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給料日前になると口座残高が減り、ボーナスで補填する生活が続いていませんか?毎月やりくりしているのに貯金が増えない状態は、大きなストレスになります。家計が赤字になる原因の多くは、浪費ではなく「見えない支出」や「仕組みの不足」です。
今回の記事では、家計が赤字になる理由を整理し、今日から実践できる立て直しのステップなどについてわかりやすくご紹介します。
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家計が赤字になると、「自分のやりくりが下手なのでは」と感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、実際には多くの家庭で似たような原因が積み重なって赤字になっています。まず、家計が赤字になりやすい代表的な原因を確認していきましょう。
日常の中での小さな出費は、一つひとつはそれほど大きな金額ではありません。しかし、コンビニでの買い物やサブスクサービス、キャッシュレス決済での少額支払いなどが積み重なると、気づかないうちに家計を圧迫することがあります。特にキャッシュレス決済はお金を使っている実感が薄くなりやすいため、支出が増えやすい傾向があるといわれています。こうした「見えにくい出費」を把握することが、家計改善の第一歩です。
家計の赤字は、毎月の生活費だけでなく「特別支出」が原因になることもあります。例えば、冠婚葬祭、税金の支払い、家電の買い替え、旅行などは毎月発生するものではありません。そのため、準備がないまま月収から支払おうとすると、家計が一時的に赤字になってしまいます。こうした支出を見越して、あらかじめ積み立てておく仕組みを作ることが大切といえます。
家計を圧迫する大きな原因の一つが固定費です。スマートフォンの通信費、保険料、住居費などは毎月必ず発生するため、金額が大きいほど家計への影響も大きくなります。収入に対して固定費の割合が高すぎると、生活費をやりくりしても赤字になりやすくなります。まずは固定費を見直し、現在の収入に合ったバランスに調整することが重要です。
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家計の赤字を改善するためには、やみくもに節約をするだけでは長続きしません。大切なのは、家計の流れを整理し、仕組みとして立て直すことです。
ここからは、家計を黒字化するために実践したい5つのステップを見てみましょう。
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まず最初に行いたいのが、家計の収支を「見える化」することです。1ヶ月だけでよいので、食費や日用品、交通費、娯楽費など、すべての支出を書き出してみましょう。家計簿アプリやメモでも構いません。実際に数字として確認することで、思っていたより出費が多い項目や、無意識に使っているお金に気づくことができるでしょう。
支出を書き出したら、それぞれを「消費」「浪費」「投資」に分類してみましょう。生活に必要な出費は「消費」、将来の価値につながるものは「投資」、なくても困らないものは「浪費」です。客観的に分類することで、削減できる支出が見えやすくなります。無理な節約をするのではなく、浪費を少し減らすだけでも家計は改善しやすくなります。
家計を改善するうえで、最も効果が大きいのが固定費の見直しです。例えば、スマートフォンを格安SIMに変更する、使っていないサブスクサービスを解約する、保険内容を見直すなどの方法があります。固定費は一度見直せば毎月の支出が自動的に減るため、家計改善の効果が長く続くのが大きなメリットといえます。
毎月の生活費とは別に、特別費の準備も重要です。冠婚葬祭、家電の買い替え、旅行、税金など、年に数回発生する支出は意外と大きな金額になります。これらをその都度支払うと家計が大きく揺らぎやすいため、年間の特別支出を見積もり、12ヶ月で割って毎月積み立てておくと安心です。
貯金を成功させるためには、「余ったら貯める」という考え方を変える必要があります。おすすめなのが、収入が入った時点で先に貯金分を別の口座に移す「先取り貯蓄」です。自動積立や定期預金を活用すれば、意識しなくても貯金ができる仕組みを作ることができます。この方法は家計を黒字化するうえでも非常に効果的です。
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家計の赤字を改善するうえで、最も効果が出やすいのが固定費の見直しだといわれています。固定費は一度見直すだけで、毎月の支出を継続的に減らすことができます。
ここでは、特に削減効果が期待できる代表的な固定費を見てみましょう。
通信費は、見直しによって大きく節約できる代表的な固定費の一つです。大手キャリアのスマートフォンを利用している場合、格安SIMに乗り換えるだけで毎月の料金を大幅に下げられる可能性があります。また、スマートフォンと自宅のインターネット回線を同じ会社にまとめる「セット割」を活用することで、さらに通信費を抑えることができるかもしれません。
保険は安心のために加入しているものですが、内容を見直すと必要以上に保障をかけているケースも少なくないようです。例えば、似たような保障内容の保険に複数加入していたり、貯蓄型保険で保険料が高くなっていたりする場合があります。現在の家族構成や生活状況に合わせて、不要な保障を整理したり掛け捨て型に変更したりすることで、毎月の負担を軽くできる可能性があります。
動画配信サービスや音楽配信、オンラインサービスなどのサブスクは、月額料金が比較的少額のため見落としがちです。しかし、複数契約していると毎月の合計額は意外と大きくなります。現在利用しているサービスの中で、あまり使っていないものがないかを一度確認してみましょう。利用頻度の低いサービスを解約するだけでも、家計の負担を減らすことにつながるでしょう。
住居費は家計の中でも大きな割合を占める固定費です。持ち家の場合は住宅ローンの借り換えによって金利が下がり、毎月の返済額が軽くなることがあります。また、賃貸住宅の場合でも更新時期などに家賃の交渉をすることで、負担を抑えられる可能性があります。住居費は金額が大きいため、見直しが成功すると家計への効果も非常に大きくなるでしょう。
見直しのポイントや期待できる削減額の目安は、下表でチェックしてみてください。
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項目 |
見直しのポイント |
期待できる削減額(目安) |
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通信費 |
