【夫婦で納得】家づくりの主導権はどう決める?モメないための賢い進め方
※写真はイメージ(Adobe Stock/buritora)
「家づくりは楽しいはずなのに、意見が合わない…」このように感じる夫婦は意外と多いのではないでしょうか?
理想の住まいをカタチにする家づくり。でも実際に始めてみると、「間取りやデザインで意見がぶつかる」「どちらが主導するのかで揉める」といったトラブルに直面するケースも少なくないようです。主導権の持ち方ひとつで、家づくりの満足度や夫婦関係にまで影響が出ることもあるかもしれません。
今回の記事では、「家づくりの主導権=一方がすべてを決める」ではなく、夫婦で納得して進めるための“役割分担”という考え方を中心に、タイプ別の進め方やモメないコツなどについてご紹介します。
家づくりの主導権をめぐって起こりがちなトラブルは?
「理想のマイホームをつくりたい」という想いは同じでも、細かなこだわりや価値観は夫婦で異なるものでしょう。家づくりでは意見の食い違いが多発し、それが“主導権争い”の火種(ひだね)になることもあります。特にトラブルになりやすいポイントを具体的に見てみましょう。
夫婦で意見が割れやすいケース
※写真はイメージ(Adobe Stock/naka)
間取りや動線の希望が食い違う
妻は「家事のしやすさ」や「収納の多さ」を重視する一方で、夫は「開放感のあるLDK」や「外観デザイン」にこだわるなど、理想の暮らし像がズレているケースはよくあります。どちらの視点も大切だからこそ、優先順位をすり合わせないまま進めると、後々まで尾を引く不満になってしまうことがあるようです。
インテリアやデザインの好みが違う
「木のぬくもりを感じられるナチュラルテイストが好きな妻」と、「シンプルでモダンなスタイルを好む夫」など、インテリアの方向性で対立することもあるかもしれません。色使いや素材選び、照明の雰囲気など、細部まで意見が割れるため、打ち合わせが進まなくなったという声も聞かれました。
予算の配分に対する意識の差
予算の配分をめぐっても、夫婦の考え方に違いが出やすいポイントです。
例えば、夫は「断熱性や耐震性など、家の基本性能にしっかりお金をかけたい」と考える一方で、妻は「お気に入りの家具や造作収納など、内装にこだわりたい」と思っていることもあるようです。何にどれだけ予算を使うかの優先順位がズレていると、話し合いがスムーズに進まず、ストレスや対立の原因になってしまいます。
情報収集・意思決定のスピード差
「SNSや住宅展示場で積極的に情報収集して、すでに理想の家のイメージが固まっている妻」と、「一つひとつを慎重に吟味したい夫」では、話し合いのテンポにズレが生じやすく、意見がまとまりにくくなることもあるようです。片方だけがどんどん決めてしまうと、もう一方の不満が募る原因になります。
土地探しや建築会社選びで意見が割れる
「妻は実家の近くに住みたい」「夫は職場に近い場所がいい」など、土地の希望が合わないケースや、「ローコスト住宅で十分」「こだわりの注文住宅にしたい」といった住宅会社の方針で対立することもあります。家づくりのスタート段階でのズレは、長期的なモヤモヤにつながりやすい部分といえるでしょう。
ライフプランや将来設計の違い
「子どもは3人欲しいから個室を多めに」「夫婦2人暮らしだからコンパクトでいい」など、将来をどう描くかによって、必要な間取りや設備への考え方も変わります。家づくりが「将来のすり合わせ」の場になることもあり、価値観の違いが浮き彫りになるタイミングになってしまうかもしれません。
よくある「後悔ポイント」
家づくりを進める中で多くの夫婦が直面するのが、「どちらが最終的な決定権を持っているのか」が曖昧なまま進めてしまうことです。はっきりと役割を決めないまま話を進めると、どちらか一方が「知らないうちに決まっていた」と不満を感じてしまうケースも少なくありません。
また、相談をせずに一方的に物事を決めてしまったり、意見がぶつかったときに感情的になって議論が平行線をたどってしまったりといった状況も、「あのときもっとちゃんと話しておけばよかった…」という後悔につながる大きな要因です。このようなポイントを事前に意識しておくことで、余計なトラブルを防ぐことができるでしょう。
家づくりで起こりがちなトラブル
夫婦間の意見のズレや主導権をめぐる対立が続くと、家づくりそのものに支障をきたすことがあるようです。
例えば、話し合いがうまく進まずスケジュールが遅れたり、優先順位の整理ができないまま進めてしまって予算がオーバーしたりといったトラブルが発生しやすくなります。
また、そうして完成した家に対して「本当にこれでよかったのかな」と納得感が持てず、後悔を抱えてしまうこともあるようです。最悪の場合、家づくりを通じて夫婦関係そのものが悪化してしまうケースもあるため、慎重な話し合いや役割分担の工夫が必要です。
家づくりの「主導権」うまくいくポイントは?
