夫婦の家づくり、まず何から始めるべき?理想の住まいを叶えるポイント

※写真はイメージ(Adobe Stock/naka)

 

家づくりは、多くの夫婦にとって一生に一度の大きな買い物。夢が膨らむ一方で、「何から始めたらいいの?」「夫婦で意見が合わなかったらどうしよう…」といった不安や疑問が生じるものです。

特に共働きで忙しい毎日を送る若い世代の夫婦にとっては、時間的な制約も加わり、そのプレッシャーは大きいでしょう。

しかし、安心してください!

家づくりは、正しい順序で進め、夫婦間のコミュニケーションを大切にすれば、必ず成功させることができます

この記事では、家づくりを成功に導くための具体的な進め方、夫婦で話し合うべき重要なポイント、後悔しないためのコツ、そして共働き夫婦に役立つ間取りのアイデアまで、幅広く解説します。

まずはここから!家づくり前に夫婦で話し合うべきこと

家づくりを始めるにあたり、何よりもまず夫婦間でじっくりと話し合う時間を設けることが不可欠です。

初期段階での対話が、その後のプロセス全体をスムーズに進め、後悔のない家づくりを実現するための土台となります。

 

お互いが大事にしたい価値観や暮らし方

家は、家族が多くの時間を過ごす場所。だからこそ、お互いがどのような暮らしを理想とし、何を大切にしたいのか、その価値観を深く共有することが第一歩です。

「駅の近くがいい」「自然豊かな環境がいい」といった具体的な要望の裏には、例えば「通勤時間を短縮して家族との時間を増やしたい」「子どもをのびのびと遊ばせたい」といった、より本質的な願いが隠れていることがあります。

日々のルーティン、休日の過ごし方、そして「我が家」という言葉からそれぞれが何を連想するのか、といった点について話し合ってみましょう。

例えば、「理想の日曜日の朝の過ごし方は?」「この家づくりで一番不安なことは何?」といったオープンな質問を投げかけることで、お互いの心の奥にある希望や心配事が明らかになることがあります。

この「なぜそうしたいのか」という理由の部分を理解し合うことが、お互いが本当に求める家づくりを可能にします。

 

譲れる条件・譲れない条件の洗い出し

家づくりでは、予算や土地の制約などから、すべての希望を叶えることは難しいのが現実です。

そこで、それぞれが「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたいが、妥協も可能な条件」をリストアップし、優先順位を明確にしておくことが大切です。

まず各自でリストを作成し、その後、夫婦で見せ合いながら話し合います。この作業を通じて、お互いの「こだわりポイント」が明確になり、どこで妥協点を見出すべきか、建設的な議論ができるようになります。

 

将来設計の確認

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家づくりでは、現在だけでなく10年後、20年後の変化を見据えた計画が重要です。

将来子どもを何人望むかによって必要な部屋数や間取りが変わるため、国土交通省の「誘導居住面積水準」などを参考に適切な広さを検討してみましょう。

また、リモートワークの可能性も含めた働き方の変化を考慮し、ワークスペースの必要性も検討が必要です。

お互いの実家との距離感についても、子育てサポートを期待するか適度な距離を保つかなど、夫婦で考えをすり合わせておくことが大切です。

さらに、この家にどのくらい住むか将来の住み替えや親との同居老後のことまで長期的に考えておくと、より柔軟な選択ができます。

話し合いを通じて夫婦の共通認識を形成し、家づくりという目標に向かう基礎を築きましょう。

参考:国土交通省|「誘導居住面積水準」

 

家づくりの流れと全体像を把握しよう

家づくりは多くのステップから成り立っており、その全体像を把握しておくことは、不安を軽減し、夫婦で協力して計画的に進めるために非常に重要です。

特に共働きのご夫婦にとっては、限られた時間の中で効率的に動くためにも、各フェーズで何が行われ、どのような協力が必要になるのかを解説します。

 

家づくりのステップを時系列で紹介

一般的な注文住宅の家づくりは、以下のような流れで進むことが多いです。

1.情報収集と目標設定

まずは、どんな家を建てたいのか、具体的なイメージを膨らませることから始めます。住宅展示場のモデルハウスを見学したり、インターネットや雑誌で情報を集めたりしながら、前項で話し合った夫婦の価値観や将来設計に基づいて、家づくりの目標を明確にします。

 

