モデルハウスを見てみたいけれど、「忙しくてなかなか時間が取れない」「小さな子どもがいるから外出が難しい」と悩む共働き家庭や子育て中の方に、注目されているのがオンライン見学です。コロナ禍をきっかけに広まったオンラインサービスは、住宅業界にも浸透しています。今では、自宅にいながらモデルハウスを見学できる手軽な方法として、多くのハウスメーカーや住宅展示場が導入しています。
今回の記事では、オンライン見学の形式の種類やリアル見学との違い、メリット・デメリット、見学の流れやチェックポイントなどについてご紹介します。
忙しい毎日でも効率よく家づくりを進めたい方にぴったりな選択肢として、ぜひ参考にしてみてください。
モデルハウスのオンライン見学って?
最近増えている「モデルハウスのオンライン見学」は、自宅にいながらモデルハウスの内観や雰囲気を体験できるサービスです。コロナ禍以降、非対面での家づくりニーズが高まる中で、全国の住宅会社が導入を進めています。
見学形式には以下のようないくつかの種類があります。
※写真はイメージ(Adobe Stock/whitestorm)
3Dモデルハウス見学とは、実際のモデルハウスを360°見渡せるよう再現したバーチャル見学のことをいいます。PCやスマホ、タブレットを使って室内の各部屋を歩くように移動したり、視点を上下左右に動かしたりすることができるため、まるでその場にいるかのような臨場感を体験できます。
実際のモデルハウスを立体的に再現するために、コンピュータグラフィックスや360°撮影技術などを活用しています。
3Dモデルハウス見学は、住宅展示場に行く時間が取れない方や遠方に住んでいて現地見学が難しい方にとって、手軽に間取りや空間の広がりを確認できる便利な方法として注目されている見学方法です。
動画視聴は、あらかじめ用意された動画を視聴するタイプのものをいいます。
Zoomなどのビデオ通話ツールを使ったライブ案内もあります。ライブ案内では、営業担当者がリアルタイムで質問に答えてくれるので、気になるポイントをその場で確認できるのが特徴です。
リアルな見学との大きな違いは、「実際の空間の広がりや質感」を体感するのが難しい点です。一方で、自宅から気軽にアクセスでき、複数のモデルハウスを短時間で比較できるというオンラインならではのメリットもあります。
多くのケースでは、オンライン見学後に資料請求や個別相談をそのままオンラインで受けることができるため、家づくりの最初の一歩として活用しやすいのも魅力といえるでしょう。
オンラインでのモデルハウス見学は、場所や時間に縛られずに家づくりを進められる新しい選択肢といえるでしょう。一方で、リアル見学とは異なる注意点もあるため、メリットとデメリットを正しく理解して活用することが大切です。
※写真はイメージ(Adobe Stock/DigitalFrame)
オンライン見学の最大の魅力は、自宅にいながら複数の住宅会社を比較できることです。わざわざ展示場に足を運ぶ必要がないため、忙しい共働き家庭や、小さなお子さんがいるご家庭でも気軽に参加できます。
また、夜間や休日の時間帯に対応しているケースも多く、仕事や育児の合間を使って無理なく見学できるのも大きなメリットといえるでしょう。気になった会社に絞ってリアル見学をすることで、効率的に家づくりを進められます。
オンライン見学にはリアル見学にはない弱点もあります。弱点として挙げられる代表的なものが、空間の広さや素材の質感が画面越しでは伝わりづらいという点です。照明の明るさや天井の高さなど、実際に体感しないと分かりにくい要素も多くあります。
また、ライブ配信型の場合、通信環境によっては映像が途切れたり、質問がしづらかったりすることもあるようです。気になる点は積極的に確認しつつ、必要に応じてリアル見学と併用するのがいいかもしれません。
オンライン見学は、事前の準備をしっかりしておくことで、スムーズかつ有意義な時間にすることができます。予約から見学後の相談までの流れと事前にチェックしておきたいポイントについて、詳しく見ておきましょう。
※写真はイメージ(Adobe Stock/maru54)
オンライン見学を希望する場合は、各ハウスメーカーや住宅展示場の公式サイト、または住宅情報ポータルサイトから予約を行います。予約フォームには、希望日時や見学方法の選択、簡単な連絡先入力などが必要になります。
平日の夜や土日など、家族の都合に合わせた時間帯を選べることが多いので、無理のないスケジュールで申し込みましょう。
オンライン見学には「リアルタイム案内(ライブ)」と「好きな時間に閲覧できるバーチャル見学」の2種類があります。
ライブ見学は営業担当者が画面越しに案内してくれるため、質問がしやすく臨場感があります。一方、バーチャル見学は空いた時間にゆっくり見られるので、忙しい人におすすめです。
自分たちのスタイルに合った見学方法を選ぶといいでしょう。
見学当日は、Zoomなどのビデオ通話ツールを使うことが多いため、事前に接続環境を確認しておくことが重要です。
通信が不安定だと映像が途切れたり音声が聞こえづらくなり、必要な情報が得られない可能性があります。事前にWi-Fi環境や使用端末の動作確認をしておきましょう。