※写真はイメージ(Adobe Stock/takasu)
家づくりをスムーズに進めるには、「どちらが主導するか」をはっきりさせるよりも、「どうすればお互いに納得できる形で決めていけるか」が大切な視点になります。
主導権=一方が全てを決めることではなく、夫婦それぞれの強みを活かした“分担”こそが、モメずに理想の家を実現するカギです。ここからは家づくりの主導権の考え方をご紹介します。
「得意分野を分担」するとスムーズに
主導権というと「最終決定権を誰が持つか」と考えがちですが、家づくりは多岐にわたる要素の組み合わせです。
例えば、デザインや間取りに興味がある人がその分野をリードし、数字や契約ごとが得意な人が資金管理を担うなど、それぞれの得意分野を活かして役割を分担すると、自然と納得感のある話し合いができるようになるでしょう。
役割を明確にする
家づくりには、金銭管理、間取りやデザインの検討、情報収集、工務店やハウスメーカーとのやり取りなど、さまざまな作業があります。最初に「どちらが何を担当するか」を明確にしておくことで、意見の衝突や責任の押し付け合いを防ぎやすくなります。明確な役割分担は、夫婦間の信頼感や連携力を高める効果もあるようです。
話し合いながら進める
家づくりでは「誰が主導するか」よりも、「どのように話し合って進めるか」がもっとも重要です。一方的に決めてしまうのではなく、お互いの考えを尊重しながら進めることで、どちらかが我慢するような形にならず、完成後の満足度も高まるでしょう。定期的に話し合いの時間を設けることで、認識のズレや不満も早めに解消できます。
【タイプ別】家づくりの主導権はこう考える!スムーズな進め方
※写真はイメージ(Adobe Stock/taka)
家づくりを進めるうえで、夫婦それぞれの性格やスタンスによって「主導権」の持ち方も変わってきます。よくある4つのタイプ別に、家づくりをうまく進めるためのポイントをご紹介します。
1. 夫婦のどちらかが「主導権を強く握りたいタイプ」
家づくりに強いこだわりがある方が、どんどん主導して進めたくなるパターンです。この場合、もう一方のパートナーが置いてきぼりにならないよう、こまめに意見を聞いたり共有することが大切。たとえば、「週1回は家づくりの進捗を一緒に話す時間をつくる」といったルールを決めておくと、バランスよく進めやすくなるでしょう。
2. 夫婦ともに「こだわりが強く譲れないタイプ」
「どちらも理想があって譲れない!」そんな夫婦は、まずお互いの希望をリストアップして、優先順位を整理してみましょう。「絶対に叶えたいこと」と「できれば叶えたいこと」を分けるだけでも、話し合いがスムーズになります。
また、設計士や営業担当など、プロの第三者を交えて話すと客観的に整理できることもあるでしょう。
3. どちらかが「家づくりにあまり関心がないタイプ」
片方が「好きにしていいよ」と丸投げしてしまうケースも少なくありません。あとで「こんなつもりじゃなかった…」と不満につながることもあるようです。一緒にモデルハウスを見に行ったり、SNSの施工事例をシェアしたりして、少しずつ興味を持ってもらう工夫をするといいでしょう。具体的な役割を渡すことで、自然と当事者意識が育ちます。
4. 夫婦で「対等に協力したいタイプ」
どちらかが引っ張るというより、一緒に考えて進めたいスタンスのご夫婦は、理想的なチームタイプといえるでしょう。そうはいっても、「誰が何を担当するか」「どうやって決めるか」など、ルールを決めておかないと曖昧になってしまいます。定期的に“家づくりミーティング”をして情報を共有しながら、必要に応じてどちらかがリードする柔軟さも忘れないようにしましょう。
家づくりでモメないための話し合い方&コツ
※写真はイメージ(Adobe Stock/buritora)
