※写真はイメージ(gettyimages/Sasiistock)
子育て世帯に必要な耐震住宅とは?活用できる補助金などの制度もご紹介
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日本では地震が頻繁に起こるため、子どものいる世帯にとって耐震住宅で安全に暮らせるということはとても大切です。引っ越しやマイホーム購入を考えているママやパパのなかにも、大地震が起きたときのことを考えることもあるのではないでしょうか?今回の記事では、耐震住宅とはどのような住宅なのか、地震がきたときの備え、耐震住宅に関連する補助金などについてご紹介します。
耐震基準を満たしているかは「築年数」でわかる
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地震大国といわれる日本では、住宅の地震対策が大切だといわれています。耐震住宅とは、地震の強い揺れに耐えられるように設計・建築された住宅のことをいいます。具体的には、建築基準法において、震度6程度の大規模な地震が起きたときに建物の倒壊や損傷を受けない住宅であると規定されています。つまり、1981年の建築基準法改正以降に建てられた住宅であれば、新耐震基準を満たしているということです。
建築基準法は2000年にも改正が行われています。このときの改正では、1997年の阪神淡路大震災を受けて、木造住宅に関する基準が見直されました。鉄筋コンクリート造のマンションの耐震基準については、1981年の改正以降大きな見直しは行われていません。
耐震構造の工法には3つの構造がある
耐震住宅では、次の3つのような特徴や技術が取り入れられています。
一つ目は、耐震構造といわれるものです。建物が地震の揺れに耐えられるように、強固な基礎や骨組みが使用されています。建物の変形を抑えることが目的に用いられます。
二つ目は、制震構造といわれるものです。建物に揺れを吸収・軽減するための装置(ダンパーなど)が設置され、地震のエネルギーを吸収することで、揺れによるダメージを最小限に抑えることを目的に用いられます。
三つ目は、免震構造といわれるものです。建物と地面の間に免震装置を設置し、地震の揺れを建物に伝わりにくくする仕組みです。大きな地震でも建物自体は比較的揺れないようになります。
耐震基準の確認方法は?
住宅の耐震基準はどのように調べられるのでしょうか?また、耐震基準と似た言葉に耐震等級があります。それぞれご紹介します。
耐震基準の調べ方
耐震基準を満たしているかどうかは、「建築確認書」「完了検査済証」「建築確認済証」などの書類に記載されている「建築確認日」で判断することができます。上記書類の発行日が1981年6月以降であれば、新耐震基準を満たした住宅ということです。
耐震等級とは?
住宅の耐震性について、耐震基準のほかに耐震等級といわれるものがあります。耐震等級とは、建物の耐震性を示す指標で、地震がきたときの建物の強度を表すものです。
耐震等級には、以下の3つがあります。
- 耐震等級1
- 耐震等級2
- 耐震等級3
耐震等級は等級が上がるほど、地震に強い建物といわれます。それぞれ詳しく見てみましょう。
耐震等級1は、建築基準法で定められた耐震基準と同等の耐震性を満たした住宅をいいます。つまり、建築基準法で定められた最低限の耐震性であり、すべての建物が耐震等級1を満たす必要があります。
耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の強度があります。「長期優良住宅」と記載されている住宅は、耐震等級2以上であることが認定の要件となっています。また、学校や病院など災害時に多くの人が非難する可能性のある建物も耐震等級2以上であることが求められます。
耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の強度があります。災害時に救助活動などの拠点となる警察署や消防署は、耐震等級3で建設されることがおおいようです。耐震等級3の建物は、2017年に起きた熊本地震において2度の震度7の地震に耐えたといわれています。子育て世帯にとって、耐震等級3の住宅であれば安心かもしれませんね。
耐震基準を満たしていない建物の場合
昨今、特に首都圏などの都市部において住宅価格が高騰しているといわれています。そのため、住宅の購入にあたって中古住宅を検討されているママやパパもいるのではないでしょうか?