2.資金計画

家づくりで最も重要な要素の一つが資金計画です。自己資金はいくら用意できるのか、住宅ローンはいくら借りられるのかを把握し、無理のない予算を設定します。

建物本体の費用だけでなく、土地取得費用、諸経費、引越し費用、家具・家電購入費用なども含めた総予算を考えることが大切です。

この予算設定は、後のすべての選択肢に影響を与えるため、できるだけ早い段階で夫婦でしっかりと話し合い、合意しておくことをおすすめします。

 

3.建築会社(ハウスメーカー・工務店)選び・土地探し

予算と希望エリアが決まったら、土地探しと建築会社探しを始めます。

立地条件(通勤・通学の利便性、周辺環境、日当たりなど)は、生活の質に大きく影響します。

土地探しは時間がかかることも多いため、住宅会社に相談・依頼することも一つの方法です。

また、土地が決まったら、あるいは土地探しと並行して、家を建ててもらう建築会社を選びます。

各社の特徴や得意な工法、デザイン、価格帯などを比較検討し、自分たちの理想を形にしてくれそうなパートナーを見つけましょう。

 

4.設計・間取りプランの作成

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建築会社と契約後、具体的な設計プランを作成していきます。部屋の配置、広さ、動線、収納、窓の位置、内外装のデザイン、設備の仕様など、細部にわたって決めていきます。

この段階で、夫婦の希望をしっかりと伝え、納得いくまで打ち合わせを重ねることが重要です。

 

5.各種契約・申請

設計プランが固まったら、工事請負契約を結びます。その後、建築確認申請などの法的な手続きが行われます。

 

6.着工・工事

いよいよ工事が始まります。基礎工事から始まり、棟上げ、内外装工事と進んでいきます。工事期間中も、可能であれば現場を訪れ、進捗状況を確認すると良いでしょう。

 

7.各種検査・完成

建物が完成すると、完了検査が行われます。

施主自身も立ち会い、図面通りに仕上がっているか、不具合がないかなどを細かくチェックします。

 

8.引き渡し・入居

すべての検査が終わり、問題がなければ建物の引き渡しを受け、新しい生活がスタートします。

 

それぞれの段階で夫婦が協力すべきポイント

家づくりの各フェーズにおいて、夫婦がどのように協力し、情報を共有するかが成功の鍵となります。

 

情報収集段階

※写真はイメージ(Adobe Stock/metamorworks)

 

モデルハウスやショールームには、できるだけ夫婦揃って足を運びましょう

それが難しい場合でも、集めた情報や感じたことはこまめに共有し合うことが大切です。

SNSやアプリなどを活用して、お互いの好みのイメージを共有するのもおすすめです。

 

資金計画段階

お互いの収入や貯蓄状況をオープンにし、将来の収支バランスも考慮しながら、共に納得できる予算計画を立てます。

住宅ローンの選択についても、メリット・デメリットを理解した上で、どちらか一方に任せきりにせず、一緒に決定することが望ましいです。

 

土地探し・建築会社選び段階

希望条件を共有し、手分けして情報収集を行ったり、一緒に見学に行ったりと、協力して進めましょう。

 

設計・打ち合わせ段階

ここは最も夫婦の協力が求められるフェーズです。重要な打ち合わせにはできるだけ二人で参加し、その場で疑問点を解消し、意見をすり合わせます。

どちらか一方しか参加できない場合は、決定事項や話し合った内容を必ずもう一方に詳細に伝え、認識のズレがないようにします。

意見が対立した場合は、事前に決めた「譲れない条件」に立ち返ったり、担当者に相談したりしながら、解決策を見つけていきましょう。

場合によっては、特定の分野(例:キッチン周りは妻、外観は夫)で主導権を分担するのも一つの方法です。

 

工事期間中

 夫婦で定期的に進捗を共有し、気になる点があれば速やかに建築会社に確認します。

 

夫婦で後悔しない家づくり4つのポイント

一生に一度の大きな買い物である家づくり。せっかく建てるなら、何年経っても「この家にしてよかった」と思える、後悔のない選択をしたいものです。

そのためには、目先のデザインや流行だけでなく、長期的な視点や日々の暮らしやすさを考慮することが大切です。

 

1. 10年後・20年後も見据えて設計する

家は長く住み続けるものですから、現在のライフスタイルだけでなく、10年後、20年後の家族構成や生活の変化を予測して設計することが重要です。

子どもの誕生や成長、独立、親との同居など、家族の形は時間と共に変化します。例えば、子どもが小さいうちは広いプレイルームとして使い、成長したら間仕切りをして個室にするといった可変性のある間取りが有効です。

