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2024年の出生数は70万人以下。子育て支援策で少子化傾向はどうなる?
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2024年の出生数は年間70万人を下回る見通し
厚生労働省が公表している調査結果によると、2024年上半期(1~6月)に生まれた赤ちゃんは約33万人で、前年度と比べて6.3%減少しています。この調査結果を踏まえて、2024年1年間の出生数が統計開始以来初めて70万人を下回る公算が大きくなりました。
出生数が減少している主な原因として、価値観の多様化で未婚・晩婚が進んでいること、育児に対する経済的負担が大きいことなどがあげられています。加えて、コロナ禍で結婚や出産を控える人が増えたことが出生数の減少に拍車をかけているといわれています。
少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスは、2030年代に入るまでの5~6年といわれています。政府は少子化傾向を反転するため、「こども・子育て支援加速化プラン加速化プラン」を実施しています。
「こども・子育て支援加速化プラン」とは?
このまま少子化傾向が進むと、2030年代以降、日本の若年人口は現在の倍速で急減することになるといわれ、もはや歯止めの利かない状況になります。少子化傾向を反転させるラストチャンスとして、政府は「こども・子育て支援加速化プラン加速化プラン」として、さまざまな支援策を行っています。
「こども・子育て支援加速化プラン加速化プラン」について、詳しく見てみましょう。
支援策① 子育ての経済的支援
まずひとつめの支援策として、子育ての経済的支援を行っています。おもに以下の支援策があります。
- 児童手当の抜本的拡充
- 出産等の経済的負担の軽減
- 高等教育費の負担軽減
- 住宅支援の強化
- 「年収の壁」への対応
児童手当の抜本的拡充について、これまで設けられていた所得制限が撤廃され、支給期間が延長されました。
出産等の経済的負担の軽減について、出産育児一時金の支給額引き上げや低所得の妊婦への初回受診料の費用助成などが行われています。
子どもの数を増やせない大きな理由となっている高等教育費の負担について、2024年度には授業料の後払い制度、奨学金の対象者の拡充が行われました。2025年度から一定の要件を満たす世帯に向けて大学等の授業料・入学金の無償化が行われる予定です。
住宅支援の強化について、公営住宅や空き家などを活用して、今後10年間で子育て世帯向けの住宅が用意されます。
「年収の壁」については、それぞれ設けられている「年収の壁」を意識しないで働くことができるよう制度の見直しが行われています。
支援策② 切れ目のない支援を包括的に提供
親の働き方や家族のあり方、ライフスタイルが多様化するなかで、すべての子ども・子育て世帯に対して切れ目のない支援が行われるよう、以下のような支援策が設けられています。
- 産前・産後ケアの拡充
- 幼児教育・保育の質の向上
- こども誰でも通園制度
- 子どもの貧困対策。ひとり親家庭の自立促進
- 児童虐待・社会的養護・ヤングケアラー等支援
- 障害児・医療的ケア児等への支援
- こども子育てにやさしい社会づくりのための意識改革
支援策③ 共働き・共育ての推進
育休を取得しづらい職場環境、女性の育児負担が大きくなりがちなど、少子化には社会構造や人々の意識に根差した要因が関わっているといわれています。
共働き・共育てを推進するために、以下のような育休に関連した働き改革が進められています。
- 男性育休取得率を85%へ
- 育休手当の給付率を手取り10割へ
- 柔軟な働き方を選択できる制度
- 時短勤務への新たな給付
それぞれ詳しく見てみましょう。
政府は、2030年に85%の男性が育休を取得することを目標としています。実現のために、育休取得推進に熱心な企業により多くの支援が行われるよう仕組みづくりを進めています。
2025年からは、手取りと同額の育休手当が受け取れるようになったり、時短勤務を選択した労働者に対して、新たな給付が創設される予定です。
そのほかにも、育児とキャリア形成の両立を可能にするため、短時間勤務やテレワーク、フレックスタイムなど柔軟な働き方を選択できる制度が創設されます。
出典:「こども未来戦略 『加速化プラン』施策のポイント」内閣官房
今後もさまざまな子育て支援策が行われる
今回の記事では、少子化の現状や政府が行っている「こども・子育て支援加速化プラン加速化プラン」などについてご紹介しました。
2025年以降もさまざまな子育て支援策が実施される予定です。ただ、このような支援策で少子化傾向が反転するかどうかは厳しい状況だといえるかもしれません。
子育て世帯にとって子育て支援策は生活費や教育費に直結するものが多く、とても重要です。今後もどのような子育て支援策が行われるか定期的にチェックするといいかもしれませんね。
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