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モデルハウスの「価格表示」とは?知っておきたいポイントと価格の見極め方

作成者: KIDSKI STYLE編集部|2025/6/27

※写真はイメージ(Adobe Stock/Hiroyuki)

 

住宅展示場で豪華なモデルハウスを見学したあと、多くの方が感じるのが「モデルハウスのような家って、実際いくらかかるの?」「価格が書いてないけど、建てるとしたら総額はいくら?」など価格に関する疑問です。なかには価格が表示されているモデルハウスもありますが、その金額が“すべて込み”の費用なのか、判断がつきづらいこともあるようです。

今回の記事では、モデルハウスの価格表示の仕組みや見極め方、実際にかかる費用のチェックポイントなどについてご紹介します。価格を正しく理解すれば、理想のマイホームづくりに一歩近づけるかもしれません。

 

モデルハウスの価格表示がない理由は?

※写真はイメージ(Adobe Stock/folyphoto)

 

住宅展示場を訪れると、「この家っていくらで建てられるの?」と気になっても、価格がまったく表示されていないモデルハウスも少なくありません。実は、モデルハウスに価格表示がないのには、主に以下の2つの理由があるといわれています。

 

モデルハウスは「見せるための家」

モデルハウスは「見せるための家」として設計されており、実際に販売される家よりもワンランク上の仕様や豪華なオプションがふんだんに盛り込まれています。キッチンや床材、設備などがグレードアップされているため、そのままの価格を表示しても実用的な参考にならず、誤解を招く恐れがあります。

また、注文住宅の場合は土地の条件や家族構成、希望する間取りなどによって建築費用が大きく変わります。同じモデルハウスでも、建てる場所やプランによって価格が異なるため、「参考価格を出す意味がない」と考える住宅会社も多いようです。

 

建物本体価格しか表示できない

モデルハウスの多くは「建物のみ」の展示であり、土地は含まれていません。仮に建物の本体価格だけを表示すると、「この金額ですべてが手に入る」と誤解される可能性があり、かえって混乱を招いてしまうこともあります。こうした背景から、あえて価格表示を控えているケースが多いのです。

価格が表示されていないからといって不親切なわけではなく、注文住宅という商品の特性ゆえの配慮だと理解しておくといいでしょう。

 

モデルハウスで価格表示がされているケース

※写真はイメージ(Adobe Stock/BirD)

 

すべてのモデルハウスに価格表示がないわけではありません。実は一部のケースでは、目安となる価格がしっかり表示されていることもあります。

ここからは、モデルハウスで価格表示がされているケースをご紹介します。どんな意図で価格が出されているのかを理解しておけば、その表示が自分の家づくりの参考になるかどうかを判断しやすくなるでしょう。

 

分譲住宅(建売)として販売予定のモデルハウス

モデルハウスの中には、建売住宅として販売されることを前提に公開されているものがあります。こうした場合は、「土地+建物のセット販売」であり、販売価格が明記されているのが特徴です。

表示例としては「3,280万円(税込)」や「月々8万円台〜」といった形で、住宅ローンの支払い例が併記されていることもあります。土地の立地や仕様が確定しているため、注文住宅よりも価格が明確で、購入の目安を立てやすいのがメリットといえるでしょう。

ただし、内装や設備の変更が難しいケースが多いため、「そのまま住むスタイルに合っているか」もあわせて確認する必要があります。

 

ハウスメーカーが「参考価格」として掲示しているケース

注文住宅をメインに扱うハウスメーカーでも、モデルハウスの価格感を伝えるために「同仕様で建てた場合の参考価格」を掲示していることがあります。

例えば、「本体価格 2,480万円〜(外構・諸費用別途)」のように表示されているケースです。これは、あくまで建物本体の費用であり、土地代や登記費用、外構工事などは含まれていないのが一般的です。

このような参考価格は、標準仕様とオプションのバランスを確認しながら、自分たちの予算感に近いかどうかを見極める材料になるでしょう。

 

