「子育てがうまくできない」辛いと感じたときの対処法は?

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子育てがうまくできない気がして、「私だけがダメなのかも」と落ち込んでいませんか?怒りたくないのに怒ってしまう、他のママが上手に見えて苦しくなる。このような気持ちは、多くの親が経験しているといわれています。子育てはできる・できないで測れるものではなく、環境や心身の余裕に大きく左右されるものです。
今回の記事では、「子育てできない」と感じてしまう理由を整理し、心が少しラクになる考え方や今日からできる対処法、頼れる相談先をご紹介します。
「子育てできない」と感じる人は多い

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「怒りたくないのに怒ってしまう」「周りのママは楽しそうなのに、自分だけがつらい気がする」このような気持ちを抱いたことがある親は、決して少なくありません。
実際、こども家庭庁のデータによると、親の約6〜7割が子育てに対して負担感を感じた経験があり、子育ての難しさを実感していることがわかっています。この数字からもわかるように、「子育てできない」と感じる悩みは、多くの家庭に共通するものです。

育児には資格や明確な正解がなく、誰もが手探りで学んでいくプロセスです。思い通りにいかない日があるのは当たり前で、「できない」と感じること自体が失敗や不適性を示すわけではありません。むしろ、その感情の多くは、睡眠不足やワンオペ状態、相談相手がいない環境など、親を取り巻く負担や状況によって生まれるものです。
「子育てができない=向いていない」と自分を責める必要はありません。それはあなただけの問題ではなく、多くの親が通る、ごく自然な悩みといえるでしょう。
出典元:「こども家庭庁委託事業 妊婦や乳幼児とその保護者を取り巻く生活実態調査」/こども家庭庁
「子育てできない」と感じやすい人の特徴・タイプ

