ペアガラスは効果ある?断熱窓の種類とメリットを初心者向けに解説

※写真はイメージ(Adobe Stock/Pixelzone)

 

「冬の窓際が寒くてつらい…」「毎年、窓の結露がひどくてカビが心配…」「最近、電気代が上がって冷暖房の効きも悪い気がする…」そんなお悩みを抱えていませんか?

特に小さなお子さんがいるご家庭では、お部屋の温度や空気のきれいさは気になりますよね。

そんな悩みを解決してくれるのが、断熱性能の高い「ペアガラス」の窓なんです。

大がかりなリフォームだけでなく、今あるお家の窓を見直すだけでも、暮らしの快適さは大きく変わります。

この記事では、断熱窓の主役であるペアガラスの特徴や、他の窓との違い、選ぶときの注意点まで、パパママにも分かりやすく解説します!

 

断熱窓とは?その重要性を知ろう

※写真はイメージ(Adobe Stock/AugmentArt)

 

家庭の省エネ対策で見落とされがちなのが窓の断熱です。実は家の熱の約50〜60%は「窓」から出入りしており、壁や天井にいくら断熱材を入れても、窓の断熱が不十分では効果が半減してしまいます。

断熱性能の低い窓は、冬場の暖房効率を大幅に下げ、冷暖房費の増加に直結します。また、室内外の温度差によって結露が発生しやすくなり、カビやダニの原因となることも。

さらに、窓際の冷えによる室内の温度差がヒートショックのリスクを高め、特に高齢者の健康に深刻な影響を与える可能性があります。

快適な温熱環境の実現と家族の健康を守るためにも、断熱窓への投資は住まいの省エネ対策において最も重要な要素の一つと言えるでしょう。

 

ペアガラスとは?仕組みと断熱の効果

※写真はイメージ(Adobe Stock/Dina)

 

お家の断熱性を高める上で主役となるペアガラスですが、一体どんな仕組みで、なぜお部屋を快適にしてくれるのでしょうか?

ここでは、ペアガラスの基本構造から、高い断熱効果の秘密、さらに性能をアップさせたLow-E複層ガラスやトリプルガラスといった種類まで、わかりやすく解説していきます。

 

「ペアガラス」と「複層ガラス」違いはある?

「ペアガラス」は、「複層ガラス」とも呼ばれています。基本的にはどちらも同じものを指していて、「ペア」という言葉の通り、2枚のガラスを重ねて作られています。

昔ながらのお家によくある1枚だけのガラスは「単板(たんぱん)ガラス」と呼ばれていて、これと比べると断熱性能が格段にアップするのがペアガラスの特徴です。

「ガラスを2枚にするだけでそんなに変わるの?」と思うかもしれませんが、この「2枚重ね」というシンプルな工夫が、お部屋の快適さを大きく左右させます。

リフォームで窓を選ぶときには、この違いを知っておくことが、快適なおうち作りの第一歩になります。

 

ペアガラス(複層ガラス)の構造

ペアガラスの断熱性の秘密は、2枚のガラスの間にある「中空層(ちゅうくうそう)」と呼ばれる空気の層にあります。

ガラスとガラスの間に、目には見えない〝空気の壁〟があるようなイメージです。

熱は空気を伝わって移動する性質がありますが、この空気層が壁となって、お部屋の熱が外に逃げたり、外の熱が入ってきたりするのを邪魔してくれます。

さらに、ガラスの周りは「スペーサー」という部品で固定されていて、中空層には乾燥した空気が閉じ込められています。

これにより、ガラスの内部で結露が起こるのを防ぎ、クリアな視界高い断熱性能を長く保つことができるんです。

 

ペアガラスの断熱効果は?