キャンペーン・期間限定仕様として価格が表示される場合

展示場では、キャンペーンや特別仕様の告知目的で、価格を限定的に表示するケースもあるようです。

例えば、「今だけ展示仕様のキッチン付きで特別価格」や「期間限定で外構費込み3,000万円〜」などのように、目を引くPR文言とともに価格が掲示されることがあります。

このような価格表示はあくまで「販売促進のための条件付き価格」なので、対象期間や内容をよく確認することが大切です。条件が合えば、コストパフォーマンスの良い家づくりのチャンスになるでしょう。

 

モデルハウスの価格表示とは?知っておきたい注意点

※写真はイメージ(Adobe Stock/koumaru)

 

モデルハウスで価格表示がされていても、「その金額だけで家が建つ」と考えるのは早計です。多くの場合、表示されているのはあくまで「建物本体価格」に限られており、家づくりにかかるすべての費用が含まれているわけではありません。

例えば、外構(庭・フェンス・駐車場など)や付帯工事(水道・電気・ガスの引き込み工事など)、登記費用やローンの手数料、火災保険料といった諸費用は別途発生します。場合によっては数百万円単位で追加になることもあり、予算オーバーの原因になりかねません。

また、モデルハウスは見栄え重視で設計されているため、キッチンやバスルーム、床材、照明などにグレードの高いオプションが多数使われているケースも少なくありません。そのため、同じ間取り・広さであっても、標準仕様で建てた場合とは金額に大きな差が出る可能性があるようです。

表示価格だけを鵜呑みにせず、「何が含まれていて、何が別途費用なのか」を確認することが、家づくりを失敗しないための大きなポイントです。

価格表示はここをチェック!

モデルハウスの価格を見るときに大切なのは、表示された金額だけで判断せず、最終的な「総額」でいくらかかるのかを把握することです。

価格表示でよくあるのは「建物本体価格」のみの掲示です。しかし、実際に家を建てて住むまでには、以下のような費用も加わります。

 

  • オプション費(キッチン・床材・収納などグレードアップ分)
  • 付帯工事費(水道・ガス・電気などの引き込み)
  • 外構費(庭・駐車場・フェンスなど)
  • 諸費用(登記費用、ローン手数料、火災保険など)

 

こうした費用を合計して、初めてリアルな家づくりの予算が見えてきます。

モデルハウスで営業担当と話すときは、次のような質問をしてみると、より具体的なイメージが持てるでしょう。

 

  • 「この家の総額はいくらくらいになりますか?」
  • 「標準仕様との差額はどのくらいありますか?」
  • 「土地を含めると全体でどれくらいの予算を見ればよいでしょうか?」

 

不明点はその場で遠慮せずに確認し、「予算オーバーにならないか」「自分たちの生活スタイルに合っているか」をしっかり見極めましょう。

 

チェックリスト

※写真はイメージ(Adobe Stock/Gibster)

 

モデルハウスの価格を正しく読み解くには、「価格の中身を具体的に知ること」が欠かせません。以下のチェックリストを押さえることで、誤解や予算オーバーのリスクを防ぐことができるでしょう。

 

表示されている価格に何が含まれているか

まず、表示されている価格に何が含まれているか、価格の内訳を確認しましょう。

「建物本体価格」の表示のみで、外構やオプション、諸費用が含まれていないケースが多いようです。内訳が明示されていない場合は、「これは本体価格ですか?それとも総額ですか?」と確認するといいでしょう。

 

オプション設備・グレードアップ箇所

モデルハウスは見栄えを良くするために、ハイグレードなオプション設備をふんだんに採用していることが多いといわれています。

キッチン・バス・床材・建具などが標準仕様ではない場合、追加費用がかかります。「この設備は標準仕様ですか?追加費用が必要な箇所はどこですか?」と聞くと明確になるでしょう。

 

坪単価の定義

坪単価は、家の価格感をつかむ指標のひとつですが、「どの面積に対しての単価か」が重要です。ハウスメーカーによって「延床面積(居住スペース)」か「施工面積(バルコニーや玄関ポーチも含む)」かが異なるため、単純比較はできません。