見学用URLは事前にメールで送られてくるケースが多いので、開始前にアクセスできるか試しておくと安心です。
オンライン見学では限られた時間で効率的に情報を得ることが大切です。
そのため、事前に「間取りの使い勝手」「収納の工夫」「家事動線」など、自分が重視したいポイントをメモしておきましょう。
ライブ案内では質問する機会もあるため、気になる点はあらかじめリストアップしておくとスムーズです。事前メモについて、以下で詳しくご紹介します。
見学後に「もっと詳しく知りたい」と思った場合は、そのままオンラインでの相談予約や資料請求に進むことができます。多くのハウスメーカーでは、見学後のアフターフォローとして個別相談や間取りプランの提案も受け付けています。
気になる会社が見つかったら、次のステップとしてリアル見学や住宅相談に進むのもいいかもしれません。
オンライン見学では、限られた時間や映像情報の中で「どこを見るか」が満足度を左右します。事前にチェックすべきポイントや質問内容を押さえておくことで、見落としを防ぎ、リアル見学の前段階としても有効に活用できます。
オンライン見学で見るべきポイント、質問すべきポイントについてご紹介します。
※写真はイメージ(Adobe Stock/norinori303)
間取りは住まいの快適さを左右する大切な要素です。オンライン見学では、リビングから水回りまでの動線や家族の生活リズムに合う間取りかどうかを意識して見ましょう。
例えば、玄関からキッチンや洗面所への動線、子どものお昼寝スペースとリビングの距離感など、日常生活をイメージしながら確認するのがポイントです。
見学中に「この動線だと朝の支度はスムーズか?」など、自分たちの暮らしを当てはめてみる視点を持つと、リアルな判断材料になるでしょう。
オンライン見学では「見えている仕様」がすべて標準とは限りません。どこまでが基本プランに含まれていて、どこからがオプションなのかを確認することが重要です。
キッチンや床材、造作収納など、標準仕様とオプションで大きく印象が変わる場合もあります。
見学中に「この設備は標準ですか?」「追加費用が発生する部分はどこですか?」といった質問をすることで、予算とのバランスも把握しやすくなるでしょう。
共働き世帯や子育て世帯などの忙しい毎日をサポートする「家事ラク動線」や「収納の工夫」は、家づくりの満足度を高めるカギになります。
特に、ランドリールームの位置やファミリークローゼットの動線、パントリーの収納力などは、使い勝手に直結する部分といえるでしょう。
オンライン見学でも「洗濯〜干す〜しまう流れがスムーズか?」「日用品のストックはどこに収納する?」といった視点で見てみると、暮らしやすさのイメージが具体化します。
オンラインならではの限界も意識しておきましょう。天井の高さや照明の明るさ、空間の広がりといった感覚的な要素は、画面越しでは分かりにくいことが多いです。
見学中に「天井の高さは何cmですか?」「実際の照明の明るさはどのくらいですか?」と質問することで、より現実に近いイメージを持つことができます。
こうした点は、あとでリアル見学する際のチェックポイントとしても役に立つでしょう。
※写真はイメージ(Adobe Stock/kapinon)
初めてオンラインでモデルハウスを見学する方にとっては、わからないことや不安もあるかもしれません。ここからは、オンラインでのモデルハウス見学に関してよくある質問にお答えします。
多くのハウスメーカーや住宅展示場では、オンライン見学は資料請求と同様に無料で利用できるサービスとして提供されています。
「気軽に見てもらいたい」「家づくりの第一歩にしてほしい」という意図から、無理な営業がないケースがほとんどです。そのため、費用を気にせず安心して参加できます。
「まだ本格的に考えていないけれど、興味はある」という方も安心して参加して大丈夫です。実際、多くの人が比較検討や情報収集の一環としてオンライン見学を活用しています。
営業担当者もその前提で対応してくれるため、無理に話を進められる心配もありません。
Zoomなどを使ったリアルタイムの案内は、1回あたり30分〜1時間程度が一般的です。子どもが寝ている間や空き時間に参加できるよう、時間調整もしやすくなっています。
また、360°ツアーや動画視聴型のバーチャル見学なら、自分のペースで好きなときに見られるため、より気軽に利用できるでしょう。
今回の記事では、オンライン見学の形式の種類やリアル見学との違い、メリット・デメリット、見学の流れやチェックポイントなどについてご紹介しました。
オンライン見学は、「忙しくて時間がとれない」「小さな子どもがいて外出が難しい」といった共働き世帯や子育て世帯にとって、とても便利な選択肢です。自宅にいながら複数の住宅メーカーを比較でき、空いた時間に効率よく情報収集ができるため、家づくりの初期段階にぴったりといえます。
実際の空間の広がりや質感は画面越しでは分かりにくい部分もありますが、気になる住宅が見つかった場合には、リアル見学と組み合わせて最終判断を行うことで、納得のいく家づくりにつながるでしょう。
オンライン見学を上手に活用し、理想の住まいへの第一歩を踏み出してみてください。
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