子どもが嘘をつくのはなぜ?叱る前に知るべき心理的原因と対処法


※写真はイメージ(Adobe Stock/chihana)

 

物を隠したり、したことを認めなかったり、話を少し大げさにするなど、子どもの「嘘」に気づくと、不安や戸惑いを感じるママやパパもいるでしょう。何度注意しても繰り返されると、「叱るべき?」「見守っていいの?」と悩んでしまうこともあるでしょう。実は、子どもの嘘は問題行動ではなく、発達段階や心の成長と深く関わっている場合が多いといわれています。
今回の記事では、子どもが嘘をつく理由や正しい対応、年齢別の声かけまでわかりやすくご紹介します。

 

子どもが嘘をつく理由・原因は?

子どもの嘘には、必ず何かしらの「理由」があるといわれています。大人の感覚で見ると悪いことのように感じても、実際は心を守るための行動や、成長の途中で起こる自然な反応であることが多いのです。まずは、よく見られる原因を知ることから始めましょう。

 

怒られたくない・失敗を隠したい(自己防衛)

※写真はイメージ(Adobe Stock/takasu)

 

例えば、「片付けた?」と聞かれて、実際はしていなくても「した!」と答えるなどの嘘の多くは、怒られたくない気持ちから生まれます。失敗や間違いを「悪いこと」と強く感じていると、本当のことを言うよりも、身を守る選択として嘘をついてしまうようです。これはズルさではなく、自己防衛の反応と考えられます。

 

注目されたい・褒められたい(承認欲求)

「みんなにすごいって言われたよ!」など、少し話を大きくする嘘は、認めてほしい・褒めてほしいという気持ちの表れといわれています。特に幼児期〜低学年では、周囲からの評価が自己肯定感に直結しやすく、事実を誇張してでも注目を集めたいと感じることがあります。この場合、嘘そのものより「どんな気持ちを満たしたいのか」を見ることが大切です。

 

想像と現実が混ざる(幼児期の発達段階)

幼児期の子どもは、想像の世界と現実の区別がまだ曖昧です。頭の中で思い描いたことを、そのまま本当の出来事のように話してしまうことも珍しくないようです。本人に「嘘をついている」という自覚はなく、発達段階として自然な行動である場合が多いといわれています。

 

ルール理解が追いついていない

「なぜやってはいけないのか」「どんな影響があるのか」という理由の理解が浅いと、行動を正当化するために言い訳をすることがあります。ルールそのものは知っていても、意味まで理解できていないため、とっさに嘘でつじつまを合わせてしまうのです。理解が深まるにつれて、こうした嘘は減っていく傾向があるといわれています。

 

プライド・恥ずかしさや不安

失敗した自分を見せるのが恥ずかしい、がっかりされたくないなどのプライドや不安が嘘につながることもあります。本当のことを話すことで、嫌な感情に向き合うのが怖くなり、嘘という形で距離を取ろうとするようです。

大切なのは「嘘をやめさせること」ではなく、その奥にある気持ちに気づいてあげることです。理由が分かれば、対応の仕方も自然と見えてくるでしょう。

 

 

※こちらの記事も読まれています。

子どもの叱り方、正しい方法は?感情で怒らず「伝わる声かけ」のコツ

反抗期の子どもへの正しい対応は?親がやってはいけない行動も紹介

子どもが言うことを聞かない時の対処法は?原因・年齢別の対応まとめ

 

親がやりがちなNG対応

子どもが嘘をついたとき、つい感情的になったり、正しさを教えようとしてしまうこともあるでしょう。しかし、対応の仕方によっては、嘘を減らすどころか、かえって増やしてしまうこともあります。まずは避けたい関わり方を知っておくといいでしょう。

 

強く問い詰める・証拠を出して追い込む

※写真はイメージ(Adobe Stock/hakase420)

 