また、将来的な介護の可能性も考慮し、1階に寝室を設けたり、水回りをバリアフリー仕様にしておくことも検討に値します。

働き方の変化や趣味の多様化にも対応できる工夫や、段差を少なくする、手すりを設置しやすい下地を入れておくなど、ユニバーサルデザインの要素を取り入れることも長期的な快適性につながります。

将来の不確実性に完璧に備えることは難しいかもしれませんが、ある程度の変化に対応できる「余白」や「柔軟性」を設計に盛り込んでおくことが、後悔しないためにできることでしょう。

 

2. デザインよりも生活の快適さを優先

※写真はイメージ(Adobe Stock/VERTEX SPACE)

 

美しいデザインやおしゃれな空間は魅力的ですが、日々の生活の快適さを支えるのは、実はもっと地味な要素です。見た目の良さだけでなく、実際に暮らしてみての使いやすさを優先することが、満足度の高い家づくりにつながります。

特に共働き夫婦にとって、家事の効率は重要な課題です。キッチン、洗濯スペース、物干し場、クローゼットなどがスムーズにつながる動線は、日々の家事負担を大きく軽減します。

収納についても「量」だけでなく「質」と「配置」が重要です。どこに何を収納するのかを具体的に計画し、使う場所の近くに使いやすい形で設けることがポイントです。

「とりあえずたくさん収納を作っておけば安心」という考えは、かえって使いにくいデッドスペースを生む原因にもなりかねません。

機能性を重視した設計が、長期的な住み心地を左右するのです。

 

3. 維持管理やメンテナンス性の考慮

新築時の美しさを長く保ち、将来的な修繕費用を抑えるためには、維持管理のしやすさ、つまりメンテナンス性も重要な選択基準です。

外壁や屋根、床材、水回りの設備などは、初期費用だけでなく、耐久性や清掃のしやすさ、将来的なメンテナンスコストも考慮して選びましょう。

例えば、汚れがつきにくく耐久性の高い外壁材を選ぶことで、塗り替えの頻度を減らすことができます。

ただし「メンテナンスフリー」と謳われる素材でも、全く手入れが不要なわけではありません。定期的な点検や清掃は必要であり、その手間やコストも理解しておく必要があります。

日々の掃除が楽になるような素材選びや設計も、忙しい夫婦には重要なポイントです。

また、将来的に配管や電気系統の修理が必要になった場合に備え、点検口を設けたりアクセスしやすい設計にしておくと、修繕費用を抑えられることもあります。

初期費用だけでなく、長期的な視点で素材選びを行うことが賢明です。

 

4. 外構や家具の費用も含めたトータル予算を管理

家づくりにかかる費用は、建物本体だけではありません。駐車場、門扉、フェンス、庭などの外構費用、そして新しい家に合わせた家具やカーテン、照明、家電製品の購入費用も大きな割合を占めます。

これらの費用を見落としていると、建物が完成してから予算オーバーに気づき、慌てて妥協したり、ローンを追加したりすることになりかねません。

家づくりを始める段階で、これらの費用も全て含めた「トータル予算」をしっかりと把握し、計画的に資金を配分することが、後悔を防ぐために非常に重要です。

「この家はいくらで買えるか」だけでなく、「この家で何年も快適に暮らすためにトータルでいくらかかるのか」という「ライフサイクルコスト」の視点を持つことが、大切です。

 

共働き夫婦が知っておくべき「間取り」成功のコツ

共働き夫婦にとって、家は安らぎの場であると同時に、日々の生活を効率的にこなすための基地でもあります。

限られた時間の中で家事や育児、仕事と向き合うためには、間取りの工夫が欠かせません。

ここでは、共働き夫婦が「あってよかった!」と実感できる間取りのコツをご紹介します。

 

家事動線の効率化が重要

忙しい毎日を送る共働き夫婦にとって、家事の時間短縮は重要ポイントです。そのため、間取りを考える上で「家事動線」の効率化は最優先事項と言えるでしょう。

忙しい朝や夜にバタバタしないためには、キッチンから洗面、ランドリー、物干しまでを1か所にまとめた「回遊動線」が効果的です。家の中を行き止まりなく回れるこの動線により、料理をしながら洗濯機を回すといった「ながら家事」がしやすくなり、家事効率が格段にアップします。

洗濯については、洗う、干す、畳む、しまうという一連の作業を1ヶ所で完結できる「ランドリールーム」の設置が時短効果抜群です。天候に左右されない室内干しスペースは、共働き家庭にとって特に重宝します。

また、買い物帰りの動線も重要で、玄関近くにパントリーやキッチンがあると、重い荷物を持って長く移動する必要がなく、日々の小さなストレスを軽減できます。

 

