※写真はイメージ(gettyimages/itakayuki)
男性の育休取得率が初めて3割超!取得率アップにつながった育休制度の改正とは?
※写真はイメージ(gettyimages/itakayuki)
子どもの妊娠・出産にあたって、育休を取得しましたか?夫婦で育休を取得したという方もいるかもしれません。昨年度の男性の育休取得率が、調査開始から初めて3割を超えたと厚生労働省が発表しました。今回初めて3割を超えたのは、2022年に行われた法改正の効果が大きいといわれています。今回の記事では、男性の育休取得率が3割を超えた点、2022年の法改正などについてご紹介します。
男性の育休取得率が初めて3割を上回る
厚生労働省が毎年行っている調査によると、昨年度の男性の育休取得率が30.1%となり調査開始から初めて3割を超えました。前回の調査に比べて13ポイント上昇し、上昇幅も過去最大となっています。
今回の調査結果の背景には、2022年に行われた育児・介護休業法の改正による効果が大きいようです。育児・介護休業法改正後、現行の育休はどのようになっているのでしょうか?詳しく見てみましょう。
出典:「『令和5年度雇用均等基本調査』の結果概要」/厚生労働省
育児・介護休業法の改正内容は?
育休の取得にあたって職場の理解を得られず、ハラスメントや不利益な扱いを受けたりすることがあるようです。このような問題を解決するため、育児・介護休業法が2022年4月1日から2023年4月1日にかけて3段階に分けて改正が行われました。
改正内容としては、事業主に義務付けられたものと産後パパ育休の創設と育休の分割取得があげられます。
事業主に義務付けられたもの
育児・介護休業法の改正によって、以下のことが事業主側に義務付けられました。
- 育休を取得しやすい雇用環境の整備
- 妊娠・出産を申し出た労働者に対する個別の周知・意向確認の措置
- 育休等を理由とする不利益な取り扱いの禁止
- 育休等を理由とするハラスメントを防止する措置
- 育休取得状況の公表
育休の取得する労働者側の改正点
つづいて、育休を取得する労働者側の改正点について見てみましょう。
2022年の改正でもっとも大きなポイントといえるのが「産後パパ育休(出生時育児休業)」の創設です。2022年4月1日以降、子どもの出生後8週間以内に4週間までの休業をパパも取得することが可能となりました。また、育休を分割して2回まで取得することもできるようになりました。
このほかにも、有期雇用されている人が育休を取得しやすいよう、育休の取得要件が緩和されています。
赤ちゃんを出産した直後の8週間は、頻回授乳やおむつ替えで慣れない育児で大変だと感じるママは多いようです。この期間にパパもいてくれると心強いと感じられるかもしれませんね。
出典:「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内 令和4年4月1日から3段階で施行」/厚生労働省
育休取得を申し出て、ハラスメントや降格されたら?
男性の育休取得率が3割を超えたというのは、一方でまだ7割のパパは育休を取得していないということでもあります。育休取得をするかどうか考えたときに、「ハラスメントに遭ったらどうしよう」「配置転換をされたら…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
育児・介護休業法や男女雇用機会均等法では、妊娠・出産、育休を理由とした不利益な取り扱いを禁止していて、もし不利益な取り扱いを行った場合は法律違反となります。もし法律違反となる不利益な取り扱いを行った場合は、行政指導や事業主の名前の公表などが行われます。
もし、育休取得で悩んでいる場合は会社の就業規則や制度を調べてみたり、相談できそうな部署の方や上司・先輩などに話を聞いてみるといいかもしれませんね。
出典:「妊娠・出産などによる不利益が起こらない職場づくり」/内閣府
法改正で男性の育休取得率が今後も増えることを期待
今回の記事では、男性の育休取得率が3割を超えた点、2022年の法改正などについてご紹介しました。
調査開始以来初めて男性の育休取得率が3割を超えたのは、2022年の育児・介護休業法の改正による効果が大きいといわれています。今回の改正で、育休を取得しづらいとされていた男性や有期雇用契約者などが育休を取得しやすい制度になりました。
育休を取得するにあたっては、職場の理解がとても重要です。育休制度そのもの、今回の改正内容の理解が進み、今後さらに育休取得率が上がることが期待されます。
「キャリアが途絶えてしまうのでは…」「降格させられたら…」と育休取得で悩んでいる場合は、すでに育休を取得した先輩や上司などに相談してみましょう。
職場全体で育休取得への理解が深まるといいですね。
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