「本当はやったんでしょ?」「これが証拠だよね」と問い詰める対応は、子どもにとって本音を話すほど危険という認識を強めてしまいます。追及されるほど、防衛反応として嘘を重ねたり、黙り込んだりすることもあるようです。結果的に、正直に話すより隠す方が安全だと学習してしまうのです。

 

感情的に怒鳴る・人格否定の言葉

「嘘つきは悪い子」「もう信用できない」といった言葉は、行動ではなく人格そのものを否定してしまいます。これにより、子どもの自己肯定感が下がり、親子の信頼関係も傷つきます。嘘をついた理由を考える余裕がなくなり、「怒られないために隠す」行動が強化されてしまうでしょう。

 

長い説教をする

正しさを伝えようとして長く説教しても、子どもには内容がほとんど残らないといわれています。記憶に残るのは、「怖かった」「怒られた」という感情だけで、次にどうすればよかったのかは学びにくくなります。結果として、行動の改善につながらないことが多いのです。

 

他の子や兄弟と比較する

「お兄ちゃんは嘘つかないのに」「○○ちゃんはちゃんとしてるよ」と比較されると、子どもは自分を守るために本音を隠そうとするでしょう。劣等感や不安が強まり、本音を話すハードルが上がってしまうため、嘘が表に出にくくなるだけで、根本的な解決にはなりません。

 

子どもが嘘をついたときの正しい対応方法

子どもが嘘をついたときに大切なのは、事実を追求することではありません。安心して本当のことを話せる経験を積み重ねることで、嘘は少しずつ減っていくでしょう。

ここからは、親子の信頼関係を保ちながら向き合うための対応方法をご紹介します。

 

まず受け止める(否定しない)

※写真はイメージ(Adobe Stock/takasu)

 

最初に必要なのは、嘘そのものを責める前に気持ちを受け止めることです。

「言いにくかったよね」「困ったって思ったんだね」と声をかけることで、子どもは「ここでは本音を話しても大丈夫」と感じられます。感情の安全が確保されてはじめて、正直なやりとりができるようになるでしょう。

 

事実と気持ちを整理する

落ち着いたら、責める口調ではなく、一緒に振り返る姿勢で話します。

「本当はどうしたかった?」と問いかけることで、行動の背景にある気持ちを言葉にする練習になります。事実と感情を分けて整理することが、次の行動を考える土台になるでしょう。

 

ルールや理由を短く伝える

ルールを伝えるときは、長い説明や説教は不要です。

「嘘をつくと相手が困るよね」など、短くシンプルに理由を伝えることで、理解しやすくなるでしょう。感情的にならず、落ち着いたトーンで伝えることがポイントです。

 

正直に話せたことを評価する

嘘をついた事実よりも、正直に話そうとした行動に注目してあげましょう。

「本当のことを話してくれてありがとう」と伝えることで、正直でいる価値を学ぶことができます。改善に向かう行動を認めることが、次につながります。

 

次にどうしたらいいか一緒に考える

最後は、「次はどうする?」と未来に視点を向けます。

一方的に答えを与えるのではなく、「一緒に考えよう」という姿勢が大切です。目的は責めることではなく、失敗から学べる環境を作ること。この積み重ねが、嘘を減らす力になるでしょう。

 

年齢別の効果的な声かけ

子どもの年齢によって、嘘の背景や受け取り方は大きく異なるようです。同じ言葉でも、年齢に合っていないと伝わりにくく、逆効果になることもあるでしょう。その時期の発達に合った声かけを意識することが大切です。

 

幼児(3〜5歳)

※写真はイメージ(Adobe Stock/miya227)

声かけ例

「本当のことを言えると嬉しいよ。大丈夫だよ。」

この時期の子どもは、想像と現実の区別がまだ曖昧で、「嘘をついている」自覚がない場合も多くあります。難しい説明は避け、短くて優しい言葉で安心感を伝えるといいかもしれません。「怒られない」「受け止めてもらえる」という感覚が、本当のことを話す土台になるでしょう。

 

低学年(6〜8歳)

