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【子どもの距離感が近い時の対応】直す?見守る?判断のポイント

作成者: KIDSKI STYLE編集部|2026/2/25

   
※写真はイメージ(Adobe Stock/milatas

 

「うちの子、他人との距離感が近すぎる?」と、公園や学校での人懐っこすぎる振る舞いにヒヤリとしたことはありませんか。

社交的なのは良いことだと思いつつも、相手に迷惑をかけていないか、あるいは変な誤解を招かないかと不安になるのは、親として当然の感覚です。

この記事では、子どもが物理的な距離を詰めすぎてしまう理由をひも解き、無理に性格を否定することなく、社会的なルールとしての「適切な距離」を教えるための具体的なコツをお伝えします。

 

子どもの距離感が近い理由は?

発達段階の特性

低学年までの子どもが人との距離を詰めすぎてしまう背景には、まず「発達段階特有の未熟さ」があります。

文部科学省の資料でも、児童期は自己中心性が徐々に解消され、他者の視点を学び始める重要な時期とされています。

この時期の子どもは、自分と他者のパーソナルスペースという概念を本能的に持っていません。

集団生活での経験を通じて、少しずつ「相手との心地よい間隔」を学習していく段階にあるため、幼児期に距離が近いのは自然な姿といえます。

 

参考:文部科学省|3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題

 

社交性が高い性格

※写真はイメージ(Adobe Stock/maroke)

 

生まれ持った気質として社交性が高く、好奇心旺盛な子どもは、相手に対する警戒心よりも「関わりたい」という意欲が勝ります。

人に対する安心感が強いため、相手を「仲良くなれる存在」と信じて疑わず、無意識に物理的な距離を詰めてしまうのです。

このタイプは決して悪気があるわけではなく、純粋な好意の表れとして接近します。

この素晴らしい社交性を活かしつつ、社会的なマナーとしての距離感を少しずつ整えてあげることが、将来の良好な人間関係につながります。

 

境界線の概念がまだ曖昧

子どもにとって「ここからは自分の領域、ここからは相手の領域」という心理的・物理的な境界線は非常に理解しにくい概念です。

特に、相手の表情や仕草から「嫌がっている」という非言語的なメッセージを読み取ることが苦手な場合、相手が避けていても気づかずに近づき続けてしまいます。

目に見えない境界線を理解するには、繰り返し教える経験が必要です。

感覚的にわからないことを責めるのではなく、学習が必要なスキルの一つとして捉え、具体的に教え続けることが大切です。

 

家庭での距離感が基準になっている

家庭内で家族同士のスキンシップが非常に多かったり、常に密着して過ごしていたりする場合、子どもはその距離感を「当たり前」の基準として外の世界でも適用してしまいます。

家族間での深い愛情表現は素晴らしいことですが、子どもは「外の人に対しても同じように接してよい」と誤解している可能性があります。

家の中と外では、人との付き合い方や適切な距離が異なるというルールを、具体例を挙げて少しずつ整理して伝えてあげることが、子どもの混乱を防ぐ助けとなります。

 

注目を集めたい心理

寂しさや不安から、周囲の大人や友人の注意を強く引きたいという心理が、過度な身体接触として現れることもあります。

ベタベタ触ることで「自分を見てほしい」というサインを出しているのです。この場合、単に距離を置くように注意するだけでは根本的な解決になりません。

日頃から言葉でのコミュニケーションを増やしたり、別の形で愛情を満たしてあげたりすることで、子ども自身の心が安定し、不適切に近寄って注目を集めようとする必要がなくなっていきます。

 

 

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距離感が近いと起こりやすいトラブル

※写真はイメージ(Adobe Stock/78art)

 

距離感が近いと、友達に嫌がられる可能性があります。静かに過ごしたい子には「怖い」と感じられ、好意が空回りしてしまうからです。

また、拒絶に気づかず接近し続けると、しつこいと言われるレッテルを貼られ、孤立を招くリスクもあります。過度な接触は独占欲やマナー違反といった誤解を生むこともあり、注意が必要です。

防犯面では、危険な大人に近づきやすいリスクも無視できません。

こうした傾向を放置すると、思春期以降の対人トラブルに発展し、デリカシーがないと厳しく評価される原因になります。

子どもの個性を尊重しつつ、相手との「間」を教えることは、将来の本人を守る盾となります。

 

【年齢別】距離感が近い子どもへの対応

幼児期

幼児期はまだ抽象的な言葉が伝わりづらいため、視覚的に訴える教え方が有効です。

フラフープを腰に持たせて「この中はお家(パーソナルスペース)だから、お友達のお家には入らないようにしようね」と、物理的な境界を体感させましょう。

また、絵本やごっこ遊びを通じて「近づきすぎるとお友達はどんな顔をするかな?」とクイズ形式で教えるのも効果的です。

楽しみながら「ちょうどいい間隔」を体験させ、成功した際には具体的に褒めてあげましょう。

 

小学生

※写真はイメージ(Adobe Stock/paylessimages)

 

小学生になると集団生活が本格化するため、より具体的な言葉で説明を補強します。

会話をする時は「腕一本分」「ランドセル一つ分」あけるといった、どこでも使える基準を伝えましょう。

相手が嫌がっているサイン(顔を背ける、後ろに下がる)を具体的に教え、「自分がされてどう思うか」だけでなく、「相手はどう感じているか」を想像させる練習を促します。

一度の失敗で強く責めず、「次はこうしてみよう」と前向きに調整をサポートしてあげてください。

 

