反応はゆっくり変わっていくかもしれません。

 

1. 共感してから伝える

※写真はイメージ(Adobe Stock/metamorworks)



「やりたかったんだよね」「まだ遊びたい気持ち、わかるよ」とまず気持ちを受け止めましょう。

子どもは「気持ちを理解してもらえた」と感じると、心が落ち着き、聞く態勢に入りやすくなります。

その上で「じゃあそろそろご飯にしようね」と次の行動を促すと、すっと切り替えがしやすくなります。

 

2. 肯定形で指示を出す

「走らないで!」など否定形の言葉は、子どもに“何をしたらいいか”が伝わりにくいことがあるかもしれません。

「ゆっくり歩こうね」「声は小さくしようね」のように、してほしい行動を肯定形で伝えることで、子どもは行動をイメージしやすくなるでしょう。

 

3. 選択肢を与える

「今お片づけする?それとも5分後にする?」というように、選択肢を渡すことで子どもは自分で選んだ“感覚”を持てるといわれています。

指示されるより、自分で決めた方が動きやすいのは大人も同じですよね。

「やらせる」のではなく、「一緒に決める」姿勢が協力を引き出します。

 

4. 行動を認めてほめる

少しでもできた部分を見つけて、短く具体的に言葉にしてみましょう。

「片づけしたね、助かったよ」「自分で靴はけたね」など、結果より“行動”に注目して伝えることがポイントです。認められる経験が増えると、子どもの「またやってみよう」という意欲が育つでしょう。

 

5. ルールを明確に、短く伝える

子どもは長い説明や抽象的な言い方を理解するのが難しいため、ルールは短く・シンプルにしましょう。

「ご飯のときは椅子に座るよ」「人のものは勝手に触らないよ」のように、できるだけわかりやすく伝えます。

繰り返し同じ言葉で伝えることで、安心して行動の基準を持つことができるでしょう。

 

子どもの“聞く力”を育てる環境づくり

子どもが話を聞けるかどうかは、性格だけで決まるものではありません。日々の生活リズムや、親子の関わり方によって「聞きやすさ」の土台が育っていきます。環境が整うと、声かけが届きやすくなり、親も子どもも無理をしない関係に近づくことができるでしょう。

 

テレビ・スマホ時間を見直す

※写真はイメージ(Adobe Stock/琢也 栂)

 

テレビやYouTube、スマホは楽しい刺激が多く、脳が受け身モードになりやすいといわれています。長時間続けると、人の話を聞く集中力が落ちやすくなるでしょう。完全にやめなくても大丈夫なので、「時間を決める」「ご飯前にいったんオフにする」など、メリハリをつけることがポイントです。

 

親が子どもの話を“最後まで聞く”習慣をもつ

子どもが話している途中で、つい口をはさんだり急かしてしまうことってありますよね。でも、子どもが「話を聞いてもらえた」と感じる経験が増えるほど、人の話を聞く姿勢が自然と育つでしょう。うまく言葉にできないときは、「ゆっくりでいいよ」「言いたいことあるんだね」と見守る時間も大切です。

 

ルーティン(朝・夜の流れ)を固定し、安心感をつくる

「いつも同じ流れ」で過ごせると、子どもは先の見通しが立ち、気持ちが落ち着きやすくなるでしょう。朝の支度、帰宅後の流れ、寝る前のルーティンなど、“決まった順番”をつくることで、指示や声かけが届きやすい状態が整います。大きな工夫より、小さな習慣の積み重ねが効果的といえるでしょう。

 

親の心を軽くする考え方・セルフケア

※写真はイメージ(Adobe Stock/PixelPlace)

 

子どもに向き合うには、まず親自身の心が落ち着いていることがとても大切です。そうはいっても、毎日慌ただしく過ごしていると、自分の気持ちが後回しになってしまうことも多いでしょう。完璧な育児なんてありません。まずは、親が少し呼吸できる余白をつくることから始めましょう。

 

ひとりでゆっくりする時間を持つ

たとえ5分でも、ひとりになれる時間があると心がリセットされやすくなるといわれています。コーヒーをゆっくり飲む、お風呂で深呼吸する、散歩をするなど、特別なことではなくて構いません。自分のための時間を持つことが、子どもに優しく向き合う余裕につながるでしょう。

 

SNS・育児本と比較しない

SNSでは、うまくいっている瞬間だけが切り取られて見えるもの。そこに自分を重ねると「私だけできてない」と感じやすくなります。育児は家庭の数だけ形があります。誰かの正解が、必ずしも自分の家庭の正解ではありません。比べないことが、自分を守る一番やさしい選択といえるでしょう。

 

自分の感情を整理する

イライラや不安を抱えたままだと、ちょっとしたことで気持ちが揺れやすくなります。紙に書いてみたり、信頼できる人に話を聞いてもらうことで、感情が整理され、心のスペースが生まれます。「怒りたかったんじゃなくて、疲れていたんだな」と気づけるだけでも、ふっと気持ちがほどけるかもしれません。

 

【まとめ】子どもが「言うことを聞かない」時期は、成長のステップ

※写真はイメージ(Adobe Stock/sayaka_illust)

 

今回の記事では、子どもが言うことを聞かない理由や、年齢に合わせた関わり方、親がラクになるための考え方をご紹介しました。

「言うことを聞かない」という行動の裏には、子どもの成長や気持ちがしっかり息づいています。子どもが反発したり、動かなかったりするのは、決してわざと困らせているわけではありません。「自分で考えたい」「自分を大事にしたい」という心が育っている証といえるでしょう。

大人ができることは、叱るよりも、観察して、気持ちに寄り添うことです。それだけで、親子のかかわりは大きく変わっていくかもしれません。

 

 

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