収納は“多さ”より“配置”がカギ

※写真はイメージ(Adobe Stock/Balica)

 

「収納はたくさんあればあるほど良い」と思いがちですが、実は「どこに」「何を」収納するかの「配置」こそが、使いやすさを左右する重要な鍵となります。共働き夫婦の効率的な生活を支えるのは、「家事で立ち止まらない収納」です。

使う場所に収納を作ることが基本原則です。玄関収納では靴だけでなく、ベビーカーやコート、通勤カバンをまとめて収納でき、外出時や帰宅時の動線がスムーズになります。

リビング収納では書類やリモコン、子どものおもちゃなど細々としたものを使う場所に合わせて収納することで、常に整理整頓された快適な空間を保てます。

脱衣所にはタオルや下着、パジャマなど入浴関連のものをまとめ、キッチン近くにパントリーを設ければ食料品や日用品の在庫管理も楽になります。

収納計画で失敗しないためには、「とりあえず収納スペースを作る」のではなく、「何をどこにどれだけ収納したいのか」を具体的にシミュレーションすることが大切です。

 

ワークスペースの確保

近年、在宅勤務が増えつつあり、夫婦どちらか、あるいは両方が自宅で仕事をする可能性も視野に入れた間取りが求められています。

夫婦どちらかが在宅勤務になる可能性も考慮し、「書斎」や「ワークスペース」など個室または半個室を検討することが重要です。

集中して作業したい場合は独立したスペースが理想的で、オンライン会議が多い場合は音漏れにも配慮した設計が良いでしょう。

スペースが限られている場合は、リビングの一角や寝室に半個室のようなワークコーナーを設けるのも一案です。

リビング内のワークカウンターは、子どもの宿題や家計管理にも使える多用途スペースとして有効です。

家族の気配を感じながら作業できるメリットがある一方、集中しにくいという側面もあります。

夫婦ともに在宅勤務の可能性がある場合は、それぞれが快適に仕事ができるよう、二つの独立したワークスペースを確保するか、時間差で利用できるような工夫が必要です。

 

子育てしやすい間取り

将来的に子どもを考えている夫婦にとっては、子育てのしやすさも間取り選びの重要なポイントです。

キッチンからリビング全体が見渡せる「対面キッチン」や「アイランドキッチン」は、家事をしながら子どもに目が届く配置で、精神的にも安心です。

料理や片付けをしながらリビングやダイニングで遊ぶ子どもの様子を常に把握でき、子育て世代に人気の間取りとなっています。

また、家族が自然と顔を合わせる機会が増える「リビング階段」も、見守りやすく、コミュニケーションを育む間取りとして注目されています。ただし、冷暖房効率や音の問題も考慮が必要です。

子どもが安全に遊べるプレイスペースを、大人の目が届きやすい場所に確保することも大切で、家事をしながらでも常に子どもの安全を見守れる配置が、忙しい子育て世代の負担を軽減してくれます。

 

寝室と生活空間のゾーニング

夫婦で生活リズムが異なる場合や、静かに休みたい場合には、寝室とリビングなどの生活空間を明確に分ける「ゾーニング」が有効です。

生活リズムが異なる場合、寝室と生活音が分離されているとストレス軽減につながります。

例えば、一方が夜勤で日中に睡眠をとる場合、生活音が寝室に響かないような配置が求められます。寝室とLDKの間にクローゼットや廊下を挟むことで、音の伝わりを軽減できます。

2階寝室と1階リビングという基本的な配置に加え、将来子ども部屋とのバランスも考慮することが大切です。

子どもが小さい頃は親の寝室の近くに、成長したらプライバシーを確保できる位置に子ども部屋を配置するなど、将来的な変化を見据えた計画が必要です。

音の問題は日常的なストレスにつながりやすいため、間取り段階での十分な検討が重要といえるでしょう。

 

時短とストレスフリーのための仕掛け

日々の暮らしを少しでも楽にするためには、間取りだけでなく、設備面の工夫も効果的です。

自動水栓、食洗機、浴室乾燥機など、時短家事を叶える設備を積極的に取り入れることで、家事の負担を大幅に軽減できます。

また、ロボット掃除機が使いやすい床材や段差の少ない設計など、設備と間取りを連動させた計画が重要です。

キッチンでは、シンク・コンロ・冷蔵庫を結ぶ「ワークトライアングル」を意識した配置や、夫婦二人で作業してもぶつかりにくい通路幅(100cm〜110cm程度が理想)の確保も、使いやすさを向上させます。

