子どもの叱り方、正しい方法は?感情で怒らず「伝わる声かけ」のコツ

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子どもの叱り方について、「叱りたくないのに怒鳴ってしまう」などと悩んでいませんか?多くの親が同じようなつまずきを経験しており、「叱る=悪いこと」では決してありません。大切なのは、怒りでぶつけるのではなく、子どもに伝わる形で関わることです。
今回の記事では、正しい叱り方の基本、NG例、年齢別の声かけ、叱った後のフォローについてご紹介します。今日からできる「伝わる叱り方」のヒントを一緒に見つけていきましょう。
子どもを叱らないといけない場面
子どもは成長の途中で、まだ判断力や衝動のコントロールが未成熟だといわれます。そのため、すべての行動を叱る必要はなく、「叱るべき場面」と「見守って良い場面」を分けることが大切です。
叱る目的は子どもを傷つけることではなく、安全と社会性を身につけ、より生きやすくなる力を育てることです。その視点で、叱るべき場面を整理していきましょう。
危険な行動をしたとき
道路へ飛び出す、高い場所へ登る、物を投げるなどは、命やケガに直結する行動です。この場合は迷わず即座に止め、短い言葉で「危ない」と伝えることが必要です。叱るというより守るための制止が目的となります。痛い・ケガする・車は急に止まれないなど危険な行動がどのようなことにつながるかを簡潔に補足すると、行動と危険が結びつきやすくなるかもしれません。
他者を傷つけたとき
叩く、噛む、乱暴する、暴言を吐くなど、他の子に被害が出る行動は、社会生活の基盤として明確に伝える必要があります。
「叩くのはダメ。痛いからね。」のように、行動と感情の因果をセットで伝えると理解が進むといわれています。
さらに、「大丈夫?」と声をかけるなど被害側へのケアや、謝り方の練習もセットで教えると人との関わり方が育つでしょう。
社会ルールや公共マナーを破ったとき

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列に割り込む、物を勝手に触る、騒ぎすぎるなどの行動は、社会で安心して過ごすために必要なマナーを学ぶ機会です。
頭ごなしに叱るのではなく、「ここは静かにする場所だよ」「触りたいときは聞いてからね」など、理由とどうすれば良いかの代替案を示すことがポイントです。理解しやすく、次に自分で調整しやすくなるでしょう。
自分や他者の物を大切に扱えなかったとき
物を壊したり、片付けを拒否したりする行動は、「物を大切にする」「自分のもの・他人のもの」という所有の感覚を学ぶチャンスです。
「壊すと使えなくなるよ」「片付けると次に遊びやすいよ」のように、行動の結果をリンクさせて伝えると、責任感が自然と育つといわれています。叱る目的は「罰を与えること」ではなく、「理解を深めること」です。
子どもへのNGな叱り方
親が悪いわけではなく、余裕がないときには誰でもNGな叱り方をやってしまう可能性があります。しかし、子どもの心にどう届くかを知っておくと、関わり方がぐっと楽になるかもしれません。
ここからは、避けたい叱り方とその理由をわかりやすく整理してみましょう。
人格を攻撃する言葉
「なんでこんなこともできないの?」「バカだね」など、行動ではなく人そのものを否定する言葉は、子どもの自己肯定感を傷つけやすい叱り方です。
「また挑戦しよう」という意欲が奪われ、失敗を極端に怖がるようになるケースもあるといわれています。叱る時は行動と子ども自身を分けて伝えることが大切です。
比較する叱り方
「〇〇ちゃんはできてるのに」「弟の方が偉い」といった比較は、子どもに自分は劣っているという誤った学習をさせてしまいます。
さらに兄弟間の対立や嫉妬を生むこともあるでしょう。比較で動機づけるのではなく、子どものペースや努力に目を向ける方が自己肯定感を育むことができるでしょう。
感情的に怒鳴る・長時間説教

