【ペットと暮らす家】おすすめの間取り&設計のポイント

※写真はイメージ(Adobe Stock/wheeljack)

 

昨今、犬や猫などのペットを「家族の一員」として迎える家庭が増えています。その一方で、「ペットと快適に暮らせる家づくり」に悩む方も少なくありません。

例えば、「ペット専用スペースはどう設ければいい?」「においや音への配慮って、どう考えればいいの?」といった疑問は、家づくりの初期段階で多くの人が抱く悩みのようです。

今回の記事では、ペットと人が快適に共に暮らせる家の間取りアイデア10選と、設計時に気をつけたいポイントなどについて実例とあわせてご紹介します。家族みんなが安心して過ごせる、後悔しない住まいづくりのヒントをまとめました。

【実例紹介】ペットと暮らす家の間取り・設計アイデア10選

ペットも家族の一員として、快適に暮らせる住まいづくりが注目されています。まずは、実際の事例をもとにした間取りや設計のアイデア10選をご紹介します。家族もペットも心地よく過ごせる空間づくりの参考にしてみてください。

 

1. 玄関横に「ペット専用の足洗い場」を設置

ひとつ目のアイデアは、外から帰ってきたときに玄関でペットの足を洗えるスペースを設置したものです。小型シンクやシャワー付き水栓を設けておけば、雨の日や散歩帰りでも床を汚さずに済みます。

さらに、冬場など寒い時期でも快適に使えるよう、お湯が出る設備を備えると便利です。滑りにくい床材を使えば、安全性もアップするでしょう。

 

2. 廊下に「キャットウォーク」や「ペット通路」を設計

次にご紹介するのは、廊下やリビングの壁面に、猫が上下運動できるキャットウォークを設けた間取り例です。人の邪魔をせずに移動でき、運動不足やストレスを軽減させることができるでしょう。

透明なアクリル板を使うとインテリア性も高まり、愛らしい姿を見守れます。犬用には、行き止まりのない回遊動線があるとストレス軽減にもつながるでしょう。

 

3. リビングに「ペット用スペース」を確保

※写真はイメージ(Adobe Stock/CandyRetriever)

 

3つ目のアイデアは、人と一緒に過ごす時間が長いリビングにペットのベッドやクレートを置ける専用コーナーを設置したものです。棚の一部をペット用の寝床として設計するなど、インテリアと調和する工夫がされているものもあるようです。

床暖房を取り入れたり、冷暖房の風が直接当たらない位置にするなど、快適性にも配慮しましょう。家族の視界に入りやすい場所にすることで、安心感も高まります。

 

4. 脱衣所や洗面所に「ペット用シャンプー台」を設置

お風呂場ではなく、洗面脱衣所にペット専用のシャンプースペースを設ける事例もあります。腰高の洗い場を設けることで、飼い主の負担を減らし、毎日のケアも簡単になるでしょう。

換気や防水性をしっかり確保すれば、においやカビの対策にもなります。収納棚も併設すれば、シャンプー用品の管理もスムーズにできるでしょう。

 

5. 1階に「ドッグラン直結のウッドデッキ」

5つ目にご紹介するのは、庭と室内をつなぐウッドデッキにペットドアを設置し、ドッグランに自由に出入りできるようにした間取りです。日光浴が好きなペットにも最適で、飼い主が家事をしている間も安心して見守れます。

木材は滑りにくく、熱くなりにくい素材を選ぶと安心です。屋根付きの一角を設けることで、雨の日でも外遊びができます。

 

6. 「ペット専用収納」で道具の散らかりを解消

6つ目は「ペット専用収納」を設置したアイデアです。ペットグッズはおもちゃやフード、ケア用品など意外と多いものです。玄関横やキッチン近くに「ペット専用収納」を設計することで、物の定位置が決まり、日常の手間も大幅に軽減することができるでしょう。

湿気対策のために換気口や除湿材を備えると、フードの品質保持にも効果があります。高さや位置も、頻繁に使うアイテムは取り出しやすく工夫しましょう。

 

7. トイレスペースを動線に沿って設置

7つ目にご紹介するのは、ペットトイレを廊下の一角や階段下など生活動線の中に自然に組み込むアイデアです。動線に沿って設置する場合は、においや目線の配慮も忘れないようにしましょう。

壁面に脱臭機能付きの換気扇を設けたり、自動清掃トイレと組み合わせると清潔に保てます。床材には防水性・消臭性のあるものを選ぶといいかもしれません。

 

