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【医師監修】赤ちゃんの発達が遅いかも?判断の目安と相談すべきサイン

作成者: KIDSKI STYLE編集部|2026/4/10

 

  ※写真はイメージ(Adobe Stock/hideous410

 

夜中に一人、スマホで「赤ちゃん 発達 遅いかも」と検索しては不安になっていませんか?

育児書のスケジュールはあくまで平均値であり、赤ちゃんの発達は驚くほど広い「個人差」があります。

この記事では、赤ちゃんの発達の目安や専門家への相談基準、家庭でできる遊びを解説します。

「待つこと」も立派な育児。発達の考え方3か条(個人差を認める・溜め期を待つ・専門家を味方にする)を知り、心を軽くしましょう。

 

赤ちゃんの発達が遅いかも?と思ったときに知ってほしい考え方

発達の「個人差」はあって当たり前

※写真はイメージ(Adobe Stock/buritora)

 

成長は「競争」ではなく「登山」です。一気に登る子もいれば、途中の景色を楽しみながらゆっくり進む子もいます。

歩き出しや言葉の時期が周囲より遅いことは、その子の「マイペース」という立派な個性。

育児書のスケジュールはあくまで平均であり、そこから数ヶ月ずれるのは珍しくありません

周りと比べて焦る必要はなく、その子なりの歩幅を温かく見守ってあげましょう。

 

「待つこと」も大事

植物が芽を出す前に土の中で根を張るように、子どもも目に見えないところで力を蓄えています(溜め期)。

外からは何も変わらないように見えても、脳や体の中では新しい回路が着々と作られているのです。

無理に引っ張り上げるのではなく、「今はこの子のタイミングを待つ時期」と信じて寄り添う時間は、親子の信頼関係を深く育む貴重なひとときとなります。

焦らず、どっしり構えていて大丈夫です。

 

順番が違っても大丈夫

寝返りをせずにお座りを始める子、ハイハイを飛ばして歩き出す子もいます。育児書通りの順番でなくても、最終的に目的地にたどり着けば何も問題ありません

発達は一本道ではなく、その子なりのショートカットや寄り道があるものです。マニュアル通りの工程に当てはめることに必死になる必要はありません。

「昨日よりここがしっかりしてきたな」という、その子自身の微細な変化に目を向け、成長の喜びを分かち合いましょう。

 

 

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【月齢別】赤ちゃんの発達目安と「様子見で良い範囲」

※写真はイメージ(Adobe Stock/rdkcho)



赤ちゃんの発達は 「寝返りを飛ばして座る」など、順番が前後するケースも多いです。

厚生労働省の調査でも、歩行開始時期などは1歳過ぎから1歳半過ぎまでと大きな幅があることが示されています。

参考:厚生労働省|平成22年乳幼児身体発育調査報告書(概要)

 

「赤ちゃんの発達が遅いかも?」と感じたら、「様子見」で良い範囲かどうか、下記の表を参考にしてください。

発達の項目

平均的な月齢

「様子見」で良い範囲

首すわり

3〜4ヶ月

5ヶ月末まで

寝返り

5〜6ヶ月

8ヶ月頃まで(しない子もいる)

お座り

7〜8ヶ月

10ヶ月頃まで

つかまり立ち

8〜10ヶ月

1歳過ぎまで

ひとり歩き

1歳〜1歳3ヶ月

1歳6ヶ月まで

 

発達の相談を検討すべきサイン

視線や反応のサイン

※写真はイメージ(Adobe Stock/宏員 武井)

 

赤ちゃんが特定の方向をじっと見つめ続けたり生後数ヶ月を過ぎても目が合わなかったりする場合、あるいはあやしても笑い返さないときは一つの目安になります。

また、背後から音を鳴らしても反応が薄い場合も注意が必要です。

これらは性格の範囲内であることも多いですが、心配な場合は乳幼児健診などの機会を利用して相談しましょう。

日常生活の中で「目が合うか」「音に反応するか」を丁寧に観察してみてください。

 