ペアガラスの一番嬉しい効果は、やはり高い「断熱効果」です。

冬は暖房で暖めたお部屋の空気が外に逃げにくくなり、夏は外のジリジリした暑さがお部屋に入り込むのを防いでくれます。

その結果、冷暖房が効率よく効くようになるため、設定温度を極端にしなくても快適に過ごせ、電気代の節約にも繋がります。

また、外の冷たさがガラスに伝わりにくくなることで、冬の朝に窓がびっしょり濡れる、あのイヤな「結露」も大幅に抑えることができます。

結露が減れば、カビやダニの発生を防ぐことにもなり、アレルギーが心配な小さなお子さんがいるご家庭でも安心です。

 

ペアガラス(複層ガラス)の種類

ペアガラスには、さらに性能を高めたいくつかの種類があります。家族のライフスタイルや解決したいお悩みに合わせて選ぶのがおすすめです。

 

Low-E複層ガラス

ガラスの表面に「Low-E膜」という特殊な金属の膜をコーティングした高機能なペアガラスです。

この膜が、夏の日差し(日射熱)をはね返したり冬の暖房の熱がお部屋から逃げるのを防いだりしてくれます。魔法瓶のようなイメージです。

冷暖房の効率がさらにアップするので、省エネを重視するご家庭にぴったりです。

 

真空ガラス

2枚のガラスの間にある空気層を、真空状態にした最高クラスの断熱性能を持つガラスです。

熱は空気がないと伝わらないため、魔法瓶と同じ原理で、熱の出入りを強力にシャットアウトします。

結露の防止効果も非常に高いのが特徴です。

 

トリプルガラス

その名の通り、ガラスを3枚重ねたものです

ガラスとガラスの間に空気層が2つできるため、ペアガラスよりもさらに高い断熱性能を発揮します。

寒い地域にお住まいの方や、とにかく断熱にこだわりたい方におすすめです。

 

ペアガラスとトリプルガラス、どちらが良い?

性能で言えば、もちろんガラスが3枚のトリプルガラスが一番です。

特に寒さの厳しい地域にお住まいだったり、お家の断熱性能に最高レベルを求めたりする場合には、大きな効果を発揮します。

ただ、その分値段も高くなり、ガラス自体が重くなるという点も考えておきたいポイントです。多くの地域では、高性能なペアガラス(Low-E複層ガラスなど)でも十分に暖かさや涼しさを実感できます。

まずはペアガラスを基本に考えて、ご予算や住んでいる場所の気候に合わせて検討するのがおすすめです。

 

ペアガラス(複層ガラス)のメリット・デメリット

おうちの快適さをアップしてくれるペアガラスですが、良い点と知っておきたい点の両方を確認しておきましょう。

 

メリット

※写真はイメージ(Adobe Stock/tarou230)

 

ペアガラスにすると、家族に嬉しいメリットがたくさんあります。一番の魅力は、なんといっても高い断熱性です。窓際の「ヒヤッ」とする感じが和らぎ、冷暖房が効きやすくなるので光熱費の節約にも繋がります。

また、ガラスが外の冷気の影響を受けにくくなるため、冬のイヤな結露の発生を大幅に抑えられるのも嬉しいポイント。結露が減れば、アレルギーの原因にもなるカビの心配も軽くなります。

さらに、製品によってはUVカット効果もあり、家族のお肌や大切な家具を日焼けから守ってくれるでしょう。

 

デメリット

メリットがたくさんあるペアガラスですが、知っておきたいポイントもいくつかあります。

まず、まれに2枚のガラスが響き合い、特定の周波数の音だけが逆に聞こえやすくなる「共鳴透過現象」が起こることがあります。

また、日光による温度差でガラスにヒビが入る「熱割れ」という現象にも注意が必要です。

そして、1枚ガラスに比べると費用が高くなり、少し重くなる点も覚えておきましょう。

不安な点や分からないことは、リフォームの専門家としっかり相談して、納得のいく窓選びをしましょう。

 

「二重サッシ」「内窓」「二重窓」とは?

※写真はイメージ(Adobe Stock/Artem)



窓の断熱リフォームには、ペアガラスへの交換の他に「二重窓(内窓)」という、もう一つのとても効果的な方法があります。

ガラスを入れ替えるのではなく、今ある窓の内側にもう一つ窓を追加するという、全く違う考え方です。特に防音効果を重視するご家庭にはおすすめです。

ペアガラスとはどんな違いがあるのか、そのメリットや注意点を詳しく見ていきましょう。

 

二重サッシとは?