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親が感情的に怒鳴ってしまうと、子どもの記憶には「何を言われたか」よりも「怖かった」という感情だけが強く残るといわれています。
説教が長くなるほど理解は進まず、注意された内容が頭に入らないことも多いようです。必要なことだけを短く、落ち着いた声で伝えるほうが、実はずっと効果的です。
ルールが毎回変わる/曖昧な指示
「ちゃんとして」「静かにしなさい」など抽象的で曖昧な言葉は、子どもにとって何が正解なのかが分かりません。
また、日によって叱られたり叱られなかったりすると、基準が分からず混乱し、行動が安定しなくなります。叱るポイントやルールはなるべく一貫して、具体的に伝えることが鍵といえるでしょう。
叱ることが悪いのではなく、子どもにどう伝わるかが何より大切です。つまりこれは「叱り方の問題」ではなく、伝わり方の問題といえるでしょう。
正しい叱り方の基本
子どもを叱るとき、「これで合っているのかな」と迷った経験はありませんか。感情的に叱ってしまったり、言いすぎて後悔したりするのは、多くの親が通る道といえます。大切なのは厳しさではなく、子どもに“どう行動すれば良いか”が伝わる叱り方をすることでしょう。
短く・わかりやすく・具体的に伝える
子どもを叱るときは、長い説明や感情的な言葉は逆効果になりがちです。「ダメ!」だけで終わらせず、「何がダメなのか」「なぜいけないのか」を短く具体的に伝えることで、子どもは状況を理解しやすくなります。理由を添えることで、叱られている理由に納得し、同じ行動を繰り返しにくくなるでしょう。
代わりの行動=どうすれば良かったかを提示
叱るだけでは、子どもは「じゃあどうすればいいの?」と戸惑ってしまいます。そのため、いけなかった行動とセットで「代わりに取るべき行動」を示すことが大切です。具体的な行動例を教えることで、次に同じ場面になったときに正しい選択がしやすくなるでしょう。
叱ったあとは必ずフォローと愛情表現
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叱ることと、愛情を伝えることは別物です。行動は否定しても、子ども自身を否定しない姿勢が安心感につながるでしょう。
例えば、「叩くのはダメ。痛いからね。触りたいときは『貸して』って言おうね。できるよ、大丈夫。」のように、最後に肯定的な言葉を添えることで、子どもは「自分は大切にされている」と感じながら学ぶことができるでしょう。
【シーン別】子どもに伝わる声かけの例
日常で起きるトラブルは、子どもの学びのチャンスといえます。
ここからは、よくある場面ごとに“短く・具体的・安心感のある声かけ”をご紹介します。感情で怒鳴るよりも、落ち着いた一言のほうが、子どもには確実に届きます。
危険な行動をとったとき
声かけ例
「走ると危ないよ。歩こうね。」
短く行動を制止しつつ、「なぜ危ないか?」を簡潔に伝えることで理解しやすくなります。命や安全に関わる場面ほど、シンプルで落ち着いた指示が効果的です。
お友だちを叩いたとき
声かけ例
「叩くと痛い。言葉で伝えよう。」
行動そのものを注意しつつ、「どうすればよかったか?」を示すのが大切です。攻撃ではなく伝え方を教えることで、社会性が育ちやすくなるといわれています。
公共の場で騒いだとき
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声かけ例
「図書館は静かな場所だよ。声は小さくね。」
場所のルールを具体的に伝えることで、子どもが状況を理解しやすくなるでしょう。「静かにして」だけでは曖昧なため、場所×ルールの組み合わせが効果的です。
片付けしないとき
声かけ例
「遊んだら片付けよう。次の遊びがしやすいよ。」
片付けの理由を伝えることで、子どもは意味を理解し、行動しやすくなります。命令よりも「メリットを伝える」ほうが自主性につながるでしょう。
【年齢別】子どもへの叱り方のコツ
子どもは成長段階によって、理解できる言葉・行動・感情のコントロールが異なるといわれています。そのため年齢に合った伝え方が大切で、同じ叱り方を続けても響かないことがあります。
ここからは、発達段階ごとに効果的な関わり方をご紹介します。
1〜3歳(感情発達期)
1〜3歳は言葉の理解がまだ浅く、感情が先に動く時期だといわれています。長い説明は伝わりにくいので、短く・行動で止めるのが基本です。
「危ない」「やめよう」などの短いワードで危険を回避し、安全を守ることが優先です。叱るというより環境調整や物理的に止めることがメインになるでしょう。
4〜6歳(理解・社会性形成期)
4〜6歳は理由を少しずつ理解できるようになるため、「なぜダメか」を簡単に説明すると納得しやすくなるでしょう。
また、「走りたい?外ならOKだよ。」のように選択肢を示すと、自分で選ぶ力が育つといわれています。ルールを繰り返し伝えることで、社会性の土台づくりにもつながります。
小学生(自立・論理思考期)

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小学生になると、感情だけではなく「どう考え、どう行動するか」を整理できるようになるといわれています。そのため、叱るよりも対話・振り返り・自己解決のサポートが効果的です。
「どうすればよかったと思う?」などの問いかけで、自分で考える力と責任感を育てていくことができるでしょう。
子どもは成長段階によって理解力も心の発達も違います。だからこそ、同じ叱り方が通用しないのは当然のことといえます。
年齢に合った伝え方を選ぶことで、叱りながらも信頼関係を守り、子どもの成長をサポートできるようになるでしょう。
子どもを叱った後のケアも大事
叱った後にどんな関わり方をするかは、子どもの心に大きく影響します。叱る場面では一時的に不安や怖さを感じることがありますが、その後にハグや優しい表情、安心できる言葉を添えることで、「自分は愛されている」という確信に戻ることができるといわれています。
行動を注意したことを伝える
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「あなたが嫌なんじゃなくて、その行動だけ注意したんだよ」と伝えることは、子どもの自己肯定感を守る重要なメッセージになります。“存在”ではなく“行動”を叱ったのだと理解できると、子どもは安心して親との関係に戻ってこられるでしょう。
安心のサインは愛着形成・自己肯定感につながる
叱ったあとの安心のサインは、愛着形成や心の安定につながる大切なプロセスだといわれています。つまり、叱ることは親子関係を壊すのではなく、正しくフォローすることで信頼を育てる機会になるでしょう。
【まとめ】叱ることは“失敗”ではなく、親子で成長するプロセス
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今回の記事では、正しい叱り方の基本、NG例、年齢別の声かけ、叱った後のフォローについてご紹介しました。
子どもを叱ることは、決して悪いことでも失敗でもありません。危険から守り、社会で生きるための大切なルールを伝える、立派な“育ちのサポート”といえます。時にはうまくいかない日があって当然。完璧な叱り方など誰にもできません。
大切なのは、今日できなかった自分を責めず、「親も子どもと一緒に学びながら育っている途中なんだ」と捉えることです。叱る場面もフォローの場面も、すべてが親子の信頼を育てるチャンスになります。
焦らず、少しずつ、自分らしい関わり方を見つけていきましょう。
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