運動面のサイン

赤ちゃんの体が常にぐにゃぐにゃと柔らかすぎたり、逆に抱っこをしようとしたときに極端に突っ張ったりして抱きにくさを感じる場合は、筋肉の緊張に関するサインかもしれません。

首すわりやお座りの時期が目安から大きく外れている場合も、小児科医による医学的な評価が必要なことがあります。

ただし、その子の体格や筋力の付き方にもよるため、まずは専門家に現状を見てもらうことが、結果として親御さんの安心に繋がります。

 

言葉・コミュニケーションのサイン

1歳半を過ぎても指差しによる意思表示が見られなかったり、意味のある言葉(「ママ」など)が全く出なかったりする場合は、コミュニケーション面の発達を注視したい時期です。

名前を呼んでも振り向かないことが多いなど、やり取りのキャッチボールが難しいと感じる場合も相談のきっかけになります。

言葉の「理解度」には個人差があるため、まずは本人が周囲に関心を持っているか、大人の指示を理解しているかを確認しましょう。

 

赤ちゃんの発達を促すために家でできる「楽しい遊び」

身体遊び

※写真はイメージ(Adobe Stock/Bfinity)

 

うつ伏せ遊び(タミータイム)は、首や背中の筋肉を鍛えるのに非常に効果的です。大人が目の前で声をかけながら、安全な環境で行いましょう。

また、手足を優しく撫でるマッサージは、自分の体の境界線を認識する感覚を養います。

無理に練習させるのではなく、親子のスキンシップを楽しむ中で自然と体を動かす機会を作ることが大切です。

楽しい刺激が「もっと動きたい」という意欲を引き出し、健やかな発達を後押しします。

 

言葉かけ・絵本の読み聞かせ

日常の動作を「今、オムツ替えてるよ〜」と実況中継のように言葉にするだけで、赤ちゃんは言葉と行動を結びつけて学びます。

絵本の読み聞かせは、色彩豊かな絵を見ながら大人の声を聞くことで、視覚と聴覚の両方を刺激します。完璧に内容を理解させる必要はありません

心地よいリズムの言葉を浴びせることで、言葉を貯める「コップ」が少しずつ満たされていきます。

親子の楽しい対話の時間として、リラックスして続けましょう。

 

環境作り

赤ちゃんの興味を引くおもちゃを、あえて少しだけ離れた場所に置いてみましょう。

「あれを触りたい」という好奇心が、ハイハイやつかまり立ちといった次の動作を引き出す動機になります。

また、安全に動き回れる広いスペースを確保することも重要です。

テレビやスマホの音を消し、お互いの声がクリアに届く静かな環境を整えることで、コミュニケーションの質が高まります。

子どもが自ら動きたくなるような仕掛けを家庭に用意しましょう。



発達が遅いかも…焦る心を落ち着かせるマインドセット

※写真はイメージ(Adobe Stock/izzyU)

 

「今は力を蓄えている時期」と捉える

周囲の子と比べて焦りを感じたときは「今は見えない根っこを張っている時期」と考えてみましょう。

ある日突然、爆発的に言葉が出たり歩き出したりする「溜め期」は多くの子に存在します。

成長は常に右肩上がりではなく、階段を一段飛ばしで登るような瞬間が必ず訪れます。

今の「できない」に注目しすぎず、体の中で着々と準備が進んでいることを信じてあげてください。その心のゆとりが、子どもの健やかな成長を支える栄養になります。

 

健診の「できる・できない」に振り回されない

乳幼児健診でのチェック項目はあくまで一つの目安であり、その時の機嫌や体調によって「できない」と判断されることもあります。

一度の健診で全てが決まるわけではありません

たとえ「要観察」となったとしても、それは「専門家と一緒に成長を見守る機会を得た」とポジティブに捉えましょう。

点数で測れない、その子なりの得意なことやキラリと光る個性に目を向けることが、親御さんのメンタルを守り、幸せな育児を続ける秘訣です。

 

