「育児に疲れた」そんな時に試してほしい対処法5つ。育児が少しラクになる方法を紹介




※写真はイメージ(Adobe Stock/TYAK_FACTORY

 

毎日、子どもと向き合って笑ったり怒ったり…気づけば自分の時間がなくて「もう疲れた」と感じること、ありませんか?育児は喜びもある一方で、心も体も限界を感じるほど大変なものでしょう。

今回の記事では、そんな育児疲れの原因と、少しずつラクになるための考え方・対処法をご紹介します。「私だけじゃない」と思えるヒントがきっと見つかります。

 

子育て中の親が感じる「育児疲れ」

※写真はイメージ(Adobe Stock/yamasan

 

内閣府の調査によると、日本の保護者が「子育てをして負担に思うこと」は、下表のとおりです。

 

「子育てをして負担に思うこと」

 

順位

負担項目

割合(%)

1

子育てに出費がかさむ

55.6

2

自分の自由な時間が持てない

46.0

3

子育てによる精神的な疲れが大きい

43.1

4

子育てによる身体の疲れが大きい

42.6

5

子どもが病気のとき

33.0

6

夫婦で楽しむ時間がない

16.3

6

仕事が十分にできない

16.3

8

子育てが大変なときに身近な人が理解してくれない

6.9

9

その他

1.6



調査を見ると経済的な負担だけでなく、「時間」「心」「体」のすべてにストレスが集中しているのが日本の子育ての現状です。

さらに、2015年の同調査と比べると「精神的な疲れ」は14.6ポイント増、「身体的な疲れ」も11.8ポイント増と、年々その割合が高まっています。

背景には、核家族化や共働き家庭の増加、SNSなどによる比較ストレスなど、親を取り巻く環境の変化があります。

多くのママ・パパが「自分の時間もなく、常に気を張っている状態」に陥りやすく、知らず知らずのうちに心身が限界に近づいてしまうのかもしれません。

 

出典:令和2年度少子化社会に関する国際意識調査(2021(令和3)年3月)/内閣府

 

育児疲れのピークは何歳頃?

多くのママ・パパが「育児が一番つらい」と感じるのは、0〜2歳ごろが最も多いといわれています。

この時期は子どもの成長が著しく、親の生活リズムも大きく変わるため、心身ともに疲れを感じやすくなるでしょう。

 

新生児期(0〜3ヶ月)

※写真はイメージ(Adobe Stock/folyphoto)

 

授乳や夜泣きによる寝不足が続き、産後の体調不安も重なります。まだ外出も難しく、孤独を感じやすい時期といわれています。

 

乳児期(4〜11ヶ月)

後追いや離乳食の準備など、心身の負担がさらに増加。睡眠不足が長引くことで、慢性的な疲労を感じる親も少なくないようです。

 

1歳前後

歩き始めたことで目が離せず、自己主張も強くなり、物理的にも精神的にも休む暇がなくなるといわれています。

 

2歳前後

「イヤイヤ期」や「反抗期」が始まり、言葉のやりとりが増えるぶん、精神的な疲労がピークを迎えやすい時期といえるでしょう。

 

ただし、どの時期の疲れも、実は子どもの成長の証でもあります。

「泣く」「歩く」「自己主張する」その一つひとつが成長のステップであり、親としての役割も日々変化していきます。時期ごとに疲れの質が違うことを知っておくと、「いまはこういう段階なんだ」と自分を責めずに受け止めやすくなるかもしれません。

 

育児に疲れてしまう原因は?

「なんで育児ってこんなに疲れるんだろう…」そう感じることはありませんか?育児の疲れには、体・心・環境・社会、それぞれの要因が複雑に重なっているといわれています。

まずはその原因を整理して、自分のどこが疲れているのかを知ることから始めてみましょう。

 

身体的な疲れ

授乳や抱っこ、夜中の対応、家事の繰り返し。育児は一日中、体力勝負といえるでしょう。

睡眠不足が続くと筋肉の疲れが取れず、肩や腰の痛み、倦怠感が積み重なっていきます。「座る暇もない」「一息つく時間もない」このような日々が続けば、どんな人でも疲れて当然です。

 

精神的な疲れ

「ちゃんと育てなきゃ」「いい母でいなきゃ」というプレッシャーは、多くのママを追い詰めます。

思うようにいかない育児にイライラしたり、他の家庭と比べて落ち込んだりすることもあるかもしれません。

孤独を感じたり、涙が出てしまう日があっても、それは弱さではなくがんばりすぎている証拠といえるでしょう。

 

環境的な要因

※写真はイメージ(Adobe Stock/sparker)

 

夫が忙しい、実家が遠い、頼れる人がいない、このようなワンオペ状態が続くと、心も体も限界になってしまいます。「誰にも頼れない」と感じた瞬間に、疲れは一気に重くのしかかります。

支援の手が届きにくい環境では、育児負担が偏りやすく、心身の消耗が蓄積しやすい傾向があります。

 

社会的な背景

SNSでは完璧な育児があふれ、知らず知らずのうちに自分を責めてしまう人も多いでしょう。「母親らしく」「こうあるべき」という固定観念が根強く、息苦しさを感じることもあるかもしれません。

