ガレージハウスのメリット・デメリットは?気をつけたいポイントも解説

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ガレージハウスとは、住宅とガレージが一体となった住まいのことをいいます。昨今、愛車を大切にしたい車好きの方や、趣味の空間を持ちたいファミリー層を中心に人気が高まっているようです。雨の日でも濡れずに車に乗り降りできる、盗難対策になる、DIYやアウトドア道具の収納にも便利といった魅力が多くあります。
今回の記事では、ガレージハウスのメリット・デメリットはもちろん、実例や間取りのアイデア、建てる際の注意点などについてご紹介します。実用性と遊び心を兼ね備えた理想の住まいづくりのヒントにぜひご活用ください。

 

ガレージハウスとは?基本を知ろう

※写真はイメージ(Adobe Stock/Aleks Kend)

 

ガレージハウスとは、住宅とガレージが一体となった構造を持つ住まいのことをいいます。敷地内に独立した車庫を設けるのではなく、建物の一部にガレージスペースを組み込むことで、愛車を身近に感じられるのが最大の特徴です。

似た言葉に「ビルトインガレージ」がありますが、こちらは住宅の1階部分にガレージを組み込んだ形式を指すことが多く、ガレージハウスはそれを含んだより広い概念といえます。

建築スタイルもさまざまで、1階にガレージ+2階に居住空間を設けるタイプや、ガレージと住居が横に並ぶ平屋風のレイアウトなど、敷地条件やライフスタイルに応じて柔軟に設計できます。

まずはガレージハウスの基本を押さえて、自分たちに合ったガレージハウスのイメージを膨らませていきましょう。

 

ガレージハウスのメリット

ガレージハウスは、単なる車庫付き住宅ではなく、暮らしの快適さや防犯性、趣味の充実まで叶えてくれる住まいです。ガレージハウスには具体的にどんなメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。

 

愛車を風雨や日差しから守れる

※写真はイメージ(Adobe Stock/Zhao Na)

 

屋根付きのガレージに駐車することで、雨や雪、紫外線などのダメージから愛車をしっかり守ってくれます。屋外駐車に比べて塗装の劣化やボディの汚れが少なく、車のコンディションを長く保てるのが大きな魅力です。

高級車やこだわりの車種を所有する方にとっては、大切な資産を守る安心感があるようです。

 

天候に左右されずに車の出し入れができる

ビルトインタイプのガレージであれば、玄関や室内と直結しているケースが多く、雨や雪の日でも濡れずに車に乗り降りできます。

特に子ども連れや荷物が多いときにその便利さを実感しやすく、日常の小さなストレスを大幅に軽減してくれるでしょう。天候に左右されずに移動できる環境は、忙しい共働き世帯にも好評です。

 

防犯性が高まる

ガレージをシャッターやドアで密閉できる構造にすることで、盗難やいたずらなどのリスクを大幅に減らすことができます。夜間や留守中でも車やバイク、収納している道具類を安全に管理できるのは安心材料のひとつといえるでしょう。

オートロックや電動シャッターを活用すれば、より高い防犯性を確保できます。

 

買い物後の荷物の出し入れが楽

ガレージと室内がつながっている間取りなら、重たい買い物袋や荷物をすぐに家の中へ運び入れられるため、動線がとてもスムーズです。雨の日や大量買いした日でも、駐車→室内の移動が楽に行えるため、家事負担の軽減にもつながります。

特に小さなお子さんがいる家庭では、よりその使い勝手の良さを実感できるでしょう。

 

趣味の空間として活用できる

ガレージは「車を置くだけの場所」にとどまらず、趣味やこだわりを楽しむプライベート空間としても活用できます。DIY作業やバイクいじり、アウトドア用品の保管・整備など、多目的に使える自由度の高さが魅力のようです。

屋外とは違い、天候を気にせず作業できるため、休日がより充実した時間になるという声も聞かれました。

 

ガレージハウスの注意点・デメリット

※写真はイメージ(Adobe Stock/ELUTAS)

 

魅力たっぷりのガレージハウスですが、建築面や暮らしの中で注意すべき点もあります。理想の住まいを実現するためには、注意点やデメリットも事前に把握しておくことが重要です。

 