共働き夫婦の家づくりでは、お互いのライフスタイルや価値観を尊重し、家事や育児を協力して行えるような「チームとして機能する家」を目指すことが大切です。

時短家事を叶える間取りと設備のセット提案により、忙しい日常を支える住まいが実現できるでしょう。

※関連記事:夫婦二人暮らしにちょうどいい間取りは?人気のタイプと失敗しない選び方

 

【意見が合わないときの対処法】夫婦げんかを防ぐコミュニケーション術

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家づくりは、夫婦にとって大きな共同作業ですが、決めることが多岐にわたるため、意見が衝突することも少なくありません。

しかし、意見の対立は必ずしも悪いことではなく、お互いの考えをより深く理解し、より良い家を創り上げるためのステップと捉えることもできます。

大切なのは、感情的にならず、建設的なコミュニケーションを心がけることです。

 

よくあるすれ違いの例

家づくりにおいて夫婦間で意見が分かれやすいポイントとして、まずキッチンの高さや広さ、食洗機などの設備、デザインといった毎日使う場所への強いこだわりが挙げられます。

また家事の分担や効率性に対する考え方の違いから、家事動線や収納の配置について意見が食い違うことも多くあります。

さらに外観のスタイルや内装のテイスト、インテリアといった美的感覚の違いも衝突の原因となりやすく、どこにお金をかけるかという予算配分でも対立が生じがちです。

間取りについても書斎やゲストルーム、子ども部屋の必要性など、ライフスタイルや将来設計に関する考え方の違いが表面化することがあります。

これらのすれ違いは冷静に考えれば大きな問題ではないことも多いのですが、家づくりへの期待やプレッシャーからつい感情的になりやすいものです。

 

喧嘩になる前にできる対策

意見の衝突が深刻な喧嘩に発展する前にできる対策として、まず事前に希望を整理・可視化することが重要です。

各自が家づくりに対する要望をリストアップしたり、好きなデザインの写真を集めてムードボードを作成したりすることで、自分の考えを明確にし、相手にも伝わりやすくなります。

また話し合いのルールを決めておくことも効果的です。「相手の話は最後まで聞く」「感情的に否定しない」「『私はこう思う』と主語を自分にする」といった基本ルールを設け、話し合う時間もあらかじめ決めておくと建設的な議論ができます。

さらに決定権の分担を検討し、キッチン周りは妻、外観デザインは夫といった具合に特定分野の主担当を決めるのも有効です。

そして家づくりで揉めやすい予算については、最初に総予算の枠組みをしっかり決めることで選択肢が絞られ、対立を防げます。

 

共通の目的を意識することの大切さ

意見がぶつかった時こそ、家づくりの「共通の目的」に立ち返ることが重要です。

それは、「家族みんなが幸せに、快適に暮らせる家を建てる」ということではないでしょうか。

目の前の意見の相違に囚われず、この大きな目標を共有することで、お互いに歩み寄る気持ちが生まれやすくなります。

 

ハウスメーカーなど第三者の意見を挟む

夫婦間での話し合いが行き詰まった場合は、ハウスメーカーの担当者や設計士、インテリアコーディネーターといった第三者の意見を聞くことがおすすめです。

専門家は多くの事例や知識に基づいて客観的なアドバイスをしてくれるため、感情的になりがちな夫婦間の議論に冷静な視点で、新たな解決策や妥協点を見つけ出す手助けをしてくれます。

単に「これが欲しい」という立場を主張するだけでなく、「なぜそれが欲しいのか」という背景にある関心事を伝えることで、相手の理解を得やすくなり、より建設的な話し合いができるでしょう。

 

家づくりは【夫婦の絆を深めるチャンス】

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家づくりは多くの決断と時には意見の衝突を伴う長い道のりですが、実は夫婦がお互いの価値観を深く共有し、信頼関係を強くする絶好の機会でもあります。

共通の目標に向かって真剣に話し合う中で、それまで気づかなかった相手の一面や大切にしている想いが見えてきます。

予算、将来、日々の暮らし、そしてお互いの夢を丁寧にすり合わせていく作業は、まさに夫婦の未来を共にデザインすることに他なりません。

時には意見が合わず、もどかしい思いをすることもあるでしょう。しかし「家族みんなが幸せに暮らせる家を建てたい」という共通の目的に立ち返り、お互いの意見に真摯に耳を傾け、柔軟に取り入れる姿勢が最終的な満足度を左右します。

完成する家は単なる建物ではなく、夫婦の協力と愛情が詰まった世界でたった一つの作品となるでしょう。

 

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