耐震基準を満たしてない住宅は、大地震がきたときに倒壊・崩壊する危険性があります。一定規模以上のマンションについては耐震基準を満たすことが義務付けられていますが、一戸建てやアパートでは義務付けられていません。そのため、中古の一戸建ての場合、耐震基準を満たしていない可能性があります。以下で、耐震基準を満たしていない一戸建ての解決策を見てみましょう。
耐震診断を受ける
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耐震基準を満たしていない一戸建ての場合、まずは建物の現状を知るために耐震診断を受けましょう。耐震診断を行うことで、どれくらいの地震に耐えられる建物なのか、災害時にどれくらい安全性を確保することができるのかなどがわかります。
なお、自治体によっては耐震診断を行うことのできる建築士事務所を紹介しているところもあるようです。気になる場合は、お住いの自治体に問い合わせてみましょう。
耐震補強工事・耐震リフォーム工事
耐震補強や耐震リフォームの工事では、基礎部分の補強や壁・柱を強化したり、耐震壁を追加、屋根の軽量化などの耐震化を行うことによって、大地震がきたときの倒壊リスクを大幅に減らすことができるといわれています。
耐震補強や耐震リフォームの工事のほかに、耐震診断の結果によっては建物の建て替えが必要になるケースもあるようです。以下で住宅の耐震化に活用できる補助金・助成金などの制度をご紹介します。
住宅の耐震化のために活用できるさまざまな制度
国(国土交通省)が行っていたこどもみらい住宅支援事業という補助金制度は、2022年11月で受付を終了しているようです。そのため、補助金・助成金制度は、各自治体が行っているものを活用できるか検討しましょう。いくつかの自治体の制度をご紹介します。
まずは、横浜市が行っている木造住宅の耐震改修工事費用の補助制度です。耐震診断と訪問相談は無料で行うことができ、耐震化工事の費用については一般世帯であれば100万円まで補助してくれるようです。
杉並区では、耐震の精密診断の費用補助があり、耐震改修工事については100万円または耐震改修に要する費用の2分の1のいずれか低い額を助成しているようです。
気になる方は、お住いの自治体で行っている補助金・助成金の制度を調べてみましょう。
出典:「【新耐震基準】木造住宅の耐震化に関する助成制度」/杉並区
自分たちで行う地震の備え
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地震が起きたときの住宅の安全性はもちろん、家の中や防災グッズに関しても気になっているママやパパもいるでしょう。ここからは、自分たちで行う地震への備えについてご紹介します。
家の中の対策
家の中で行う対策として、家具の配置を工夫しましょう。リビングや寝室など、いる時間の長い部屋には、転倒の恐れがある家具やガラスの多い家具を配置しないようにしましょう。食器棚や本棚など高さのある家具に転倒防止器具を取り付けます。また、食器棚や本棚に収納する際に重いものや割れやすいものはできるだけ下の方に配置して、地震のときに起きてこないようにしましょう。
緊急時の食料・水分の確保
大地震などの災害に備えて、家庭で食料と水分の備蓄をしておくことも大切です。食料については、非常食を家族の人数分×3~7日分程度準備しておきましょう。水分については、大人1人あたり1日3リットル程度を目安にしましょう。
上記の食料・水分を防災リュックにひとつにまとめておくとよいでしょう。食料・水分のほかに、懐中電灯やモバイルバッテリー、応急処置グッズなどを入れておくと安心かもしれません。
住宅の安全性と自分たちで行う準備のどちらも大切
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今回の記事では、耐震住宅とはどのような住宅なのか、地震がきたときの備え、耐震住宅に関連する補助金などについてご紹介しました。
地震大国といわれる日本では、住宅の安全性はとても大切です。一方で、実際に住んでいる家の中の地震対策や緊急時の備えもとても大切です。
家の中に危険な場所はないか、もし地震がきたらどのように行動するのかなど、災害時のことを日頃から子どもと一緒に話しておきましょう。
KIDSKI STYLEでは、今後も「暮らし」と「子育て」に関する情報を発信していきます。日々の暮らしにお役立てください。