専門家(小児科・保健師)を味方につける

一人でスマホを眺めて不安を増大させるより、地域の保健師や小児科医を「頼れるチームメイト」として味方につけましょう。

専門家は多くの症例を見てきたプロであり、発達が遅いと感じるモヤモヤを整理する手助けをしてくれます。

深刻な相談だけでなく、「ちょっとこれ気になって」というお喋り感覚で利用して良いのです

孤立して悩むことが一番の毒になります。誰かに話すことで客観的な視点を取り戻し、不安を具体的なアクションに変えていきましょう。

 

困ったときに頼れる「発達の相談先」リスト

① 地域の「保健センター・子育て支援課」

※写真はイメージ(Adobe Stock/Peak River)

 

病院に行くほどではないけれど、なんとなくモヤモヤするという時は、地域の保健センターを訪ねてみましょう。

保健師さんがお喋り感覚で話を聞いてくれるほか、必要に応じて専門の相談窓口を紹介してくれます。

家庭訪問や電話相談、育児教室などの社会資源も豊富です。自治体のサポートを「利用し尽くす」つもりで、気軽な相談から始めてみてください。

一人で抱え込まないための、最も身近なセーフティーネットと言えます。

こども家庭庁|相談窓口

 

② かかりつけの「小児科」

身体の動かし方に左右差がある、あるいは極端な突っ張りが気になるなど、医学的な視点が欲しい時はかかりつけの小児科医に相談しましょう。

日常の様子をよく知る医師であれば、月齢に応じた健康状態と照らし合わせて適切なアドバイスをくれます。

必要に応じて大学病院等の専門外来への紹介状も書いてもらえます。

健診まで待たずに、不安を感じたタイミングで受診することが、不安を早期に解消するための有効な手段となります。

 

③ 発達支援センター(地域療育センター)

言葉の遅れやコミュニケーションの取り方について、より専門的な評価や「具体的な遊びのヒント」が欲しい時は、地域の発達支援センターが頼りになります。

ここでは言語聴覚士や作業療法士といった専門スタッフが、子どもの特性を多角的に分析してくれます。

診断をつけることだけが目的ではなく、その子が社会で生きやすくなるための具体的な支援(療育)を提案してくれる場所です。

早期に繋がることで、子どもの可能性を広げられます。



赤ちゃんの発達に関するよくある質問

※写真はイメージ(Adobe Stock/Parradee)

 

Q. 赤ちゃんの発達障害の兆候は?

社会性・コミュニケーションのサイン

赤ちゃんの成長過程で、目が合いにくいあやしても笑い返さないといった反応の薄さが気になることがあります。

また、名前を呼んでも振り向かないことが多い指差しをしない、あるいは親の指差す方向を見ない(共同注視の不足)といった様子もサインの一つです。

これらは「人への関心」が育つ段階での特性である可能性があり、単なる性格の違いか、専門的な支援が必要な状態かを慎重に見守る目安となります。

 

行動・こだわりのサイン

遊びの中で、特定のおもちゃや回るもの(タイヤなど)への強い執着が見られることがあります。

また、自分の身体を激しく揺らす手をヒラヒラさせるといった、一見不思議に見える反復行動も特徴的です。

これらは子ども自身が感覚を落ち着かせようとしている行動(自己刺激行動)である場合もあります。

一時的なブームで終わることも多いですが、日常生活の大半がこれらの行動に占められている場合は注意が必要です。

 

運動・感覚のサイン

身体的な特徴として、極端に抱っこを嫌がる(触覚過敏)様子や、身体が非常に硬い、または柔らかすぎるといった感触が挙げられます。

抱っこした際にしっくりこない、あるいは服のタグや特定の刺激をひどく嫌がる場合、五感の受け取り方に独自の特性があるかもしれません。

これらのサインは、子どもが世界をどのように感じているかを知るための重要な手がかりとなり、環境の調整を検討する際の判断材料となります。

注意: これらは「診断」ではなく、あくまで「傾向」です。悩んだら医療機関へ相談してみましょう。

 

