育児にかかるお金はいくら?年齢別の費用と貯蓄のコツを徹底解説


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「子どもを育てるって、こんなにお金がかかるの!?」と思ったことはありませんか?

ミルク代やおむつ代、毎月の保育園代、そして将来の習い事や教育費……。育児は、給与やボーナスとは別に“想像以上に出費が続く”のが現実です。

国立成育医療研究センターの調査でも、第一子一人あたりが0歳から高校卒業までの18年間にかかる総費用は、約2,170万円に上るという結果が出ています。

この巨額の費用の内訳を知らないまま計画なしに進むと、将来「お金が足りない」という不安に直面してしまいます。

この記事では、公的機関のデータをもとに、育児にかかるお金のリアルな総額年齢別の目安節約術、そして国の支援制度までを徹底解説します。

この記事を読めば、「どこにお金がかかるのか」「どう対策すれば安心なのか」が明確にわかります。計画的に資金準備を進め、子育てに対する経済的な不安を解消しましょう!

 

育児は何にお金がかかる?

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育児費用は「一度きり」ではなく、“毎月の固定出費”と“成長に伴う変動費”の両方があるのが特徴です。

特に、成長に合わせて生活水準が上がる養育費(生活費)と、進路によって大きく変わる教育費の二つに分けて考える必要があります。

 

主な費用項目一覧

項目

内容

備考

食費

ミルク・離乳食・給食・外食など

子どもの成長とともに着実に増加します。

日用品

おむつ・おしりふき・洗剤など

未就学期は消耗品コストが継続します。

医療費

病院・薬・健診費用

医療証制度で自治体差がありますが、公的助成で家計の直接負担は軽減されています。

保育・教育費

保育料・給食費・教材費

進路(公立・私立)によって差が最も大きくなります。

習い事・塾代

ピアノ・英語・塾・通信教育など

公立校を選んだ場合、この「学校外活動費」の割合が大きくなります。

衣類・おもちゃ

年齢に合わせて買い替え

成長スピードが早い時期は出費が多くなります。

レジャー・交際費

家族旅行・誕生日・イベント

思い出づくりの費用ですが、節約の余地もあります。

 

養育費(食費や日用品)は年間費用の約半分を占め、着実に増加する「見えない出費」として家計に継続的な負担をかけていることがデータから分かります。

高額な教育費だけでなく、日々の生活費の管理も非常に重要です。

 

【年齢別】育児にかかるお金はいくら?

子育ての費用は、子どもの年齢とともに大きく変化します。ここでは、公的機関の調査結果をもとに、年齢別の平均費用と特徴を見ていきましょう。

 

参照元:内閣府『インターネットによる子育て費用に関する調査』

 

未就学児(0〜5歳)

未就学児にかかる平均年間費用は約104万円が目安です。

この時期の主な出費は、保育料、おむつ・ミルク代、衣類、そしてベビーカーやベビーベッドなどです。

特に、0歳から3歳頃までは消耗品コストが継続的にかかります。

しかし、近年では、幼児教育・保育の無償化(3〜5歳)や、地方自治体による医療費助成制度が充実しているため、家庭の直接的な支払い負担は大きく軽減されています。

 

小学生(6〜12歳)

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小学校段階は、習い事や塾など教育費の出費が増える時期です。

年間の学習費は、公立小学校で約34万円私立小学校では約183万円と、その格差は公立の約5.4倍にも達します。

私立は学校に支払う費用(授業料など)が高額なのに対し、公立の場合では、学習費総額の約6割が習い事や塾代などの学校外活動費に充てられる傾向があります。

公立を選んでも年間30万円を超える学習費がかかるため、この時期から教育費の早期準備が重要になります。

加えて、教育費以外の養育費(食費・衣類・医療費など)は年間約94万円がかかるため、子育て全体では年間約128万円(公立の場合)の支出が見込まれます。

この時期から教育費の早期準備が重要になります。

 

参考:文部科学省|小学校・中学校の年間学習費総額と内訳

 

 

中学生(13〜15歳)

中学校に入ると、学習費は公立で約54万円、私立で約156万円とさらに増加します。

この時期は、制服部活動費に加え、高校受験対策のための塾代が大きな出費となります。

公立でも塾代は年間20万円〜40万円が平均とされ、教育費が急増します。

加えて、教育費以外の養育費(食費・衣類・医療費など)は年間約103万円がかかるため、子育て全体では年間約157万円(公立の場合)の支出が見込まれます。

また、スマートフォンなどの通信費交際費も発生し、「中学から一気に家計負担が増える時期」と認識し、しっかりと備えを始める必要があります。

 

参考:文部科学省|小学校・中学校の年間学習費総額と内訳

 

 

高校生(16〜18歳)