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「どうして私だけ、こんなにうまくできないの?」と感じてしまう背景には、性格や考え方の傾向が影響していることがあるようです。このような性格や考え方の傾向は向き・不向きの問題ではなく、育児に真剣に向き合っているからこそ起こるものです。
まずは、自分を責める前に、よくあるタイプを知ることから始めてみましょう。
完璧主義タイプ
「正しく育てなきゃ」「失敗してはいけない」と思う気持ちが強く、育児書や理想の育児像に自分を当てはめようとしがちです。少しうまくいかないだけで「できていない」と感じやすく、常に自分に厳しい評価を下してしまいます。
頑張りすぎ・自己犠牲タイプ
子どもや家族を優先するあまり、自分の休息や楽しみを後回しにしてしまうタイプです。「私さえ我慢すれば」と限界まで抱え込むことで、心身の余裕がなくなり、「もう子育てができない」と感じやすくなることもあるようです。
人の評価が気になるタイプ
周囲の言葉やSNSの投稿に影響されやすく、他の家庭と無意識に比較してしまいます。楽しそうな育児の一面だけを見て、自分との差に落ち込み、自信を失ってしまうことがあるかもしれません。
頭で理解しすぎるタイプ
育児の知識や情報をたくさん取り入れる一方で、「理論通りにできない自分」に苦しくなってしまう傾向があります。頭では分かっていても現実は思い通りにいかず、そのギャップがストレスになることも少なくないようです。
人に頼れないタイプ
相談することや弱音を吐くことに抵抗があり、「迷惑をかけたくない」と一人で抱え込んでしまいます。支えが少ない状態が続くと、疲れや不安が蓄積し、子育てそのものが重荷に感じやすくなるでしょう。
これらの特徴は、「だめな親」である証拠ではありません。共通していえるのは、責任感が強く、真面目で、子どもを大切に思っているからこそ悩んでしまうということです。そうした背景から「なぜ子育てがつらく感じるのか」をもう少し深く見ていきましょう。
子育てがつらく感じる理由
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「私には向いていないのかも」と感じてしまうほど、子育てが苦しくなるのには、はっきりとした理由があるといわれています。それは親としての能力や性格の問題ではなく、多くの場合、置かれている環境や心身の状態が重なった結果です。
ここからは「つらく感じるのは当然の状況にある」という視点で、理由を整理してみましょう。
睡眠不足と身体疲労
夜間授乳や何度も起きる寝かしつけ、早朝からの育児が続くと、慢性的な睡眠不足になります。十分に休めない状態では、心の余裕が保てず、些細なことでイライラしたり、感情のコントロールが難しくなるでしょう。「気持ちが持たない」と感じるのは、気合や根性の問題ではなく、体力が限界に近づいているサインです。
ワンオペ・頼れる人がいない
育児や家事を一人で抱える状態が続くと、不安やプレッシャーは自然と大きくなるでしょう。相談相手がいないことで気持ちを吐き出せず、「全部自分でやらなきゃ」という思い込みが強まり、孤独感も増していきます。人の手や言葉による支えがない状況では、子育てがつらく感じてしまう方も多いでしょう。
理想の母像とのギャップ
「いつも優しく」「育児を楽しむ」という理想像は、多くの場合、理論やイメージとして語られるものといえます。現実の育児は思い通りにいかず、余裕がない日もあって当然です。そのギャップを「自分ができていないから」と受け取ってしまうことで、自己否定が強まり、子育てがより苦しく感じてしまうかもしれません。
成果が見えにくい育児の特性
育児は、頑張ってもすぐに成果が見えるものではありません。手間や時間をかけても、感謝や達成感が得られにくく、「これで合っているのか分からない」と感じやすい特徴があります。結果が見えにくい中で努力を続けること自体が、精神的な負担になってしまうでしょう。
ホルモンバランス・メンタル要因
産後から育児期にかけては、ホルモンバランスの変化によって感情が揺れやすくなる方も多いようです。不安や落ち込み、イライラが強く出ることもあり、自己評価が下がりやすい時期です。気分の波やつらさは、意志の弱さではなく、身体の変化によるものでもあります。
子育てがラクになる考え方
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子育てが苦しくなると、「ちゃんとできていない自分」を責めてしまいがちですが、考え方を少し変えるだけで心が軽くなることがあります。完璧を目指すよりも、続けられる形を大切にすることが、結果的に親子の安心につながるかもしれません。
うまくできない日があって当たり前
まず、「うまくできない日があって当たり前」という前提を持つことが大切です。毎日同じコンディションで育児ができる人はいません。疲れている日や気持ちが沈む日があるのは自然なことで、それは失敗でも後退でもありません。できない日があるからこそ、回復する余地が生まれるといえるでしょう。
比較しない
子育ては勝ち負けや評価で測るものではないと意識することもポイントです。他の家庭やSNSと比べても、正解は見つかりません。子どもとの関係は競争ではなく、その家庭ごとの積み重ねです。
母は「役割」の中のひとつ
「母」はあなたのすべてではなく、いくつもある役割のひとつです。母親である前に、一人の人間としての感情や限界があります。母親らしさを常に保とうとする必要はありません。
子どもが求めているのは完璧な親ではなく、安心して戻れる存在です。少し不器用でも、疲れていても、「ここにいれば大丈夫」と感じられる人がそばにいることが、子どもにとって一番の支えになるでしょう。
今日からできる対処法