Q. 発達がゆっくりな子は、いつ頃追いつく?

発達は個別性が強いため、「何歳で追いつくか」は個人差があります。下記の表を目安として参考にしつつ、不安な場合は専門家へ相談してください。

ケース

追いつく時期の目安

特徴

運動面

2歳〜3歳頃

1歳半で歩かなくても、3歳頃までには多くの子が同等に動けるようになる。

言葉

3歳〜6歳頃

言葉を貯めているタイプは、3歳前後で爆発的に話し出す「語彙爆発」が起きやすい。

社会性

個別性が強い

追いつくというより、「その子の得意・苦手」として個性が確立していく。

 

Q. 赤ちゃんの発達障害はいつ頃気づく?

0歳後半〜1歳頃(早いケース)

この時期は、発達の遅れが比較的顕著に現れる「早いケース」です。

重度の場合は、目が合わない、あやしても笑わないといったコミュニケーションの基本動作に違和感が生じることがあります。

日々の関わりの中で「反応が薄いかな?」と感じることが続く場合は、無理に様子を見すぎず、まずは小児科などで相談することが、適切なサポートへの第一歩となります。

 

1歳半健診(多くのケース)

多くの家庭で発達の特性が具体的に意識されるのが、自治体が行う「1歳半健診」のタイミングです。

ここでは、指差しをしない、意味のある言葉が出ない、あるいは歩行の遅れといった、生活に密着した動作がチェックされます。

この段階で自治体の健診により「要観察」となるケースは決して珍しくありませんが、それは診断の確定ではなく、あくまで「今のペースを丁寧に見ていきましょう」というサインです。

 

3歳児健診(社会性が見える時期)

集団生活が始まる「3歳児健診」の頃は、他者との関わりの中で社会性が見える時期です。

園などでの集団行動が苦手であったり、言葉の遅れが目立ってきたりすることで、それまでは「個性の範囲内」と思われていた特性がはっきりしてくることがあります。

また、特定の遊びや手順に対するこだわりが強いといった様子も、この時期に顕著になりやすいポイントです。

周囲との比較ではなく、本人が集団の中でいかに心地よく過ごせるかという視点で、専門的な助言を仰ぐのに適した時期といえます。

 

就学前後(軽度のケース)

日常生活に大きな支障がない「軽度のケース」では、小学校への入学を控えた就学前後に初めて特性が表面化することがあります。

家庭内では困らなくても、学習や集団生活のルールといった、より高度な社会性が求められる環境の中で、「集中力が続かない」「指示が通りにくい」といった課題として気づく場合が多いです。

就学時健診などを通じて、本人の得意・不得意を事前に把握しておくことは、学校での適切な配慮や環境調整に繋がり、子どもが自信を持って新しい生活をスタートさせるための大きな助けとなります。

 

赤ちゃんの発達が遅いかも?と思ったら

※写真はイメージ(Adobe Stock/metamorworks)

 

発達は「マラソン」ではなく、その子なりの「登山」です。育児書の目安はあくまで目安に過ぎません。

まずは今日のわが子の小さな「できた」を見つけることから始めましょう。不安な時は、一人で抱え込まずに地域の専門家を頼ってください。

お父さんやお母さんが笑顔でいることが、子どもにとって一番の心の栄養に繋がります。

 

 

監修:保科しほ(恵比寿こどもクリニック)

Profile

日本小児科学会専門医・指導医。麻酔科 標榜医。久留米大学医学部卒業後、横浜市立大学附属病院、国立成育医療研究センター、東京女子医科大学八千代医療センター、国立感染症研究所勤務を経て、医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック院長に就任。専門は小児感染症、小児救急、アレルギー。

 

医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック

 

 

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