共働きがしんどい…疲れる理由と生活をラクにするポイント

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仕事も家事も育児も、どれも手を抜けなくて「共働き、正直しんどい」と感じているママやパパは多いのではないでしょうか。毎日を必死に回しているのに、休んでも疲れが取れず、「私のやり方が悪いのかな」と自分を責めてしまうこともありますよね。でも、そのしんどさはあなた個人の問題ではなく、共働きという生活構造そのものが抱える負担によるもの。
今回の記事では、共働きがなぜこんなにしんどいのかを整理しながら、気持ちと暮らしを少しラクにするヒントをお伝えします。
共働きしんどい…共働き世帯の現状
近年、「共働きが当たり前」と感じる場面が増えていますが、これは感覚だけでなく、実際のデータにもはっきり表れています。厚生労働省の白書などによると、日本では1990年代後半以降、共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、現在では共働き世帯が家庭の主流となっています。つまり、共働きの忙しさやしんどさは、一部の家庭だけの問題ではなく、多くの家庭が共通して抱える状況だと言えます。
共働き世帯はどれくらい増えている?

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以下は、共働き世帯と専業主婦世帯の推移を整理したものです。
昭和60年(1985年)と令和3年(2021年)を比較すると、男性雇用者と無業の妻から成る世帯(専業主婦世帯)は半減していることがわかります。
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男性雇用者と無業の妻から成る世帯(専業主婦世帯) |
雇用者の共働き世帯(妻がパート(週35時間未満就業)) |
雇用者の共働き世帯(妻がフルタイム(週35時間以上就業) |
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昭和60年 (1985年) |
936万 |
228万 |
461万 |
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令和3年 (2021年) |
458万 |
691万 |
486万 |
共働き世帯が増えた背景
共働きが増えた理由の一つは、家計を支えるために複数の収入が必要になったことです。物価の上昇や教育費の増加などにより、1人分の収入だけでは生活を維持しにくい家庭が増えました。また、女性の就業機会が広がり、「結婚や出産をしても働き続ける」という選択が自然なものとして受け止められるようになったことも大きな要因です。
さらに、価値観の変化も見逃せません。仕事と家庭を両立したいと考える人が増えた一方で、制度や支援体制は十分とは言えず、結果として仕事・家事・育児を同時に担う負担が各家庭に集中しやすい構造になっています。
このような背景から、共働き世帯は増え続ける一方で、「忙しい」「余裕がない」「しんどい」と感じやすい状況も生まれやすくなっているのが現状といえます。
出典:「令和6年版 厚生労働白書(令和5年度厚生労働行政年次報告)―こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に―」/厚生労働省
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共働きがしんどい理由
共働きがしんどく感じるのは、気持ちの問題や努力不足ではありません。仕事・家事・育児を同時に回す生活そのものが、負荷の大きい構造になっているためです。まずは「なぜこんなに大変なのか」を言語化することが、心をラクにする第一歩になるかもしれません。
仕事+家事+育児のトリプル負担

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共働き世帯では、仕事だけでなく、家事や育児も並行して担う必要があります。どれか一つでも大変なのに、すべてを同時にこなす状況では負担が重くなるのは当然です。特に子どもが小さい時期は突発的な対応も多く、計画通りに進まないことがしんどさにつながってしまうでしょう。
タスクが多すぎる・常に時間に追われている
平日は朝から晩まで「やること」に追われがちです。仕事の締切、保育園や学校の準備、買い物、食事の用意など、細かいタスクが積み重なります。一つひとつは小さくても、終わりのないタスクに追われる感覚が疲労を蓄積させてしまうかもしれません。
頭の中が休まらない状態
共働きのしんどさは、体力面だけではありません。「次はこれをやらなきゃ」「明日はどうする?」と、常に頭がフル回転している状態が続きます。休んでいるつもりでも思考が止まらず、十分に回復できないことが慢性的な疲れにつながります。
役割が曖昧で負担が偏りやすい
共働きの場合、家事や育児の分担が曖昧なまま進んでしまうことがあります。その結果、気づいた方・できる方が多くを引き受け、一方に負担が集中しがちです。不公平感や「自分ばかり大変」という思いが、精神的なしんどさを強める原因になってしまうようです。
休んでも罪悪感が残る
忙しい日々の中で休む時間が取れても、「やることが残っている」「もっと頑張らなきゃ」と罪悪感を抱いてしまう人は少なくありません。休息が心から休みにならず、結果的に疲れが抜けない状態が続いてしまいます。
共働きのしんどさがピークになりやすいタイミング
共働きの生活は、常に一定の大変さがあるわけではありません。特定のタイミングで負荷が一気に高まり、「もう限界かも…」と感じやすくなります。あらかじめピークを知っておくことで、自分を責めずに対処しやすくなります。
ここからは、共働きのしんどさがピークになりやすいタイミングを見てみましょう。
子どもが小さい時期