格安SIM、ネット回線のセット割 |
月 5,000円〜 |
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保険料 |
重複した保障の解約、掛け捨てへの変更 |
月 3,000円〜 |
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サブスク |
利用頻度の低いサービスの解約 |
月 1,000円〜 |
|
住居費 |
住宅ローンの借り換え、家賃交渉 |
月 10,000円〜 |
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家計を立て直したあとに気になるのが、「実際にどれくらい貯金すればよいのか」という目標額です。貯金額は家庭ごとの収入や生活状況によって異なりますが、目安を知っておくと家計管理の指針になります。ここでは、まず確保したい貯金と、月収別の貯金目標の考え方をご紹介します。
貯金を本格的に増やす前に、まず優先して確保したいのが「生活防衛費」です。これは、万が一の収入減少や急な出費があったときに生活を守るためのお金で、目安は「月々の生活費の3〜6ヶ月分」とされています。例えば生活費が月25万円の家庭なら、75万円〜150万円程度が一つの目標になります。この資金があることで、突然の出費があっても家計が赤字に戻るリスクを減らすことができます。
月収別の貯金目標額の目安は、下表を確認してみましょう。
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世帯月収(手取り) |
理想の貯金率 |
月々の貯金目標額 |
特徴とアドバイス |
|
20万円以下 |
10% |
20,000円 |
収入が限られる場合は、まず固定費の見直しが重要です。通信費やサブスクなど、毎月必ず出ていく支出を削減することで貯金の余裕を作りましょう。 |
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25万円前後 |
15% |
37,500円 |
収入が限られる場合は、まず固定費の見直しが重要です。通信費やサブスクなど、毎月必ず出ていく支出を削減することで貯金の余裕を作りましょう。また、食費や交際費などの支出についても、月ごとの上限額を決めて見直すことが大切です。使いすぎを防ぎ、家計管理がしやすくなります。 |
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30万円〜40万円 |
20% |
60,000〜80,000円 |
この層では「先取り貯蓄」を徹底することが効果的です。給与が入った時点で貯金分を別口座へ移す仕組みを作ると、無理なく貯金を増やせます。 |
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50万円以上 |
25%〜 |
125,000円〜 |
収入が増えると生活水準も上がりやすくなります。見栄や習慣による無駄な支出が増えていないかを確認し、支出のバランスを意識することが大切です。 |
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家計を黒字化できても、その状態を長く維持できなければ意味がありません。大切なのは、無理のない方法で家計管理を続けることです。ここでは、赤字に戻らないための家計管理のコツを見てみましょう。
家計簿を長く続けるためには、できるだけ手間を減らすことが大切です。最近では、銀行口座やクレジットカードと連携して自動で支出を記録してくれる家計簿アプリも多くあります。例えば、口座やカードの情報を自動でまとめて管理できる「マネーフォワード ME」や、シンプルで初心者でも使いやすい「Zaim」などが人気のようです。こうしたアプリを活用すると、家計の流れを簡単に把握でき、無理なく家計管理を続けやすくなるでしょう。
キャッシュレス決済は便利ですが、使いすぎてしまう原因にもなりやすい支払い方法です。特にオートチャージ設定をしている場合、支出の感覚が薄くなりやすいため注意が必要です。支払い履歴がすぐ確認できるアプリを活用し、定期的に利用額をチェックする習慣をつけましょう。キャッシュレス決済でも「使った金額を把握する」ことを意識することで、家計管理がしやすくなります。
家計管理を継続するためには、家族全員が同じ目標を持つことも大切だといわれています。例えば「家族旅行に行く」「車を買う」「教育費を貯める」など、具体的で前向きな目標を設定すると、貯金のモチベーションが高まります。夫婦でお金の使い方について話し合い、目標を共有することで、家計管理を一人で抱え込まずに続けることができます。
家計の赤字に悩んでいると、「他の家庭はどうしているのだろう」「自分のやり方は間違っているのでは」と不安になることもあるでしょう。家計の悩みは多くの家庭が抱えているものです。
ここからは、家計管理についてよくある質問と、その考え方をご紹介します。
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A.
相手を責めるのではなく、「将来のためにこれだけ貯めたい」という具体的な目標を共有することが大切です。お金の使い方のルールを夫婦で話し合い、お小遣い制など「使える範囲」を決めておくと、家計のトラブルを防ぎやすくなるでしょう。
A.
支出を見直すことは重要ですが、削減できる金額には限界があります。家計を立て直すためには、副業や転職などによる収入アップを検討することも一つの方法です。また、自治体によっては子育て支援や生活支援などの制度があるため、公的な支援制度を確認してみることも大切といえるでしょう。
A. 投資は資産形成の手段ですが、赤字の家計を立て直す方法ではありません。投資はあくまで余剰資金で行うものであり、生活費や必要なお金を使って行うのはリスクが高くなってしまいます。まずは家計を黒字化し、生活防衛費を確保したうえで、余裕資金ができた段階で検討するのが基本です。
今回の記事では、家計が赤字になる理由を整理し、今日から実践できる立て直しのステップなどについてご紹介しました。
家計の赤字を脱出するために大切なのは、自分を責めることではなく、まずは家計の数字を冷静に把握することです。支出の流れを見える化することで、何にお金が使われているのかが明確になり、改善のポイントが見えてくるでしょう。
また、小さな節約を積み重ねるよりも、通信費や保険料などの固定費を見直す方が家計への効果は大きくなります。一度仕組みを整えれば、毎月無理をしなくても自然とお金が残るようになります。家計が黒字化すると、将来のお金に対する不安も少しずつ和らぎ、貯金や計画を前向きに考えられるようになるかもしれません。