高校生の子育て費用は、子どもの養育費(生活費)と教育費(学習費)の合計で概算できます。

ここでは、中学3年生の年間養育費(生活費など)を131万6,050円と仮定し、文部科学省のデータに基づく高校の年間教育費を加えて算出します。

 

学校種別

年間教育費

計算式 (養育費 + 教育費)

概算費用(年間)

3年間合計(目安)

公立高校

約60万円

131.6万円 + 60万円

約192万円

約576万円

私立高校

約103万円

131.6万円 + 103万円

約235万円

約705万円

 


私立高校へ進学した場合、公立高校に比べ、3年間で約130万円ほど多くの費用が必要となる計算です。

高校生は教育費に加え、進学費用(大学受験対策の塾代、受験料、模試代など)が大きな割合を占めます。

特に高校3年生時の受験費用がピークとなるため、大学費用を見据えた計画的な資金準備が非常に重要となります。

 

参考:文部科学省|令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します

 

 

大学生(19〜22歳)

子育て費用が迎える家計最大の山場は、高校卒業後の大学進学時です。この時期の費用は、国公立か私立か、また文系か理系かによって大きく変動しますが、「大学進学が家計最大の山場」であるため、早めの計画的な貯蓄が鍵となります。

大学生になると、アルバイトによる収入や一人暮らしの有無など、家庭ごとの養育費(生活費)が大きく異なってきます。ここでは、自宅から大学に通う場合を想定し、費用を以下の二つの要素で概算します。

 

  1. 大学生の養育費(年間)
    中学3年生の生活費データから、仕送りをしない自宅通学の子どもに必要な項目(衣類、食費、生活用品、医療費、携帯代、預貯金/保険、レジャー費など)をピックアップすると、年間合計で約88万円が目安となります。

  2. 大学生の教育費
    大学に支払う入学金や授業料などです。

養育費(88万円/年)と教育費を合計すると、大学4年間で必要となる子育て費用の総額は以下の通り、1,000万円近くに達する可能性があります。

大学種別

養育費(4年間)

教育費総額(4年間)

総額(目安)

国公立大学(自宅通学)

88万円 × 4年 = 約350万円

約481万円

約831万円

私立大学(文系・自宅通学)

88万円 × 4年 = 約350万円

約690万円

約1,040万円

教育費参考:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」

 

養育費は高校時代から減少する傾向があるものの、大学4年間で必要となる教育費が高額なため、国公立・私立の違いがあっても総額では1,000万円近く必要となります。

上記の計算はいずれも自宅通学を仮定しているため、私立の理系や医歯薬系などへ進学する場合は、さらに高額な教育費が必要になることを念頭に置きましょう。

 

育児にかかるお金の総額は?

※写真はイメージ(Adobe Stock/jirsak)

 

子育てにかかる費用は、未就学期から大学卒業までの約22年間で、教育費と養育費の合計で約3,000万円から5,000万円に達する可能性があります。

ここでは、上記で解説した各段階の費用目安に基づき、0歳から大学卒業までの教育費と養育費の総額を概算します。

期間

費用の内訳

公立進路の場合(目安)

私立進路の場合(目安)

0歳〜5歳 (6年間)

養育費・保育料など

約104万円/年× 6年 = 約624万円

-

小学校(6年間)

養育費 + 学習費

公立:約128万円/年 × 6年 = 約768万円

私立:約183万円/年 × 6年 = 約1,662万円

中学校(3年間)

養育費 + 学習費

公立:約54万円/年 × 3年 = 約265万円

私立:約156万円/年 × 3年 = 約777万円

高校(3年間)

養育費 + 教育費

約576万円 (3年間合計)

約705万円 (3年間合計)

大学(4年間)

養育費 + 教育費

国公立:約831万円 (4年間合計)

私立:約1,040万円 (4年間合計)

総額(目安)

約22年間

約3,064万円

約4,808万円

 

上記の計算から、子育てには国公立進学でも約3,064万円私立進学の場合は約4,808万円近くの費用が必要となることが分かります。

この総額はあくまで目安ですが、これに加えて、子どもが増えるほど食費や日用品などの生活費(養育費)も比例して増える点は考慮が必要です。

高額な費用に不安を感じるかもしれませんが、「見通しを持てば不安は減る」はずです。どこにお金がかかるかを明確に把握できたことで、具体的な対策を立てる準備が整いました。

次章では、この総額に備えるための具体的な節約・貯蓄のコツをご紹介します。

 

家計を守る!育児費用の節約・貯蓄のコツ

※写真はイメージ(Adobe Stock/Nattakorn)

 

高額な子育て費用に備えるには、日々の節約と計画的な貯蓄をバランスよく行うことが大切です。特に、長期的な教育資金と、短期的な養育費の増加の両方に目を向ける必要があります。