でも、育児に正解はありません。「それぞれの家庭に、それぞれのやり方があっていい」と思えるだけで、少し心が軽くなるでしょう。

 

育児に疲れた時の対処法5つ

育児に疲れて「もう無理かも…」と感じたときこそ、少し立ち止まることが大切です。育児疲れを放置すると、心身のバランスが崩れやすく、悪循環に陥ることもあるようです。

ここからは、今日から試せる5つの具体的な対処法をご紹介します。

 

1. まず“休むこと”を自分に許す

育児に休みはありませんが、意識して休む時間を確保することが回復の第一歩です。家事を完璧にこなす必要はなく、惣菜や冷凍食品に頼る日があっても気にすることはありません。一時保育やファミリーサポートなど、短時間でも預けられるサービスを活用して、体と心をリセットしましょう。

 

2. 頑張りすぎをやめる

「ちゃんとやらなきゃ」という思い込みは、知らないうちに自分を追い込んでしまいます。子どもの食事や遊び、家の片づけ、どれもできる範囲でやるという意識が重要だというママの声が聞かれました。

完璧を目指すよりも、無理をしないことを意識するだけで、心に余白が生まれます。

 

3. ひとり時間をつくる

※写真はイメージ(Adobe Stock/Trickster*)

 

育児中こそ、短時間でも「自分だけの時間」を持つことが大切です。

子どもを預けてカフェに行く、好きな音楽を聴く、散歩をするなど、自分のペースで過ごす時間が、エネルギーを取り戻すカギになるでしょう。「母親である前に一人の人間」という意識を持つことが、長く育児を続けるための支えになります。

 

4. 話す・吐き出す

つらい気持ちは、言葉にすることで軽くなります。夫や友人、ママ友に話すのが難しければ、SNSやカウンセラー、話せる人で構いません。「話す相手がいる」「聞いてもらえる」というだけで、安心感が生まれるでしょう。一人で抱えこまず、気持ちを外に出すことを習慣にしてみましょう。

 

5. 身体を整える

育児疲れの多くは、睡眠・栄養・水分不足が重なって起こるといわれています。寝る時間が確保できない日でも、横になるだけでも休息効果があります。野菜スープや果物など、簡単に摂れる栄養を意識して、体をいたわりましょう。

体調が整えば、気持ちにも自然と余裕が戻ってくるでしょう。

 

育児のサポート・相談先

育児を一人で抱えこまないためには、頼れる場所を知っておくことが大切です。「誰かに相談してもいい」「助けを求めてもいい」と思えるだけで、気持ちはぐっと軽くなるでしょう。

ここからは、身近で利用しやすい公的・民間のサポートをご紹介します。

 

行政・自治体の支援サービス

各地域には、子育て中の家庭を支えるための公的支援があります。「子育て支援センター」では、親子で遊べるスペースや育児相談、講座などを実施しているところが多いようです。

また、「一時保育」や「ファミリーサポートセンター」を利用すれば、数時間だけでも預けて休息をとることができます。自治体によっては「育児ヘルパー」や「訪問支援」などもあり、家事や育児を一時的にサポートしてもらえるようです。

 

電話・オンライン相談

※写真はイメージ(Adobe Stock/peach100)

 

直接話すことで気持ちを整理したいときには、電話相談が心強い味方になります。全国共通の「児童相談所相談専用ダイヤル」や、子育てホットライン「ママさん110番」では、専門スタッフが対応してくれます。

最近では、自治体が運営するLINE相談窓口も増えており、気軽にメッセージで相談できます。「こんなことで相談していいのかな?」と思うような悩みでも、気軽にアクセスできるというママの声もありました。

 

専門家・団体

保健師や助産師、臨床心理士など、専門家によるサポートを受けるのも効果的です。特に、産後うつや強い不安を感じる場合は、早めに専門機関へ相談することで、悪化を防ぐことができるでしょう。

また、NPOや育児支援団体が主催する交流会もあり、同じ立場の人とつながる機会が広がっているようです。

 

民間のサービス

家事代行やベビーシッターを利用するのも、一つの現実的な選択肢です。掃除や料理、送迎などを任せることで、時間と心に余裕が生まれるでしょう。「お金をかけることに罪悪感がある」と感じる人もいますが、自分の健康を守るための投資と考えてよいでしょう。

無理をせず、頼れる仕組みを少しずつ取り入れていくことが、長い目で見た育児の安定につながるでしょう。

 

【まとめ】育児疲れは誰にでも起きるもの

※写真はイメージ(Adobe Stock/K+K)

 

育児の大変さは、誰にでも訪れる自然なものです。「私だけがつらい」と感じても、それは多くのママやパパが抱えている問題といえます。家事・育児・仕事に追われる中で疲れを感じるのは、当たり前のことです。

育児疲れを一人で抱えこまないことが大切です。少し手を抜くことや、誰かに頼ることは“甘え”ではなく、自分と家族を守るための選択です。完璧を目指さず、できることを少しずつ…そうやって日々を重ねるといいかもしれません。

 

 


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