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未就学児や低学年の時期は、生活のほとんどを親がサポートする必要があります。夜泣きや急な体調不良、イヤイヤ期への対応など、予測できない出来事が日常的に起こります。睡眠不足と気の抜けない毎日が続き、心身ともに疲れがたまりやすい時期といえるでしょう。
環境の変化がある時
入園や進級、職場での異動など、生活リズムが変わる時期はしんどさが増しやすくなります。新しい環境に親も子も慣れるまで時間がかかり、気持ちに余裕がなくなりがちです。「早く軌道に乗せなきゃ」という焦りが疲れを強めてしまうでしょう。
どちらかの仕事が忙しい時
夫婦のどちらかの仕事が繁忙期に入ると、家庭内のバランスが崩れやすくなります。一時的に負担をカバーしているつもりでも、それが長く続くと心身に無理が出てきます。「今は仕方ない」と我慢し続けることで、しんどさが限界に近づいてしまうかもしれません。
家族の体調不良が重なる時
子どもの発熱や家族の体調不良が重なると、共働き家庭は一気に回らなくなります。仕事を休む調整、看病、家事の負担が同時にのしかかり、精神的な余裕がなくなります。「迷惑をかけているかも」という思いが、さらに心を疲れさせてしまいます。
【仕事編】共働きのしんどさを減らす具体的な対処法
共働きのしんどさは、「頑張り方」の問題ではなく、働き方や環境の影響が大きいものです。仕事の負担を少し調整するだけでも、生活全体がぐっとラクになることがあります。
無理を続ける前に、仕事面で見直せるポイントを確認していきましょう。
働き方の見直し

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時短勤務やフレックスタイム、在宅勤務など、働き方の選択肢を検討することは重要です。通勤時間が減るだけでも、心と体の余裕は大きく変わります。「今の働き方が合っているか」を一度立ち止まって考えることが、しんどさ軽減の第一歩になるかもしれません。
業務量・役割の調整
仕事量が多すぎる場合、抱え込まずに上司やチームに相談することも大切です。業務の優先順位を整理したり、役割を一部引き継いだりするだけでも負担は変わります。「全部自分でやらなければならない」という思い込みを手放すことが、長く働き続けるためのポイントといえます。
異動・配置換えの検討
業務内容や部署の性質が、今の生活と合っていないケースも少なくありません。残業が多い部署や突発対応が多い業務は、子育てとの両立が特に難しくなります。異動や配置換えを検討することは、逃げではなく生活を守るための選択肢といえるでしょう。
休職・ペースダウンという選択肢
心身の疲れが限界に近い場合は、休職や一時的なペースダウンも考えてよい選択です。「続けられなくなる前に立ち止まる」ことは、自分と家族を守る行動でもあります。今後も働き続けるために必要な“回復の時間”として捉えてみるといいかもしれません。
【家事・育児編】共働きのしんどさを減らす具体的な対処法
共働き家庭のしんどさは、仕事だけでなく「家の中の負担」が大きく影響しています。家庭のやり方を少し変えるだけでも、毎日の余裕は確実に変わります。完璧を目指すのではなく、「続けられる形」を意識することが大切です。
家事の基準を下げる