 

固定費を見直して家計の土台を強化しよう

毎月必ず支払う固定費の見直しは、年間の節約効果が非常に大きくなります。

まずは、スマートフォンなどの通信費、利用頻度の低いサブスクリプション、そして加入している保険の保障内容が現在の家族構成に合っているかをチェックしましょう。

特に、養育費(生活費)は年齢とともに着実に増加する傾向があるため、家計簿アプリなどで「支出の見える化」を行い、どこに無駄があるかを把握することが、継続的な負担軽減の第一歩です。

 

子ども用品は賢くリユースで節約

成長が早い未就学児の衣類や、すぐに使わなくなるベビー用品は、購入費を抑えるチャンスです。

フリマアプリやリサイクルショップを積極的に活用し、中古品やフリマを活用して賢く節約しましょう。

自治体の子育て世帯向けクーポンや、日々の買い物でのポイント還元制度を逃さず利用することも、地道ですが家計の負担を軽減する有効な手段です。

必要なものを安く手に入れ、支出を最小限に抑えましょう。

 

教育資金は「確実性」と「成長性」で準備を

将来の大学費用など、明確な目標額と期限がある教育資金の準備には、計画的な積立が不可欠です。

貯蓄手段は、確実性を重視する学資保険と、成長性を狙うつみたてNISAを組み合わせる「三本柱」戦略が推奨されています。

これにより、変動リスクを回避しつつ、長期の複利効果で資産形成を狙えます。

また、児童手当(0〜15歳に月1〜1.5万円)を生活費に充てずに限定的に貯蓄すれば、大きな元手を作ることができます。

 

公的支援制度を最大限に活用しよう

国や自治体が提供する制度を理解し、家庭からの直接的な支出を最小限に抑えましょう。

例えば、幼児教育・保育の無償化医療費助成は、未就学期の家計負担を大きく軽減します。

公的支援制度については次の章で紹介します。

 

お金のかかる育児にうれしい!子育て支援・補助金制度

※写真はイメージ(Adobe Stock/sh240)

 

国や自治体には、子育て世帯の経済的・時間的な負担を軽減するための制度が数多くあります。厚生労働省や文部科学省が所管する主な制度をしっかり確認しましょう。

 

出産・保育・育児の支援制度

児童手当

内容


0歳から中学校卒業まで、月1万円〜1.5万円が支給されます。毎月の生活費というより、将来の教育資金として貯蓄に回すのがおすすめです。

対象


0歳〜15歳まで(所得制限あり)

 

出産・子育て応援交付金

内容

妊婦・出産後に面談等を行い、合計で最大10万円相当(自治体によって増額あり)の経済的支援を行う制度です。

対象

妊婦・出産後の子育て世帯

 

保育料無償化

内容


3歳から5歳クラスの子どもの幼稚園・保育所・認定こども園などの利用料が無料になる制度です。0歳から2歳クラスの住民税非課税世帯も対象となります。

対象


3歳〜5歳クラス(認可施設など)

 

医療・教育費の負担軽減制度

医療費助成制度

内容


子どもの通院費や入院費を無料、または一部負担で利用できるように助成する制度です。自治体によって対象年齢などに差があります。

対象

0歳〜高校卒業までなど(自治体差あり)

 

高等教育支援制度

内容

住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯を対象に、大学等の授業料の免除または減額と、給付型奨学金が支給されます。大学進学時の大きな助けとなります。

対象


大学・短大・専門学校生(所得制限あり)

 

仕事と両立するための支援制度

育児休業制度

内容


子どもを養育するための休業中に、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。

特に2025年には段階的な法改正が予定されており、より利用しやすい制度へと変わっています。夫婦で戦略的に利用することで、未就学期の経済的負担を軽減できます。

 

対象


原則1歳未満の子どもを育てる親


 

子の看護等休暇

内容

小学校3年生までの子どもの病気・怪我の看護だけでなく、予防接種、健康診断、学級閉鎖、さらには入園式や卒園式といった学校行事にも利用できる休暇です。年間5日(子どもが2人以上なら10日)まで、時間単位で取得可能です。

 

対象


小学校3年生までの子どもがいる親

参考: 厚生労働省「育児休業制度特設サイト」

 

まとめ

※写真はイメージ(Adobe Stock/maru54)

 

育児には確かにお金がかかりますが、“知ること・備えること”によって不安は軽くなります。

お金がかかる時期は「中学〜大学」がピークです。

教育費だけでなく、生活費(養育費)が年間費用の約半分を占める「隠れた出費」にも注意し、確実性(学資保険)と成長性(つみたてNISA)を組み合わせた戦略や、早めの貯蓄、最新の公的制度の活用などで、経済的な自由と心のゆとりを準備しましょう。

 

 

 


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