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「子育てができない」と感じるときは、頑張りが足りないのではなく、心と体が限界に近づいているサインです。大きく変えようとしなくても、ほんの少しの工夫で気持ちがラクになることがあります。今日できることを、できる範囲で取り入れてみるといいでしょう。
5分だけでもひとり時間を作る
たった5分でも、一人になれる時間は心の回復に大きな効果があります。深呼吸をする、好きな飲み物をゆっくり飲む、静かな場所でぼーっとするだけでも、思考がリセットされ、感情の波が落ち着いていきます。「これくらいじゃ変わらない」と思うかもしれませんが、毎日の小さな休憩が積み重なることで、余裕が戻ってくるでしょう。
感情を書き出してリセット
言葉にならないモヤモヤは、書き出すことで出口ができます。ノートでもスマホのメモでも構いません。「しんどい」「疲れた」「イライラする」など、思いついたまま書くだけで、頭の中のごちゃごちゃが整理され、感情の負荷が軽くなるでしょう。誰かに見せる必要はなく、ひとりのための小さなデトックスです。
家事の時短化
家事をラクにすることは「手抜き」ではなく、家族が心地よく暮らすための賢い選択といえます。惣菜や冷凍食品を使えば、料理の負担はぐっと減ります。紙皿で洗い物を減らしたり、外注や時短家電を取り入れるのもいいでしょう。浮いた時間と体力を、自分の回復や子どもとの関わりに回せるようになります。
辛いときは子どもを預けるのも手
「疲れたから預ける」は、弱さではなく必要なセルフケアです。一時預かりやファミサポ、ベビーシッターなどを活用すれば、ほんの数時間でも自分を取り戻す時間が作れます。預けている間に休息するだけで、心の余裕が戻り、また子どもに優しく向き合えるようになるかもしれません。「助けて」と言えることも、立派な育児スキルのひとつです。
【子育てできないと感じたら】頼れる相談・サポート先
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子育てがつらく感じるとき、必要なのは「もっと頑張ること」ではありません。ひとりで抱え込まず、外の力を借りることは、子育てを続けていくための大切な作戦です。頼ることは弱さではなく、家族と自分を守るための前向きな選択といえるでしょう。
保健師・育児支援センター・療育相談
地域の保健師や育児支援センターは、子育ての悩みを安心して相談できる身近な存在です。「ちゃんとできていない気がする」「この関わり方で合っているのか不安」など、漠然とした悩みでも受け止めてもらえます。専門職の視点から具体的なアドバイスや支援制度を教えてもらえるため、方向性が見えやすくなるでしょう。
一時預かり・ファミサポ・ベビーシッター
心や体が限界を感じたときは、子どもを預けて休むことも必要なケアといわれています。一時預かりやファミリーサポート、ベビーシッターは、「親が回復する時間」を作るための仕組みです。数時間でも休息を取ることで、気持ちが整い、子どもと向き合う力が戻ってくるでしょう。
心療内科・カウンセリング
眠れない、気分が落ち込む、イライラが止まらないなどの状態が続く場合は、医療やカウンセリングの力を借りることも大切です。診断や相談は「問題があるから行く場所」ではなく、自分の状態を正しく知るための手段といえます。専門家と一緒に整理することで、心の負担が軽くなるケースも多くあるようです。
緊急時窓口(虐待防止・ホットライン・女性支援)
「このままでは危ないかもしれない」「衝動的になりそう」と感じたときは、迷わず緊急窓口を頼ってください。虐待防止ホットラインや女性支援の相談先は、追い詰められた状況でもつながれる命綱です。助けを求めることは、子どもと自分の安全を守るための正しい行動です。
相談先例
- 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」
- よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
0120-279-338
0120-279-226 (岩手県・宮城県・福島県から)
- こころの健康相談統一ダイヤル
0570-064-556
- SNSでの相談先
上記の他にも、各自治体でも電話・LINEなどで相談を受けている窓口があるようです。
出典:「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について」/こども家庭庁
【まとめ】「できない」と感じる日も、あなたは十分やっている

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今回の記事では、「子育てできない」と感じてしまう理由を整理し、心が少しラクになる考え方や今日からできる対処法、頼れる相談先をご紹介しました。
子育ては「できる・できない」で評価するものではなく、日々変わる状況の中で手探りで進めていくプロセスといえます。うまくいかない日があって当たり前で、その感情はあなたが真剣に向き合っている証拠でもあります。
つらさや不安を抱えたときは、ひとりで背負わず、支援サービスや身近な人に頼ることで心が軽くなることも少なくないようです。「助けを求める=弱さ」ではなく、家族と自分を守るための大切な選択です。できることを少しずつ積み重ねながら、あなたのペースで進んでみましょう。
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