8. 床材は「滑りにくく掃除しやすい材質」を選定

8つ目にご紹介するのは、リビングや廊下など人もペットもよく通る場所に、滑りにくいクッションフロアやフロアタイルを使用したものです。犬や猫の足腰に優しく、傷や汚れも目立ちにくいため、長く快適に暮らせるでしょう。

撥水性のある素材なら、水飲みのこぼれや粗相にも対応しやすいです。定期的なワックス不要のタイプを選べば、メンテナンスも簡単です。

 

9. 「間仕切り」でペットの動きの制御がしやすい設計

9つ目にご紹介するのは、ペットの動きの制御がしやすいアイデアです。家事中や来客時など、ペットを一時的に別の空間に隔離したい場面もあるでしょう。引き戸やペットゲートを活用し、空間を仕切れるような設計にしておくと便利です。

ペットの様子が見えるよう、スリット入りの扉や格子状ゲートを選ぶといいでしょう。場所によってはロック付きにして、安全性を高める工夫も大切です。

 

10. 2階建ての場合は「ペットが昇りやすい階段設計」に

※写真はイメージ(Adobe Stock/Markus Schröder)

 

最後にご紹介するのは、ペットが昇降しやすい階段設計です。急な階段や滑りやすい素材は事故につながります。段差を低く、蹴込みを深くした階段にし、手すりの設置も考慮しましょう。

足腰の弱いペットには、スロープや階段下ベッドの設置も有効です。万が一の落下を防ぐため、階段の脇に柵やガードを設けるとより安心でしょう。

 

ペットと暮らす家づくりで大切な考え方・設計の基本

ペットと快適に暮らすためには、ただ「ペットが住める家」にするだけでなく、動線・素材・安全性などを考慮した住まいづくりが重要です。ペットも人も心地よく過ごすために押さえておきたい基本のポイントをご紹介します。

 

動線

ペットと人の動線がぶつからないように設計することで、ストレスや事故を防げます。例えば廊下やリビングの一角に、ペット専用の移動ルートや回遊性のある通路を設ける工夫などが効果的です。ペットドアをつけて自由に部屋を行き来できるようにすると、閉じ込めによる不安も軽減できるでしょう。

人とペット、それぞれの暮らしを尊重した動線設計が理想です。

 

床材選び

※写真はイメージ(Adobe Stock/New Africa)

 

滑りやすい床はペットの足腰に負担がかかるため、滑りにくく傷がつきにくい素材を選ぶのが基本です。クッションフロアや塩ビタイルは、耐久性・防水性に優れており、掃除もしやすいといわれています。

また、フローリングの場合は表面に滑り止め加工があるタイプを選ぶと安心です。素材の質感や色味にもこだわれば、インテリア性も損なわずに仕上がるでしょう。

 

音・におい対策

犬の鳴き声や猫の足音、トイレのにおいなど、ペット特有の生活音やにおいにも配慮が必要です。壁紙や天井材に吸音性のある素材を使ったり、トイレスペースに脱臭機や換気扇を設置すると効果的です。

においがこもらないよう、空気の流れを意識した間取りにすることもポイントです。玄関や廊下など、空間の仕切り方ひとつで印象が大きく変わるでしょう。

 

安全性

家の中には、ペットにとって危険が潜んでいることもあるようです。急な階段や高すぎる段差、扉の開閉時の挟まりなど、細かなリスクにも注意が必要です。

また、小さなおもちゃや電気コードなど誤飲の原因になるものは、届かない位置に収納しましょう。特に高齢ペットや子犬・子猫がいる家庭では、バリアフリーな設計やゲート設置が有効です。

 

収納とゾーニング

ペットと暮らすと、日用品だけでなくフード・おもちゃ・ケア用品など収納すべきものが増えます。あらかじめペット専用の収納スペースを設けておくと、散らかりにくく、日常の世話もスムーズにできるでしょう。

また、トイレスペースやベッドスペースなど、用途に応じてエリアを明確に分けておくゾーニングも重要です。生活空間とのバランスをとることで、家全体の快適性が高まるでしょう。

 

ペットと暮らす家を建てるときのポイント

※写真はイメージ(Adobe Stock/chendongshan)

 

ペットと暮らす家を建てる際には、設計段階から「ペットとの暮らし」に理解があり、実績のある設計士と相談することが大切です。ペットの行動や習性を踏まえた間取りや設備は、専門的な知識がないと見落とされてしまうことがあるようです。