「この坪単価は延床面積基準ですか?施工面積ですか?」と確認しましょう。

 

土地代・外構工事の費用は含まれているか

注文住宅では、土地代や外構工事費が別途かかるのが一般的です。

価格表示に土地代が含まれていない場合、「この金額は建物のみの費用ですか?外構費用も別ですか?」と確認しましょう。建売住宅や分譲住宅であれば「土地+建物の総額」で表示されることもあるようです。

 

引き渡しまでにかかる「諸費用」

住宅購入では、登記費用・住宅ローン関連手数料・火災保険料・印紙代などの諸費用が必ずかかります。諸費用は家の価格とは別に必要な出費で、全体で100〜200万円ほどになることもあります。

「引き渡しまでに必要な諸費用の目安を教えてください」と聞くことで、現実的な総予算が見えてくるでしょう。

 

モデルハウス見学で役立つ価格の見極め方

モデルハウスを見学する際に重要なのは、「見た目の豪華さに惑わされず、リアルな価格を見極めること」です。価格の妥当性や、自分たちの予算に合うかどうかを知るには、少し工夫しながら見学を進めることが大切です。

 

オプションの場所を確認

見学の際は、スマホカメラやメモを活用してオプションの場所を記録しておきましょう。どこが標準仕様で、どこにオプションが使われているのかを把握しておくと、後から費用の違いを比較しやすくなります。可能であれば、「この部分は標準ですか?オプションですか?」と営業担当者にその場で確認しておくと安心です。

 

複数のハウスメーカーを比較する

複数の住宅展示場やハウスメーカーを回って比較することも非常に有効です。モデルハウスごとの設備仕様や価格設定を見比べることで、相場感がつかめてくるでしょう。特に同じ広さ・間取りの家でも、会社によって価格が大きく変わることもあるため、1社だけで判断することは避けましょう。

 

「トータル見積もり」を依頼する

※写真はイメージ(Adobe Stock/folyphoto)

 

見学時には、「この家を建てた場合のトータル見積もり」を依頼するのがおすすめです。建物本体価格だけでなく、外構工事、オプション、諸費用まで含めた総額がわかると、現実的な予算計画が立てやすくなります。予約制の見学なら、より丁寧に対応してもらえる傾向があるようです。

 

希望の間取りで仮見積もりを依頼する

希望する間取りでの仮見積もりを作ってもらうことも有効です。モデルハウスそのものではなく、自分たちの暮らしに合ったプランでどれくらいの費用になるのかを知ることが、家づくりの第一歩になるでしょう。

 

「資料請求」で費用シミュレーションを行う

見学後、資料請求をして費用シミュレーションを行うのも忘れずに行いましょう。公式サイトやパンフレットでは、仕様ごとの価格の違いや過去の施工例が掲載されていることもあり、比較検討の材料として役に立つでしょう。

上記の工夫を行うことで、「憧れのモデルハウスの価格を、自分たちの現実に落とし込む」ことが可能になります。見た目だけでなく、総額と内訳をしっかりと把握して、納得のいく家づくりにつなげましょう。

 

【まとめ】モデルハウスの価格表示は「参考」として見極める力を

※写真はイメージ(Adobe Stock/Zoey106)

 

今回の記事では、モデルハウスの価格表示の実態や、表示価格に含まれる内容・含まれない費用、そして価格を正しく見極めるためのポイントについてご紹介しました。

モデルハウスの価格表示で知っておきたいポイントは、あくまで最低限の目安であるという点です。表示されている金額だけでは、外構工事やオプション、諸費用といった実際に必要な総額はわかりません。

そのため、見学時には「この価格に何が含まれているか」「自分たちが建てるならどれだけの費用がかかるか」を丁寧に確認し、総額をしっかり把握することが重要です。

家づくりで後悔しないためには、表示価格の中身を見抜く力を身につけることが第一歩です。現実的な視点を持ち、納得のいく住まいづくりを進めていきましょう。

 

 

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