建築コストが高くなる傾向がある

通常の戸建て住宅に比べ、ガレージスペースの分だけ建築費用が上がる傾向があるようです。特にシャッターや電動開閉装置、床材や換気設備などにこだわるとコストがかさみやすく、予算オーバーの原因にもなります。

初期費用と今後の維持費を見据え、無理のない資金計画を立てることがポイントです。

 

建ぺい率や容積率の制約に注意

ガレージ部分も建物の一部として扱われるため、敷地面積に対する建ぺい率・容積率の計算に影響を与えます。

地域の用途地域や法規制によっては、思ったより広く建てられないケースもあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。特に都市部や狭小地では、間取りに工夫が求められます。

 

車の騒音・排気ガス問題

住宅の一部にガレージを組み込む構造のため、エンジン音や排気ガスが居住スペースに影響を与える可能性があります。

特に深夜や早朝の車の出入りが多い家庭では、家族や近隣への配慮が必要となるでしょう。断熱・防音対策や、ガレージと居室の間に仕切りを設けるなどの工夫で、快適さを保ちましょう。

 

居住空間が制限されやすい場合がある

限られた敷地内にガレージスペースを確保すると、その分だけリビングや収納などの居住スペースが圧迫されることがあります。間取りや動線を工夫しないと「車は置けるけど暮らしにくい」という本末転倒になってしまうケースもあります。

敷地の広さやライフスタイルに応じたバランスの取れた設計が求められます。

 

換気や排水などガレージの設備計画も重要

ガレージ内にこもる排気ガスや湿気を適切に処理するためには、換気扇や排水設備の整備が不可欠です。設計段階でこれらを軽視すると、カビや結露、においの原因になる可能性があります。

特にガレージハウスでDIY作業や洗車を行いたい場合は、排水計画やコンセントの配置など、細かい設備面にも配慮するといいでしょう。

 

実例で見る!ガレージハウスの間取りアイデア

※写真はイメージ(Adobe Stock/あんみつ姫)

 

ガレージハウスと聞くと、大きな敷地が必要と思われがちですが、実は限られたスペースでも工夫次第で快適な住まいが実現できます。ここからは、暮らしやすさと趣味を両立させた間取りのアイデアを実例をもとにご紹介します。

 

30坪の敷地でも可能なコンパクト設計

限られた敷地でも、1階をガレージと水まわりに、2階をLDKとする「縦の空間」を活かした設計にすれば、ガレージハウスは十分に実現可能です。

30坪ほどの土地でも車1台+収納+快適な居住空間を確保できるプランも増えており、都市郊外や地方都市でも取り入れやすくなっています。敷地条件に合わせた柔軟な設計がポイントのようです。

 

LDK直結のガレージで家事動線が良好

ガレージからそのままキッチンやリビングにアクセスできる間取りは、買い物帰りや子どもを連れての移動がスムーズで、家事効率もアップします。雨の日も濡れずに荷物を運べるだけでなく、宅配便や来客対応の際にも動線が整理されていて便利です。忙しい共働き世帯や子育て世代に人気の高い間取りといわれています。

 

趣味スペース付きのガレージ設計

ガレージの一角にワークベンチや棚を設け、DIY作業やバイク整備、アウトドア用品の手入れができる趣味スペースを設置するアイデアも注目されています。車を置くだけでなく「使う楽しみ」や「見せる楽しみ」を取り入れた設計は、ガレージハウスならではの醍醐味といえます。

好きなことに没頭できる自分だけの空間は、日々の暮らしをより豊かにしてくれるでしょう。

 

ガレージハウスが向いている人とは?

ガレージハウスは、すべての人にとって必要な住まいではありませんが、特定のライフスタイルや価値観を持つ人には理想的な選択肢になるでしょう。ガレージハウスが特にマッチする人の特徴をご紹介します。

 

車・バイクが生活の一部になっている人

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車やバイクを「移動手段」ではなく「趣味」や「人生の一部」と考えている人にとって、ガレージハウスは最高の環境です。メンテナンスのしやすさはもちろん、愛車を保管する安心感、そしていつでも眺められる満足感が得られます。

車に囲まれた暮らしを楽しみたい人にぴったりといえるでしょう。

 

家の中から車を眺めたい人

リビングやダイニングからガレージ内が見えるように設計することで、インテリアの一部として車を楽しめる住まいを実現できるでしょう。

お気に入りの一台を“見せるガレージ”として演出すれば、まさに「暮らしと趣味の融合」といえます。ガレージが心癒される空間へと変わります。

 