せっかくの家づくりが、夫婦喧嘩の原因になってしまっては本末転倒です。大切なのは、お互いの考えをきちんと伝え合い、納得しながら進めることです。ここでは、モメごとを防ぐための話し合いのコツを見てみましょう。
最初に「譲れない点」をお互い明確にする
話し合いを始める前に、お互いが「ここだけは譲れない」というポイントを出し合っておくと、後々の衝突を防ぎやすくなります。「収納はたっぷり欲しい」「外観はシンプルにしたい」など、事前に優先順位を共有しておけば、妥協すべき部分も見えてきて、スムーズに決定しやすくなるでしょう。
意見がぶつかったときの解決法
夫婦で考え方が合わないときは、無理にどちらかが我慢するよりも、第三者の意見を入れるのが効果的です。
例えば、設計士や営業担当などのプロに相談してみたり、気になる選択肢を比較検討してメリット・デメリットを整理したりすることで、冷静に納得できる判断がしやすくなるでしょう。
話し合いの頻度と記録の取り方
「その場では決まったはずなのに、後で話がズレてる…」ということを防ぐためにも、話し合いの頻度と内容の記録はとても大切です。週1回など定期的に家づくりについて話す時間を取り、簡単なメモや共有リストに残しておくと、決定事項の確認やスケジュール管理にも役立つでしょう。
よくある質問(Q&A)
※写真はイメージ(Adobe Stock/hogehoge511)
家づくりに関しては、実際に進めていくなかで「これってどうしたらいいの?」と迷う場面も多いでしょう。ここでは、主導権や夫婦間のコミュニケーションにまつわるよくある質問とその答えをご紹介します。
Q. 主導権は夫が持つべき?それとも妻?
- 「どちらが持つべき」という明確な正解はありません。大切なのは「どちらか一方が決める」のではなく、「お互いの意見を尊重しながら、分担して進める」ことです。得意なことや関心のある分野を活かして、それぞれの役割を持つのが理想的といえるでしょう。夫婦が対等な立場で関わることが、後悔しない家づくりにつながります。
Q. 喧嘩ばかりで家づくりが進まないときはどうすれば?
- 意見がぶつかるのは、どちらも真剣に考えている証拠ともいえます。ただし感情的になりすぎると、本来の目的が見えにくくなります。
まずは冷静に話し合える時間を設けて、お互いの「譲れないこと」「妥協できること」を整理してみましょう。どうしてもまとまらない場合は、設計士など第三者の視点を入れてみるのもいいかもしれません。
Q. 業者が一方の意見ばかり聞いてくるのが気になる…
- 打ち合わせ中、どちらか一方の意見ばかりを業者が汲んでしまうと、不満や誤解が生じてしまうかもしれません。「2人で決めたいことなので、両方の意見を聞いてください」とあらかじめ伝えておくことが大切です。
また、話し合った内容を夫婦で共有したり、事前に意見をまとめておくことで、バランスの取れたコミュニケーションがとりやすくなります。
【まとめ】主導権より「納得感」のある家づくりを目指して
※写真はイメージ(Adobe Stock/AKI)
今回の記事では、夫婦で納得して家づくりを進めるための考え方や、夫婦のタイプ別の進め方、モメないための話し合いのコツなどをご紹介しました。家づくりでは「誰が主導するか」にこだわるよりも、「2人で納得して決める」ことが何よりも大切です。そのためには、お互いの意見を尊重し合いながら、得意分野に応じて役割を分担し、無理のないペースで進めていくことが成功のカギになるでしょう。
関連記事:「家づくりのスケジュール【完全ガイド】期間と流れを徹底解説」
関連記事:「家づくりの準備は何から始める?失敗しないための段取りと注意点」
関連記事:「夫婦で考える【将来の家のこと】事前に話し合うべきポイントは?」
関連記事:「夫婦の家づくり、まず何から始めるべき?理想の住まいを叶えるポイント」