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毎日きれいに掃除する、手作りの食事を用意するなど、高すぎる家事の基準は負担を増やしてしまうでしょう。「今日はここまででOK」と基準を下げることで、心の余白が生まれます。家事は評価されるものではなく、暮らしを回すための手段と割り切る視点が役立ちます。
時短家電・外部サービスの活用
食洗機やロボット掃除機、乾燥機付き洗濯機などの時短家電は、共働き家庭の強い味方といえます。また、宅配食材や家事代行などの外部サービスも「頼りすぎ」ではありません。時間と体力をお金で買うという考え方は、生活を守るための合理的な選択です。
家事・育児の分担見直し
「手伝ってもらう」という感覚ではなく、役割として分担する意識が大切です。どちらか一方に負担が偏っていると、不満や疲労がたまりやすくなります。定期的に「今の分担、きつくない?」と話し合うことで、無理を早めに調整できるかもしれません。
子どもにできることを任せる視点
年齢に応じて、子どもにできることを少しずつ任せるのも一つの方法です。自分の準備や簡単なお手伝いを任せることで、親の負担が減るだけでなく、子どもの自立心も育ちます。完璧にできなくても「やってみたこと」を大切にする姿勢がポイントです。
一人で抱え込まない工夫
共働きのしんどさは、誰か一人が我慢することで解決するものではありません。パートナーだけでなく、家族や友人、地域のサービスなど、頼れる先を増やすことが大切です。「助けを求める=弱さ」ではなく、生活を回すための力だと考えてみるといいかもしれません。
共働きの辛さが少しラクになる考え方

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共働きの生活は、頑張っても終わりが見えにくく、気づかないうちに心がすり減ってしまいがちです。しんどさを感じるのは、甘えや能力不足ではありません。考え方を少し整理するだけで、自分を責めすぎずに日々を乗り切れるようになります。
完璧を手放し、「今は回す時期」と考える
仕事も家庭も100点を目指そうとすると、疲れが積み重なるのは当然です。特に子どもが小さい時期や忙しさが重なる時は、「整える」「楽しむ」よりも、生活を回すことが最優先で問題ありません。今は踏ん張りどきだと割り切ることで、終わりの見えないしんどさに飲み込まれにくくなるかもしれません。
家庭はチーム、しんどさは失敗ではない
家庭は一人で背負うものではなく、家族全員で支え合うチームです。誰かが疲れている時に誰かが補う、それで十分に成り立ちます。共働きがしんどいと感じるのは、きちんと向き合っている証拠であり、失敗ではありません。まずは「よくやっている」と自分を認めることが、ラクになる第一歩といえるでしょう。
それでも限界を感じたら考えていい選択肢
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どんなに工夫しても、「これ以上はしんどい」と感じる瞬間は訪れます。そこまで頑張ってきたからこそ、立ち止まって考えていいタイミングです。無理を続けるのではなく、形を変えることも大切な選択肢になるでしょう。
環境を変えることは「逃げ」ではない
働き方や住環境、サポート体制を見直すことは、投げ出すこととは違います。今のやり方が合わなくなっただけで、状況に合わせて選択を変えるのは自然なことです。自分や家族を守るための調整は、前向きな判断だと捉えてみましょう。
一人で抱え込まず、頼る・相談する
限界を感じた時ほど、周囲に助けを求めることが大切です。家族、友人、職場、外部サービスなど、使える手は思っている以上にあります。頼ることは弱さではなく、続けるための力を借りる行為といえるでしょう。
家族全体が「続けられる形」を探す
仕事・家事・育児のすべてを完璧にこなす必要はありません。今の暮らしで何を一番大切にしたいのか、優先順位を整理してみましょう。家族みんなが無理なく続けられる形を見つけることが、長い目で見た安心につながるでしょう。
【まとめ】共働きがしんどいと感じるのは、あなたのせいじゃない

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今回の記事では、共働きがなぜこんなにしんどいのかを整理しながら、気持ちと暮らしを少しラクにするヒントをお伝えしました。
共働きがしんどいと感じるのは、頑張りが足りないからではありません。仕事・家事・育児を同時に担う生活は、構造的に負担が大きく、ママやパパにとっても大変なものです。まずは「つらいと感じるのは自然なこと」と認めてあげることが大切です。
できることから少しずつ、働き方や家事の基準、周囲の頼り方を見直すだけでも、心と生活は軽くなっていきます。無理を続けるより、続けられる形を探すことが、家族にとっての安心につながるでしょう。
「完璧にこなす」よりも、「今日を乗り切る」。共働きの毎日は、その積み重ねで十分といえるでしょう。