声かけ例

「言いにくかったんだよね。でも本当のことを話してくれてありがとう。」

この年齢になると、良い・悪いの判断が少しずつできるようになります。そのため、気持ちを受け止めたうえで、理由やルールをセットで伝えることが効果的といえるでしょう。叱るよりも、「どうしてそうしたのか」「どうすればよかったか」を一緒に考える姿勢が大切です。

 

高学年(9〜12歳)

声かけ例

「どうして嘘をついたのか、一緒に考えたいな。」

高学年になると、プライドや自尊心が育ち、頭ごなしの注意は反発につながりやすくなるといわれています。この時期は、正解を押しつけるのではなく、対話形式で考える力を育てる関わりが有効です。自分で理由や改善策を言葉にする経験が、正直に向き合う力につながるでしょう。

 

子どもの嘘を減らす家庭環境づくり

子どもの嘘を減らすために大切なのは、その場で正すことよりも、日常の家庭環境です。安心して本音を話せる雰囲気がある家庭ほど、嘘は自然と少なくなっていきます。特別なことをする必要はなく、日々の関わり方の積み重ねが大きな影響を与えます。

 

失敗や間違いを責めない

※写真はイメージ(Adobe Stock/TAGSTOCK2)

 

まず、ママやパパが意識したいのは、失敗や間違いを責めすぎない雰囲気です。失敗したときに強く叱られる経験が続くと、子どもは「本当のことを言う=怖い」と感じるようになってしまうでしょう。失敗を責めるのではなく、「どうすれば次はうまくいくか」に目を向けることが大切です。

また、本音を言っても否定されない経験を積ませることも重要です。たとえ困る内容であっても、まずは気持ちを受け止めてもらえると、子どもは安心して正直に話せるようになります。この安心感が、嘘をつかずに気持ちを伝える力を育てるといわれています。

 

「正直にする価値」を実感させてあげる

嘘を減らすには、「嘘を叱る」よりも小さな正直を褒めることが効果的です。「本当のことを話してくれてありがとう」と伝えることで、子どもは「正直にする価値」を実感するでしょう。完璧でなくても、正直になろうとした行動を認めることがポイントです。

さらに、家庭内のルールや約束は明確にし、感情ではなく原則で対応しましょう。親の気分で対応が変わると、子どもはどう振る舞えばよいか分からなくなります。あらかじめ決めたルールに沿って落ち着いて対応することで、嘘をつく必要が減っていくでしょう。

 

日常のコミュニケーションを大切にする

日常的な会話やスキンシップなど、普段からコミュニケーションが取れている家庭ほど、嘘は起きにくい傾向があります。特別な時間でなくても、「今日どうだった?」と声をかけることが、正直に話せる関係づくりにつながります。

 

【まとめ】子どもの嘘は「問題行動」ではなく、心が育つサイン

※写真はイメージ(Adobe Stock/Ad Copy Space Photo)

 

今回の記事では、嘘をつく理由や正しい対応、年齢別の声かけまでわかりやすくご紹介しました。

子どもが嘘をつくのは、性格の問題ではなく、心や考える力が育つ過程で自然に見られる行動だといわれています。多くの場合、嘘の奥には「守りたい気持ち」「認めてほしい気持ち」「不安」が隠れているようです。

大切なのは、嘘をなくすことではなく、正直に話しても大丈夫だと思える関係を築くことといえます。親の関わり方次第で、子どもは少しずつ「本当のことを伝えられる力」を身につけていきます。

もし対応に迷ったり、家庭だけで抱えるのがつらいと感じたときは、頼れる人や専門機関に相談することも大切な選択です。ひとりで悩まず、周囲の力を借りながら、親子で安心できる関係を育てていきましょう。

 

 

 


【無料&子連れ大歓迎】モデルハウスを見学してみよう

理想のお家づくりが分かる!「モデルハウス自由見学」って?

お得な情報をチェック! KIDSKI STYLEのSNSをフォロー

 

イベント情報