荷物が多く収納スペースを求める家庭

子育て中の家庭やアウトドア好きな世帯など、荷物が多くなりがちな家族にとって、ガレージは頼れる収納スペースになります。

ベビーカーやキャンプ用品、自転車など、外で使うものを室内に持ち込まずに済むのは大きなメリットといえます。家の中がすっきり片付きやすくなるでしょう。

 

雨の日の移動や防犯を重視する共働き世帯

忙しい毎日の中で、濡れずに車へアクセスできるガレージは、時間と体力の節約に役立つという声もあります。

また、シャッター付きであれば防犯性も高く、夜遅い帰宅や早朝の出発も安心です。子どもの送り迎えや大量の買い物がある共働き世帯にとって、機能的かつ安全な住まいのカギになります。

 

ガレージハウスを建てるときの注意点

※写真はイメージ(Adobe Stock/oka)

 

ガレージハウスを成功させるカギは、設計前からの丁寧な計画にあります。快適で後悔のない住まいにするために、建築時に気をつけたいポイントをチェックしておきましょう。

 

土地選びの段階で車の出入りを想定する

ガレージの使いやすさは、建物そのものだけでなく、敷地の条件によっても左右されます。前面道路の幅や傾斜、隣家との距離などによって、車の出し入れがしにくくなるケースもあるようです。

土地探しの段階から「どこにガレージを配置するか」「車の動線は確保できるか」を具体的にイメージしておくことが大切です。

 

開口部や電動リモコンの有無

シャッターの種類や開閉方式も、日々の使い勝手に直結する重要な要素です。手動と電動の違いだけでなく、引き戸タイプや巻き上げ式など種類によって設置条件も異なります。

防犯性や静音性、メンテナンス性も含めて、ライフスタイルに合った仕様を選ぶようにしましょう。

 

換気扇や排水計画も忘れずに

ガレージ内での排気ガスや湿気の滞留を防ぐためには、換気扇の設置が不可欠です。

また、洗車やDIYで水を使う可能性がある場合は、排水の位置や勾配も考慮する必要があるでしょう。快適に長く使える空間にするには、こうした設備面の細やかな設計が重要になります。

 

将来的な家族構成変化に備えた柔軟性も考慮

ガレージハウスは長く住む家だからこそ、将来のライフスタイルの変化にも対応できる設計が求められます。

例えば、子どもが成長して車をもう一台所有するようになったり、ガレージを物置や趣味部屋に転用したくなることもあるかもしれません。間仕切りや電源位置などを工夫しておけば、将来的なアレンジがしやすくなるでしょう。

 

知っておきたい!ガレージハウスと固定資産税のこと

※写真はイメージ(Adobe Stock/Pug)

 

ガレージハウスを建てる際は、固定資産税の仕組みについても理解しておくことが大切です。実は、ガレージ部分には建築基準法による「緩和措置」があり、床面積の5分の1までであれば延べ床面積に算入されないというメリットがあります。固定資産税の課税額に影響するため、設計時に押さえておきたい重要なポイントです。

ガレージの広さを検討する際は、「車がしっかり駐車できるか」という実用面だけでなく、「延べ床面積に対する割合はどうか」といった法的・税制的な視点も加えて、バランスの取れたプランを立てましょう。

なお、固定資産税の算出は各自治体で行っています。気になることがある場合は、自治体に確認してみるといいかもしれません。

 

【まとめ】ガレージハウスで暮らしの質が変わる

※写真はイメージ(Adobe Stock/buritora)

 

今回の記事では、ガレージハウスの魅力や注意点、間取りの工夫まで、幅広くご紹介しました。ガレージハウスは、単なる車の保管場所にとどまらず、実用性とライフスタイルを両立できる住まいとして、多くの人の暮らしを豊かにしてくれます。特に、愛車との暮らしを大切にしたい方にとっては、日々の満足度が大きく高まる選択肢になるでしょう。

そうはいっても、設計や設備の工夫が必要な分、計画不足による後悔の声も少なくありません。後悔しないためには、早い段階から情報を集め、将来を見据えた住まいづくりを意識することが何より大切です。理想の暮らしを実現するために、ガレージハウスという選択肢を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。



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