「二重サッシ」「内窓」「二重窓」、なんだか色々な呼び方があって難しそうに聞こえますが、実はこれらは基本的に同じものを指す言葉です。

一番わかりやすいのが「内窓」という呼び方で、その名の通り、今ある窓はそのままにして、その室内側にもう一つ新しい窓を取り付ける方法のことです。

ガラスだけを交換する「ペアガラス」とは違い、窓がまるごと二重になるのが最大の特徴です。

お部屋の中から見ると、窓のフレームが2つ並んでいる状態をイメージすると分かりやすいかもしれませんね。

 

二重サッシを導入するメリット

二重窓(内窓)の一番のメリットは、窓と窓の間に生まれる大きな空気の層による高い「断熱効果」と「防音効果」です。

特に防音効果はペアガラスよりも高いと言われており、外の車の音やご近所の声が気になるときに大きな力を発揮します。

お子さんのお昼寝中も、お部屋が静かな環境になるのは嬉しいですよね。

もちろん断熱性もアップするので、結露の発生をぐっと抑え、カビ対策にも繋がります。

さらに、窓が二重になることで侵入に時間がかかるため、防犯面での安心感が高まるというメリットもありますよ。

 

「二重サッシ」「内窓」「二重窓」を設置する際の注意点

快適な二重窓ですが、設置する前に知っておきたい注意点もいくつかあります。

一番大きなポイントは、窓を開け閉めする際に、内側と外側の窓の2回操作が必要になることです。毎日のことなので、少し手間に感じるかもしれません。

また、窓が二重になる分、お掃除するガラス面が増えることも覚えておきましょう。

窓枠が室内側に出っ張る形になるため、見た目の印象が変わったり、カーテンの取り付け方に工夫が必要になったりする場合もあります。

ただ、慣れれば気にならないという方も多いので、ご家族のライフスタイルに合うか考えてみてください。

 

ペアガラス導入前にチェックすべきこと

※写真はイメージ(Adobe Stock/78art)

 

「よし、ペアガラスにしよう!」と決める前に、いくつか確認したい大切なポイントがあります。

実は、ガラスだけでなく窓枠(サッシ)の性能もとても重要で、熱を伝えやすいアルミサッシのままでは効果が半減してしまうことも。

窓だけ高性能にしても、おうち全体の断熱性能(UA値)とのバランスが取れていないと勿体ないです。

また、今お使いの窓の開閉方式によっては、取り付けられるガラスの種類が限られる場合もあります。

DIYで内窓を付ける方法も手軽ですが、こうした全体のバランスまで考えて最適な断熱効果を得るには、やはりプロの業者さんとしっかり相談して進めるのが安心への近道といえるでしょう。

 

ペアガラスに関するよくある質問(Q&A)

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Q1. ペアガラスは何年くらい持つの?

 A1. ペアガラス内部の空気層を密閉している部分の寿命が、だいたい10年~15年と言われています。

ガラスとガラスの間が曇ってきたり、内部で結露が起きたりしたら、交換のサインかもしれません。

 

Q2. ペアガラスに変える費用はいくら?

 A2. 窓の大きさやガラスの種類によって費用は大きく変わりますが、一般的な大きさの窓で数万円からが目安です。

国や自治体には、断熱リフォームに対する補助金制度(例:「先進的窓リノベ事業」など)があります。こうした制度を上手に活用すると、費用負担を抑えられます。

 

Q3. ペアガラスの防犯性は?

 A3. ガラスが2枚になるため、1枚ガラスよりは割るのに時間がかかり、防犯性は少し向上します。

ただし、防犯性を一番に考えるなら、2枚のガラスの間に特殊な膜を挟んだ「防犯ガラス」仕様のペアガラスを選ぶのが最も効果的です。

 

断熱窓リフォームは「ペアガラス」が第一歩!

※写真はイメージ(Adobe Stock/metamorworks)

 

お家の断熱性能を高めることは、冬暖かく夏涼しい快適な暮らしに繋がるだけでなく、光熱費の節約や家族の健康を守ることにも繋がります。

その中でも、窓ガラスを「ペアガラス」に交換する方法は、比較的取り組みやすく、効果を実感しやすい断熱改善策です。

まずはリビングや寝室など、一番長く過ごすお部屋の窓から見直してみてはいかがでしょうか。

窓からの断熱対策は、家族みんなが笑顔で過ごせる快適な暮らしへの大切な第一歩です。

 

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