思春期前後

思春期に入ると、身体の成長に伴い「バウンダリー(境界線)」の概念は性教育や自律の問題とも密接に関わってきます。

自分と他人の心と体は、それぞれが所有権を持つ別々の存在であることを明確に教えましょう。

異性との距離感公共の場でのマナーについても、大人のマナーとして丁寧な説明を求められます。

「相手を尊重することが、自分を大切にすること」という視点を持たせ、親子の会話を通じて社会的な振る舞いの完成度を上げていく時期です。

 

子どもに距離感を教える具体的な方法

※写真はイメージ(Adobe Stock/78art)

「一歩分あけようね」と具体的に伝える

「もっと離れて」という指示は子どもにとって曖昧です。

そのため「一歩後ろに下がって話そうね」「腕をピンと伸ばして手が届かないところで止まろう」といった、誰でも再現できる具体的な動作で伝えましょう。

測定可能な基準を提示することで、子どもは「どうすれば正解か」を理解しやすくなります。

この動作を習慣化させることで、親がいなくても自分で距離を確認し、適切に振る舞える自制心が少しずつ養われていきます。

 

OK例・NG例をわかりやすく示す

言葉だけの説明よりも、親がモデルとなって実演して見せるのが最も近道です。

適切な距離での会話(OK例)と、顔が近すぎたり体を触りすぎたりする状況(NG例)を、親子でロールプレイングしてみましょう。

それぞれの状況で自分がどう感じたかを話し合うことで、子どもは「近すぎると圧迫感があるんだな」と実感として理解できるようになります。

比較して示すことで、ルールの意味が納得感を伴って心に残りやすくなるのです。

 

相手の表情を読む練習

距離感が近い子どもは、相手の顔色に注意を払っていないことが多いものです。

普段の会話やテレビ番組を見ている時などに「あの子は今、どんな気持ちかな?」「笑っているかな?困っているかな?」と、表情を読み取る練習をゲーム感覚で取り入れましょう。

相手の感情に注目する癖がつくと、接近した際に相手が困った顔をすれば、「あ、近すぎたかも」と気づくきっかけになります。

共感力と観察力をセットで高めることが重要です。

 

成功体験を褒める

適切な距離を保てた瞬間を見逃さず、すぐに褒めてあげることが定着の鍵です。

「今日は腕一本分あけてお話しできたね、かっこいいよ!」と、具体的に何が良かったかを伝えます

褒められることで子どもは「この距離が正解なんだ」と安心し、正しい行動を繰り返そうとする意欲が湧きます。

直すべき点ばかりを指摘するのではなく、できている部分に光を当てることで、子どもの自信を削ることなく、ポジティブな行動変容を促せます。

 

距離感は直すべき?それとも個性?

※写真はイメージ(Adobe Stock/taka)

 

物怖じしない人懐っこさは強みであり、将来の適応力やリーダーシップに繋がる素晴らしい才能です。決して「直すべき欠陥」ではなく、大切に守るべき宝物として捉えましょう。

問題は「調整力」にあり、相手や場面に応じて距離を使い分ける「ボリューム調節」を教えることが教育の目的です。

注意する際は人格を否定せず、行動と人格を切り離し、性格を否定しない関わりを徹底してください。

お子さんの社交性を活かしながら整える視点を持つことで、今の悩みは「良さをより多くの人に受け入れてもらうための準備期間」へと変わります。

才能を消さずに、社会的なマナーという「仕上げ」を施すイメージで、根気強く伴走してあげましょう。

 

こんな場合は専門家に相談を

※写真はイメージ(Adobe Stock/pain au chocolat)

 

家庭での対応に限界を感じたら、一人で抱え込まず専門家を頼りましょう。

具体的には、視覚的な道具を使っても注意しても全く理解できない場合、空間認識などの特性が背景にあるかもしれません。

また、不適切な接近に加え、飛び出しなどの危険行動が多い時は、安全確保のために専門的な評価が必要です。

さらに、友人との対人トラブルが頻発したり、先生からの指摘により学校生活に支障が出ている場合は、子どもの自尊心を守るためにも早めの相談が有効です。

専門的な知見を取り入れることは、決して「逃げ」ではなく、親子の未来を守るための前向きな選択です。

【主な相談先】

  • 発達支援センター
    地域の療育や発達に関する相談の総合窓口です。

  • 児童相談所
    子どもの健やかな成長や安全について専門的に支援する公的機関です。

 

参考:厚生労働省|児童発達支援センターの位置づけについて

 

まとめ

※写真はイメージ(Adobe Stock/west_photo)

 

子どもの対人距離が近すぎることは、発達の過程においてよく見られる現象であり、決して珍しいことではありません。

周囲の大人が社会的なマナーとして繰り返し教えることで、子どもは少しずつ適切な感覚を身につけていきます。

ここで最も大切なのは、子どもの人懐っこい性格や関わりたいという意欲を否定するのではなく、時と場合に応じた「調整」の方法を伝えていくことです。

距離感が近いのは、人が好きで心がオープンな証でもあります。少しずつ「相手との間」を学んでいけば大丈夫です。

 

 

 

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