また、現在の暮らしだけでなく、将来的な変化も見据えることが重要です。例えば、老犬・老猫になったときに階段の昇り降りが難しくなる場合に備えて、1階で生活が完結できる動線を考えておくと安心です。さらに、日々の掃除やメンテナンスを想定して、汚れに強く掃除がしやすい建材や設備を選ぶことも快適な住環境づくりには欠かせません。

人とペットが互いに心地よく過ごすためには、「常に一緒」ではなく、適度な距離を保てるような間取りの工夫が必要です。一緒に過ごす時間も、離れてリラックスする時間も、お互いに快適に感じられる空間づくりを心がけましょう。

 

よくある質問(Q&A)

ペットと快適に暮らす家づくりには、住まいの設計だけでなく、素材選びや設備面での工夫も欠かせません。ここからは、実際に家を建てる前に多くの方が気になるポイントをQ&A形式で詳しく見てみましょう。

 

Q1:ペットのにおい対策はどのようにすればいい?

A: まず大切なのは、家全体の「換気計画」をしっかり立てることです。特にペットトイレを設置するスペースには、換気扇や空気清浄機、脱臭機能付きのエアコンなどを取り入れるといいでしょう。

加えて、珪藻土やエコカラットなどの消臭機能がある内装材を使えば、空間に自然な調湿・消臭効果をプラスできます。においをこもらせない工夫が、快適な住まいの鍵となります。

 

Q2:ペットがいる場合、床材は何を選ぶのがベスト?

A: ペットとの暮らしには、「滑りにくく」「傷に強く」「掃除がしやすい」床材が理想です。例えば、ペット用のクッションフロアはクッション性があり、滑りにくく掃除も簡単です。ペット対応コーティング済みフローリングも、傷防止と滑り止め機能を備えており、インテリア性も高いです。汚れた部分だけ取り替えられるタイルカーペットも人気があるようです。

中型犬以上の犬を飼っている場合は、滑りやすい無垢材などは避け、足腰への負担を減らすことを意識しましょう。

 

Q3:ペットのために床暖房は使っても大丈夫?

※写真はイメージ(Adobe Stock/Imaging L)

 

A: 基本的に使用可能ですが、「低温やけど」のリスクには注意が必要です。犬や猫は長時間同じ場所で寝てしまうことがあるようなので、温度調整ができる床暖房を選び、必要に応じて部分的にオンオフできるタイプを採用するのがおすすめです。

床暖房の設置範囲や使用時間にも配慮しながら、安全に使いましょう。

 

Q4:猫が壁をひっかくのですが、何か対策は?

A: 猫の爪とぎ対策には、ひっかきに強い「ペット対応壁紙」がおすすめです。さらに、ストレス発散や上下運動ができるようなキャットウォークや爪とぎポールなど、猫が思いきり遊べる場所を設けることで、壁へのダメージを減らせるでしょう。

「壁を守る」のと同時に、「別の発散場所を用意する」ことが有効です。

 

Q5:ペットと暮らす家を建てる際に、ハウスメーカーや工務店に伝えるべきことは?

A: 設計士や工務店との打ち合わせでは、以下のような情報を具体的に伝えると、より理想に近い住まいづくりができるでしょう。

  • 飼っているペットの種類、頭数、性格(活発か、怖がりかなど)
  • トイレスペース、足洗い場、遊び場など、ペット用にどんな空間を設けたいか
  • 希望する素材(消臭クロス、滑りにくい床など)
  • 人とペットの動線をどう分けたいか

このような情報を共有しておくことで、住む人とペット双方にとって快適な設計が可能になります。設計段階から「ペットのいる暮らし」を中心に考えることが成功のポイントです。

 

【まとめ】ペットも人も快適に暮らせる家をつくろう

※写真はイメージ(Adobe Stock/Prompt2image)

 

今回の記事では、ペットと人が共に心地よく暮らせる家づくりのための間取りアイデアや設計のポイントについて、実例を交えてご紹介しました。住まいの設計段階からちょっとした工夫を取り入れることで、ペットのストレスやトラブルを大幅に軽減することができるでしょう。また、実際に暮らしてみて感じた声や、よくある失敗談なども参考にしながら、自分たちのライフスタイルに合った間取りを考えることが、後悔しない家づくりへの第一歩です。

ペットも大切な家族の一員。ペットの健康や安全、過ごしやすさに配慮した住まいは、結果的に人にとっても快適で、長く安心して暮らせる家になるでしょう。

 

 

【無料&子連れ大歓迎】モデルハウスを見学してみよう

理想のお家づくりが分かる!「モデルハウス自由見学」って?

 

イベント情報